圧力あつりょく損失そんしつ

圧力あつりょく損失そんしつ（あつりょくそんしつ）とは、流体りゅうたいが機械きかい装置そうちなどを通過つうかする際さいの単位たんい時間じかん単位たんい流量りゅうりょうあたりのエネルギー損失そんしつである。摩擦まさつ損失そんしつとも呼よばれる。圧力あつりょくと同おなじ次元じげんをもつ。損失そんしつは装置そうち内うちの抵抗ていこうに打うち勝かつためにその分ぶんだけエネルギーを消費しょうひすることによる。粘性ねんせいのある流ながれの場合ばあい、熱ねつ力学りきがく第だい二に法則ほうそくより、圧力あつりょく損失そんしつのない流ながれはあり得えない。しかし圧力あつりょく損失そんしつが大おおきいことはエネルギーの利用りよう効率こうりつが低ひくいことであるので、できるだけ損失そんしつを小ちいさくする工夫くふうが必要ひつようである。配管はいかんなどの内部ないぶ流ながれに対たいしては、出入口でいりぐちの総そう圧あつの差さで定義ていぎされる。

圧力あつりょく損失そんしつ = 入口いりくちの総そう圧あつ - 出口でぐちの総そう圧あつ = (入口いりくちの静せい圧あつ - 出口でぐちの静せい圧あつ) + (入口いりくちの動どう圧あつ - 出口でぐちの動どう圧あつ)

最もっとも単純たんじゅんな内部ないぶ流ながれとして、円えん管かんを通とおる流ながれの圧力あつりょく損失そんしつはダルシー・ワイスバッハの式しきによって摩擦まさつ損失そんしつ係数けいすうという無む次元じげん数すうに置おき換かえてさまざまなレイノルズ数すうに対たいしてその値ねが調しらべられ、その関係かんけいを表あらわす式しきがいろいろ提案ていあんされている。

空気くうきなど流体りゅうたいの密度みつどが低ひくい場合ばあい、動どう圧あつは小ちいさいため無視むしされることが多おおい。流体りゅうたいが液体えきたいの場合ばあいは以下いかのように水みず頭あたまにした損失そんしつ水すい頭あたまで表あらわされることも多おおい。

損失そんしつ水すい頭あたま = 圧力あつりょく損失そんしつ / (密度みつど×重力じゅうりょく加速度かそくど) = 入口いりくちの全ぜん揚あげ程ほど - 出口でぐちの全ぜん揚あげ程ほど

また、外部がいぶ流ながれの場合ばあいは、装置そうちの抵抗ていこうを表あらわすために抗力こうりょくを用もちいることが多おおい。