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御願塚(ごがづか)は、兵庫県伊丹市の地名。現行行政地名は御願塚一丁目から御願塚八丁目まで(いずれも住居表示実施済み区域)。2011年10月1日の伊丹市による推計人口は4,101人。郵便番号664-0855。
伊丹市南部に位置する。北を鈴原町、北東を梅ノ木、東を平松、南東を南町、南を稲野町、南西で僅かに安堂寺町、西を南野、北西を南鈴原と接している。
御願塚古墳は出土品より5世紀頃に築かれたと推定され、元々は周囲に満塚(みちづか)・掛塚(かかりづか)・温塚(ぬくめづか)・破塚(やぶれづか)が築かれていたことから本体の古墳と合わせて五ヶ塚(ごかつか)と呼ばれ、これが転訛して「御願塚」になったとされている[1]。また、南方80メートルにはかつて柏木古墳と呼ばれる円墳もあり、現在の尼崎市塚口あたりまで古墳が点在していたという[1]。
江戸時代までは摂津国川辺郡御願塚村であったが、1889年(明治22年)の町村制施行に伴い稲野村の大字御願塚となった。1940年(昭和15年)の伊丹市成立後は人口の増加に伴い順次、小字が町丁として独立しており1955年(昭和30年)に鈴原町(一部)、1957年(昭和32年)に稲野町と若菱町、1974年(昭和49年)に梅ノ木、1975年(昭和50年)に南町がそれぞれ成立した。現在の町丁としての御願塚一〜八丁目が成立したのは1974年である[1]。
町名は四丁目にある御願塚古墳(南神社)に由来する。
御願塚には、道金町(どっきんちょう)、北町(きたんじょ)、東町、西町(にしんじょ)、南町、辰巳町の6つの旧字がある。愛宕社は、辰巳町と東町で一つ、その他はそれぞれで祀ったので、5ケ所にある。[2][3]
神事は8月23、24日に行なわれる。
この日は一般では地蔵盆として子供を中心に祀るが、火伏の神を祀る為、祀は大人のみで行なう。[2]
7月23日に須佐男神社で開催される夏越祭り。境内で奉納夏越踊りが催される。また、巫女が神前に置かれた3つの大釜で沸かした湯を笹の枝葉を用いて参拝者に向けて撒き、里内の安全や無病息災を祈願する湯立神楽も行われる。[2]
山陽新幹線の高架が町内の南北を分断するように走っている。また、町内に駅は存在しないが阪急伊丹線が平松・南町との境界沿いに走っており、新伊丹駅・稲野駅が徒歩圏内で利用可能。
伊丹市バスは以下の3停留所を町内に設置している。
- 御願塚
- 御願塚8丁目
- 児童会館前(旧「婦人児童センター前」→「女性・児童センター前」から改称)
名所・旧跡・観光スポット・その他[編集]
- ^ a b c 角川日本地名大辞典 第28巻 兵庫県、604ページ。
- ^ a b c 「御願塚ふるさとマップ」、御願塚史跡保存会、2010年5月
- ^ 大黒恵理「御願塚地区史料調査の概要」、『地域研究いたみ』第45巻、伊丹市役所、2016年03月、26-34ページ、ISSN 0288-9242.