伊藤いとう漱平

伊藤いとう漱平

人物じんぶつ情報じょうほう
生誕せいたん	(1925-10-20) 1925年ねん10月がつ20日はつか 日本にっぽん愛知あいち県けん碧海あおみ郡ぐん
死没しぼつ	2009年ねん12月21日にち(2009-12-21)（84歳さい没ぼつ）
出身しゅっしん校こう	東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく
学問がくもん
研究けんきゅう分野ぶんや	中国ちゅうごく文学ぶんがく
研究けんきゅう機関きかん	島根大学しまねだいがく、大阪市立大学おおさかいちりつだいがく、東京大学とうきょうだいがく、二松學舍大学にしょうがくしゃだいがく

伊藤いとう 漱平（いとう そうへい、1925年ねん10月がつ20日はつか - 2009年ねん12月21日にち）は、日本にっぽんの中国ちゅうごく文学ぶんがく者しゃ。東京大学とうきょうだいがく名誉めいよ教授きょうじゅ、二松學舍大学にしょうがくしゃだいがく名誉めいよ教授きょうじゅ。

経歴けいれき

1925年ねん、愛知あいち県けん碧海あおみ郡ぐんに生うまれた。刈谷かりや中学校ちゅうがっこう、第一高等学校だいちこうとうがっこうを経へて、東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく支ささえ那な哲あきら文学ぶんがく科かを卒業そつぎょう、大学院だいがくいんに進学しんがくした。1949年ねんに大学院だいがくいん博士はかせ課程かていを退学たいがく。同どう1949年ねんに北海道大学ほっかいどうだいがく助手じょしゅとして着任ちゃくにんした。

1955年ねん、島根大学しまねだいがく講師こうしに就任しゅうにん。1960年ねんより大阪市立大学おおさかいちりつだいがく助教授じょきょうじゅ。1970年ねんより北海道大学ほっかいどうだいがく中国ちゅうごく文学ぶんがく科か教授きょうじゅ。1977年ねんより東京大学とうきょうだいがく中国ちゅうごく文学ぶんがく科か教授きょうじゅとなった。1986年ねんに東京とうきょう大学だいがくを定年ていねん退官たいかんし、名誉めいよ教授きょうじゅとなった。その後ごは二松學舍大学にしょうがくしゃだいがく教授きょうじゅとして教鞭きょうべんをとった。また、1989年ねんから1993年ねんにかけて第だい6代だい二松學舍大学にしょうがくしゃだいがく学長がくちょうを務つとめ、国際こくさい政治せいじ経済学部けいざいがくぶの設置せっちに尽力じんりょくした。

学界がっかいでは、1987年ねんから1988年ねんまで日本にっぽん中国ちゅうごく学会がっかい理事りじ長ちょうを務つとめた。

受賞じゅしょう・栄典えいてん

• 2002年ねん春はる：勲くん三さん等とう旭日きょくじつ中ちゅう綬章じゅしょう受勲じゅくん。

研究けんきゅう内容ないよう・業績ぎょうせき

• 『紅べに楼ろう夢ゆめ』の訳わけ・研究けんきゅうで知しられる。松枝まつえだ茂夫しげおに続つづいて、紅べに楼ろう夢ゆめの完訳かんやくを果はたした。
• 関連かんれん蔵書ぞうしょは没後ぼつご東京大学とうきょうだいがく東洋とうよう文化ぶんか研究所けんきゅうじょ図書としょ室しつに寄贈きぞうされ、「両りょう紅べに軒のき文庫ぶんこ」が設置せっちされた。
  　汲古書院しょいんで、旧きゅう蔵書ぞうしょ・影印本えいいんぼん『紅べに楼ろう夢ゆめ』、『嬌紅記き』が刊行かんこう。著作ちょさくは『伊藤いとう漱平著作ちょさく集しゅう』(全ぜん5巻かん)にまとめられている。

著作ちょさく

• 『兒戯じぎ生涯しょうがい 一いち讀書どくしょ人じんの七なな十じゅう年ねん』汲古書院しょいん、1994年ねん
• 『伊藤いとう漱平著作ちょさく集しゅう』 汲古書院しょいん（全ぜん5卷かん）　
  • 第だい1・2・3卷かん 「紅べに樓ろう夢ゆめ編へん」2005～2008年ねん
  • 第だい4卷かん「中國ちゅうごく近世きんせい文學ぶんがく編へん」2009年ねん
  • 第だい5卷かん ｢中國ちゅうごく近きん現代げんだい文學ぶんがく・日本にっぽん文学ぶんがく文學ぶんがく編へん｣・｢著者ちょしゃ自じ訂てい年譜ねんぷ｣・ ｢著ちょ訳やく論文ろんぶん目録もくろく｣ 2011年ねん

翻訳ほんやく

• 『紅べに楼ろう夢ゆめ評論ひょうろん』王おう国雄くにお、『中国ちゅうごく現代げんだい文学ぶんがく選集せんしゅう1』平凡社へいぼんしゃ 1963年ねん
• 『われら愛情あいじょうの種たねをまく』徐じょ懐中かいちゅう、『中国ちゅうごく現代げんだい文学ぶんがく選集せんしゅう13』平凡社へいぼんしゃ 1963年ねん
• 『紅べに楼ろう夢ゆめ』曹雪芹せり・高こう蘭らん墅 、平凡社へいぼんしゃ(全ぜん3巻かん) 1960年ねん、新版しんぱん1970年ねんほか
  • 改訳かいやく：平凡社へいぼんしゃライブラリー (全ぜん12巻かん) 1996-1997年ねん
• 『嬌紅記き』宋そう遠とお 「中国ちゅうごく古典こてん文学ぶんがく大系たいけい38」平凡社へいぼんしゃ 1973年ねん
  • 「今こん古こ奇観きかん 下した」と併収。駒田こまだ信二しんじ、立間たちま祥さち介かいと共とも訳やく。

編著へんちょ

• 「中国ちゅうごくの古典こてん文学ぶんがく」東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱん会かい 1981年ねん
• 「魯迅ろじん・増田ますだ渉わたる師弟してい答こたえ問とい集しゅう」汲古書院しょいん 1986年ねん(中島なかじま利郎としろうと共編きょうへん)
• 「雑書ざっしょ雑談ざつだん」増田ますだ渉わたる 汲古書院しょいん 1983年ねん(編へん・解題かいだい)
• 「連れん城じょう璧」、李り漁りょう、｢照あきら世よ盃さかずき｣酌しゃく玄げん亭主ていしゅ人じん(全ぜん3巻かん) 汲古書院しょいん 1988年ねん(影印えいいん解題かいだい)

論文ろんぶん

• 〈《紅べに樓ろう夢ゆめ》成なり書しょ史し臆說おくせつ―圍繞いじょう七なな十じゅう回かい本ほん存在そんざい的てき可能かのう性せい〉《國外こくがい社會しゃかい科學かがく》1994年ねん9月がつ
• 〈論ろん曹雪芹せり晚年ばんねん的てき〞佚著〞―圍繞いじょう《廢はい藝げい齋とき集しゅう稿こう》等とう真偽しんぎ問題もんだい的てき札さつ記き〉《紅べに樓ろう夢ゆめ研究けんきゅう集しゅう刊かん》1981年ねん10月がつ
• 「李り笠かさ翁おきなの像ぞう画が（上うえ）」『汲古』1988年ねん12月
• 「李り笠かさ翁おきなの像ぞう画が（下した）」『汲古』1990年ねん6月がつ
• 〈′九七北京國際紅樓夢學術研討會開幕式上的致詞〉《紅べに樓ろう夢ゆめ學がく刊かん》1997年ねん增刊ぞうかん
• 「近世きんせい食しょく文化ぶんか管かん窺――『金瓶かなかめ梅うめ』『紅べに楼ろう夢ゆめ』を”材料ざいりょう“として―」株式会社かぶしきがいしゃコミュニケーション、1992年ねん
• 〈二に十じゅう一いち世紀せいき紅べに學がく展望てんぼう―一いち個こ外國がいこく學者がくしゃ論述ろんじゅつ《紅べに樓ろう夢ゆめ》的てき翻譯ほんやく問題もんだい〉《紅べに樓ろう夢ゆめ學がく刊かん》1997年ねん增刊ぞうかん
• 〈《紅べに樓ろう夢ゆめ》在ざい日本にっぽん的てき流傳りゅうでん―江戶えど幕府ばくふ末まつ年ねん至いたり現代げんだい〉《紅べに樓ろう夢ゆめ研究けんきゅう集しゅう刊かん》1989年ねん10月がつ
• 「日本にっぽんにおける『紅べに楼ろう夢ゆめ』の流行りゅうこう―幕末ばくまつから現代げんだいまでの書誌しょし的てき素描そびょう」『中国ちゅうごく文学ぶんがくの比較ひかく文学ぶんがくの研究けんきゅう」1986年ねん
• 〈漫談まんだん日本にっぽん《紅べに樓ろう夢ゆめ》研究けんきゅう小史しょうし〉《首くび屆とどけ國際こくさい紅べに樓ろう夢ゆめ研究けんきゅう會かい論ろん文集ぶんしゅう》1983年ねん
• 「曲亭馬琴きょくていばきんと曹雪芹せりと―和漢わかんの二に大だい小説しょうせつ家かを對比たいひして論ろんず―」『二松ふたまつ』1994年ねん
• 「紅べに楼ろう夢ゆめ八はち十じゅう回かい校本こうほんについて」『大安たいあん』1958年ねん7月がつ
• 「紅べに樓ろう夢ゆめ圖畫ずが――改あらため琦『紅べに樓ろう夢ゆめ圖ず詠えい』を中心ちゅうしんに――」『二松学舎大学にしょうがくしゃだいがく東洋とうよう学がく研究所けんきゅうじょ集しゅう刊かん』1996年ねん

記念きねん論集ろんしゅう

• 「中国ちゅうごく学がく論集ろんしゅう 伊藤いとう漱平教授きょうじゅ退官たいかん記念きねん」同どう刊行かんこう委員いいん会かい編へん、汲古書院しょいん 1986年ねん

伊藤いとう漱平に関かんする研究けんきゅう

• 丁ちょう瑞みずほ瀅2005 『紅べに楼ろう夢ゆめ伊藤いとう漱平日び訳本やくほんの研究けんきゅう』台湾たいわん銘めい傳でん大学だいがく修士しゅうし論文ろんぶん
• 孫まご玉だま明あかり2005〈伊藤いとう漱平的てき紅べに學がく成就じょうじゅ《紅べに樓ろう夢ゆめ學がく刊かん》2005年ねん第だい1輯

外部がいぶリンク

• 東京大学とうきょうだいがく東洋とうよう文化ぶんか研究所けんきゅうじょHPでの蔵書ぞうしょ紹介しょうかい