加賀屋かがや新田にった会所かいしょ

加賀屋かがや新田にった会所かいしょ
加賀屋かがや新田にった会所かいしょ
	; 茶室ちゃしつ　鳳おおとり鳴な亭ちん (2020年ねん7月がつ);
情報じょうほう
旧きゅう用途ようと	居宅きょたく、茶室ちゃしつ、書院しょいん
建築けんちく主ぬし	加賀屋かがや甚兵衛じんべえ
敷地しきち面積めんせき	4,822 m²
所在地しょざいち	〒559-0015; 大阪おおさか府ふ大阪おおさか市し住之江すみのえ区く南加賀屋みなみかがや4-8-7
座標ざひょう	北緯ほくい34度ど36分ふん08.9秒びょう東経とうけい135度ど28分ふん31.2秒びょう / 北緯ほくい34.602472度ど東経とうけい135.475333度ど座標ざひょう: 北緯ほくい34度ど36分ふん08.9秒びょう東経とうけい135度ど28分ふん31.2秒びょう / 北緯ほくい34.602472度ど東経とうけい135.475333度ど
文化財ぶんかざい	大阪おおさか市し指定してい有形ゆうけい文化財ぶんかざい
指定してい・登録とうろく等とう日び	2001年ねん12月21日にち
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加賀屋かがや新田にった会所かいしょ（かがやしんでんかいしょ）は、大阪おおさか府ふ大阪おおさか市し住之江すみのえ区く南加賀屋みなみかがやに所在しょざいした、かつての新田しんでんの経営けいえい拠点きょてんとなった屋敷やしき（会所かいしょ）。屋敷やしき跡あとが市しから史跡しせきに指定していされ、複数ふくすうの建物たてものが有形ゆうけい文化財ぶんかざいに指定していされている。

沿革えんかく

1707年ねんの大和やまと川がわの付つけ替かえ工事こうじによって、その新あらたな河口かこう部分ぶぶんに土砂どしゃが堆積たいせきし、干潟ひかたが形成けいせいされた。この地ちを干拓かんたくする新田しんでん開発かいはつを財力ざいりょくある商人しょうにんが請うけ負おうことになる。その一人ひとり、加賀屋かがや甚兵衛じんべえは1680年ねん (延のべ宝たから8年ねん) 、現在げんざいの富田林とんだばやし市しに生うまれ、淡路あわじ町まち (現在げんざいの大阪おおさか市し中央ちゅうおう区く) の両替りょうがえ商しょう・加賀屋かがやに奉公ほうこうし、35歳さいで独立どくりつ、1723年ねん (享とおる保ほ8年ねん) から新田にった開発かいはつに携たずさわった。後のちに両替りょうがえ商しょうを廃業はいぎょうし、新田にった開発かいはつに専念せんねん。1754年ねん (宝たから暦れき4年ねん) に代官だいかんの検地けんちを受うけ、「加賀屋かがや新田しんでん」と名付なづけられた。その経営けいえい拠点きょてんとして当とう会所かいしょが建設けんせつされ、敷地しきち面積めんせきは4,822m² (約やく1,500坪つぼ) 。会所かいしょとしては役割やくわりを終おえ、「加賀屋かがや緑地りょくち」として公開こうかいされている。

建物たてもの・文化財ぶんかざい・史跡しせき

当とう会所かいしょは商家しょうかの別宅べったくであり、かつ文人ぶんじん墨客ぼっかくが集あつまるサロンの位置付いちづけであったため、芸術げいじゅつ性せいの高たかい建築けんちく物ぶつや庭園ていえんが建造けんぞうされた。2001年ねん (平成へいせい13年ねん) 12月21日にち、大阪おおさか市しから有形ゆうけい文化財ぶんかざい、史跡しせきに指定していされた。

茶室ちゃしつ　鳳おおとり鳴な亭ちん - 木造もくぞう平屋ひらや建けん、高床たかゆか式しきの舞台ぶたい造づくりで池いけに迫せり出だしている。建築けんちく部材ぶざいの墨書ぼくしょから1815年ねん (文化ぶんか12年ねん) 以前いぜんの建築けんちくと推定すいていされる。茶席ちゃせき、広間ひろま、水屋みずやを備そなえた数寄屋すきや風ふう建築けんちく物ぶつで居宅きょたく、土蔵どぞうに連続れんぞく。大徳寺だいとくじ貫主かんしゅの自筆じひつによる「鳳おおとり鳴な亭ちん」の額がくが掲示けいじされている。書院しょいんに向むかって渡わたり廊下ろうかが続つづき、幅はば70から90cmの松まつの巾はば広こう板いたを使用しよう。居宅きょたくには竈かまどや井戸いどが復元ふくげんされている。
旧きゅう書院しょいん・玄関げんかん – 1754年ねん建築けんちく。八はち畳じょうの座敷ざしき、六ろく畳じょうの次つぎの間ま、玄関げんかんで構成こうせいされる。八はち畳じょう・六ろく畳じょう各かく間あいだを仕切しきる山水さんすいの襖ふすま絵えは「雪舟せっしゅう4代目だいめ」を称しょうした雲谷うんこく等益とうえきの作さく。また、大阪おおさか朝日新聞あさひしんぶん主筆しゅひつ・西村天囚にしむらてんしゅうが当とう会所かいしょを「愉園」と名付なづけたのに因ちなみ、1914年ねん (大正たいしょう3年ねん) に清きよし朝あさ末期まっきの教育きょういく者しゃ・羅ら振ふ玉たまが揮毫きごうした額がくが掲かかげられている。なお西村にしむらは「天声てんせい人語じんご」の名付なづけ親おやでもある。玄関げんかんは東ひがしの冠木門かぶきもんから続つづき、式台しきだいはかつて代官だいかんが駕が籠かごを横付よこづけして出入でいりしたと伝承でんしょうされる。玄関げんかん横よこの天井てんじょうに使用しようされた杉すぎの一いち枚まい板いた、北側きたがわの梁りょうの長ちょう尺しゃく物ぶつの丸太まるた、桐きりの透すかし彫ぼりの欄間らんまなど、各所かくしょに技法ぎほうを凝こらす。
庭園ていえん – 作さく庭にわ家か・小堀こぼり遠とお州しゅう風ふうの築山つきやま林泉りんせん回遊かいゆう式しき庭園ていえんを敷地しきち西側にしがわに配置はいち。複雑ふくざつな汀線ていせんを持もつ心しん字形じけいの池いけ、池いけの北端ほくたんに架かかる木橋きばし、平屋ひらやの四阿あずまや（あずまや）、待まち屋やが構築こうちくされている。またシダレウメ、ソテツ、センダン、モミジ、イチョウ等とう30種類しゅるいを超こえる植うえ栽に彩いろどられている。