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加か守田もりた章二しょうじ

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出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
遠野とおの市しの陶すえ房ぼう跡あと（左ひだりが窯かま場じょう、右みぎが住宅じゅうたく）
遠野とおの市しの旧居きゅうきょ

加か守田もりた 章二しょうじ（かもだ しょうじ[1]、1933年ねん[2]（昭和しょうわ8年ねん）4月がつ16日にち - 1983年ねん[2]（昭和しょうわ58年ねん）2月がつ26日にち）は、日本にっぽんの栃木とちぎ県けん芳賀はが郡ぐん益子ましこ町まち[2]及および岩手いわて県けん遠野とおの[2]の陶芸とうげい家か[2]。

伝統でんとうにとらわれないモダンなデザインを研究けんきゅうし独創どくそう的てきな器うつわの形かたちを創作そうさくし様々さまざまな形かたちで広ひろく展開てんかいした加か守田もりたの作品さくひんは、従来じゅうらいの陶芸とうげいの概念がいねんを超こえ多おおくの人ひとを引ひきつけるとともに高たかい評価ひょうかを受うけ、現在げんざいも多おおくの陶芸とうげい家かたちに影響えいきょうを与あたえている[3]。

生涯しょうがい[編集へんしゅう]

1933年ねん[2]（昭和しょうわ8年ねん）4月がつ16日にち、大阪おおさか府ふ岸和田きしわだ市しに[2]加か守田もりた貞さだ臣しん、八重子やえこの長男ちょうなんとして生うまれる[4]。

大阪おおさか府立ふりつ岸和田きしわだ高等こうとう学校がっこう在学ざいがく中ちゅうに油絵あぶらえに興味きょうみを抱いだき、卒業そつぎょう後ご上京じょうきょうして学まなぼうとしたがこれを断念だんねんし[5]、1952年ねん（昭和しょうわ27年ねん）に京都きょうと市立しりつ美術びじゅつ大学だいがく（現げん・京都市立芸術大学きょうとしりつげいじゅつだいがく）工芸こうげい科か陶磁器とうじき専攻せんこうに入学にゅうがく。教授きょうじゅの富本とみもと憲吉けんきちと助教授じょきょうじゅの近藤こんどう悠ゆう三さんの指導しどうを受うける [6]。

1955年ねん（昭和しょうわ30年ねん）、日立製作所ひたちせいさくしょ傘下さんかの「大甕おおみか陶すえ苑えん」での実習じっしゅうの際さいに栃木とちぎ県けん益子ましこ町まちを初はじめて訪おとずれ、各かく家いえがそれぞれに窯かまを持もっていることを知しり強つよく惹ひかれ憧あこがれた[5]。

1956年ねん（昭和しょうわ31年ねん）に卒業そつぎょう後ご、勧すすめに応こたえて「大甕おおみか陶すえ苑えん」の技術ぎじゅつ員いんとなったが、1958年ねん（昭和しょうわ33年ねん）に「大甕おおみか陶すえ苑えん」を退職たいしょくし、日立製作所ひたちせいさくしょの派遣はけん研究けんきゅう生せいをしながら益子ましこの塚本つかもと製せい陶すえ所しょの研究生けんきゅうせいとなる[5]。

翌年よくねん1959年ねん（昭和しょうわ34年ねん）日立製作所ひたちせいさくしょも退職たいしょくし益子ましこ町まちで独立どくりつする[5]。

1960年ねん（昭和しょうわ35年ねん）塚本つかもと製せい陶すえ所しょの同僚どうりょうであった細谷ほそや昌子まさこと結婚けっこんした[7] 。

初はじめの頃ころは益子ましこ焼しょうの民芸みんげい調ちょうとは異ことなる作品さくひんを制作せいさくしていたため不評ふひょうであったが濱田はまだ庄司しょうじから注目ちゅうもくされるようになる[5]。

1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん）に日本にっぽん伝統でんとう工芸こうげい展てんに初はつ入選にゅうせん。

1964年ねん（昭和しょうわ39年ねん）「現代げんだい国際こくさい陶芸とうげい展てん」「陶磁とうじの新しん世代せだい展てん」に招待しょうたい出品しゅっぴん。日本にっぽん伝統でんとう工芸こうげい会かい正会員せいかいいんになる。1966年ねん（昭和しょうわ41年ねん）ジャパン・アート・フェスティバルに招待しょうたい出品しゅっぴん。1967年ねん（昭和しょうわ42年ねん）日本にっぽん陶磁とうじ協会きょうかい賞しょう並ならびに高村たかむら光太郎こうたろう賞しょうを受章じゅしょう[8] [9]。1968年ねん（昭和しょうわ43年ねん）国立こくりつ現代げんだい美術館びじゅつかん主催しゅさい「現代げんだい陶芸とうげいの新しん世代せだい」に招待しょうたい出品しゅっぴん。その一方いっぽうで伝統でんとう的てきな作風さくふうからの脱却だっきゃくを考かんがえるようになり[3]、日本にっぽん工芸こうげい会かい正会員せいかいいんを辞じし無所属むしょぞくとなる。

そして1969年ねん（昭和しょうわ44年ねん）から東北とうほく地方ちほうを旅行りょこうした際さいに岩手いわて県けん遠野とおのの地形ちけい、風土ふうどに魅みせられたため、岩手いわて県けん遠野とおの市しで作さく陶すえを行おこなうようになる[5]。益子ましこに妻子さいしを残のこし、遠野とおのへは弟子でしのみを連つれていき、まるで修行しゅぎょう僧そうのように制作せいさくに打うち込こみ没頭ぼっとうしていった[3]。同年どうねん「ギャラリー手しゅ」にて「江崎えざき一生かずお・加か守田もりた章二しょうじ・森もり陶とう岳たけし　三さん人にん展てん」を開催かいさい[4]。

1970年ねん（昭和しょうわ45年ねん）「現代げんだいの陶芸とうげい―ヨーロッパと日本にっぽん―」に招待しょうたい出品しゅっぴん。

1974年ねん（昭和しょうわ49年ねん）に芸術げいじゅつ選奨せんしょう文部もんぶ大臣だいじん賞しょうを受賞じゅしょう。

そして1979年ねん（昭和しょうわ54年ねん）には遠野とおのを離はなれ、東京とうきょう都と東久留米ひがしくるめ市しに画家がかの家いえを購入こうにゅうし陶すえ房ぼうとしそこへ移うつった[5]。

1980年ねん（昭和しょうわ55年ねん）には台北たいぺい国立こくりつ歴史れきし博物館はくぶつかん開催かいさい「中ちゅう・日にち現代げんだい陶芸とうげい家か作品さくひん展てん」招待しょうたい出品しゅっぴんをするも、白血病はっけつびょうのため体調たいちょうを崩くずし1981年ねん（昭和しょうわ56年ねん）から宇都宮うつのみや国立こくりつ病院びょういんに入院にゅういん療養りょうようしたが[4]、体調たいちょうが良よい時ときには制作せいさくも行おこない、病室びょうしつで水彩すいさい画がやペーパーデザインを試こころみた[4]。

1983年ねん[2]（昭和しょうわ58年ねん）2月がつ26日にち、肺炎はいえんのため自治医科大学じちいかだいがく附属ふぞく病院びょういんで逝去せいきょした。享年きょうねん49[2]。

家族かぞく[編集へんしゅう]

弟おとうとの加か守田もりた貞三ていぞうも陶芸とうげい家かの道みちを歩あゆんだ[10][11]。

妻つまは長男ちょうなん・加か守田もりた太郎たろうの実質じっしつ的てきな師匠ししょうである加か守田もりた昌子まさこ。長男ちょうなんは「加か守田もりた窯かま」2代目だいめである加か守田もりた太郎たろう。次男じなんに画家がかであり紙かみ塑人形がた作家さっかであり[12]工芸こうげいや彫塑ちょうそも手掛てがける加か守田もりた次郎じろう[13][14][15][16][17][18][19]。三男さんなんに半はん農のう半はん陶すえの陶芸とうげい家かである高根沢たかねざわ三郎さぶろう（加か守田もりた三郎さぶろう）[12][20][21]。

長男ちょうなん・加か守田もりた太郎たろうの妻つまに「濱田はまだ庄司しょうじ由来ゆらいの酵母こうぼ」を使つかった益子ましこ町まちの移動いどう式しきパン屋や「泉いずみ's Bakery」店主てんしゅである加か守田もりた泉いずみ[22][23][24][25][26][27]。

そして長男ちょうなん・加か守田もりた太郎たろうの娘むすめであり加か守田もりた章二しょうじの孫まごとなる加か守田もりた琳[28][29]がいる。

弟子でし[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 加か守田もりた 章二しょうじ - 黒田くろだ陶すえ苑えん
  2. ^ a b c d e f g h i くらしのやきもの事典じてん,毎日まいにちコミュニケーションズ 2008, p. 146-147.
  3. ^ a b c “共催きょうさい展てん 20世紀せいき陶芸とうげい界かいの鬼才きさい　加か守田もりた章二しょうじ展てん｜京都きょうと国立こくりつ近代きんだい美術館びじゅつかん”. 2022年ねん10月がつ14日にち閲覧えつらん。
  4. ^ a b c d “加か守田もりた章二しょうじ(かもだしょうじ)｜陶芸とうげいのススメ”. 2022年ねん10月がつ14日にち閲覧えつらん。
  5. ^ a b c d e f g “加か守田もりた章二しょうじ｜東ひがし文ぶん研けんアーカイブデータベース”. 2022年ねん10月がつ14日にち閲覧えつらん。
  6. ^ “加か守田もりた 章二しょうじ｜しぶや黒田くろだ陶すえ苑えん”. 2022年ねん10月がつ14日にち閲覧えつらん。
  7. ^ 朝日新聞あさひしんぶん 2003年ねん11月29日にち 朝刊ちょうかん 栃木とちぎ県けん版ばん p. 30「素晴すばらしき女性じょせいたち」森もり絹枝きぬえさん（続ぞくわたしの益子ましこ物語ものがたり：５）
  8. ^ 『広報こうほうましこ』第だい31号ごう 1967年ねん（昭和しょうわ42年ねん）4月がつ25日にち付づけ 4面めん「陶芸とうげい家か加か守田もりた章二しょうじ氏しに高村たかむら光太郎こうたろう賞しょうかがやく」
  9. ^ 広報こうほうましこ縮小しゅくしょう版ばん,第だい１号ごう 1990, p. 129.
  10. ^ “加か守田もりた貞三ていぞう回顧かいこ展てん”. 北川きたがわふぅふぅの「赤あか鬼おにと青あお鬼おにのダンゴ」～絵えてがみのある暮くらし～ (2004年ねん4月がつ14日にち). 2023年ねん4月がつ27日にち閲覧えつらん。
  11. ^ 野間のま省一しょういち,講談社こうだんしゃ 1978, p. 53.
  12. ^ a b 民芸みんげい店てんましこ - mingeitenmashiko ページ！
  13. ^ “加か守田もりた次郎じろう個展こてん －硝子がらす絵え－”. 銀座ぎんざ 黒田くろだ陶すえ苑えん (2016-11_19). 2023年ねん10月がつ8日にち閲覧えつらん。
  14. ^ “加か守田もりた 次郎じろう 展てん”. アートサロン光こう玄げん (2017年ねん3月がつ). 2023年ねん10月がつ8日にち閲覧えつらん。
  15. ^ “加か守田もりた次郎じろう”. 楽らく空間くうかん 祇をん小西こにし (2020年ねん11月21日にち). 2023年ねん10月がつ8日にち閲覧えつらん。
  16. ^ “加か守田もりた次郎じろうさんの個展こてんが始はじまります”. 銀座ぎんざ 黒田くろだ陶すえ苑えん (2022年ねん2月がつ11日にち). 2023年ねん10月がつ8日にち閲覧えつらん。
  17. ^ “中野中なかのなかの足あし裏うら庵あん日記にっき  -12-   ― 加か守田もりた次郎じろうの感傷かんしょう旅行りょこう ―”. 高輪たかなわ画廊がろう (2002年ねん). 2023年ねん10月がつ8日にち閲覧えつらん。
  18. ^ “中野中なかのなかの足あし裏うら庵あん日記にっき(57)　加か守田もりた次郎じろう－明日あしたに向むかう"いま" 　　”. 高輪たかなわ画廊がろう (2006年ねん). 2023年ねん10月がつ8日にち閲覧えつらん。
  19. ^ “理想りそう的てきな陶芸とうげい家か像ぞう　高根沢たかねざわ三郎さぶろう”. はんなりマンゴー (2020年ねん10月がつ31日にち). 2022年ねん11月9日にち閲覧えつらん。
  20. ^ 「下野げや新聞しんぶん」2009年ねん（平成へいせい21年ねん）9月がつ20日はつか 20面めん「企画きかく 益子ましこに吹ふく風ふう 県内けんないの若手わかて陶芸とうげい家かたち 12」「高根澤たかねざわ三郎さぶろう（たかねざさぶろう）さん」「自然しぜんに清きよらかな物ものを」
  21. ^ 泉いずみ’sベーカリー - ゆたり
  22. ^ 益子ましこの陶芸とうげい家かに愛あいされる移動いどう式しきパン屋や。濱田はまだ庄司しょうじ由来ゆらいの酵母こうぼを使つかう「泉いずみ’s Bakery」を探さがしに | 中川なかがわ政せい七なな商店しょうてんの読よみもの
  23. ^ 11【土ど祭さい市場いちば】益子ましこはこだわりパンの町まち｜土ど祭さい2021
  24. ^ まんぢゅう皿さら　その2 - 手鑑てかがみ - TEKAGAMI
  25. ^ 泉いずみ’s Bakery - 益子ましこ町まちのパン｜栃とちナビ！
  26. ^ 泉いずみ’s Bakery (@izumi_bakery) - Instagram
  27. ^ “ヒジサイノート 表紙ひょうし制作せいさくプロジェクト”. 土ど祭さい2021. 2022年ねん11月9日にち閲覧えつらん。
  28. ^ “【11/5〜11/24】ヒジノワ「クリエイターズファイルⅡ」展てん”. ヒジノワ cafe&space (2021年ねん11月5日にち). 2022年ねん11月9日にち閲覧えつらん。
  29. ^ 下野新聞社しもつけしんぶんしゃ 1999, p. 41.
  30. ^ 下野新聞社しもつけしんぶんしゃ 1999, p. 62,218.
  31. ^ “益子ましこの情報じょうほう　toh+”. 2022年ねん10月がつ18日にち閲覧えつらん。
  32. ^ 下野新聞社しもつけしんぶんしゃ 1999, p. 83.
  33. ^ 下野新聞社しもつけしんぶんしゃ 1999, p. 219.
  34. ^ 加か守田もりた章二しょうじ・加か守田もりた太郎たろう・小島こじま茂夫しげお・かっぱおじさん！ : hanahanabb88のblog
  35. ^ 下野新聞社しもつけしんぶんしゃ 1999, p. 183,226.
  36. ^ 下野新聞社しもつけしんぶんしゃ 1999, p. 226.

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 野間のま省一しょういち『現代げんだいの陶芸とうげい 別巻べっかん』株式会社かぶしきがいしゃ講談社こうだんしゃ、1978年ねん1月がつ30日にち、176頁ぺーじ。 
  • 益子ましこ町まち 著ちょ、益子ましこ町まち役場やくば 総務そうむ課か 文書ぶんしょ広報こうほう係がかり 編へん『広報こうほうましこ縮小しゅくしょう版ばん 第だい１号ごう』益子ましこ町まち、1990年ねん2月がつ1日にち、129頁ぺーじ。栃木とちぎ県立けんりつ図書館としょかん 検索けんさく結果けっか。 
  • 下野新聞社しもつけしんぶんしゃ『とちぎの陶芸とうげい・益子ましこ』下野新聞社しもつけしんぶんしゃ、1999年ねん10月がつ10日とおか、239頁ぺーじ。ISBN 978-4882861096。 
  • 毎日まいにちコミュニケーションズ『くらしのやきもの事典じてん 新版しんぱん　昭和しょうわの名品めいひんと全国ぜんこくの窯かま場じょう』株式会社かぶしきがいしゃ 毎日まいにちコミュニケーションズ、2008年ねん12月1日にち、1346-147頁ぺーじ。ISBN 9784839930431。 
  • 小林こばやし真理まり『至高しこうの名めい陶すえを訪たずねる 陶芸とうげいの美び』株式会社かぶしきがいしゃ芸術げいじゅつ新聞しんぶん社しゃ、2022年ねん8月がつ14日にち、28-29頁ぺーじ。ISBN 9784875866503。 

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