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この項目では、演奏記号について説明しています。インド神話に登場する酒や女神については「スラー酒」を、ウクライナの川については「スラー川」をご覧ください。 |
スラー(英: slur)とは、楽譜に用いられる演奏記号のひとつで、いくつかの音符を弧でくくり、音と音を滑らかにつなげて演奏することを表す。
アーティキュレーションのひとつである。
タイと形状が似ているが、異なる音楽記号である。タイは同じ高さの音のみを結ぶのに対して、スラーは異なる高さの音を結ぶことができる。
実際の演奏では、スラーの始点から終点までがひとまとまりに聞こえるように演奏する。このため、終点の音を除き、すべての音は十分に伸ばされる。
スラーはひとつのフレーズを表すことも多く、この場合には、音質や音量に段差がないように演奏されるが、まとまりを感じさせるために終点の音を弱くするのが普通である。
また、始点の音は若干強く演奏することが多い。スラーの中で音の上下があるときには上行でだんだん強くし、下行でだんだん弱くするなど、一般的なフレーズの作り方に準ずる。
ヴァイオリンなど擦弦楽器においてはひと弓で、フルートなど管楽器においては基本的にタンギング(英語版)を付けないことを示す奏法記号である。これら以外にもこの記号がつけられる場合があるが、その場合は滑らかにつなげることを意味する。