丞すすむ

丞すすむ（じょう）は、かつて中国ちゅうごくと日本にっぽんにあった中級ちゅうきゅうの官職かんしょくの接尾せつび語ごである。元もとの字義じぎは「補佐ほさ」。個々ここの官職かんしょくの正式せいしきの名なは、太ふとし史し丞すすむ、大農だいのう丞すすむなど、属ぞくする機関きかんの名なと「丞すすむ」を組くみ合あわせたものである。長官ちょうかんの丞すすむはなく、次官じかんか、それより下したの補佐ほさ官かんとなる。小吏しょうりではないが、高官こうかんとも言いえない中級ちゅうきゅうの官吏かんりである。

前漢ぜんかんでは次官じかんであった。御ご史し大夫たいふのような最上級さいじょうきゅうの高官こうかんから、県令けんれいのような地方ちほう官かんまで、さまざまな役所やくしょには、多おおくの場合ばあい、次官じかんとして丞すすむがついた。一部いちぶ、丞相じょうしょう・太ふとし尉じょうや将軍しょうぐん（前後ぜんご左右さゆう将軍しょうぐん）の次官じかんが長ちょう史ふみであったり、廷尉の次官じかんが廷尉正せいであったりという例外れいがいはあったが、数かずは少すくない。長ちょう史しと丞すすむがともに配置はいちされた辺あたり郡ぐん（辺境へんきょうの郡ぐん）では、丞すすむのほうが下した、すなわち三さん番目ばんめの官かんになった。

唐とうでは四等官しとうかんの3番目ばんめにあてられた。

日本にっぽんの律令制りつりょうせいでも四等官しとうかんの3番目ばんめにあたり、中務なかつかさ省しょう・式部しきぶ省しょうなどの八はち省しょうに大だい丞すすむと少しょう丞すすむがあった。官位かんい令れいの官位かんい相当そうとうでは、大だい丞すすむが正せい六ろく位い、少しょう丞すすむが従したがえ六ろく位いである。

参考さんこう文献ぶんけん

• 井上いのうえ光貞みつさだ・関せき晃あきら・土田つちた直ただし鎮・青木あおき和夫かずお『律令りつりょう』（日本にっぽん思想しそう体系たいけい新装しんそう版ばん）、岩波書店いわなみしょてん、1976年ねん初版しょはん、1994年ねん新装しんそう版ばん。
• 大庭おおば脩おさむ『秦はた漢かん法制ほうせい史し研究けんきゅう』、創そう文ぶん社しゃ、1982年ねん。
• 大庭おおば脩おさむ監修かんしゅう、漢書かんしょ百官ひゃっかん公卿くぎょう表ひょう研究けんきゅう会かい『漢書かんしょ百官ひゃっかん公卿くぎょう表ひょう訳注やくちゅう』、朋友ほうゆう書店しょてん、2014年ねん。

関連かんれん項目こうもく

• 四等官しとうかん