夏美 のホタル
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2010 | ||
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コード | ISBN 978-4-04-874160-6 | |
ウィキポータル | ||
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『
2016
あらすじ
[仏師 榊山 雲 月 の最高 傑作 榊山 雲 月 は高校 卒業 と同時 に、住職 である父親 の口利 きで現代 の名 仏師 とされる竹岡 鉄齋 の工房 に入 れられる。雲 月 は入門 5年 後 には師匠 と同等 の仏像 を彫 れるようになり、10年 で師匠 を凌 ぐようになり、独立 する。師匠 は、雲 月 の仏像 に生 きているような躍動 感 があると評 し、雲 月 もそれを早 くから自覚 している。運 月 の「生 きた仏像 」は評判 となり、所帯 をもつようになるが、女 遊 びが発覚 して3年 で離婚 される。現在 は工房 「雲 月 庵 」で黒 猫 の夜叉 を相棒 に、一木 造 りの菩薩 像 を手掛 けている。最後 にお顔 を彫 り上 げ、雲 月 は「俺 の最高 傑作 だ」とつぶやきながら、「純 米 大 吟醸 こころころころ」をあおる。- たけ
屋 との出会 い 国際 芸術 大学 写真 学科 の相羽 慎吾 は、卒業 制作 の題材 を探 すため、夏美 とツーリングで房総半島 の山道 を巡 り、小 さな集落 にある「たけ屋 」に暮 らす福井 ヤスエ、恵三 の親子 と知 り合 いになる。恵三 じいさんは大 けがの後遺症 のため左 半身 が不自由 であるが、毎日 、「たけ屋 」の前 のバス停 のところに立 ち、通学 の子 どもたちを笑顔 で見送 ることから、集落 の人 たちから「地蔵 さん」の愛称 で呼 ばれている。季 節 になると近 くの川 には無数 の緑色 の光 がふわふわ浮 かんでおり、慎吾 は蛍 の乱舞 、それを追 いかける子 どもたち、蛍 を入 れたホタルブクロの幻想 的 な光 を撮 る。夏休 み地蔵 さんは古 い離 れを貸 してくれるというので、慎吾 はこの村 と自然 とをテーマに卒業 制作 を撮 ろうと決 める。慎吾 と夏美 はまず離 れの掃除 から取 り掛 かり、不具合 箇所 の修繕 も行 う。蛍 見学 時 に出会 った近所 の小学生 の拓也 とひとみも手伝 ってくれる。作業 が終 わった頃 、作 務 衣 姿 の来客 から「お前 ら、家賃 はいくら払 うんだ」という不躾 な質問 を受 け、緊張 が走 る。慎吾 と夏美 は夏休 みを「たけ屋 」の離 れで暮 らし、半月 も経 つと二 人 は川遊 びや自然 観察 のいっぱしの達人 となる。作 務 衣 姿 の感 じの悪 い男 は、雲 月 という腕 の良 い仏師 だという。地蔵 さんの生 い立 ち地蔵 さんは生 まれる前 に父親 を亡 くし、母子 家庭 で育 てられた。恵三 という名前 は、三 つの恵 みがあるようにと父親 がつけてくれた名前 だという。若 い頃 は身体 が強 く、工事 現場 で働 き、結婚 して子 どももできた。しかし、建築 現場 で事故 に巻 き込 まれ、半身不随 となる。若 い妻 の将来 を考 え、離婚 は地蔵 さんからい出 した。地蔵 さんは息子 の公英 に「俺 の子 に生 まれてくれてありがとう」と言 えなかったことが心残 りとなっている。9月になると学校 が始 まり、拓也 とひとみがバスに乗 り込 むのを地蔵 さんが見送 る。集落 での最後 の夜 に、地蔵 さんが倒 れ、救急 車 で搬送 される。市民 病院 慎吾 は、地蔵 さんから「他人 と比 べないこと」を教 わってから、自分 の感性 で、自分 らしい写真 を撮 ることができるようになる。地蔵 さんは脳 動脈 瘤 の破裂 により、意識 は回復 していない。雲 月 が地蔵 さんのことをあの人 に伝 えたのかとヤスばあちゃんに問 いかけると、ヤスばあちゃんはいまさらしょうがないと答 える。離婚 のいきさつを知 っている慎吾 と夏美 は、地蔵 さんがしていたように、ユキノシタでメモを書 く。ヤスばあちゃんは「あの人 」に連絡 をとり、市民 病院 で35年 ぶりに美也子 と再会 するが、罪悪 感 や怨念 は消 えてはいないようだ。ヤスばあちゃんがそのことを口 にするのを遮 って、夏美 が離婚 の真相 を話 す。地蔵 さんの死 夏美 は一人 で「たけ屋 」を訪 れる。秋 の終 わりになっても吊 るされている風鈴 についてたずねると、それは恵三 の父親 のお気 に入 りで、恵三 も好 きなので一年中 出 しているという。10時 過 ぎに地蔵 さん危篤 の電話 が入 る。夏美 は、CBX400Fの後部 座席 に座 ったヤスばあちゃんを帯 で自分 に縛 り付 け、全速力 で市民 病院 を目指 す。病室 ではスタッフが心臓 マッサージとAEDを繰 り返 す。ヤスばあちゃん「もう、いいよぅ」と言 い、地蔵 さんにしがみついて感謝 とお別 れを口 にする。慎吾 も霊安室 に駆 け付 け、安 らかな顔 をした地蔵 さんと対面 し、たんぽぽの花 を手向 け、ヤスばあちゃんに断 って写真 を撮 る。葬儀 葬儀 は「たけ屋 」で行 われる。店先 のベンチで慎吾 は地蔵 さんと雲 月 との関係 についてたずねると、よそ者 だった自分 を集落 の人 たちに溶 けこませてくれた恩人 だという。喪服 の公英 が現 れ、二人 は地蔵 さんが大事 にしていた古 い写真 を渡 し、その裏 に地蔵 さんが「ありがとう」と書 いた理由 を説明 する。公英 は自分 の名前 が父 の形見 なんだとつぶやく。そんなとき、慎吾 の写真 が月刊 写真 世界 の最優秀 書 に選 ばれる。慎吾 と夏美 は「たけ屋 」に行 き、雑誌 を見 せてヤスばあちゃんを大 いに驚 かせる。慎吾 は、地蔵 さんとヤスばあちゃんのお陰 ですと居住 まいを糺 して頭 を下 げる。慎吾 の依頼 - ヤスばあちゃんは、
拓也 とひとみがバスに乗 ったときの姿 がなんとなく侘 しいことを話 す。慎吾 にあるアイディアがひらめく。慎吾 は実家 の酒蔵 から限定 酒 を一 瓶 送 ってもらい、霊安室 で撮 った地蔵 さんの「死 に顔 」のプリントをもって、「雲 月 庵 」を訪 ねる。慎吾 は「お地蔵 さまを彫 って欲 しい、バス停 の方 に向 けてお地蔵 さまを置 きたい」と依頼 する。雲 月 は料金 について訊 き、慎吾 は10万 円 入 りの封筒 を差 し出 し、残 りは出世 払 いでと答 える。雲 月 は才能 とは覚悟 のことだと言 い、慎吾 の覚悟 を問 う。慎吾 は肚に力 を込 めてありますと答 える。雲 月 は菩薩 像 を収 める祠 を造 ることを指示 し、10万 円 はそのための費用 に回 せと言 う。 - 3
年 後 の秋 慎吾 と夏美 は主 のいなくなった「たけ屋 」の前 に立 つ小 さな祠 の清掃 に来 ている。中 のお地蔵 様 はお地蔵 さんの生 き写 しであり、今 にもしゃべり出 しそうである。お線香 を供 えて、ヤスばあちゃんと地蔵 さんの冥福 を祈 る。夏美 は赤 ちゃんができたことを報告 する。慎吾 は「三 つ目 の喜 びを俺 にくれないか」と言 い、夏美 は「ありがとう」と返 す。工房 「雲 月 庵 」では拓也 とひとみが彫刻 刀 を手 にしており、雲 月 は自分 の子 どものお守 りとして贈 る小 さなお地蔵 様 を彫 っている。秋風 に風鈴 が「凜」と澄 んだ音 を響 かせている。風鈴 は「たけ屋 」にあったもので、雲 月 がお地蔵 さんの洞 に吊 るそうと磨 き上 げたものだ。
登場 人物
[相羽 慎吾 (あいば しんご)国際 芸術 大学 写真 学科 の学生 。造 り酒屋 の次男 。卒業 制作 に励 んでいるが、自分 の写真 に悩 みを抱 えている。河合 夏美 (かわい なつみ)幼稚園 教諭 。父親 の形見 のCBX400Fを愛車 にしており、慎吾 と付 き合 っている。榊山 雲 月 (さかきやま うんげつ)一木 造 りの仏像 に固執 する天才 的 仏師 。入門 5年 で師匠 と肩 を並 べるようになり、独立 のときに雲 月 の雅号 を送 られる。福井 恵三 (ふくい けいぞう)何 でも屋 「たけ屋 」の主人 。集落 の人 たちからは「地蔵 さん」と呼 ばれている。蒲公英 (たんぽぽ)が好 きで、息子 の名前 を公英 とする。福井 ヤスエ(ふくい やすえ)恵三 の母親 。美也子 (みやこ)恵三 の別 れた妻 。公英 (きみひで)恵三 の息子 。両親 の離婚 後 、美也子 が育 てる。
書誌 情報
[単行本 :2010年 12月24日 、角川書店 、ISBN 978-4-04-874160-6文庫本 :2014年 8月 23日 、角川 文庫 、ISBN 978-4-04-101687-9
映画
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イオンエンターテイメント | |
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108 | |
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2016
映画 版 あらすじ
[だが、
キャスト
[スタッフ
[監督 :廣木 隆一 原作 :森沢 明夫 製作 :松本 光司 、井上 義久 、堀内 大 示 脚本 :片岡 翔 、港 岳彦 音楽 :石橋 英子 主題歌 :「星 の中 の君 」Uru撮影 :花村 也寸志 編集 :菊池 純一 - プロデューサー:
田中 清孝 、柴原 祐一 共同 プロデューサー:宇田川 寧 美術 :丸尾 知行 装飾 :佐々木 博 崇 音楽 プロデューサー:杉田 寿宏 録音 :深田 晃 音響 効果 :佐藤 祥子 照明 :北岡 孝文 衣装 :高橋 さやか- ヘアメイク:
永江 三千子 - キャスティング:
安 生 泰子 - ラインプロデューサー:
湊谷 恭 史 制作 担当 :村山 亜希子 助監督 :中里 洋一 - スクリプター:
押田 智子 視覚 効果 :松本 肇
受賞
[第 29回 日刊 スポーツ映画 大賞 ・石原 裕次郎 賞 新人 賞 (有村 架 純 、『何者 』と合 わせて)[1]第 90回 キネマ旬報 ベスト・テン新人 男優 賞 (村上 虹 郎 、『ディストラクション・ベイビーズ』と合 わせて)[2]
脚注
[- ^ “
有村 架 純 が新人 賞 「これが最後 、区切 り」/映画 大賞 ”.日刊 スポーツ. (2016年 12月6日 ) 2016年 12月6日 閲覧 。 - ^ “
キネマ旬報 ベスト・テン決定 、「この世界 の片隅 に」「ハドソン川 の奇跡 」が1位 に”.映画 ナタリー. (2017年 1月 10日 ) 2017年 1月 10日 閲覧 。