伊藤いとう瑞みずほ叡あきら

伊藤いとう 瑞みずほ叡あきら（いとう ずいえい、1942年ねん〈昭和しょうわ17年ねん〉5月がつ20日はつか - 2020年ねん〈令れい和わ2年ねん〉8月がつ3日にち ）は、日本にっぽんの仏教ぶっきょう学者がくしゃ、日蓮宗にちれんしゅう僧侶そうりょ。立正大学りっしょうだいがく仏教ぶっきょう学部がくぶ名誉めいよ教授きょうじゅ、立正大学りっしょうだいがく大学院だいがくいん文学ぶんがく研究けんきゅう科か長ちょう。日蓮宗にちれんしゅう大本山だいほんざん山科やましな本圀寺ほんごくじ第だい百ひゃく四よん世せい貫首かんじゅ。法号ほうごうは沙羅さら院いん日び慈。

経歴けいれき・人物じんぶつ

札幌さっぽろ市しの瑞みず玄げん寺てらに生うまれ、遠野とおの市しの智恩寺ちおんじ、札幌さっぽろ市しの本ほん龍りゅう寺てらで育そだつ。父ちちは本圀寺ほんごくじ第だい六ろく十じゅう三さん世せい貫首かんじゅの伊藤いとう日にち瑞みず。

1965年ねん（昭和しょうわ40年ねん）、早稲田大学わせだだいがく第だい一いち文学部ぶんがくぶ哲学てつがく科か卒業そつぎょう。1968年ねん（昭和しょうわ43年ねん）、東京大学とうきょうだいがく大学院だいがくいん人文じんぶん科学かがく研究けんきゅう科かインド哲学てつがく専攻せんこう修士しゅうし課程かてい修了しゅうりょう。1973年ねん（昭和しょうわ48年ねん）、同どう大学院だいがくいん博士はかせ課程かてい修了しゅうりょう、東京大学とうきょうだいがく文学ぶんがく博士はかせ。1984年ねん11月、早稲田大学わせだだいがく文学ぶんがく博士はかせ。論題ろんだいは「十じゅう地ち経けいにおける菩薩道ぼさつどうとその歴史れきし的てき発展はってんの研究けんきゅう」。

1980年ねん（昭和しょうわ55年ねん）から立正大学りっしょうだいがく仏教ぶっきょう学部がくぶ助教授じょきょうじゅ、1986年ねん（昭和しょうわ61年ねん）から同どう教授きょうじゅ。東京大学とうきょうだいがく、早稲田大学わせだだいがく、信州大学しんしゅうだいがくの講師こうしも歴任れきにん。

1995年ねん（平成へいせい7年ねん）より仏教ぶっきょう思想しそう学会がっかい理事りじ（後のちに理事りじ長ちょう）。1591年ねん（天正てんしょう9年ねん）開ひらき創そうで2007年ねん（平成へいせい19年ねん）に再興さいこうされた本圀寺ほんごくじの檀林だんりんである求法ぐほう講こう院いんの院長いんちょうとして日蓮にちれん教学きょうがくの研究けんきゅうを主導しゅどうした。

サンスクリット語ごや西洋せいよう哲学てつがくに通暁つうぎょうし、カント、ヘーゲルらドイツ観念論かんねんろん、スピノザ、ベルクソン、パーソンズなど現代げんだいの社会しゃかい学がく、社会しゃかいシステム理論りろんを仏教ぶっきょう学がくに応用おうようした独自どくじの体系たいけい的てき理論りろんを構築こうちくしている。特とくに地政学ちせいがくと宗教しゅうきょう学がくとの関かかわりに深ふかく言及げんきゅうしており、「宗教しゅうきょう地政学ちせいがく（Religio-Geopolitics）」という新あらたなディシプリンを提案ていあんしている。

2013年ねん（平成へいせい25年ねん）3月がつ、立正大学りっしょうだいがくを定年ていねん退職たいしょくし同大どうだい名誉めいよ教授きょうじゅとなる。5月、大光たいこう山さん本圀寺ほんごくじに晋すすむ山さん、再さい住じゅう104世せい貫首かんじゅとなる。

2020年ねん（令れい和わ2年ねん）8月がつ3日にち、遷化せんげ。

受賞じゅしょう歴れき

• 1965年ねん - 小野おの梓あずさ記念きねん学術がくじゅつ賞しょう
• 1973年ねん - 日本にっぽん印度いんど学がく仏教ぶっきょう学会がっかい学術がくじゅつ賞しょう
• 1995年ねん - 坂さか本日ほんじつ深ふか学術がくじゅつ賞しょう
• 1997年ねん - 佐倉さくら市し教育きょういく功労賞こうろうしょう
• 2004年ねん - 立正大学りっしょうだいがく仏教ぶっきょう文化ぶんか学術がくじゅつ賞しょう

著書ちょしょ

単たん著ちょ

• 『幼児ようじ教育きょういくの三さん要よう︰ほとけの心しんをはぐくむ』（世界せかい聖典せいてん刊行かんこう協会きょうかい、ぼんブックス、1985）
• 『華厳けごん菩薩道ぼさつどうの基礎きそ的てき研究けんきゅう』（平楽へいらく寺てら書店しょてん 1988）
  • 増補ぞうほ版ばん『華厳けごん菩薩道ぼさつどうの基礎きそ的てき研究けんきゅう︰十じゅう地ち経けいにおける菩薩道ぼさつどうとその歴史れきし的てき発展はってん』（国書刊行会こくしょかんこうかい、2013）
• 『日蓮にちれん精神せいしんの現代げんだい』（大蔵おおくら出版しゅっぱん、1989）
• 『立たて正安まさやす国論こくろんを現代げんだいに読よむ』（展てん転てん社しゃ、1989）　
• 『仏教ぶっきょうの思想しそうと現代げんだい』（隆文たかふみ館かん、1990）
• 『新しん時代じだいの布教ふきょう精神せいしん』（隆文たかふみ館かん、1991）
• 『法華経ほけきょうの真実しんじつと救済きゅうさい』（隆文たかふみ館かん、1991）
• 『新しん時代じだいの折伏しゃくぶく様式ようしき』（隆文たかふみ館かん、1992）
• 『新しん時代じだいの四よん大だい格言かくげん』（隆文たかふみ館かん、1993）
• 『法華ほっけ菩薩道ぼさつどうの基礎きそ的てき研究けんきゅう』（平楽へいらく寺てら書店しょてん 2004）
• 『宗教しゅうきょう地政学ちせいがく入門にゅうもん︰立りつ正安まさやす国論こくろんで現代げんだいを読よむ―』（華はな林山はやしやま文庫ぶんこ）
• 『法華経ほけきょう成立せいりつ論ろん史し︰法華経ほけきょう成立せいりつの基礎きそ的てき研究けんきゅう―』（平楽へいらく寺てら書店しょてん、2007）
• 『法華ほっけ仏教ぶっきょう学がく入門にゅうもん』（華はな林山はやしやま文庫ぶんこ）

共編きょうへん著ちょ

• （湯田ゆだ豊ゆたか）『インド思想しそうおよび仏教ぶっきょう』（錦にしき正せい社しゃ、1972）
• 『梵文ぼんぶん法華経ほけきょう写本しゃほん集成しゅうせい』第だい1～第だい12（梵文ぼんぶん法華経ほけきょう刊行かんこう会かい）
• 『仏教ぶっきょう研究けんきゅう入門にゅうもん』（大蔵おおくら出版しゅっぱん）
• （塚田つかだ貫ぬき康やすし、村上むらかみ征勝まさかつ、五十嵐いがらし信彦のぶひこ）『梵文ぼんぶん法華経ほけきょう荻原おぎわら・土田つちた本ほん総そう索引さくいん』（勉つとむ誠まこと社しゃ、1993）
• 『三さん大だい秘法ひほう抄しょうの研究けんきゅう︰三さん部ぶ作さく』（隆文たかふみ館かん、1997）

1. 『なぜいま三さん大だい秘法ひほう抄しょうか――計量けいりょう文献ぶんけん学がく入門にゅうもん』
2. 『三さん大だい秘法ひほう抄しょうなぜ眞ま作さっか――計量けいりょう文献ぶんけん学がく序説じょせつ』
3. 『三さん大だい秘法ひほう抄しょうの真偽しんぎ論争ろんそう――本ほん門もん戒壇かいだん論ろん入門にゅうもん』

翻訳ほんやく

• ウィリアム・モンゴメリー・マックガヴァン『大乗だいじょう仏教ぶっきょう序説じょせつ』（大東だいとう出版しゅっぱん）1979
• 衞藤えとう即應そくおう訳わけ、伊藤いとう瑞みずほ叡あきら校訂こうてい『國くに譯やく一切経いっさいきょう（印度いんど撰述せんじゅつ部ぶ 華嚴けごん部ぶ 1-4）』 （大東だいとう出版しゅっぱん社しゃ 1976）

記念きねん論ろん文集ぶんしゅう

• 『法華ほっけ仏教ぶっきょうと関係かんけい諸しょ文化ぶんかの研究けんきゅう 伊藤いとう瑞みずほ叡あきら博士はかせ古稀こき記念きねん論ろん文集ぶんしゅう』（山喜やまき房ぼう佛書ぶっしょ林りん、2013）

論文ろんぶん

• CiNii>伊藤いとう瑞みずほ叡あきら
• INBUDS>伊藤いとう瑞みずほ叡あきら

外部がいぶリンク

• 立正大学りっしょうだいがく大学院だいがくいん文学ぶんがく研究けんきゅう科か
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