大型おおがた自動じどう二に輪りん車しゃ

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ヤマハ・VMAX（1679ccの大型おおがた自動じどう二に輪りん車しゃ）

大型おおがた自動じどう二に輪りん車しゃ（おおがたじどうにりんしゃ）とは、日本にっぽんの道路どうろ交通こうつう法ほうによるオートバイの区分くぶんのひとつで、総そう排気はいき量りょう400ccを超こえるもの、あるいは定てい格かく出力しゅつりょくが20kWを超こえるものを指さす。

概要がいよう

大型おおがた自動じどう二に輪りん車しゃは、道路どうろ交通こうつう法ほう施行しこう規則きそくにおいて「総そう排気はいき量りょう0.400リットルを超こえ、又または定てい格かく出力しゅつりょくが20.00キロワットを超こえる原動機げんどうきを有ゆうする二に輪りんの自動車じどうしゃ（側がわ車しゃ付つきのものを含ふくむ。）で、大型おおがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ及および小型こがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ以外いがいのもの」と定義ていぎされている。

道路どうろ運送うんそう車両しゃりょう法ほうでは総そう排気はいき量りょう0.250リットルを超こえる二に輪りん自動車じどうしゃは「二に輪りんの小型こがた自動車じどうしゃ」に分類ぶんるいされ、大型おおがた自動じどう二に輪りん車しゃも含ふくまれる。運輸うんゆ支局しきょくへの届出とどけでにより自動車じどうしゃ検査けんさ証しょうが交付こうふされ、車両しゃりょう番号ばんごうが指定していされる。したがって、高速こうそく自動車じどうしゃ国道こくどう法ほうでは自動車じどうしゃとして扱あつかわれ、高速こうそく道路どうろを走行そうこうすることができる。

運転うんてんには大型おおがた自動じどう二に輪りん車しゃ運転うんてん免許めんきょが必要ひつようで、18歳さいから取得しゅとくでき、運転うんてん免許めんきょ証しょうには「大だい自じ二に」と記載きさいされる。

運転うんてん免許めんきょおよび免許めんきょ証しょうの変遷へんせん

1960年ねん（昭和しょうわ35年ねん）以降いこう、現在げんざいの大型おおがた自動じどう二に輪りん免許めんきょに相当そうとうする運転うんてん免許めんきょ証しょうは「自動じどう二に輪りん免許めんきょ」で、250ccを超こえるオートバイの区分くぶんであった。また、軽けい免許めんきょの上位じょうい免許めんきょとして、360cc以下いかの軽けい三輪車さんりんしゃと軽けい四よん輪りん車しゃを運転うんてんできた。

1965年ねん（昭和しょうわ40年ねん）9月1日にちに軽けい免許めんきょ（二輪車にりんしゃは250cc以下いか、三輪車さんりんしゃと四よん輪りん車しゃは360cc以下いか）が廃止はいしされて、二輪にりん免許めんきょの区分くぶんが50cc超ちょうに変更へんこうされたことに伴ともない、この時点じてんで小型こがた特殊とくしゅ免許めんきょと原動機げんどうき付づけ自転車じてんしゃ免許めんきょ以外いがいの運転うんてん免許めんきょ証しょう（軽けい免許めんきょを含ふくむ）を保有ほゆうしていた者ものに、付帯ふたい免許めんきょとして与あたえられ、スラングで「ポツダム免許めんきょ」と呼よばれた。これにより、1947年生ねんせい以前いぜんの人ひとの中なかには、オートバイの乗車じょうしゃ経験けいけんが無なくても大型おおがた自動じどう二に輪りん免許めんきょを取得しゅとくしている場合ばあいがある。1965年ねん（昭和しょうわ40年ねん）から、普通ふつう自動車じどうしゃ免許めんきょ、大型おおがた自動車じどうしゃ免許めんきょでは原動機げんどうき付づけ自転車じてんしゃ（50cc以下いか）しか運転うんてんできなくなった。二輪にりん免許めんきょの技能ぎのう教習きょうしゅうと技能ぎのう試験しけんは、125ccの教習きょうしゅう車しゃを用もちいるように変更へんこうされ、1972年ねん（昭和しょうわ47年ねん）には教習きょうしゅう車しゃは400ccに戻もどされた。

1975年ねん（昭和しょうわ50年ねん）より、運転うんてん免許めんきょ試験場しけんじょうでの技能ぎのう試験しけんまたは自動じどう二に輪りん免許めんきょ（中型ちゅうがた限定げんてい免許めんきょ）からの限定げんてい解除かいじょ審査しんさの合格ごうかく者しゃのみに交付こうふされた（いわゆる「一発いっぱつ試験しけん」）。しかし、その合格者数ごうかくしゃすうは概おおむね全ぜん受験じゅけん者しゃの1%であったため「司法しほう試験しけんより難むずかしい」と揶揄やゆされるほど極きわめて難関なんかんで、400cc限定げんていの無ない二に輪りん免許めんきょそのものが高嶺たかねの花はなとなった状況じょうきょうが続つづいた。

こうした状況じょうきょうを変かえたのは、日本にっぽんのオートバイ製造せいぞう企業きぎょうやバイクユーザーではなく、ハーレーダビッドソンやBMWモトラッドの国外こくがい自動車じどうしゃメーカーからの『外圧がいあつ』であった。「大型おおがた輸入ゆにゅうバイクが売うれないのは日本にっぽんの運転うんてん免許めんきょ制度せいどが原因げんいんで、非ひ関税かんぜい障壁しょうへきとなっている」と、1990年代ねんだいから年次ねんじ改革かいかく要望ようぼう書しょなどを通つうじて、強つよく規制きせい緩和かんわを求もとめられる様ようになった。

これに対たいして「ベストライダースクール」等とうと称しょうした、事前じぜん審査しんさの免除めんじょおよび実技じつぎ試験しけん合格ごうかく率りつ向上こうじょうのための指導しどう講習こうしゅうが、運転うんてん免許めんきょ試験場しけんじょうで行おこなわれるようになり、講習こうしゅう受講じゅこう者しゃの合格ごうかく率りつが5%程度ていどに緩和かんわされた。また1996年ねん（平成へいせい8年ねん）9月がつの免許めんきょ制度せいど改正かいせいから「指定してい自動車じどうしゃ教習所きょうしゅうじょ」で大型おおがた二に輪りん免許めんきょの教習きょうしゅうを受うけられるようになった。これによって容易よういに免許めんきょを取得しゅとくできるようになり、大型おおがた自動じどう二に輪りん免許めんきょの保有ほゆう者しゃ数すうは飛躍ひやく的てきに増加ぞうかした。

1996年ねん（平成へいせい8年ねん）から、大型おおがた自動じどう二に輪りん車しゃ免許めんきょと普通ふつう自動じどう二に輪りん車しゃ免許めんきょが独立どくりつした免許めんきょ区分くぶんとなったため、現在げんざいでは普通ふつう自動じどう二に輪りん車しゃ免許めんきょの限定げんてい免許めんきょを解除かいじょして大型おおがた自動じどう二に輪りん車しゃ免許めんきょを取得しゅとくすることはできない。同おなじ理由りゆうにより、普通ふつう自動じどう二に輪りん車しゃ免許めんきょで大型おおがた自動じどう二に輪りん車しゃを公道こうどうで運転うんてんした場合ばあい、免許めんきょ条件じょうけん違反いはんではなく「無む免許めんきょ運転うんてん」となる。

2005年ねん（平成へいせい17年ねん）6月がつより、二輪にりん免許めんきょにもオートマチック限定げんてい免許めんきょが創設そうせつされ、400ccを超こえるAT自動じどう二に輪りん車しゃは、大型おおがた二に輪りん免許めんきょのAT限定げんていを取得しゅとくすれば乗のることができるようになった。しかし、1977年ねん（昭和しょうわ52年ねん）4月がつ21日にちに発売はつばいされたホンダEARA（エアラ）を例外れいがいとすると、新設しんせつ当時とうじには650ccを超こえるオートマチック車両しゃりょうが日本にっぽん国内こくないで販売はんばいされていなかったことから、大型おおがた二に輪りん免許めんきょのAT限定げんていには、650cc以下いかに排気はいき量りょうが限定げんていされていた。

2019年ねん（令れい和わ元年がんねん）12月より、大型おおがた二に輪りん免許めんきょのAT限定げんていで運転うんてんできる大型おおがた二に輪りんAT車しゃの排気はいき量りょうの上限じょうげんは無制限むせいげんとなった。これは2019年ねん（令れい和わ元年がんねん）12月がつ以降いこうに新規しんきで免許めんきょを取得しゅとくした者ものだけではなく、既存きそんの大型おおがた二に輪りん免許めんきょのAT限定げんていを保有ほゆうしている者ものも対象たいしょうとなる。一方いっぽうで、同日どうじつより電動でんどう機きなど内燃ないねん機関きかん以外いがいを動力どうりょく源げんとする二輪車にりんしゃについても、定てい格かく出力しゅつりょくが20kWを超こえる場合ばあいには大型おおがた二に輪りんに区分くぶんされるようになった。

指定してい自動車じどうしゃ教習所きょうしゅうじょで教習きょうしゅうを受うける場合ばあい、普通ふつう自動じどう二に輪りん免許めんきょやその他たの自動車じどうしゃ免許めんきょを保有ほゆうしていなくても直接ちょくせつ大型おおがた二に輪りん免許めんきょの教習きょうしゅうを受うけられることが標準ひょうじゅん化かされているが、現有げんゆう免許めんきょに応おうじて最短さいたん教習きょうしゅう時限じげん数すうが異ことなる。先さきに普通ふつう二に輪りん免許めんきょあるいは小型こがた限定げんていの普通ふつう二に輪りん免許めんきょを取得しゅとくして、段階だんかい的てきに大型おおがた二に輪りん免許めんきょを取得しゅとくすると、技能ぎのう教習きょうしゅうについては最短さいたん教習きょうしゅう時限じげん数すうの総数そうすうは少すくなくなる一方いっぽう、中途ちゅうと段階だんかいの卒業そつぎょう検定けんていや免許めんきょ取得しゅとく手続てつづきは多おおくなる。一部いちぶの指定してい自動車じどうしゃ教習所きょうしゅうじょでは、大型おおがた自動じどう二に輪りん車しゃ免許めんきょの教習きょうしゅう条件じょうけんとして「普通ふつう自動じどう二に輪りん車しゃ免許めんきょを受うけて、受うけていた期間きかんが通算つうさんして二に年ねん以上いじょう」または「普通ふつう自動車じどうしゃを運転うんてんできる運転うんてん免許めんきょの保有ほゆう者しゃのみ」に限定げんていしているところもあるので、あらかじめ自動車じどうしゃ教習所きょうしゅうじょで確認かくにんが必要ひつようである。

大型おおがた自動じどう二に輪りんの教習きょうしゅうを受うけている者ものが、普通ふつう二に輪りん免許めんきょあるいは小型こがた限定げんていの教習きょうしゅうへ移行いこうを希望きぼうする場合ばあいは、それまでに行いった技能ぎのう教習きょうしゅうは、普通ふつう自動じどう二に輪りんあるいは小型こがた限定げんていの相当そうとうする課程かていを修了しゅうりょうしたものとみなされる。大型おおがた自動じどう二に輪りん免許めんきょあるいは普通ふつう自動じどう二に輪りん免許めんきょ（小型こがた限定げんていを含ふくむ）を取得しゅとく後ごに普通ふつう自動車じどうしゃ免許めんきょ、準じゅん中型ちゅうがた自動車じどうしゃ免許めんきょ、大型おおがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ免許めんきょを取得しゅとくするときは、一部いちぶを除のぞく学科がっか講習こうしゅうと学科がっか試験しけんは免除めんじょされ、技能ぎのう講習こうしゅうおよび技能ぎのう試験しけんのみで取得しゅとくできる。

またその逆ぎゃくもあり、普通ふつう自動車じどうしゃ免許めんきょ、準じゅん中型ちゅうがた自動車じどうしゃ免許めんきょ（5t限定げんてい、AT5t限定げんていを含ふくむ）、中型ちゅうがた自動車じどうしゃ免許めんきょ（8t限定げんてい、AT8t限定げんていを含ふくむ）、大型おおがた自動車じどうしゃ免許めんきょ、大型おおがた特殊とくしゅ自動車じどうしゃ免許めんきょ、これらの第だい二に種しゅ運転うんてん免許めんきょを取得しゅとくしている者ものが、大型おおがた自動じどう二に輪りん、または、普通ふつう自動じどう二に輪りん（小型こがた限定げんていを含ふくむ）の免許めんきょを指定してい自動車じどうしゃ教習所きょうしゅうじょで取得しゅとくする場合ばあいは、学科がっか教習きょうしゅう（一部いちぶを除のぞく）と学科がっか試験しけんが免除めんじょされるため、技能ぎのう検定けんていを合格ごうかくし、適性てきせい試験しけんを合格ごうかくすれば、運転うんてん免許めんきょ試験場しけんじょうで運転うんてん免許めんきょ証しょうが取得しゅとくできる。

750ccが特別とくべつな存在そんざいとなった理由りゆう

かつては大型おおがた自動じどう二に輪りん車しゃの代名詞だいめいしといえば排気はいき量りょう750ccの、いわゆる「ナナハン」であった。これはCB750FOURが販売はんばいされた時とき、その200km/hを超こえる最高さいこう速度そくどから、警察庁けいさつちょうの要請ようせいにより国内こくないメーカーが日本にっぽんで販売はんばいできるバイクの排気はいき量りょうを750ccまでとする、オートバイ製造せいぞう企業きぎょうの自主じしゅ規制きせいが行おこなわれたためである。

そのため、カワサキがZ1の排気はいき量りょうを750ccに抑おさえたZ2を開発かいはつしたのを皮切かわきりに、各社かくしゃとも輸出ゆしゅつ用よう車両しゃりょうのシャーシに750ccのエンジンを搭載とうさいするケースが1980年代ねんだい中頃なかごろまで見みられた。

1988年ねん（昭和しょうわ63年ねん）に自主じしゅ規制きせいが撤廃てっぱいされて以来いらい、エンジン排気はいき量りょう1,000ccを超こえる「リッターマシーン」車種しゃしゅが多おおく発売はつばいされているが、国内こくないフェリーのバイク航こう送料そうりょう金きんが750ccで区別くべつされているのは、この名残なごりである。

関連かんれん項目こうもく

• 運転うんてん免許めんきょ
• オートバイ
• ナナハン

外部がいぶリンク

• 免許めんきょ取得しゅとくに関かんする情報じょうほう(社団しゃだん法人ほうじん 全国ぜんこく二に輪りん車しゃ安全あんぜん普及ふきゅう協会きょうかい)
• バイク免許めんきょの取得しゅとく方法ほうほう
• 限定げんてい解除かいじょML