音符おんぷ

この項目こうもくには、一部いちぶのコンピュータや閲覧えつらんソフトで表示ひょうじできない文字もじ（文字もじとしての音符おんぷなど）が含ふくまれています（詳細しょうさい）。

音符おんぷ（おんぷ、英えい: note）は、西洋せいよう音楽おんがくの楽譜がくふにおいて、音おとを書かき表あらわすのに使つかわれる符号ふごうである。

音符おんぷは五線譜ごせんふなどの中なかで、相対そうたい的てきな音おとの長ながさ（音おと価か）と時間じかん的てきな位置いち、および高たかさ（音おと高だか）を表あらわす。また、音おと価かによってその形かたちが異ことなる。それぞれの音符おんぷは、符ふ頭あたま（たま）、符ふ幹みき（ぼう）、符ふ尾お(符ふ鈎かぎ)（はた）の3部分ぶぶんから成なるが、符ふ尾おを欠かくもの、符ふ幹みきと符ふ尾おを欠かくものや、符ふ頭あたまが白しろ抜ぬきのものがある（書籍しょせきによっては、符ふ幹みき（ぼう）と符ふ尾お（はた）をまとめて符ふ尾おと呼よぶこともあり、またぼうを符ふ尾お、はたを符ふ鈎かぎと呼よんでいる場合ばあいもある）。時間じかん的てきな位置いちと音おと高だかは、五線譜ごせんふの中なかで符ふ頭あたまの位置いちによって示しめされる。

音符おんぷの対たいになるものに休きゅう符ふ（英語えいご版ばん）（きゅうふ、休止きゅうし符ふとも）がある。休きゅう符ふは音おとの出でないことを表あらわす。休きゅう符ふには音おと高だかがないので、原則げんそくとして譜表ふひょう上じょうの一定いっていの場所ばしょに書かかれるが、1つの譜表ふひょうに複数ふくすうの声こえ部ぶが書かかれるときや、連れん桁けたで繋つながった音符おんぷの間あいだに短みじかい休きゅう符ふを挟はさむときなどは、適宜てきぎ上下じょうげに移動いどうさせる。2分ふん休きゅう符ふ以上いじょうの休きゅう符ふは、譜ふ線せんとの対応たいおう関係かんけいを乱みださないように移動いどうさせ、五線ごせんの外そとに出でた場合ばあいや譜ふ線せんがない場合ばあいには加か線せんを用もちいる。休きゅう符ふは「休きゅう」という文字もじが含ふくまれるが、一般いっぱん的てきな休やすみや休暇きゅうかなどの「休やすんでも良よい」という意味いみではなく「必かならず休やすめ」という指示しじである。

音符おんぷや休きゅう符ふは原則げんそくとして続つづけて演奏えんそうされる。一部いちぶの打楽器だがっきなど長ながさが無ない楽器がっきに対たいしては音符おんぷの長ながさは休きゅう符ふとして扱あつかわれる（後述こうじゅつの「全ぜん音符おんぷ」と「4分ふん音符おんぷの後のちに続つづく3つの4分ふん休きゅう符ふ」は打楽器だがっきでは同おなじ意味いみになる。）。

基本きほん的てきな音符おんぷと休きゅう符ふの種類しゅるい[編集へんしゅう]

基本きほん的てきな音符おんぷの長ながさ（音おと価か）は、全ぜん音符おんぷを基準きじゅんとして、2分割ぶんかつあるいは2倍ばいを繰くり返かえす2の冪べきの体系たいけいとなっており、「○分ふん音符おんぷ」の○に入はいる数字すうじも2の冪べき乗数じょうすうである。

全ぜん音符おんぷ・全休ぜんきゅう符ふ（ぜんおんぷ・ぜんきゅうふ）: 基本きほんとなる音おと価かを持もつ。全休ぜんきゅう符ふは全ぜん音符おんぷ相当そうとうの休止きゅうしに用もちいられる他ほか、多おおくの拍子ひょうしにおいて、1小節しょうせつ休やすむことを表あらわす。全休ぜんきゅう符ふは線せんの下したに接せっして書かかれる。画像がぞうに示しめすように第だい3間あいだに書かかれるのが原則げんそくである。; 4分ふん音符おんぷ5拍はく以上いじょうある小節しょうせつで4分ふん音符おんぷ4つ分ぶんの休やすみとして表示ひょうじしその後ごも拍はくが続つづく場合ばあいは、左寄ひだりよせで全休ぜんきゅう符ふを書かく。1小節しょうせつ休やすみの場合ばあいの表示ひょうじは、その小節しょうせつの中央ちゅうおうに全休ぜんきゅう符ふを書かく。; 全ぜん音符おんぷ英えい semibreve, 米べい whole note, 独どく ganze, 仏ふつ ronde 伊い Intero; 全休ぜんきゅう符ふ仏ふつ pause 伊い semibreve
倍ばい全ぜん音符おんぷ・倍ばい全休ぜんきゅう符ふ: 全ぜん音符おんぷの2倍ばいの音おと価かを持もつ。倍ばい全ぜん音符おんぷにはいくつかの形かたちがある。倍ばい全休ぜんきゅう符ふは4/2拍子ひょうしの1小節しょうせつなど、倍ばい全ぜん音符おんぷ相当そうとうの休止きゅうしに用もちいられる他ほか、2小節しょうせつの休止きゅうしにも用もちいられる。また3/2拍子ひょうしの1小節しょうせつの休止きゅうしにも用もちいられることがある。倍ばい全休ぜんきゅう符ふは線せんと線せんの間あいだを埋うめて書かかれ、原則げんそくとして第だい3間あいだに書かかれる。; 英えい breve, 米べい double whole note, 独どく Doppelganze, 仏ふつ carée, 伊い(羅ら) brevis
ロンガ（英語えいご版ばん）: 全ぜん音符おんぷの4倍ばいの音おと価かを持もつ。ロンガ音符おんぷは現在げんざいの記き譜ふ法ほうが確立かくりつする以前いぜんの時代じだいに用もちいられていたが、現在げんざいでは用もちいられていない。ロンガ休きゅう符ふは現在げんざいでは4小節しょうせつの休止きゅうしに用もちいられる。
マクシマ: 全ぜん音符おんぷの8倍ばいの音おと価かを持もつ。マクシマ音符おんぷも現在げんざいの記き譜ふ法ほうが確立かくりつする以前いぜんの時代じだいに用もちいられていたが、現在げんざいでは用もちいられていない。マクシマ休きゅう符ふは現在げんざいでは8小節しょうせつの休止きゅうしに用もちいられる。
2分ふん音符おんぷ・2分ふん休きゅう符ふ（にぶおんぷ/にぶんおんぷ・にぶきゅうふ/にぶんきゅうふ）: 全ぜん音符おんぷの2分ぶんの1の音おと価か（基本きほん2拍はく）を持もつ。2分ふん休きゅう符ふは必かならず線せんの上うえに接せっして書かかれる。画像がぞうに示しめすように第だい3間あいだに書かかれるのが原則げんそくである。; 2分ふん音符おんぷ英えい minim, 米べい half note, 独どく halbe, 仏ふつ blanche, 伊い metà; 2分ふん休きゅう符ふ仏ふつ demi-pause, 伊い minima
4分ふん音符おんぷ・4分ふん休きゅう符ふ（しぶおんぷ/しぶんおんぷ・しぶきゅうふ/しぶんきゅうふ）: 全ぜん音符おんぷの4分ぶんの1の音おと価か（基本きほん1拍はく）を持もつ。4分ふん休きゅう符ふは下したの画像がぞうに挙あげたものの他ほか、8分ふん休きゅう符ふを左右さゆう反転はんてんさせた形かたちもある。; 4分ふん音符おんぷ英えい crotchet, 米べい quarter note, 独どく Viertelnote, 仏ふつ noire, 伊い quatro; 4分ふん休きゅう符ふ仏ふつ soupir, 伊い semiminima
8分ふん音符おんぷ・8分ふん休きゅう符ふ（はちぶおんぷ/はちぶんおんぷ・はちぶきゅうふ/はちぶんきゅうふ）: 全ぜん音符おんぷの8分ぶんの1の音おと価か（基本きほん2分ぶんの1拍はく）を持もち、音符おんぷの符ふ尾おおよび休きゅう符ふの黒くろ玉だまは1つである。8分ふん音符おんぷ以下いかの音符おんぷでは符ふ尾おが付つくが、同おなじ音符おんぷが続つづくときなどに符ふ尾おをつなげて書かくことができる。これを連れん桁けた（れんこう）という。連れん桁けたによって符ふ尾おが煩雑はんざつにならないばかりでなく、音符おんぷのまとまりがわかりやすくなる。; 8分ふん音符おんぷ英えい quaver, 米べい eighth note, 独どく Achtelnote, 仏ふつ croche, 伊い ottavo; 8分ふん休きゅう符ふ仏ふつ demi-soupir, 伊い croma; （イギリス式しき英語えいごの crotchet 4分ふん音符おんぷと、フランス語ふらんすごの croche 8分ふん音符おんぷを混同こんどうしないこと）
16分ふん音符おんぷ・16分ふん休きゅう符ふ: 全ぜん音符おんぷの16分ぶんの1の音おと価か（基本きほん4分ぶんの1拍はく）を持もち、音符おんぷの符ふ尾おおよび休きゅう符ふの黒くろ玉だまは2つである。; 16分ふん音符おんぷ英えい semiquaver, 米べい sixteenth note, 独どく Sechzehntelnote, 仏ふつ double croche, 伊い sedecesimo; 16分ふん休きゅう符ふ仏ふつ quart de soupir, 伊い semicroma
32分ふん音符おんぷ・32分ふん休きゅう符ふ: 全ぜん音符おんぷの32分ぶんの1の音おと価か（基本きほん8分ぶんの1拍はく）を持もち、音符おんぷの符ふ尾おおよび休きゅう符ふの黒くろ玉だまは3つである。; 32分ふん音符おんぷ英えい demisemiquaver, 米べい thirty-second note, 独どく Zweiunddreißigstelnote, 仏ふつ quadruple croche, 伊い trentaduesimo; 32分ふん休きゅう符ふ仏ふつ huitième de soupir, 伊い biscroma
64分ふん音符おんぷ・64分ふん休きゅう符ふ: 全ぜん音符おんぷの64分ぶんの1の音おと価かを持もち、音符おんぷの符ふ尾おおよび休きゅう符ふの黒くろ玉だまは4つである。; 64分ふん音符おんぷ英えい hemidemisemiquaver, 米べい sixty-fourth note, 独どく Vierundsechzigstelnote, 仏ふつ quintuple croche, 伊い sessantaquatresimo; 64分ふん休きゅう符ふ仏ふつ seizième de soupir, 伊い semibiscroma
128分ふん音符おんぷ・128分ふん休きゅう符ふ: 全ぜん音符おんぷの128分ぶんの1の音おと価かを持もち、音符おんぷの符ふ尾おおよび休きゅう符ふの黒くろ玉だまは5つである。ベートーヴェンのソナタ悲愴ひそうの第だい一いち楽章がくしょうやアルカンのグランドソナタの第だい四よん楽章がくしょうなどに用例ようれいあり。; 英えい semihemidemisemiquaver, 米べい hundred twenty-eighth note, 独どく Einhundertachtundzwanzigstelnote, 仏ふつ sextuple croche, 伊い centoventottesimo
256分ふん音符おんぷ（英語えいご版ばん）・256分ふん休きゅう符ふ: 全ぜん音符おんぷの256分ぶんの1の音おと価かを持もち、音符おんぷの符ふ尾おおよび休きゅう符ふの黒くろ玉だまは6つである。ベートーヴェンのピアノコンチェルト第だい3番ばんの第だい二に楽章がくしょうなどに用例ようれいあり。
更さらに音おと価かの小ちいさい音符おんぷ・休きゅう符ふ: 以上いじょうの音符おんぷ・休きゅう符ふから推おし進すすめていけば、より音おと価かの小ちいさい音符おんぷ・休きゅう符ふとしては、512分ふん音符おんぷ(休きゅう符ふ)、1024分ふん音符おんぷ(休きゅう符ふ)、2048分ふん音符おんぷ(休きゅう符ふ)、4096分ふん音符おんぷ(休きゅう符ふ)…が理論りろん上じょうは無限むげんに考かんがえられ、音符おんぷの符ふ尾おおよび休きゅう符ふの黒くろ玉だまは音おと価かが半分はんぶんになるごとに1つずつ増ふえていくことになる。実例じつれいとしては、Anthony Philip Heinrich作曲さっきょくのToccata Grande Cromaticaに1024分ふん音符おんぷ(元もとの譜面ふめんでは誤あやまって2048分ふん音符おんぷとなっている)の用例ようれいがあり、パロディ作品さくひんの妖精ようせいのエアと死しのワルツには65536分ふん音符おんぷの用例ようれいがある。Finaleで扱あつかえる最小さいしょうの音おと価かは4096分ふん音符おんぷであり、GNU LilyPondで扱あつかえる最小さいしょうの音おと価かは1073741824(2の30乗じょう)分ぶん音符おんぷである。

アメリカ式しき英語えいご、ドイツ語ご、イタリア語ごは、16, 32, 64などの数字すうじを序じょ数すうで言いえば良よいので、日本語にほんごと相対あいたいしていてわかりやすい。イギリス式しき英語えいご、フランス語ふらんすごはそれぞれ独自どくじのい回いまわしで、慣なれが必要ひつようである。

小節しょうせつ休やすみの休きゅう符ふ[編集へんしゅう]

パート譜ふなどで数すう小節しょうせつ休やすむときに、全休ぜんきゅう符ふがまとめられる。前述ぜんじゅつの通とおり、1小節しょうせつ休やすみには全休ぜんきゅう符ふ、2小節しょうせつ休やすみには倍ばい全休ぜんきゅう符ふを使つかうが、それ以上いじょう8小節しょうせつ休やすみまで、それぞれ独特どくとくの形かたちを持もっている（通常つうじょう、休きゅう符ふの上うえに小節しょうせつ数すうを付記ふきする）。また、それとは別べつに、付記ふきする数字すうじの数かずだけの小節しょうせつを休やすむ休きゅう符ふがあり、これは小節しょうせつ数すうによって形かたちが変かわらない。下したの図ずで9小節しょうせつの休やすみとなっているものがそれである。現在げんざいでは前者ぜんしゃはあまり使つかわれず、後者こうしゃが多おおく使つかわれる。なお、これらの休きゅう符ふに、定さだまった日本語にほんごの呼よび名なはない。楽譜がくふソフトやシーケンスソフトによっては、連続れんぞく休きゅう符ふ、長ちょう休きゅう符ふ、大休たいきゅう符ふなどと呼よんでいる。

付づけ点てん音符おんぷ・付づけ点てん休きゅう符ふ[編集へんしゅう]

付づけ点てん音符おんぷ（ふてんおんぷ）は、符ふ頭あたまの右みぎに点てんを付ふすことによって、元もとの音符おんぷの1.5倍ばいの長ながさを表あらわすものである。例たとえば付づけ点てん2分ふん音符おんぷは2分ふん音符おんぷと4分ふん音符おんぷ、付づけ点てん4分ふん音符おんぷは4分ふん音符おんぷと8分ふん音符おんぷ、付づけ点てん8分ふん音符おんぷは8分ふん音符おんぷと16分ふん音符おんぷを合あわせた長ながさである。点てんは真ま右みぎに付つけるが、現代げんだいの楽譜がくふでは符ふ頭あたまが線せんにあるとき、すぐ上うえの間あいだにずらして読よみやすくする。1段だんに複数ふくすうのパートを書かく場合ばあいには、下したのパートですぐ下したの間あいだにずらすこともある。

ある音符おんぷの半分はんぶんの音おと価かの音符おんぷの付づけ点てん音符おんぷ（すなわちある音符おんぷの0.75倍ばいの音符おんぷ）と元もとの音符おんぷの4分ぶんの1の音おと価かの音符おんぷを並ならべると全体ぜんたいで元もとの音符おんぷ長ながさとなり (0.75+0.25=1)、このような組くみ合あわせで使つかわれることが多おおい。この場合ばあい、おおむね19世紀せいき初期しょきの作品さくひんまでは、必かならずしも0.75:0.25、すなわち3:1の割合わりあいに分わかれず、2:1、5:1、7:1といった割合わりあいで演奏えんそうすべきものがある。また、6拍子ひょうし、9拍子ひょうし、12拍子ひょうし、18拍子ひょうし、24拍子ひょうしといった複ふく合あい拍子ひょうしで1拍はくの長ながさを表あらわすためにも使つかわれる。

古ふるい楽譜がくふでは、点てんそのものに元もとの音符おんぷの0.5倍ばいの長ながさの音おと価かがあるかのように、点てんを元もとの音符おんぷの長ながさだけ離はなして書かいたものがある。この場合ばあい、付づけ点てんを上うえまたは下したにずらすことはしない。

付づけ点てん休きゅう符ふ（ふてんきゅうふ）は付づけ点てん音符おんぷと同様どうように、休きゅう符ふの右側みぎがわに点てんを付ふすことによって、元もとの休きゅう符ふの1.5倍ばいの長ながさを表あらわすものであるが、実際じっさいに多用たようされるのは付づけ点てん8分ふん休きゅう符ふ・付づけ点てん16分ふん休きゅう符ふなどで、付づけ点てん2分ふん休きゅう符ふや付づけ点てん4分ふん休きゅう符ふなどはあまり使つかわれない。

付づけ点てん音符おんぷ・付づけ点てん休きゅう符ふに対たいして、付づけ点てんの付ついていない音符おんぷ・休きゅう符ふのことを単純たんじゅん音符おんぷ・単純たんじゅん休きゅう符ふという。

複ふく付づけ点てん音符おんぷ・複ふく付づけ点てん休きゅう符ふ[編集へんしゅう]

複ふく付づけ点てん音符おんぷ（ふくふてんおんぷ）は、符ふ頭あたまの右みぎに点てんを2つ付ふすことによって元もとの音符おんぷの1.75倍ばい (1+1/2+1/4) の長ながさを表あらわすものである。符ふ頭あたまの右みぎに点てんを3つ付ふすことによって、1.875倍ばい (1+1/2+1/4+1/8) の長ながさを表あらわすこともある（これを「3重じゅう付づけ点てん音符おんぷ」と呼よぶこともある）。同様どうようにn個こ付ふすことによって、(2-1/2ⁿ)倍ばいの長ながさを表あらわすこともある。しかし実際じっさいには付づけ点てんが3つ以上いじょう付ついた音符おんぷが使つかわれることはまれである。(ショパンの「24の前奏ぜんそう曲きょく」第だい3番ばんト長調とちょうちょうに3重じゅう付づけ点てん音符おんぷの用例ようれいがある。また、リストの「パガニーニ大だい練習れんしゅう曲きょく」第だい2番ばんには4重じゅう付づけ点てん音符おんぷの用例ようれいがある。)

複ふく付づけ点てん休きゅう符ふ（ふくふてんきゅうふ）も複ふく付づけ点てん音符おんぷと同様どうようの基準きじゅんによるが、実際じっさいには滅多めったに使つかわれない。

4分ふん音符おんぷを1としたときの音おと価か
種類しゅるい	単純たんじゅん音符おんぷ(休きゅう符ふ)	付づけ点てん音符おんぷ(休きゅう符ふ)	複ふく付づけ点てん音符おんぷ(休きゅう符ふ)	3重じゅう付づけ点てん音符おんぷ(休きゅう符ふ)
マクシマ	32	48	56	60
ロンガ	16	24	28	30
倍ばい全ぜん	8	12	14	15
全ちょん	4	6	7	7+1/2
2分ふん	2	3	3+1/2	3+3/4
4分ふん	1	1+1/2	1+3/4	1+7/8
8分ふん	1/2	3/4	7/8	15/16
16分ふん	1/4	3/8	7/16	15/32
32分ふん	1/8	3/16	7/32	15/64
64分ふん	1/16	3/32	7/64	15/128
128分ふん	1/32	3/64	7/128	15/256
256分ふん	1/64	3/128	7/256	15/512
512分ふん	1/128	3/256	7/512	15/1024

連れん符ふ（連れん音符おんぷ）[編集へんしゅう]

上記じょうきシステムでは、基本きほん的てきな音符おんぷを、2等分とうぶん、4等分とうぶん、8等分とうぶん、16等分とうぶん....2ⁿ（nは正せいの整数せいすう）等分とうぶんすることはできるが、3等分とうぶん、5、7等分とうぶん、9～15等分とうぶん....することはできない。また3拍子ひょうし、6拍子ひょうし、9拍子ひょうし....などにおいて、付づけ点てん音符おんぷを4等分とうぶん、8等分とうぶん、16等分とうぶん....するときにも連れん符ふを使つかわなければ表記ひょうきが複雑ふくざつになる。そのような音おと価かを表記ひょうきするために、連れん符ふ（れんぷ、連れん音符おんぷ（れんおんぷ）とも）が用もちいられる。

基本きほん的てきな音符おんぷを3等分とうぶんするためには、3連れん符ふを用もちいる。原はら音符おんぷの2分ぶんの1の音おと価かの音符おんぷを3つ並ならべ、3の数字すうじを付ふす。
基本きほん的てきな音符おんぷを5、7等分とうぶんするためには、5、7連れん符ふを用もちいる。原はら音符おんぷの4分ぶんの1の音おと価かの音符おんぷを5、7個こ並ならべ、5、7の数字すうじを付ふす。
基本きほん的てきな音符おんぷを9～15等分とうぶんするためには、9～15連れん符ふを用もちいる。原はら音符おんぷの8分ぶんの1の音おと価かの音符おんぷを9～15個こ並ならべ、9～15の数字すうじを付ふす。ただし、9連れん符ふは3連れん符ふの3連れん符ふとして書かかれる場合ばあい、原はら音符おんぷの4分ぶんの1の音おと価かの音符おんぷで書かかれることになる。
以後いご、同様どうように基本きほん的てきな音符おんぷを2ⁿ+1～2ⁿ⁺¹-1（nは正せいの整数せいすう）等分とうぶんするためには、原はら音符おんぷの2ⁿ分ぶんの1の音おと価かの音符おんぷを2ⁿ+1～2ⁿ⁺¹-1個いっこ並ならべ、2ⁿ+1～2ⁿ⁺¹-1の数字すうじを付ふしてこれを2ⁿ+1～2ⁿ⁺¹-1連れん符ふとする。
付づけ点てん音符おんぷを等分とうぶんする場合ばあいも同おなじく、4～5連れん符ふは原げん音符おんぷの3分ぶんの1の音おと価かの音符おんぷを4～5個こ並ならべ、7～11連れん符ふは原げん音符おんぷの6分ぶんの1の音おと価かの音符おんぷを並ならべ、13～23連れん符ふは原げん音符おんぷの12分ぶんの1の音おと価かの音符おんぷを並ならべ....としていく。
まれに、1拍はくの長ながさを表あらわす付づけ点てん音符おんぷの3分ぶんの2の音おと価かの音符おんぷを2つ並ならべて1拍はくを2等分とうぶんする2連れん符ふが用もちいられることがある。例たとえば、付づけ点てん4分ふん音符おんぷを2等分とうぶんするのに、付づけ点てん8分ふん音符おんぷ2つではなく、4分ふん音符おんぷ2つを並ならべた2連れん符ふを使つかうという具合ぐあいである。主おもにフランスで用もちいられた記法きほうであるとする楽典がくてんのテキストもある。
いずれの場合ばあいも、原則げんそくとして実際じっさいの音おと価かより長ながい音符おんぷの中なかで一番いちばん近ちかいものを使つかう。また連れん符ふの中なかで音符おんぷに休きゅう符ふが混まじったり、連れん符ふによって生しょうじた単位たんいが結合けつごうあるいは更さらに細分さいぶん（場合ばあいによっては2重じゅう以上いじょうの連れん符ふ）されたりすることもある。
複雑ふくざつなケースとしては、分割ぶんかつ前まえの元もとの音おとの長ながさが基本きほん的てきな音符おんぷや付づけ点てん音符おんぷ1つで表あらわせないような場合ばあい、付ふす数字すうじに「：」の記号きごうを使つかう場合ばあいがある。例たとえば、8分ふん音符おんぷ5個こ分ぶんの長ながさを6等分とうぶんする場合ばあいには、表記ひょうきとしては8分ふん音符おんぷを用もちい、付ふす数字すうじの部分ぶぶんは「6：5」、あるいは分割ぶんかつ前まえの元もとの音おとの長ながさを明示めいじして「6：5♪」と表記ひょうきする。

下したの図ずで最初さいしょの連れん符ふはその合計ごうけいの音おと価かが2分ふん音符おんぷ 2つ目め以降いこうは全すべて4分ふん音符おんぷである。

その他たの長ながさの音符おんぷ[編集へんしゅう]

その他たの長ながさを正確せいかくに書かき表あらわすためには、音符おんぷの場合ばあいにはタイを用もちいて音おと価かを結合けつごうする。休きゅう符ふの場合ばあいには、単たんに並ならべるだけである。また音符おんぷ・休きゅう符ふの長ながさが算術さんじゅつ的てきに1つの音符おんぷ・休きゅう符ふで表あらわせる長ながさである場合ばあいも、拍子ひょうし感かんが一見いっけんして分わかるように複数ふくすうの音符おんぷを用もちいてタイで音おと価かを結合けつごうするまたは複数ふくすうの休きゅう符ふを並ならべることがある。