平賀ひらが氏し

平賀ひらが氏し（ひらがし）は、日本にっぽんの氏族しぞく。

• 信濃しなの国こくを本領ほんりょうとした清和せいわ源はじめ氏し義光よしみつ流りゅうの一族いちぞくは信濃しなの平賀ひらが氏し
• 安芸あき国こく南部なんぶを本領ほんりょうとした藤ふじ姓せい良りょう房ぼう流りゅうの一族いちぞくは安芸あき平賀ひらが氏し

信濃しなの平賀ひらが氏し

信濃しなの平賀ひらが氏し
左ひだり三巴みつどもえ、丸まるに橘たちばな
本姓ほんせい	清和せいわ源はじめ氏し義光よしみつ流ながれ
家いえ祖そ	平賀ひらが盛義もりよし
種別しゅべつ	武家ぶけ
出身しゅっしん地ち	信濃しなの国こく佐久さく郡ぐん平賀ひらが邑、平賀ひらが城しろ
著名ちょめいな人物じんぶつ	平賀ひらが惟義これよし 平賀ひらが朝ちょう雅みやび 平賀ひらが玄げん信しん
支流しりゅう、分家ぶんけ	金津かなづ氏し（武家ぶけ） 大内おおうち氏し（武家ぶけ）
凡例はんれい / Category:日本にっぽんの氏族しぞく

概要がいよう

新しん羅ら三郎さぶろう義光よしみつの子こ盛もり義よしが佐久さく郡ぐん平賀ひらが邑を有ゆうしたことに始はじまり、子この平賀ひらが義信よしのぶの代だいに、源みなもと氏し御ご門葉もんようとして、また御家人ごけにん筆頭ひっとうとして隆盛りゅうせいを誇ほこった。

義信よしのぶの子こ惟義これよしは文治ぶんじ元年がんねん（1185年ねん）に相模さがみ守もりとなる。2代だい将軍しょうぐん頼よりゆき家か以降いこうでは京都きょうと守護しゅごとして活躍かつやくし、幕府ばくふから伊勢いせ・伊賀いが・越前えちぜん・美濃みの・丹波たんば・摂津せっつという近畿きんき6ヶ国かこくの守護しゅごを任まかされ、更さらに朝廷ちょうていの後鳥羽上皇ごとばじょうこうの近臣きんしんとなり、大内おおうち冠者かんじゃと呼よばれた。最終さいしゅう官位かんいは修理しゅうり権けん大夫たいふで四よん位いに昇進しょうしんしたと考かんがえられる。惟義これよしは、承うけたまわ久ひさし元年がんねん（1219年ねん）正月しょうがつ27日にち、3代だい将軍しょうぐん実じつ朝あさの右大臣うだいじん昇進しょうしんの鶴岡つるおか参宮さんぐう行列ぎょうれつに列れつしたのを最後さいごに記録きろく上じょうから姿すがたを消けす。

惟義これよしの弟おとうと朝あさ雅みやびは、父ちち義信よしのぶに次ついで武蔵むさし守もりとなり、北条ほうじょう時政ときまさの娘むすめ（牧まきの方ほう所生しょせい）を妻つまに迎むかえて京都きょうと守護しゅごと伊賀いが・伊勢いせの守護しゅごを兼かね、さらに伊賀いがの国主こくしゅと栄達えいたつを重かさねるが、義父ぎふ時政ときまさの寵愛ちょうあいが災わざわいして元久もとひさ2年ねん（1205年ねん）牧まきの方ほうが朝あさ雅みやびを将軍しょうぐんにしようとした陰謀いんぼう（牧まき氏し事件じけん）が発覚はっかく、京都きょうとで誅された。

朝あさ雅みやびの死後しご（時政ときまさの失脚しっきゃく後ご）も惟義これよしの権威けんいは揺ゆらがなかったが、鎌倉かまくら幕府ばくふ内ないでは執権しっけん北条ほうじょう氏しの権威けんいが確立かくりつし、当初とうしょは御家人ごけにん筆頭ひっとうであった席次せきじも北条ほうじょう氏しの下座げざに着つくようになる。また惟義これよしの後のちを継ついだ惟信いしんは、承うけたまわ久ひさし3年ねん（1221年ねん）の承久じょうきゅうの乱らんで京きょう方かたに付つき、平賀ひらが氏しは没落ぼつらくした。

なお、『小早川こばやかわ家か文書ぶんしょ』（552・553号ごう）より、平賀ひらが九郎くろう有信ありのぶ（法名ほうみょう:念仏ねんぶつ）が承久じょうきゅうの乱らんの戦功せんこうで安芸あき国安くにやす芸げい町村ちょうそん（地名ちめい）地頭じとう職しょくを与あたえられ、嘉よしみ禎ただし3年ねん（1237年ねん）に縁者えんじゃと思おもわれる深沢ふかざわ有ゆう経けいにこれを譲ゆずっていることが分わかる。有信ありのぶの名前なまえは現存げんそんの系譜けいふには伝つたえられていないが、秋山あきやま敬たかしは義信よしのぶの兄あにである平賀ひらが有ゆう義よしの子こと推定すいていしており、鎌倉かまくら方かたに付ついた一族いちぞくも存在そんざいしていたとみられる。

また、「楠木くすのき合戦かっせん注文ちゅうもん」に元弘もとひろ3年ねん（1333年ねん）の元弘もとひろの変へんの楠木くすのき正成まさしげを討伐とうばつする幕府ばくふ軍ぐんに動員どういんされた新田にった義貞よしさだの指揮しきする軍ぐん中ちゅうに「新田にった一族いちぞく、里見さとみ一族いちぞく、豊島としま一族いちぞく、平賀ひらが武蔵むさし二郎じろう跡あと、飽間一族いちぞく、薗田そのだ淡路あわじ入道にゅうどう跡あと」とあって、武蔵むさし守もりに補任ほにんされた平賀ひらが義信よしのぶ、平賀ひらが朝ちょう雅みやびの子孫しそんが鎌倉かまくら御家人ごけにんとして存続そんぞくしたことがわかる。これは新田にった義重よししげと平賀ひらが盛義もりよしとの深ふかい親交しんこうや、義重よししげが平賀ひらが氏し一族いちぞくの義隆よしたか、義澄よしずみ、義ぎ資し（義ぎ職しょく）を猶子ゆうしとしたことが、新田にった氏しとの間あいだの姻戚いんせき関係かんけいに発展はってんして新田にった荘そう内うちに所領しょりょうを得えて、平賀ひらが氏し本ほん宗むねが新田にった氏し一いち党とうに内包ないほうされていったものと考かんがえられている。

その後ごは、平賀ひらか郷きょうの在地ざいち豪族ごうぞくなどが平賀ひらが姓せいを名乗なのっていたが、信濃しなの源はじめ氏し小笠原おがさわら氏しの庶流大井おおい氏しの勢力せいりょく下かとなり、庶流の岩村田いわむらた大井おおい氏し出身しゅっしんの平賀ひらが玄げん信しんが記録きろくに残のこされている。

玄げん信しんの滅亡めつぼう後ご、一族いちぞくは陸奥みちのく国こく白石しらいしに移うつり伊達だて氏しに仕つかえ、名字みょうじを白石しろいしに改あらため、伊達だて秀しげる宗むねが伊予いよ国こく宇和島うわじま藩はんに移転いてんした際さいに讃岐さぬき国こくに足軽あしがるとして帰農きのうした伝承でんしょうがあり、江戸えど時代じだい後期こうきの平賀ひらが源内げんないは、この岩村田いわむらた大井おおい氏し系けい平賀ひらが氏しの子孫しそんと自称じしょうして、平賀ひらが姓せいに復ふくしたという。

参考さんこう文献ぶんけん

• 須藤すとう聡さとし「鎌倉かまくら期き里見さとみ一族いちぞくの動向どうこうと平賀ひらか一族いちぞく」 （初出しょしゅつ:『群馬ぐんま歴史れきし民俗みんぞく』31号ごう（2010年ねん）/所収しょしゅう: 田中たなか大喜だいぎ 編著へんちょ『シリーズ・中世ちゅうせい関東かんとう武士ぶしの研究けんきゅう 第だい三さん巻かん 上野うえの新田にった氏し』（戎えびす光ひかり祥さち出版しゅっぱん、2011年ねん）ISBN 978-4-86403-034-2）

安芸あき平賀ひらが氏し

安芸あき平賀ひらが氏し
梅うめヶ唐から花はな
本姓ほんせい	藤原ふじわら北きた家か良りょう房ぼう流ながれ
家いえ祖そ	松葉まつば資し宗むね
種別しゅべつ	武家ぶけ
出身しゅっしん地ち	出羽でわ国こく平鹿ひらか郡ぐん
著名ちょめいな人物じんぶつ	平賀ひらが弘ひろし保ほ 平賀ひらが広ひろ相しょう 平賀ひらが元はじめ相しょう
支流しりゅう、分家ぶんけ	東村あずまむら氏し 名めい井い氏し
凡例はんれい / Category:日本にっぽんの氏族しぞく

概要がいよう

安芸あき平賀ひらが氏しは太政大臣だじょうだいじんであった藤原ふじわら良りょう房ぼうの後裔こうえいを称しょうし、松葉まつば資し宗むね（すけむね）を始祖しそとしている。資し宗むねは源みなもと頼朝よりともに協力きょうりょくして治ち承うけたまわ・寿ことぶき永ひさしの乱らん（源平げんぺい合戦かっせん）で数すう多おおくの功こうを挙あげ、出羽でわ平鹿ひらか郡ぐん、安芸あき高屋たかや保たもつ、上総かずさ桜さくら尾郷おごう、越中えっちゅう油田ゆでん条じょうを与あたえられた。資し宗むねの子こ、松葉まつば惟おもんみ泰やすし（これやす、平賀ひらが惟おもんみ泰やすし）の頃ころに出羽いずは平鹿ひらか郡ぐんに下向げこう、在所ざいしょの名なを取とって平鹿ひらか氏し（平賀ひらが氏し）を称しょうした。

惟おもんみ泰たいの兄あに・松葉まつば朝宗ともむね（ともむね）は建たて保たもつ2年ねん（1214年ねん）4月がつ19日にちに将軍しょうぐん・源実朝みなもとのさねともを烏帽子えぼし親おやとして元服げんぷくしてその1字じを与あたえられて初はじめ実じつ宗むね（さねむね）、のち朝宗ともむねと名乗なのった。惟おもんみ泰たい自身じしんも貞さだ永ひさし2年ねん（1232年ねん）7月がつ11日にちに北条ほうじょう泰やすし時ときの邸宅ていたくで元服げんぷくして｢泰たい｣の字じを与あたえられ、また弟おとうとの松葉まつば惟時これとき（これとき、平賀ひらが惟時これとき）も北条ほうじょう時じ頼よりゆきの邸宅ていたくで元服げんぷくして｢時じ｣の字じを与あたえられている。

文ぶん永ひさし11年ねん（1274年ねん）頃ごろに平賀ひらが氏しの一族いちぞくが元もと軍ぐんの攻撃こうげきに備そなえて、大陸たいりくや半島はんとうに近ちかい他ほかの御家人ごけにんらと共ともに西国さいこくに下向げこう。そのまま所領しょりょうの安芸あき高屋たかや保たもつに御薗みその宇城を築きずいて居城きょじょうとした。

鎌倉かまくら幕府ばくふが滅亡めつぼうすると、高屋たかや保たもつを領りょうしていた平賀ひらか共ども兼けん（ともかね）は足利尊氏あしかがたかうじに従したがって活躍かつやくした。しかし、庶長子ちょうしであった共きょう兼けんは平賀ひらが氏しの惣領そうりょうであった弟おとうとの平賀ひらが直ただし宗むね（なおむね）と家督かとく相続そうぞくで対立たいりつ。この抗こう争そうに直ちょく宗むねが勝利しょうりした結果けっか、直ちょく宗むねが高屋たかや保たもつに下向げこうして高屋たかや保たもつの支配しはいにあたった。これより平賀ひらが氏しの本拠ほんきょは安芸あき高屋たかや保たもつとなり、出羽いずは平鹿ひらか郡ぐん等とうは徐々じょじょに失うしなわれていった。

安芸あき国人くにびと領主りょうしゅとなった平賀ひらが氏しは勢力せいりょくの拡大かくだいに腐心ふしんし、近隣きんりんの国人くにびととの連携れんけいを深ふかめていった。室町むろまち時代ときよ・戦国せんごく時代じだいにおける歴代れきだい当主とうしゅは大内おおうち氏し当主とうしゅより偏へん諱いみなを受うけている。応おう永ながの安芸あき国人くにびと一揆いっきでも指導しどう的てき役割やくわりを果はたし、毛利もうり氏しの家督かとくを巡めぐる内紛ないふんにも介入かいにゅうして、毛利もうり宗家そうけと庶家の和解わかいに尽力じんりょくした。戦国せんごく時代じだいに入はいると、当主とうしゅの平賀ひらが弘ひろし保ほは文ぶん亀かめ3年ねん（1503年ねん）に白山はくさん城じょうを新あらたに築きずいた。永えい正ただし5年ねん（1508年ねん）、周防すおう・長門ながとの大内おおうち義興よしおきが足利あしかが義稙よしたねを奉ほうじて上洛じょうらくした際さいには、弘ひろ保ほも他たの安芸あき国人くにびとと共ともに上洛じょうらくして、船ふね岡山おかやま合戦かっせん等ひとしでも活躍かつやくした。

その後ご、大内おおうち氏しと尼子あまこ氏し両者りょうしゃの争あらそいが激化げきかした。大だい永ひさし3年ねん（1523年ねん）6月がつ、大だい内方ないほうの鏡かがみ山城やましろが落城らくじょうすると、弘ひろ保ほは居城きょじょうであった白山はくさん城じょうの防備ぼうびに不安ふあんを感かんじ、近隣きんりんの頭あたま崎山さきやまに頭崎つむりざき城じょうを築城ちくじょう。嫡男ちゃくなんの興きょう貞さだを城主じょうしゅとした。ところが、興きょう貞さだは父ちちの意向いこうを無視むしして尼子あまこ氏しに属ぞくし、大だい内方ないほうに味方みかたした弘ひろし保ほと孫まごの隆りゅう宗はじめ・新九郎しんくろう（後ごの広こう相そう）兄弟きょうだいで争あらそいを繰くり広ひろげることとなった。

天文てんもん9年ねん（1540年ねん）、大内おおうち義隆よしたかの命いのちを受うけた毛利もうり元就もとなりが高屋たかや保ほへと進出しんしゅつ、頭崎つむりざき城じょうを攻略こうりゃくした。敗やぶれた興きょう貞さだは出家しゅっけして、平賀ひらが氏しの家督かとくは興きょう貞さだの嫡子ちゃくしである隆りゅう宗はじめが相続そうぞくした。隆りゅう宗はじめは大だい内方ないほうとして活躍かつやくするが、天文てんもん18年ねん（1549年ねん）に備後びんご神辺かんべ城しろを攻撃こうげき中ちゅうに死去しきょした。弘ひろ保ほは家督かとくを新九郎しんくろうに継つがせようと考かんがえたが、義隆よしたかの策謀さくぼうによって平賀ひらが氏しの家督かとくは小早川こばやかわ氏し庶流の義隆よしたかの寵ちょう童わらわが改名かいめいして相続そうぞくし、平賀ひらが隆たかし保ほと名乗なのった。

天文てんもん20年ねん（1551年ねん）に大だい寧やすし寺てらの変へんで義隆よしたかが陶とう隆房たかふさによって殺害さつがいされると、陶すえ方かたに味方みかたしていた毛利もうり元就もとなりは、大だい内方ないほうであった頭崎つむりざき城じょうの隆りゅう保たもつを攻せめて自殺じさつさせ、家督かとくを新九郎しんくろうに継つがせた。新九郎しんくろうは毛利もうり氏しよりその祖先そせん・大江広元おおえのひろもとに因ちなむ｢広こう｣の字じを与あたえられて｢広こう相あい｣と改名かいめい、毛利もうり氏しとの関係かんけい強化きょうかに努つとめ、近隣きんりんの小早川こばやかわ氏しに養子ようしに入はいった小早川こばやかわ隆景たかかげと義兄弟ぎきょうだいの仲なかとなり、国人くにびととしての自律じりつ性せいを有ゆうしながらも毛利もうり氏しへの従属じゅうぞくを深ふかめていった。これに伴ともない偏へん諱いみなも毛利もうり氏し当主とうしゅから受うけるようになっている。永えい禄ろく10年ねん（1567年ねん）に広こう相そうが死去しきょすると家督かとくは嫡男ちゃくなんの元もと相そうが継ついだ。

毛利もうり氏しが最大さいだい勢力せいりょくを築きずいていた頃ころには、平賀ひらが氏しの所領しょりょうも最大さいだいとなり1万まん8,000石せきを領りょうする規模きぼまで成長せいちょうしていた。しかし、慶長けいちょう5年ねん（1600年ねん）の関ヶ原せきがはらの戦たたかいの後のち、毛利もうり氏しが防ぼう長ちょう移うつり封ふうとなると、平賀ひらが氏しもそれに随行ずいこうして移住いじゅうし、所領しょりょうも4,000石せきと大幅おおはばな減げん封ふうとなったため、元もと相そうはそれに苦悩くのうして翌年よくねんの慶長けいちょう6年ねん（1601年ねん）に家いえ禄ろくを返上へんじょうして上洛じょうらく。京都きょうとでの隠棲いんせい生活せいかつに入はいった。

後のちに嫡男ちゃくなんの元忠もとただ（もとただ）が300石せきの毛利もうり家臣かしんとして復帰ふっき。なおも京都きょうとに住すみ続つづけた元もと相そうであったが、寛永かんえい13年ねん（1636年ねん）に孫まごの就忠（なりただ）からの要請ようせいを受うけて萩はぎに戻もどり、99歳さいで大だい往生おうじょうを遂とげた。平賀ひらが氏しはその後ごも毛利もうり氏し家臣かしんとして続つづいた。

平賀ひらが氏し庶流木原きはら氏し

平賀ひらが弘ひろし頼よりゆきの子こ、保ほ成なりが木原きはら城しろ主おもとなって、木原きはらを名字みょうじとした。その後ご、家臣かしんとして平賀ひらが氏しに仕つかえたが、平賀ひらが宗家そうけの没落ぼつらくによって武士ぶしを廃業はいぎょうし、商人しょうにんとして活動かつどう。江戸えど時代じだいには酒造しゅぞう業ぎょうや塩田えんでん業ぎょう等とうを営いとなみ、芸げい南みなみ有数ゆうすうの豪商ごうしょうとして活動かつどうした。今いまも東広島ひがしひろしま市しに残のこる旧きゅう木原きはら家か住宅じゅうたくは昭和しょうわ41年ねん（1966年ねん）に国くにの重要じゅうよう文化財ぶんかざい指定していを受うけた。

幕末ばくまつの広島ひろしま藩士はんし木原きはら適てき處しょはその一門いちもんで、江戸えどに遊学ゆうがくして勝かつ海舟かいしゅうに海軍かいぐんを学まなび、その知識ちしきをもって広島ひろしま藩士はんしに登用とうようされた。同どう門下もんかの中岡なかおか慎太郎しんたろう、坂本さかもと龍馬りょうま、大田黒おおたぐろ伴雄ともお、村田むらた蔵六ぞうろく（後ごの大村おおむら益次郎えきじろう）らと親交しんこうを結むすんだ。

幕末ばくまつの動乱どうらん期きには神かみ機き隊たいを創設そうせつしてその指揮しきに当あたり、戊辰戦争ぼしんせんそうでは東北とうほく等とうを転戦てんせんした。明治維新めいじいしん後ごは、明治めいじ17年ねん（1884年ねん）に広島ひろしま英えい学校がっこうを設立せつりつ。後のちに合併がっぺい等とうで学校がっこう名めいは消滅しょうめつするが、現在げんざいの広島ひろしま女学院じょがくいんはその末すえである。

広島ひろしま藩士はんし平賀ひらが氏し

平賀ひらが氏し庶流は毛利もうり氏しの防ぼう長ちょう移うつり封ふうに従したがわず、帰農きのうした者ものや先述せんじゅつの木原きはら氏しのように商人しょうにんとして生いきていく道みちを選えらんだ者ものも居いた。浅野あさの氏しに仕つかえ広島ひろしま藩士はんしとして仕つかえた者ものも居おり、大正たいしょうから昭和しょうわにかけて活動かつどうした平賀ひらが徳太郎とくたろう海軍かいぐん少将しょうしょうや、夕張ゆうばり型がた軽けい巡洋艦じゅんようかんや高雄たかお型がた重じゅう巡洋艦じゅんようかん、大和やまと型がた戦艦せんかんを設計せっけいした平賀ひらが譲ゆずる造船ぞうせん技術ぎじゅつ中将ちゅうじょうらはその末裔まつえいにあたる。