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実 じつ 数値 すうち 関数 かんすう (じっすうちかんすう、英 えい : real-valued function )とは、値 ね として実数 じっすう を与 あた える関数 かんすう をいう。つまり、定義 ていぎ 域 いき のそれぞれの元 もと に対 たい し実数 じっすう を割 わ り当 あ てる関数 かんすう のことである。特 とく に、定義 ていぎ 域 いき も実数 じっすう の部分 ぶぶん 集合 しゅうごう であるもの、すなわち実 じつ 変数 へんすう の実 じつ 数値 すうち 関数 かんすう を実 じつ 関数 かんすう (じつかんすう、英 えい : real function )という。
多 おお くの重要 じゅうよう な関数 かんすう 空間 くうかん が、いくつかの実 じつ 数値 すうち 関数 かんすう からなるものとして定義 ていぎ されている。
X を任意 にんい の集合 しゅうごう とする。F (X , R ) を X から R への関数 かんすう 全体 ぜんたい の集合 しゅうごう で表 あらわ すものとする。R は可 か 換 かわ 体 からだ であるので、F (X , R ) はベクトル空間 くうかん であり、実数 じっすう 上 うえ の結合 けつごう 多元 たげん 環 たまき は、以下 いか のように定義 ていぎ できる。
ベクトル和 わ : f + g : x ↦ f (x ) + g (x )
加法 かほう 単位 たんい 元 もと : 0 : x ↦ 0
スカラーとの積 せき : cf : x ↦ cf (x ), c ∈ R
各 かく 点 てん ごとの積 せき : fg : x ↦ f (x )g (x )
また、R は順序 じゅんじょ 集合 しゅうごう であることから、F (X , R ) には以下 いか のような半 はん 順序 じゅんじょ が入 はい る。
f
≤
g
⟺
∀
x
:
f
(
x
)
≤
g
(
x
)
.
{\displaystyle \ f\leq g\iff \forall x\colon f(x)\leq g(x).}
これによって、F (X , R ) は半 はん 順序 じゅんじょ 環 たまき (英語 えいご 版 ばん ) とある。
ボレル集合 しゅうごう の σ しぐま -代数 だいすう は実数 じっすう 上 うえ に定義 ていぎ される重要 じゅうよう な構造 こうぞう である。X が σ しぐま -代数 だいすう を持 も ち、関数 かんすう f が、すべてのボレル集合 しゅうごう B に対 たい して、その原 はら 像 ぞう f −1 (B ) が X の σ しぐま -代数 だいすう に属 ぞく しているとき、f は可 か 測 はか であるという。この可 か 測 はか 関数 かんすう はまた、うえで説明 せつめい したようなベクトル空間 くうかん と代数 だいすう をつくる。
実数 じっすう は、位相 いそう 空間 くうかん であり完備 かんび 距離 きょり 空間 くうかん である。連続 れんぞく な実 じつ 数値 すうち 関数 かんすう (これは暗黙 あんもく のうちに X が位相 いそう 空間 くうかん であることを主張 しゅちょう する)は位相 いそう 空間 くうかん や距離 きょり 空間 くうかん の理論 りろん で重要 じゅうよう なものである。極 きょく 値 ち 定理 ていり は、コンパクト空間 くうかん 上 うえ のすべての連続 れんぞく な実 じつ 数値 すうち 関数 かんすう には(極小 きょくしょう 、極大 きょくだい にとどまらない大域 たいいき 的 てき な)最小 さいしょう 値 ち と最大 さいだい 値 ち が存在 そんざい することを主張 しゅちょう する。