平賀ひらが弘ひろし保ほ

凡例はんれい 平賀ひらが弘ひろし保ほ
時代じだい	戦国せんごく時代じだい
生誕せいたん	文明ぶんめい7年ねん（1475年ねん）
死没しぼつ	永えい禄ろく元年がんねん6月27日にち（1558年ねん7月がつ12日にち）
改名かいめい	通称つうしょう：新あたらし四郎しろう
戒名かいみょう	真しん岳だけ
墓所はかしょ	平賀ひらが氏し菩提寺ぼだいじ明道あけみち寺跡てらあと （広島ひろしま県けん東広島ひがしひろしま市し高屋町高屋堀たかやちょうたかやほり1065）
官位かんい	尾張おわり守もり、蔵人くろうど大夫たいふ
主君しゅくん	大内おおうち政弘まさひろ→義興よしおき→義隆よしたか→毛利もうり元就もとなり
氏族しぞく	藤ふじ姓せい平賀ひらが氏し
父母ちちはは	父ちち：平賀ひらが弘ひろし頼よりゆき
兄弟きょうだい	弘ひろ保ほ、木原きはら保たもつ成なり（商家しょうか木原きはら家か祖そ）
妻つま	坂さか広明ひろあきの娘むすめ
子こ	興きょう貞さだ、入野いりの貞さだ景けい、女おんな（冷泉れいせん隆りゅう豊ゆたか室しつ）

平賀ひらが 弘ひろし保ほ（ひらが ひろやす）は、戦国せんごく時代じだいの武将ぶしょう。安芸あき国こくの国人くにびと・平賀ひらが氏し当主とうしゅ。

生涯しょうがい

文明ぶんめい7年ねん（1475年ねん）、安芸あき国人くにびと・平賀ひらが氏し当主とうしゅである平賀ひらが弘ひろし頼よりゆきの嫡男ちゃくなんとして生うまれる。大内おおうち氏しに属ぞくし、元服げんぷく時ときには大内おおうち政弘まさひろから「弘ひろし」の偏へん諱いみなを受うけて弘ひろ保ほと名乗なのる。

明あかり応おう元年がんねん（1492年ねん）5月11日にちに父ちち・弘ひろし頼よりゆきが死去しきょし、家督かとくを相続そうぞくした。文ぶん亀かめ3年ねん（1503年ねん）に弘ひろ保ほは居城きょじょうであった御薗みその宇城の防備ぼうびに不安ふあんを感かんじ、白山はくさん城じょうを築きずいて居城きょじょうとした。そして城下じょうかに市しを開ひらき、流通りゅうつうの拠点きょてんとして整備せいびし、白しろ市しと呼よばれる城下町じょうかまちを作つくり上あげた。

永えい正ただし4年ねん（1507年ねん）、大内おおうち義興よしおきが前ぜん将軍しょうぐん・足利あしかが義よし尹いん（義稙よしたね）を奉ほうじて上洛じょうらくを開始かいしすると弘ひろ保ほも加くわわり、永えい正ただし8年ねん（1511年ねん）8月がつ23日にちの船岡ふなおか山さんの戦たたかいで負傷ふしょうしつつも武功ぶこうを挙あげ、尾張おわり守もりの官かんと感状かんじょうを与あたえられた。

弘ひろ保ほが築きずいた白山はくさん城じょうは経済けいざい的てきには有利ゆうりな城しろであったが、戦乱せんらんの世よとなり、大だい永ひさし3年ねん（1523年ねん）の鏡山かがみやま城じょうの戦たたかいで大だい内方ないほうの鏡かがみ山城やましろが落城らくじょうすると、同年どうねんに防御ぼうぎょに優すぐれた頭崎つむりざき城じょうを築きずいた。この頭崎つむりざき城じょうには嫡男ちゃくなんの興きょう貞さだを入いれたが、後のちに大内おおうち氏し・尼子あまこ氏しへの対応たいおうで意見いけんが異ことなり、親子おやこで度々たびたび争あらそった。後のちに毛利もうり元就もとなりの介入かいにゅうによって親子おやこの争あらそいに終止符しゅうしふを打うち、興きょう貞さだを出家しゅっけさせ、興きょう貞さだの子こで嫡孫ちゃくそんの隆りゅう宗はじめに家督かとくを継承けいしょうさせた。

しかし、その隆りゅう宗はじめが天文てんもん18年ねん（1549年ねん）の備後びんご神辺かんべ城しろの攻略こうりゃく戦せんの最中さいちゅうに陣没じんぼつすると、大内おおうち義隆よしたかが平賀ひらが氏しの家督かとく相続そうぞくに介入かいにゅうし、弘ひろ保ほは隆りゅう宗はじめの弟おとうとの新九郎しんくろう（後ごの広こう相そう）への家督かとく相続そうぞくを願ねがったが、義隆よしたかは小早川こばやかわ氏し庶流で自身じしんの寵ちょう童わらわであった小早川こばやかわ亀寿かめじゅ丸まるを弘ひろ保ほの養子ようしとして押おし込こみ、平賀ひらが隆たかし保ほと名乗なのらせて家督かとくを相続そうぞくさせた。弘ひろ保ほはこの対応たいおうに不満ふまんであったが、表立おもてだって批判ひはんはできず、この裁定さいていを受うけ入いれる他ほかなかった。

ところが天文てんもん20年ねん（1551年ねん）の大だい寧やすし寺てらの変へんで大内おおうち義隆よしたかが陶とう隆房たかふさの謀反ぼうほんによって殺害さつがいされると、隆房たかふさと協力きょうりょく関係かんけいにあった毛利もうり元就もとなりは大だい内方ないほう諸しょ城しろの攻略こうりゃくを開始かいしし、大だい内方ないほうの平賀ひらが隆たかし保ほが籠こめる頭崎つむりざき城じょうへの攻撃こうげきを開始かいしした。この平賀ひらが氏し危急ききゅうの際さいにも弘ひろ保ほは動うごかず、元就もとなりと結託けったくしてそのまま隆たかし保ほを見殺みごろしにした。結局けっきょく、頭崎つむりざき城じょうは落城らくじょう、隆りゅう保たもつは槌づち山城やましろに逃亡とうぼうして最期さいごの一いち戦せんを図はかるが衆寡しゅうか敵てきせず槌づち山城やましろは落城らくじょう、隆りゅう保たもつは自害じがいした。その後ご、新九郎しんくろうが「平賀ひらが広ひろ相しょう」と名乗なのり、平賀ひらが氏しの家督かとくを相続そうぞくした。

この頃ころ、大内おおうち義隆よしたかを最後さいごまで守まもって討死うちじにした冷泉れいせん隆りゅう豊ゆたかの弟おとうと・吉安きちやす豊英とよふさが隆りゅう豊ゆたかの子こである元げん豊ゆたか・元満もとみつ兄弟きょうだいを連つれて弘ひろ保ほを頼たよってきた。弘ひろ保ほはこれを温あたたかく迎むかえ入いれ、兄弟きょうだいを庇護ひごした。

永えい禄ろく元年がんねん（1558年ねん）6月27日にちに死去しきょ。享年きょうねん84。

参考さんこう資料しりょう

• 岡部おかべ忠夫ただお『萩はぎ藩はん諸家しょか系譜けいふ』マツノ書店しょてん、1999年ねん1月がつ。 
• 『萩はぎ藩閥はんばつ閲録』