公権力こうけんりょく

公権力こうけんりょく（こうけんりょく、英えい: Governmental authority）とは、国家こっかや公共こうきょう団体だんたいによる統治とうちにおいて、物理ぶつり的てきな力ちからにより執行しっこうする、服従ふくじゅうしなければ刑罰けいばつを科かすと告知こくちするなどの方法ほうほうにより、国民こくみんに対たいして命令めいれいし強制きょうせいする権力けんりょくをいう。また、そういった力ちからを行使こうしする主体しゅたいとなる警察けいさつ・検察けんさつ・裁判所さいばんしょ・税務署ぜいむしょ・軍隊ぐんたいなどの機関きかんを指さす。国家こっかが公権力こうけんりょくを持もつことで、万まん人にんの万まん人にんに対たいする闘争とうそうと呼よばれる国内こくないの無秩序むちつじょ状態じょうたいを回避かいひできる。

代表だいひょう的てきな例れいは逮捕たいほ・収監しゅうかん・召喚しょうかんのほか、行政ぎょうせい処分しょぶん（強制きょうせい収用しゅうよう・徴税ちょうぜい・かつての徴兵ちょうへい）などがこれに当あたる。

日本にっぽんにおける公権力こうけんりょくの行使こうし

• 行政ぎょうせい手続てつづき法ほう 2条じょう2号ごう - 処分しょぶん　行政ぎょうせい庁ちょうの処分しょぶんその他た公権力こうけんりょくの行使こうしに当あたる行為こういをいう。
• 行政ぎょうせい不服ふふく審査しんさ法ほう 1条じょう・2条じょう
• 行政ぎょうせい事件じけん訴訟そしょう法ほう 3条じょう - 行政ぎょうせい処分しょぶん
• 国家こっか賠償ばいしょう法ほう 1条じょう - 行政ぎょうせい指導しどう、国公立こっこうりつの学校がっこう教育きょういく

フランス語ふらんすごにおける「Force publique」や英語えいごにおける「Public Force」

フランス語ふらんすご: Force publiqueや英語えいご: Public Forceとは、公おおやけの利益りえきに資しすることを目的もくてきとした、物理ぶつり的てきな有形ゆうけい力りょくの正統せいとうかつ合法ごうほうな使用しようが、確保かくほされている力ちからのことである。この用語ようごは、幅広はばひろく且かつ緩ゆるやかに定義ていぎされ、また、警察けいさつや軍隊ぐんたいを指さして使用しようされることもある。

元々もともとの用法ようほう

この概念がいねんが最初さいしょに使用しようされたのは、1789年ねんのフランス人権じんけん宣言せんげんにおいてである。

Article XIII - For the maintenance of the public force and for the expenditures of administration, a common contribution is indispensable; it must be equally distributed between all the citizens, by reason of their faculties [i.e., ability to pay].

この宣言せんげんは、市民しみんと暴力ぼうりょくの正統せいとうな使用しようとの間あいだにおける関係かんけいを規定きていするために求もとめられた。アングロ・サクソン諸国しょこくにおける類似るいじの人権じんけん宣言せんげん等ひとしと異ことなり、このような力ちからに対抗たいこうするための市民しみんの権利けんりよりも、このような力ちからの存在そんざいに貢献こうけんするための市民しみんの義務ぎむの方ほうに重点じゅうてん・力点りきてんが置おかれている。

更さらなる用法ようほう

この概念がいねんは、例たとえばトーマス・ジェファーソンの6回かい目めの一般いっぱん教書きょうしょ演説えんぜつなど、他たの国々くにぐににおいても使用しようされた。