姿勢 制御
概要 [編集 ]
航空機 の姿勢 制御 [編集 ]
宇宙 機 の姿勢 制御 [編集 ]
スピン安定 方式 [編集 ]
スピン
3軸 安定 方式 [編集 ]
3
バイアスモーメンタム方式 [編集 ]
3
ゼロモーメンタム方式 [編集 ]
ゼロモーメンタム
センサ[編集 ]
- ジャイロスコープ
外部 を観測 せずに3次元 の回転 を検出 する機器 。以前 は回転 する円盤 を持 った機械 式 のジャイロスコープを使 っていたが、今 ではミラー式 を経 て、光 ファイバーを使 った光学 式 のレーザー・リング・ジャイロスコープもある。これらはサニャック効果 を利用 している。ジャイロスコープは回転 変化 を検出 するだけであるため、初期 の方向 を設定 する必要 がある。ジャイロスコープは徐々 に誤差 が拡大 してくため、時折 修正 する手段 が必要 である。正 しい姿勢 を把握 できる時間 はせいぜい10時間 以内 とされている。- Horizon sensor(
地平線 検出 器 、地球 センサ) 地球 の大気 のフチ、すなわち地平線 からの光 を検出 する光学 装置 。走査 型 と凝視 型 がある。地球 の夜 側 であっても使 える赤外線 方式 のものが多 い。2つの直交 軸 について、地球 との関係 で姿勢 (向 き)を知 ることができる。恒星 の観測 に基 づくセンサ(星 センサ)よりは精度 は落 ちる。- Orbital Gyrocompassing(
軌道 ジャイロコンパス) 軌道 ジャイロコンパスは、地平線 検出 器 の補完 に使 われる。地平線 検出 器 で地球 の中心 方向 を定 め、ジャイロで地球 の回転 軸 (北極 方向 )を求 める。従 って、地平線 検出 器 が横 揺 れ(roll)や縦 揺 れ(pitch)方向 の誤差 を検出 し、ジャイロで偏 揺 れ(yaw)方向 の誤差 を検出 する。- Sun sensor(
太陽 センサ) 太陽 の方向 を測 る機器 。太陽 電池 と日 よけからなる単純 な構造 もあれば、方向 の制御 が可能 な望遠鏡 のような複雑 な構造 のものもあり、これらはミッション要求 に応 じて選 ばれる。- Star tracker(
恒星 追跡 器 、星 センサ、スター・トラッカー) 太陽 を除 く複数 の恒星 の方向 を測 る光学 機器 。光 電 セルや半導体 カメラを使 って恒星 の位置 を測定 する自動 化 された天測 航法 と言 える。一般 に姿勢 を知 るために使 われる明 るい恒星 は57個 存在 する。最 もよく使 われるのはシリウスである。しかし、より複雑 なミッションでは星 のデータベース(高 精度 な星 のカタログ)を使 って衛星 の姿勢 を識別 する。恒星 追跡 器 は高 感度 でなければならず、後述 するスラスターが噴射 するガスによって太陽 の光 が反射 されると、恒星 を見失 うことがある。- スペースシャトルの
場合 は、ジャイロスコープを内蔵 した慣性 航法 装置 と、スター・トラッカーを使 って、軌道 上 の位置 と姿勢 を把握 している。 - Magnetometer(
磁気 センサ、磁力 計 ) 磁力 計 は、地球 の磁場 の強 さと方向 を測定 する機器 で、軌道 上 に搭載 された(または地上 の航法 コンピュータ)メモリの地磁気 マップと比較 する事 で軌道 上 の位置 を知 ることが出来 る。軌道 上 の位置 がわかれば、宇宙 機 の姿勢 も推測 することができる。
制御 プログラム[編集 ]
アクチュエータ[編集 ]
- スラスタ
姿勢 制御 スラスタは、宇宙 機 の姿勢 を制御 する姿勢 制御 システム (RCS; Reaction Control System) として最 も代表 的 なものであり、3軸 の安定 を図 るものが一般 的 である[3]。一 液 式 ロケットであることが多 く、加圧 タンク内 の液体 をバルブで調節 し、ノズルからガス状 に噴射 する時 の反動 を得 る簡単 な機構 のものから、加圧 タンク内 の燃料 を触媒 に吹 き付 けて分解 反応 させてノズルから噴射 する時 の反動 を得 る機構 のものがある。ニ液 式 ロケットでは燃料 と酸化 剤 をそれぞれ加圧 タンクに納 めておき、少量 ずつを混合 して反応 させノズルから噴射 するある程度 複雑 なものがある[4]。姿勢 制御 スラスタは、軌道 制御 にも用 いられることがある。姿勢 制御 システムの燃費 は、スラスタの排気 速度 と最小 トルクインパルスの大 きさに依存 する。得 られるトルクを最大 化 するために、ノズルは可能 な限 り重心 から離 れた位置 に取 り付 けられる。機体 の回転 を低減 させるには、そのトルクと同 程度 のトルクを逆 方向 にかける必要 がある。ある方向 にスラスタを噴射 した場合 、誤差 に対応 するために、数 十 秒 後 に[要 出典 ]逆 方向 にスラスタを噴射 する必要 がある。タンクの残存 圧力 やバルブ動作 、反応 度 といった要素 が発生 推力 を左右 するため、誤差 も比較的 大 きい。噴射 によって搭載 推進 剤 を消費 するため、使用 は計画 的 に行 われる。[5]姿勢 制御 スラスタは得 られるトルクが比較的 大 きいが精度 は低 く、何 より推進 剤 の搭載 量 に限 りがあるため、長所 /短所 を補完 しあえる他 の姿勢 制御 装置 と併用 されることが多 い[2]。- スピンテーブル
- スピン
安定 方式 を実現 するために、衛星 打 ち上 げロケットから衛星 を切 り離 す時 など、スピンテーブルを使 って宇宙 機 全体 を1軸 を中心 に回転 させて切 り離 す。最終 的 な軌道 に乗 った後 は、この回転 は何 らかの手段 で停止 させる(3軸 制御 衛星 の場合 )こともあるし、そのまま回転 し続 ける(スピン衛星 の場合 )こともある。回転 したままにする人工 衛星 は、それほど高 いポインティング精度 を必要 とせず、かつ回転 軸 を大 きく変更 する必要 が無 い場合 に限 られる。また、観測 機器 で天体 や地表 や大気 を走査 するミッションの場合 、回転 したままにしておくことがある。 - モーメンタムホイール
電気 モーターと一体 となった「モーメンタムホイール」と呼 ばれる円盤 を高速 回転 させることで、外乱 で生 じるモーメントをジャイロ効果 (ジャイロ剛性 )で打 ち消 す仕組 みである。モーメンタムホイールの軸受 けは真空 での長期間 動作 のために磁気 軸受 が使 われる事 が多 い。- リアクション・ホイール
- コントロール・モーメント・ジャイロスコープ(CMG)
- コントロール・モーメント・ジャイロスコープは、ジンバル
上 に設置 され一定 速度 で回転 するローターを使 って姿勢 を制御 する装置 である。CMG はジャイロの回転 軸 に直角 な2軸 方向 のモーメント制御 を行 うものであり、モーメンタムホイールではジャイロ効果 によって慣性 モーメントを増 すことで外乱 による機体 の回転 運動 を抑制 するのとは逆 に、CMGでは積極 的 にローターの回転 軸 を傾 けてジャイロ効果 を用 いてモーメントを調節 する。CMGによるトルクは大 きく、モーメンタムホイールよりも大型 の宇宙船 に適 している。直交 する3軸 の姿勢 制御 を行 うには少 なくとも2軸 の回転 装置 が必要 となる。大 重量 で故障 しやすいことが問題 である。このため、国際 宇宙 ステーションでは4台 のCMGを装備 して故障 に備 えている。米国 では他 にスカイラブでの使用 例 がある。ロシアはジャイロダインと呼 んでいたがミールで使用 した。日本 では太陽 観測 衛星 ようこうに小型 のCMG[6]を搭載 したのが初 めての使用 例 であった。 太陽 帆 (ソーラーセイル)太陽 帆 は太陽光 が反射 する際 に生 じる力 (太陽 輻射 圧 )を推進 力 に利用 する機器 であり、小型 の太陽 帆 は姿勢 制御 や速度 調整 に使 うこともできる。大量 の推進 剤 を必要 とするような何 年 にもわたる長 いミッション期間 が求 められる宇宙 機 の場合 、燃料 消費 を抑 える目的 で使 われる。マリナー10号 はかつて太陽 パネルとアンテナを小型 太陽 帆 として使用 したことがある。その他 、最近 では一部 の静止 衛星 の姿勢 制御 にも使 われている。2010年 には展開 型 太陽 帆 の実験 機 IKAROSが上 げられた。重力 勾配 による安定 (重力 傾 度 安定 方式 Gravity-gradient stabilization)軌道 上 では、機体 の1つの軸 が他 の2軸 よりも長 い場合 、その長 い軸 が天体 の質量 の中心 を指 すような姿勢 で自然 に安定 する。これが重力 傾 度 安定 であり、能動 的 な姿勢 制御 システムや燃料 消費 を必要 としない。このようになる原因 は潮汐 力 である。機体 の上端 は下端 ほど重力 を感 じない。長 軸 が重力 加速度 の方向 でない場合 、復元 トルクが働 く。従 って、何 らかの制動 方法 がなければ、機体 が振 り子 のように発振 する可能 性 がある。人工 衛星 の2つの部分 をテザーで結 ぶ形態 にして、制動 トルクを増加 させることがある。テザーを使 う場合 の問題 点 は、微小 な星 間 物質 であってもテザーを破損 する恐 れがある点 である。磁気 トルカ(Magnetic torquers)磁場 が存在 する空間 では、電磁石 や永久 磁石 を使 ってトルクを発生 させることができる。典型 的 な例 として電気 力学 的 テザー、磁気 トルカがある。完全 に受動 的 な姿勢 制御 重力 傾 度 安定 と磁場 を使用 した姿勢 安定 を組 み合 わせて利用 することで、完全 に受動 的 な姿勢 制御 システムを構築 できる。機体 はエネルギーが最小 となる点 を中心 に発振 することになるため、指向 方向 の精度 には限界 があるが、粘性 ダンパ(内部 にバッフルプレートを備 えた推進 剤 タンクや小型 の缶 を利用 可能 )などの制動 機構 を備 えれば克服 可能 である。
出典 ・脚注 [編集 ]
- ^ 1
本 の矢印 だけではその軸 回 りの任意 の回転 が表現 できない。 - ^ a b
川口 淳 一郎 著 、『「はやぶさ」の超 技術 』、講談社 、2011年 3月 20日 第 1刷 発行 、ISBN 9784062577229 - ^ 1
軸 方向 をモーメンタム・ホイールで安定 させる機体 では、アンローディング用 も含 めた3軸 を備 えるものと、2軸 だけを備 えるものがある。 - ^
燃料 タンクだけの一 液 式 では、タンク内部 にゴム風船 状 の加圧 バッグを収納 しておくことで無重力 空間 でもタンクから配管 へ燃料 を押 し出 すことができるが、酸化 剤 タンクでは酸化 剤 が腐食 性 であるため容易 ではない。多 くのニ液 式 ロケットでは、燃料 だけ先 にノズルから噴射 して軽 い加速 を得 てから、酸化 剤 タンク内 の酸化 剤 を配管 側 に寄 せ、それから本格 的 な2液 混合 による噴射 を行 うという工夫 をしている。日本 の「はやぶさ」では、耐 腐食 性 の金属 ダイヤフラムを酸化 剤 タンクに内蔵 した。 - ^
多 くの人工 衛星 では、主 に軌道 制御 用 に消費 される推進 剤 の搭載 残 量 が寿命 を決定 する。 - ^ “「ようこう」の
成果 について(補足 資料 )”. ISAS 2012年 2月 27日 閲覧 。
関連 項目 [編集 ]
外部 リンク[編集 ]
上手 な衛星 姿勢 制御 系 の作 り方 JAXA人工 衛星 の姿勢 を制御 する高性能 機器 の開発 JAXA