徳川とくがわ家か霊廟れいびょう

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増上寺ぞうじょうじ**旧きゅう文昭ふみあき院いん霊廟れいびょう奥おく院いん中門ちゅうもん**（現在げんざいは増上寺ぞうじょうじ徳川とくがわ家か墓所はかしょの入口いりくち）

徳川とくがわ家か霊廟れいびょう（とくがわけれいびょう）は、江戸えど幕府ばくふの将軍しょうぐん職しょくを務つとめた徳川とくがわ将軍家しょうぐんけ歴代れきだいの墓所はかしょのことで、江戸えど（現げん・東京とうきょう）の寛永寺かんえいじと増上寺ぞうじょうじ、及および栃木とちぎ県けんは日光にっこうの輪はなわ王寺おうじにある。江戸えど時代じだいの華麗かれいな建築けんちく技術ぎじゅつ・意匠いしょうの粋いきを集あつめた建築けんちく群ぐんとして日光にっこう東照宮とうしょうぐうと並ならび称しょうされるが、このうち寛永寺かんえいじと増上寺ぞうじょうじの霊廟れいびょうは、大だい部分ぶぶんの建物たてものが1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）の戦災せんさいで焼失しょうしつした。

徳川とくがわ歴代れきだい将軍しょうぐんの霊廟れいびょう所在地しょざいち

徳川とくがわ家康いえやす（1543年ねん - 1616年ねん）
久能山くのうざん東照宮とうしょうぐう・日光にっこう東照宮とうしょうぐう
徳川とくがわ秀忠ひでただ（1579年ねん - 1632年ねん、家康いえやすの三男さんなん）
増上寺ぞうじょうじ台たい徳とく院いん霊廟れいびょう
- 崇源院すうげんいん（1573年ねん - 1626年ねん、秀忠ひでただ正室せいしつで淀殿よどどのの妹いもうと）
増上寺ぞうじょうじ崇源院すうげんいん霊れい牌ぱい所しょ

※没後ぼつご、崇源院すうげんいん霊屋たまやが増上寺ぞうじょうじに建たてられたが、秀忠ひでただの没後ぼつご、崇源院すうげんいんは台たい徳とく院いん霊廟れいびょうに祀まつられた。建物たてもの（旧きゅう崇源院すうげんいん霊屋たまや）は正保しょうほう4年ねん（1647年ねん）、鎌倉かまくらの建長寺けんちょうじに移築いちくされ、仏殿ぶつでんとなった。
徳川とくがわ家光いえみつ（1604年ねん - 1651年ねん、秀忠ひでただの次男じなん）
輪はなわ王寺おうじ大だい猷院霊廟れいびょう

※法要ほうようを寛永寺かんえいじで行おこない輪わ王寺おうじに埋葬まいそうされた。寛永寺かんえいじの霊廟れいびょうは、1720年ねん(享とおる保ほ5年ねん)に焼失しょうしつし再建さいけんされず、霊れい牌ぱいは巌いわお有ゆう院いん廟びょうに合祀ごうしされた。
徳川とくがわ家綱いえつな（1641年ねん - 1680年ねん、家光いえみつの長男ちょうなん）
寛永寺かんえいじ厳いむ有ゆう院いん霊廟れいびょう
徳川とくがわ綱吉つなよし（1646年ねん - 1709年ねん、家光いえみつの四よん男なん）
寛永寺かんえいじ常憲つねのり院いん霊廟れいびょう
徳川とくがわ家宣いえのぶ（1662年ねん - 1712年ねん、家光いえみつの三男さんなん甲府こうふ城じょう主あるじ綱重つなしげの長男ちょうなん）
増上寺ぞうじょうじ文昭ふみあき院いん霊廟れいびょう
徳川とくがわ家継いえつぐ（1709年ねん - 1716年ねん、家宣いえのぶの四よん男なん）
増上寺ぞうじょうじ有ゆう章しょう院いん霊廟れいびょう
徳川とくがわ吉宗よしむね（1684年ねん - 1751年ねん、御三家ごさんけで、紀州きしゅう家か2代だい光貞みつさだの四よん男なん、家康いえやすの曾孫そうそん）
墓所はかしょ：寛永寺かんえいじ、常憲つねのり院いん霊廟れいびょうに合祀ごうし。院号いんごう：有徳うとく院いん

※吉宗よしむねは1720年ねん（享とおる保ほ5年ねん）御霊屋おたまや建立こんりゅう禁止きんし令れいを出だし、以降いこう大だい規模きぼな霊廟れいびょうは建築けんちくされず、寛永寺かんえいじか増上寺ぞうじょうじのいずれかの霊廟れいびょうに合祀ごうしし、宝塔ほうとうか霊れい牌ぱい所しょが建立こんりゅうされた。
徳川とくがわ家重いえしげ（1711年ねん - 1761年ねん、吉宗よしむねの長男ちょうなん）
墓所はかしょ：増上寺ぞうじょうじ、有ゆう章しょう院いん霊廟れいびょうに合祀ごうし。院号いんごう：惇あつし信しん院いん
徳川とくがわ家治いえはる（1737年ねん - 1786年ねん、家重いえしげの長男ちょうなん）
墓所はかしょ：寛永寺かんえいじ、厳いむ有ゆう院いん霊廟れいびょうに合祀ごうし。院号いんごう：浚明院いん
徳川とくがわ家斉いえなり（1773年ねん - 1841年ねん、御ご三さん卿きょうで、一いち橋きょう家か2代だい治済はるさだの長男ちょうなん、吉宗よしむねの曾孫そうそん）
墓所はかしょ：寛永寺かんえいじ、厳いむ有ゆう院いん霊廟れいびょうに合祀ごうし。院号いんごう：文ぶん恭きょう院いん
徳川とくがわ家慶いえよし（1793年ねん - 1853年ねん、家斉いえなりの二男じなん）
墓所はかしょ：増上寺ぞうじょうじ、文昭ふみあき院いん霊廟れいびょうに合祀ごうし。院号いんごう：慎まき徳いさお院いん
徳川とくがわ家定いえさだ（1824年ねん - 1858年ねん、家慶いえよしの四よん男なん）
墓所はかしょ：寛永寺かんえいじ、常憲つねのり院いん霊廟れいびょうに合祀ごうし。院号いんごう：温ゆたか恭きょう院いん
徳川とくがわ家茂いえもち（1846年ねん - 1866年ねん、家斉いえなりの七なな男なんで紀州きしゅう家か11代だい斉順なりゆきの長男ちょうなん）
墓所はかしょ：増上寺ぞうじょうじ、文昭ふみあき院いん霊廟れいびょうに合祀ごうし。院号いんごう：昭徳あきのり院いん
徳川とくがわ慶喜よしのぶ（1837年ねん - 1913年ねん、御三家ごさんけで、水戸みと家か9代だい斉昭なりあきの七なな男なん、一いち橋きょう家か9代だい当主とうしゅ）
墓所はかしょ：谷中やなか寛永寺かんえいじ墓地ぼち（後継こうけい将軍しょうぐんがいないため合祀ごうしできず、谷中たになか霊園れいえん内うちに神道しんとう形式けいしきで埋葬まいそうした）

現存げんそんする霊廟れいびょう建築けんちく

久能山くのうざん東照宮とうしょうぐう

初代しょだい家康いえやすを祀まつる社殿しゃでん（本殿ほんでん・石いしの間あいだ・拝殿はいでん）と、家康いえやすが埋葬まいそうされている神かみ廟びょう（廟所びょうしょ）がある。

家康いえやすの一いち周忌しゅうきを前まえに（1617年ねん3月がつ〜4月がつ）日光にっこうへ分ぶん祀まつされた。分ぶん祀まつ後のちの1617年ねん12月に社殿しゃでんが完成かんせいし、東照宮とうしょうぐうの原型げんけいとなる。社殿しゃでんは国宝こくほう、神かみ廟びょう他たは重要じゅうよう文化財ぶんかざいに指定していされている。

日光にっこう

日光にっこう東照宮とうしょうぐう - 初代しょだい家康いえやすを祀まつる。
輪はなわ王寺おうじ大だい猷院霊廟れいびょう - 3代だい家か光こうを祀まつる。

以上いじょうの建築けんちく群ぐんは国宝こくほうおよび重要じゅうよう文化財ぶんかざいに指定していされ、世界せかい遺産いさんにも登録とうろくされている。

寛永寺かんえいじ

厳いむ有ゆう院いん（4代だい家綱いえつな）と常憲つねのり院いん（5代だい綱吉つなよし）の霊廟れいびょうがあったが、1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）、大だい部分ぶぶんが空襲くうしゅうで焼失しょうしつ。焼やけ残のこった以下いかの建築けんちくが重要じゅうよう文化財ぶんかざいに指定していされている。

厳いむ有ゆう院いん霊廟れいびょう勅額ちょくがく門もん、水盤すいばん舎しゃ、奥おく院いん唐とう門もん、奥おく院いん宝塔ほうとう（附ふ浚明院いん（徳川とくがわ家治いえはる）宝塔ほうとう、文ぶん恭きょう院いん（徳川とくがわ家斉いえなり）宝塔ほうとう）
常憲つねのり院いん霊廟れいびょう勅額ちょくがく門もん、水盤すいばん舎しゃ、奥おく院いん唐とう門もん、奥おく院いん宝塔ほうとう（附ふ有徳うとく院いん（徳川とくがわ吉宗よしむね）宝塔ほうとう、孝こう恭きょう院いん（徳川とくがわ家か基もと）宝塔ほうとう、温あつし恭きょう院いん（徳川とくがわ家定いえさだ）宝塔ほうとう、天璋院てんしょういん（徳川とくがわ家定いえさだ夫人ふじん）宝塔ほうとう）

8代だい吉宗よしむね、13代だい家定いえさだの宝塔ほうとうは常憲つねのり院いん霊廟れいびょう、10代家治いえはる、11代だい家斉いえなりの宝塔ほうとうは厳いむ有ゆう院いんの霊廟れいびょうの敷地しきち内ないに建たっている。

増上寺ぞうじょうじ

台たい徳とく院いん（2代だい秀忠ひでただ）、崇源院すうげんいん（秀忠ひでただ夫人ふじん）、文昭ふみあき院いん（6代だい家宣いえのぶ）、有ゆう章しょう院いん（7代だい家継いえつぐ）の霊廟れいびょうと、9代だい家重いえしげ、12代だい家慶いえよし、14代だい家茂いえもちの宝塔ほうとうがあったが、1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）、大だい部分ぶぶんが空襲くうしゅうで焼失しょうしつ。焼やけ残のこった以下いかの建築けんちくが重要じゅうよう文化財ぶんかざいに指定していされている。

台たい徳とく院いん霊廟れいびょう惣門そうもん（芝公園しばこうえん・ザ・プリンスパークタワー東京とうきょう内うち）
台たい徳とく院いん霊廟れいびょう勅額ちょくがく門もん、丁字ていじ門もん、御成門おなりもん（以上いじょう3棟むねは埼玉さいたま県けん所沢ところざわ市しに移築いちく）
有ゆう章しょう院いん霊廟れいびょう二に天てん門もん（芝公園しばこうえん・東京とうきょうプリンスホテル内ない）

秀忠ひでただ夫人ふじん崇源院すうげんいん霊廟れいびょうの一部いちぶは鎌倉かまくら建長寺けんちょうじに移築いちくされた。霊廟れいびょう跡地あとちは、東京とうきょうプリンスホテル（文昭ふみあき院いん、有ゆう章しょう院いん等とう）、ザ・プリンスパークタワー東京とうきょう（台たい徳とく院いん、崇源院すうげんいん等とう）となっている。

これらの霊廟れいびょうに祀まつられていた遺体いたいは、1958年ねん（昭和しょうわ33年ねん）に改葬かいそうされ、墓所はかしょは増上寺ぞうじょうじ安国やすくに殿どの裏うらの徳川とくがわ家か墓所はかしょに移転いてんしている。同どう墓所はかしょの入口いりくちの門もんは、もと文昭ふみあき院いん霊廟れいびょうの奥おく院いんの門もんだったもの。同どう墓所はかしょには以下いかの8基きの宝塔ほうとうが移築いちくされている。

文昭ふみあき院いん（徳川とくがわ家宣いえのぶ）宝塔ほうとう（銅どう造づくり） - 改葬かいそう後ごは天てん英えい院いん（家宣いえのぶ夫人ふじん）を合ごう葬そうする
崇源院すうげんいん（徳川とくがわ秀忠ひでただ夫人ふじん）宝塔ほうとう（石造せきぞう） - 改葬かいそう後ごは台たい徳とく院いん（秀忠ひでただ）を合ごう葬そうする（台たい徳とく院いん宝塔ほうとうは木造もくぞうであったため戦災せんさいで焼失しょうしつ）
有ゆう章しょう院いん（徳川とくがわ家継いえつぐ）宝塔ほうとう（石造せきぞう）
惇あつし信しん院いん（徳川とくがわ家重いえしげ）宝塔ほうとう（石造せきぞう）
慎まき徳いさお院いん（徳川とくがわ家慶いえよし）宝塔ほうとう（石造せきぞう）
昭徳あきのり院いん（徳川とくがわ家茂いえもち）宝塔ほうとう（石造せきぞう）
静寛院宮せいかんいんのみや（徳川とくがわ家茂いえもち夫人ふじん）宝塔ほうとう（銅どう造づくり）
月光げっこう院いん（徳川とくがわ家継いえつぐ母はは）宝塔ほうとう（石造せきぞう） - 改葬かいそう後ごは将軍しょうぐんの生母せいぼ・側室そくしつ等とうの合祀ごうし塔とうとなっている

現存げんそんする宝塔ほうとうの画像がぞう

徳川とくがわ家か墓所はかしょ門もん（2019年ねん11月4日にち撮影さつえい）
第だい二に代だい秀忠ひでただ、同どう夫人ふじんの宝塔ほうとう（2019年ねん11月4日にち撮影さつえい）
第だい六ろく代だい家宣いえのぶ、同どう夫人ふじんの宝塔ほうとう（2019年ねん11月4日にち撮影さつえい）
第だい七なな代だい家継いえつぐの宝塔ほうとう（2019年ねん11月4日にち撮影さつえい）
第だい九きゅう代だい家重いえしげの宝塔ほうとう（2019年ねん11月4日にち撮影さつえい）
第だい十じゅう二に代だい家慶いえよしの宝塔ほうとう（2019年ねん11月4日にち撮影さつえい）
第だい十じゅう四よん代だい家茂いえもちの宝塔ほうとう（2019年ねん11月4日にち撮影さつえい）
家茂いえもち夫人ふじんの宝塔ほうとう（2019年ねん11月4日にち撮影さつえい）
合祀ごうし塔とう（2019年ねん11月4日にち撮影さつえい）

高野山こうのやま

高野山こうのやま塔頭たっちゅう・蓮花れんげ院いんは松平まつだいら家時いえとき代だいより徳川とくがわ家かの菩提所ぼだいしょ・宿坊しゅくぼうであった。文ぶん禄ろく3年ねん（1594年ねん）の家康いえやす参詣さんけいを機きに大徳だいとく院いんと改称かいしょう、聖きよし方かたの本寺ほんじとなる。

3代だい家か光こうにより初代しょだい家康いえやすと2代だい秀忠ひでただの霊廟れいびょうは大徳だいとく院いんにも建築けんちくされた（徳川とくがわ家か霊れい台だい、南みなみ院いんの裏手うらてにあるが、現在げんざいは金剛峰寺こんごうぶじの所有しょゆう）。国くにの重要じゅうよう文化財ぶんかざいおよび世界せかい遺産いさんに指定していされている。

安国やすくに院いん殿どの霊廟れいびょう（家康いえやす）
台たい徳とく院いん殿どの霊廟れいびょう（秀忠ひでただ）

明治めいじ期きに大徳だいとく院いんは他たの塔頭たっちゅう寺院じいんと合併がっぺいして金剛峯寺こんごうぶじ門前もんぜんに移うつり、旧名きゅうめいの蓮花れんげ院いんに復ふくしたが、現在げんざいも徳川とくがわ家か歴代れきだいや大奥おおおく関係かんけいの位牌いはいが祀まつられている。ちなみに奥おくの院いんには松平まつだいら秀康ひでやすおよび同母どうぼの霊屋たまや（蓮花れんげ院いんの所有しょゆう）があり、そちらも国くにの重要じゅうよう文化財ぶんかざいおよび世界せかい遺産いさんに指定していされている。