小笠原おがさわら忠ただし統みつる

小笠原おがさわら 忠ただし統みつる（おがさわら ただむね、1919年ねん（大正たいしょう8年ねん）8月がつ6日にち - 1996年ねん（平成へいせい8年ねん）5月がつ10日とおか）は、小倉おぐら小笠原おがさわら家か第だい32代だい当主とうしゅ。伯爵はくしゃく。長野ながの県けん松本まつもと市立しりつ図書館としょかん長ちょう、相模女子大学さがみじょしだいがく教授きょうじゅを務つとめた。

兄あにに小笠原おがさわら忠春ただはる（第だい31代だい当主とうしゅとなるがのちに分家ぶんけ）、小笠原おがさわら忠幸ただゆき（小笠原おがさわら長ちょう丕養子ようしで分家ぶんけの小笠原おがさわら子爵ししゃく家か14代だい）、姉あねに明子あきこ（多久たく龍三郎りゅうさぶろう夫人ふじん）、妹いもうとに鞠子まりこ（伊達だて興きょう宗むね夫人ふじん）。子こに小笠原おがさわら長ちょう雅みやび。

略歴りゃくれき

小笠原おがさわら長ちょう幹みきの三男さんなんとして生うまれる。東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく文学部ぶんがくぶ卒業そつぎょう。昭和しょうわ19年ねん（1944年ねん）、長兄ちょうけいの忠春ただはるが結婚けっこん問題もんだいを機きに当主とうしゅを辞じすることとなり隠居いんきょ、分家ぶんけした。次兄じけいの忠幸ただゆきはすでに分家ぶんけを継ついでいたため、忠ただし統みつるが小笠原おがさわら伯爵はくしゃく家かの家督かとくを継ついだ。また、総領そうりょう家かが代々だいだい藩主はんしゅであった小倉こくら藩はんの茶道さどう小笠原おがさわら古流こりゅうの家元いえもとにも就任しゅうにんした。忠ちゅう統みつるの実子じっしであり長男ちょうなんの小笠原おがさわら長ちょう雅みやびが小笠原おがさわら総領そうりょう家か第だい33代だい当主とうしゅを継つぎ、小笠原おがさわら家か茶道さどう古流こりゅうの家元いえもととなっている。墓所はかしょは多磨たま霊園れいえん。代々だいだい小笠原おがさわら家かの当主とうしゅだけに伝つたえられてきたとされる小笠原おがさわら流りゅうの礼法れいほうを広ひろく一般いっぱんに伝つたえ、門弟もんていの育成いくせい、講演こうえん、執筆しっぴつ活動かつどうなどに取とり組くんだ。

忠ちゅう統みつるの広ひろめた小笠原おがさわら流りゅう礼法れいほう

忠ちゅう統みつるの広ひろめた礼法れいほうは江戸えど幕府ばくふの公式こうしき作法さほうであった小笠原おがさわら流りゅう礼法れいほうとは多おおくの相違そうい点てんがある。惣領そうりょう家か流りゅうとも呼よばれる豊前ぶぜん国こく小倉こくら藩はんの礼法れいほうについては、以前いぜんに小倉こくら藩はん最後さいごの藩主はんしゅ小笠原おがさわら忠ただし忱まことが『小笠原おがさわら流りゅう女おんな礼れい抄しょう』（1896年ねん）を編あんでいるが、誰だれからどのような礼儀れいぎ作法さほうを学まなんだかは明あきらかにしていない。 その孫まごである忠ただし統みつるは第だい二に次じ大戦たいせん後ご、講演こうえん、執筆しっぴつ活動かつどうなどに取とり組くみ普及ふきゅうさせていった。 長男ちょうなんの小笠原おがさわら長ちょう雅みやびは古文書こもんじょや鎧兜よろいかぶとを小倉おぐらの博物館はくぶつかんに寄贈きぞうし忠ちゅう統みつるの広ひろめた礼法れいほう指導しどうは継承けいしょうしなかったため、忠ただし統みつるの姪めいの小笠原おがさわら敬承けいしょう斎ときが後ごを継つぎ、普及ふきゅう活動かつどうをおこなっている。

忠ちゅう統みつるの功績こうせき

「作法さほうとは形かたちではなく、本来ほんらいは相手あいてを思おもいやるこころである」という自身じしんの礼法れいほうを世よに広ひろめることとし、執筆しっぴつ活動かつどう、テレビ出演しゅつえん、門弟もんていの育成いくせいに努つとめた。 その教おしえと学校がっこう法人ほうじん東京とうきょう聖徳学園しょうとくがくえんの教育きょういく理念りねんが通つうずることから忠ちゅう統みつるは礼法れいほうの指導しどうに携たずさわり、同どう学園がくえんの教育きょういく課程かていに組くみ込こまれるなどしている。

著書ちょしょ

• （対談たいだん）『見みえざる左手ひだりて―ものいわぬ社会しゃかい制度せいどへの提言ていげん』著ちょ：大路おおじ直哉なおや 三さん五ご館かん（1998年ねん10月がつ1日にち）
• 『恥はじをかかない 和食わしょくマナーの手帳てちょう』 小学しょうがく館かん（1996年ねん12月がつ）
• 『日本人にっぽんじんの礼儀れいぎとこころ』（1994年ねん）
• 『図解ずかい小笠原おがさわら流りゅう礼法れいほう入門にゅうもん（上うえ・下した）』監修かんしゅう：小笠原おがさわら忠ただし統みつる 日本文芸社にほんぶんげいしゃ（1991年ねん5月がつ）
• 『美うつくしいマナー読本とくほん』（1989年ねん）
• 『小笠原おがさわら流りゅう いい女おんなの礼儀れいぎ作法さほう』 広済堂こうさいどう出版しゅっぱん（1989年ねん6月がつ）
• 『知しっておきたい礼儀れいぎ作法さほう』 （ニュー・ライフ・ブックス）文化出版局ぶんかしゅっぱんきょく（1984年ねん10月がつ）
• 『小笠原おがさわら流りゅう 礼儀れいぎ作法さほう入門にゅうもん』 大和やまと山さん出版しゅっぱん社しゃ（1984年ねん1月がつ）
• 『母ははと子このための小笠原おがさわら流りゅう礼儀れいぎ作法さほう』 大和やまと山さん出版しゅっぱん社しゃ（1984年ねん1月がつ）
• 『すてきな母親ははおやすてきなこども』（1982年ねん）
• 『小笠原おがさわら流りゅう礼法れいほう入門にゅうもん』 中央ちゅうおう文芸ぶんげい社しゃ（日本文芸社にほんぶんげいしゃ、1981年ねん11月）
• 『小笠原おがさわら礼あや書しょ七なな冊さつ 復刻ふっこく版ばん』（1973年ねん）
• 『小笠原おがさわら礼あや書しょ』（1973年ねん）

関連かんれん項目こうもく

• 日本にっぽんマナー・プロトコール協会きょうかい
• 小笠原おがさわら流りゅう礼法れいほう宗家そうけ本部ほんぶ
• 小笠原おがさわら家か茶道さどう古流こりゅう
• 小笠原おがさわら流りゅう礼法れいほう
• 相模女子大学さがみじょしだいがく
• 佐久間さくま進すすむ

外部がいぶリンク

• 小笠原おがさわら流りゅう礼法れいほう - HP一いち面めんの書しょは忠ちゅう統みつるの自筆じひつ。

日本にっぽんの爵位しゃくい
先代せんだい 小笠原おがさわら忠春ただはる	伯爵はくしゃく （小倉おぐら）小笠原おがさわら家か第だい4代だい 1944年ねん - 1947年ねん	次代じだい （華族かぞく制度せいど廃止はいし）