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ばいぜん音符おんぷ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ひだり: 現代げんだいほうにおけるばいぜん音符おんぷ 中央ちゅうおう: 現代げんだい一部いちぶ楽譜がくふ使つかわれる定量ていりょうほうにおけるばいぜん音符おんぷ みぎ: ひだりばいぜん音符おんぷのあまり一般いっぱんてきではない形式けいしき

ばいぜん音符おんぷ(ばいぜんおんぷ)またはぜん音符おんぷ(にぜんおんぷ)[1][2]またはブレーベ[3](アメリカ英語えいご:double whole note、イギリス英語えいご:breve、double note(Baker 1895, 133; Burrowes 1874, 41))は、ぜん音符おんぷの2ばいながさの音符おんぷ現代げんだいほう使つかわれている2番目ばんめながおとである(Burrowes 1874, 41; Gerou and Lusk 1996, 210[出典しゅってん無効むこう])。

歴史れきし

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中世ちゅうせい定量ていりょうほうにおいて、brevis使つかわれていたもっとみじか音符おんぷの1つであった(Gehrkens 1914)。名前なまえは"brief"のラテン語らてんご語根ごこん由来ゆらいする。「完全かんぜんな」リズムモードでは、brevisはLongaの3ぶんの1、「不完全ふかんぜんな」モードではLongaの2ぶんの1であった(Hoppin 1978, [ようページ番号ばんごう])。

かたち

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現代げんだいてきほうでは、ばいぜん音符おんぷ一般いっぱんてきに2つの方法ほうほうあらわされる。1つは左側ひだりがわのように、ぜん音符おんぷのような中空なかぞらあたま左右さゆう1ほんか2ほんたてせんがあるもの、もう1つは中央ちゅうおうのようにふるほうられる長方形ちょうほうけいかたちをしたものである(Jacob 1960, 21; Read 1969, 459)。

ばいぜん音符おんぷは、現代げんだい一般いっぱんてき使つかわれている拍子ひょうし記号きごうの1小節しょうせつよりもながいため、イギリスの音楽おんがくのぞいてほとんどかけることがない。イギリスの音楽おんがくでは2ふん音符おんぷ拍子ひょうし単位たんいとしてよく使つかわれる(Gehrkens 1914, 11)。

ばい全休ぜんきゅう

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ばい全休ぜんきゅう

関連かんれんする記号きごうとしてばいぜんきゅう(ばいぜんきゅうふ)または全休ぜんきゅうとめ(にぜんきゅう(し)ふ)[1][4]があるが、これは通常つうじょうおな時間じかん無音むおん意味いみする(Burrowes 1874, 41; Read 1969, 93)。五線譜ごせんふうえから2番目ばんめせんと3番目ばんめあいだ垂直すいちょく方向ほうこう空間くうかん全体ぜんたいめる長方形ちょうほうけいあらわされる。2小節しょうせつ休止きゅうししめすために、別々べつべつ小節しょうせつ分割ぶんかつされていないなが無音むおん楽節がくせつでよく使つかわれる(Read 1969, 101)。このきゅうやこれよりながきゅう総称そうしょうして倍数ばいすうきゅう(multiple rest)とぶ(Read 1969, 99)。

拍子ひょうし記号きごう2/2のAlla breve(アラ・ブレーヴェ)はその名前なまえばいぜん音符おんぷ(breve)のおとからとっている。ルネサンスの定量ていりょうほうでは、これはproportio duplaわりの用語ようごであり、このことはbrevis通常つうじょうsemibrevisではなく時間じかん単位たんい(tactus)となされることを意味いみしていた。ふる記号きごうcut time定量ていりょうほうでは2:1という数字すうじ比率ひりつわりに使つかわれていたが、現代げんだいほうでは音符おんぷかたちごとの相対そうたいてきちいさいことをしめすために使つかわれている。通常つうじょう比較的ひかくてきはやテンポ音楽おんがく使つかわれ、4つの4ふん音符おんぷ小節しょうせつなかの2つの2ふん音符おんぷしめす。一方いっぽうcommon timeは4/4と等価とうかであり、4つの4ふん音符おんぷ拍子ひょうしである(Wright 2001)。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b 音楽之友社おんがくのともしゃ へん標準ひょうじゅん音楽おんがく辞典じてん音楽之友社おんがくのともしゃ、1966ねん 
  2. ^ 楽典がくてん解説かいせつ > 音符おんぷきゅう(おんぷときゅうふ)p.1”. 洗足せんそくオンラインスクール・オブ・ミュージック. 2020ねん6がつ18にち閲覧えつらん
  3. ^ 文部省もんぶしょう へん教育きょういくよう音楽おんがく用語ようご』1978ねん、108ぺーじhttps://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/sisaku/enkaku/pdf/2006_08_big_02.pdf 
  4. ^ 楽典がくてん解説かいせつ > 音符おんぷきゅう(おんぷときゅうふ) p.2”. 洗足せんそくオンラインスクール・オブ・ミュージック. 2020ねん6がつ18にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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  • Baker, Theodore. 1895. “Note”, A Dictionary of Musical Terms: Containing Upwards of 9,000 English, French, German, Italian, Latin, and Greek Words and Phrases, third edition, revised and enlarged. New York: G. Schirmer.
  • Burrowes, John Freckleton. 1874. Burrowes' Piano-forte Primer: Containing the Rudiments of Music Adapted for Either Private Tuition Or Teaching in Classes Together with a Guide to Practice, new edition, revised and modernized, with important additions, by L.H. Southard. Boston and New York: Oliver Ditson.
  • Gehrkens, Karl Wilson. 1914. Music Notation and Terminology. New York: The A.S. Barnes Co.; Chicago: Laidlaw Brothers.
  • Gerou, Tom, and Linda Lusk. 1996. Essential Dictionary of Music Notation. Essential Dictionary Series. Los Angeles: Alfred Music Publishing. ISBN 0-88284-730-9.
  • Hoppin, Richard H. 1978. Medieval Music. W W Norton & Company ISBN 0-393-09090-6.
  • Jacob, Archibald. 1960. Musical Handwriting: Or, How to Put Music on Paper, A Handbook for All Musicians, Professional and Amateur, second edition, revised. London: Oxford University Press.
  • Read, Gardner. 1969. Music Notation: A Manual of Modern Practice, second edition. Boston: Alleyn and Bacon, Inc.
  • Wright, Peter. 2001. "Alla breve". The New Grove Dictionary of Music and Musicians, second edition, edited by Stanley Sadie and John Tyrrell. London: Macmillan Publishers.

関連かんれん項目こうもく

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