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教育きょういくママ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』

教育きょういくママ（きょういくママ） とは自みずからの子供こどもの教育きょういくに（過剰かじょうなまでに）熱心ねっしんな母親ははおやを指さす俗語ぞくごである。教育きょういくママは現代げんだいの日本にっぽん社会しゃかいにおいてステレオタイプの人物じんぶつであり、子供こどもの社会しゃかい的てき、身体しんたい的てき発達はったつ、そして感情かんじょう的てきな幸福こうふくを犠牲ぎせいにして、子供こどもに勉強べんきょうすることを容赦ようしゃなく押おしつける母親ははおやとして描えがかれている[1]。

教育きょういくママは、現代げんだい日本にっぽんで最もっともよく見出みいだされるとともに最もっとも嫌悪けんおされるポップカルチャーの人物じんぶつとされる「子育こそだてママ」で、タイガー・マザーやジューイッシュ・マザーなど各国かっこくのステレオタイプに類似るいじしている[2]。

ステレオタイプとしては、子供こどもたちが恐おそれて学校がっこう恐怖症きょうふしょうになり、若者わかものの自殺じさつ報道ほうどうによって教育きょういくママが非難ひなんされる、勉強べんきょうしても試験しけんがあまりうまく行いかない子供こどもたちの母親ははおやにうらやましいと思おもわせる、などがある [3]。

子供こどもをショービジネスで成功せいこうさせるため、幼少ようしょう時じからレッスンを受うけさせる親おやはステージママ と呼よばれる。

日本にっぽん[編集へんしゅう]

概要がいよう[編集へんしゅう]

1960年代ねんだい初頭しょとう、 パートタイムの女性じょせい労働ろうどうが日本にっぽんの大だい企業きぎょうで始はじまり、10年ねん以内いないに他た企業きぎょうでも採用さいようされていく。1970年代ねんだいに結婚けっこんした女性じょせい間あいだで、そして1985年ねんにはさらにもっと一般いっぱんになっていった。

女性じょせいの職場しょくば復帰ふっきは、2つの理由りゆうが提示ていじされている。家計かけいを補完ほかんするための財政ざいせい的てき要求ようきゅうと、自分じぶん自身じしんを社会しゃかいと関連付かんれんづけるための心理しんり的てきな要求ようきゅうである。

1960年代ねんだいに子育こそだて中ちゅうの女性じょせいに対たいし、メディアは「サラリーマンの家庭かていの伴侶はんりょ」として「教育きょういくママ」という慣用かんよう句くを生うみ出だした。これは「高校こうこうや大学だいがくに入学にゅうがくするのに必要ひつような競争きょうそうテストに合格ごうかくするために子供こどもたち、特とくに息子むすこたち」に対たいする大おおきな責任せきにんを包含ほうがんしていた[4]。男性だんせいを「教育きょういくパパ」と見みなすような慣用かんよう句くは出現しゅつげんしなかった。社会しゃかい現象げんしょうとなったのは「ママ」であった。

それが役立やくだつ教育きょういく制度せいどとより大おおきな政治せいじ経済けいざいは、母親ははおやが子供こどもの教育きょういくに取とりつかれてしまう理由りゆうに影響えいきょうを与あたえており、社会しゃかい的てき偏見へんけんも政治せいじ的てき条件じょうけんではなく女性じょせいを非難ひなんする共感きょうかん的てきママへのメディアの固定こてい観念かんねんが影響えいきょうを与あたえる。将来しょうらい、しっかりとしたよい仕事しごとを得えるためには、よい大学だいがくに進学しんがくすることが非常ひじょうに重要じゅうようであるが母親ははおやを含ふくむ普通ふつうの人々ひとびとにとっては、このシステムを変かえることに無力むりょくさを感かんじてもいる。その結果けっか、よい幼稚園ようちえん、最高さいこうの小学校しょうがっこう、中学校ちゅうがっこう、高校こうこうに通つうじるよい保育園ほいくえんに生徒せいとを入いれる見取みとり図ずがあり、こうした結果けっかを確実かくじつにする目的もくてきで、子供こどもの成功せいこうを促うながすために非ひ倫理りんり的てきまたは脱法だつほう行為こういを犯おかす親おやがいることが知しられている。 あるケースでは、レストランのオーナーが、3 - 4歳さいの子供こども向むけの名門めいもん幼稚園ようちえんである青山学院あおやまがくいんに子供こどもを入学にゅうがくさせるために95,000ドルの賄賂わいろを支払しはらう。幼稚園ようちえんはエリート大学だいがくと提携ていけいしているため、両親りょうしんは子供こどもを入学にゅうがくさせるために最大限さいだいげんの努力どりょくを払はらう。青山学院あおやまがくいんには、年間ねんかん40人にんほどの新入生しんにゅうせいがおり、毎年まいとし2000人にん以上いじょうの入園にゅうえん応募おうぼ者しゃがいる。入園にゅうえんのための受験じゅけんテストも非常ひじょうに難むずかしいことが知しられている[5]。この問題もんだいは、ビジネスや政府せいふ内ないで最もっとも重要じゅうような職務しょくむには東京大学とうきょうだいがく卒業生そつぎょうせいが就任しゅうにんしているという考かんがえによってさらに悪化あっかしている。さらに、学生がくせいがどの大学だいがくに通かようかは、将来しょうらいの配偶はいぐう者しゃのための選択せんたくにも影響えいきょうを与あたえると考かんがえられている。子供こどもの生活せいかつは自分じぶんがどの学校がっこうに通かよっているかによって決きまるように思おもわれるため、多おおくの母親ははおやは子供こどもを良よい学校がっこうに通かよわせるために特別とくべつな措置そちを講こうじていく[6]。

より古ふるい世代せだいの日本人にっぽんじんになると、今日きょうの日本にっぽんで通常つうじょう見みられるよりも大だい家族かぞくで育そだっており、当時とうじは「育児いくじ」（子育こそだて）は、大だい規模きぼ周辺しゅうへん環境かんきょうを含ふくめ多おおくの親戚しんせきとで構成こうせいされた拡大かくだい家族かぞく、そしてより多おおくの子供こども：兄弟きょうだいやいとこ、の中なかで当時とうじ育そだった子供こどもたちは、兄弟きょうだい姉妹しまいの世話せわを通とおして責任せきにんを学まなんだ。これらの子供こどもたちは、子供こどもの頃ころの生活せいかつの大だい部分ぶぶんを通とおして、外そとの世界せかいが頼たよりになっていた。当時とうじ、子育こそだては私的してきな問題もんだいであり、子供こどもの周囲しゅういの家族かぞくによってのみ処理しょりされていた[7]。1970年代ねんだいになると、男性だんせいの賃金ちんぎんは下さがり、女性じょせいは仕事しごとのために早はやく社会しゃかい進出しんしゅつをした。これらの女性じょせいは、子供こどもの中学校ちゅうがっこう教育きょういく後ご「自分じぶんが自由じゆうな時間じかんができるとみなされました」と感かんじているが、その前まえの世代せだいは子供こどもが高校こうこうを卒業そつぎょうした後のちまでもこれを感かんじることはなかった[8]。現代げんだいの日本にっぽんでは、夫婦ふうふは子供こどもを少すくなくし、子供こどもたちに自立じりつを教おしえている。これは子育こそだての専門せんもん家かに相談そうだんすることを含ふくんでいるが、専門せんもん家かの助言じょげんにおけるこの新あらたな必要ひつよう性せいは一般いっぱん的てきに専門せんもん家かによって「子育こそだて神経症しんけいしょう」と呼よばれており、専門せんもん家かへの依存いぞんは主おもに育児いくじ能力のうりょくに対たいする自信じしんの低ひくい新しん世代せだいの若わかい母親ははおやを生うみ出だしはじめる。確たしかに、今日きょうの日本にっぽんの母親ははおやのほとんどは、1人ひとりか2人ふたりの子供こどもしかいない小ちいさな家族かぞくで育そだっている。彼かれらの母親ははおやは必要ひつようとするすべてのものを提供ていきょうし、兄弟きょうだいが関与かんよする責任せきにんをほとんど与あたえてこなかった。このように、その世代せだいの子供こどもたちは、子供こどもを育そだてる方法ほうほうがわからない母親ははおやのまま成長せいちょうしたのである[9]。また、現代げんだい日本にっぽんには、子育こそだてに専念せんねんしている母親ははおやもおり、西岡にしおかライスによって記述きじゅつされている別べつのサブタイプ「子育こそだてママ」で、心理しんり社会しゃかい的てき要素ようそを子育こそだてに加くわえている。彼女かのじょによい教育きょういくを提供ていきょうすることに加くわえて、子供こどもとの感情かんじょう的てきで心理しんり的てきな関係かんけいを発展はってんさせている。これを行おこなうための1つの方法ほうほうは「スキンシップ」を介かいして - 彼女かのじょの子供こどもと常つねに緊密きんみつに肉体にくたい的てきに接触せっしょくしていることである。これには、たとえば、子供こどもがどこへ行いくにでも背中せなかに背負せおったり、毎晩まいばん子供こどもと一緒いっしょに入浴にゅうよくしたりすることも含ふくまれる。スキンシップを通とおして、母ははと子この間あいだに一体いったい感かん（一体いったい性せいとバランスのとれた、真しんの原理げんり依存いぞん）を達成たっせいすることである [10]。

日本にっぽんでは、育児いくじが母子ぼし間あいだの身体しんたい的てきな近ちかさに直接ちょくせつ関連かんれんする社会しゃかいでは働はたらく母親ははおやは一般いっぱん的てきに利己りこ的てきであると見みなされており、このことが、子供こどもの教育きょういくの成功せいこうを常つねに心配しんぱいしている教育きょういくママへの発展はってんの原因げんいんとなる可能かのう性せいがある。このことは社会しゃかいが自立じりつ、反はん社会しゃかい的てき、利己りこ的てきに欠かけていると考かんがえる子こどもたちを生うみ出だしている[11]。アメリカの母親ははおやと比くらべて、日本にっぽんの母親ははおやは先天的せんてんてき能力のうりょくとは対照たいしょう的てきに努力どりょくに対たいする強つよい信念しんねんを持もっている。日本にっぽんの子供こどもたちは、家族かぞく、仲間なかま、そして地域ちいき社会しゃかいに対たいする社会しゃかい的てき義務ぎむを果はたすために必要ひつような努力どりょくをしており、子供こどもたちは自分じぶんたちの努力どりょくに集中しゅうちゅうすることを余儀よぎなくされ、それが成功せいこうの原因げんいんと見みなされている。社会しゃかいで子供こどもが成功せいこうしなかった場合ばあい、彼かれらは十分じゅうぶんに努力どりょくしていなかったとなるが、これは子供こどもの成績せいせきとは無関係むかんけいである。子供こどもたちは常つねにもっと努力どりょくを払はらう必要ひつようがあることで[12]母親ははおやは子供こどもたちの行動こうどうに対たいして強つよい説明せつめい責任せきにんがあると考かんがえられているため、子供こどもたちに圧力あつりょくをかけていることになる[13]。日本にっぽんのある地域ちいきではデイケアを見みつけるのは非常ひじょうに難むずかしく、そして母親ははおやが子供こどもをデイケアに送おくるなどというのは社会しゃかい的てきに見下みくだされ、母親ははおやとして不十分ふじゅうぶんであると見みなされる。母親ははおやは、不十分ふじゅうぶんなので子供こどもを自分じぶんで育そだてるスキルを持もっていないと見みられる もしくは、母親ははおやが彼女かのじょ自身じしん別個べっこの目的もくてき追跡ついせきの間あいだに子供こどもをデイサービスに委ゆだねることが利己りこ的てきであるとされる [14]。「教育きょういくママ」という用語ようごは他たの同様どうようの文脈ぶんみゃくでも使つかわれるようになる。例たとえば、旧きゅう通商産業省つうしょうさんぎょうしょうは、 子守こもり国家こっかの定義ていぎと同様どうようの方法ほうほうで、産業さんぎょうの成長せいちょうを導みちびくためのそのアプローチとイニシアチブのために「キョウイクママ」と呼よばれたことがあった[15] 。

主婦しゅふは行動こうどうを奨励しょうれいする人気にんきのあるメディアに囲かこまれている。 昼間ひるまのテレビ 、雑誌ざっし、製品せいひん、そして母親ははおやのためのサービスは、主おもに家庭かていの改善かいぜんと子供こどもの養育よういくに焦点しょうてんを当あてている。このように、母性ぼせいの仕事しごとは日本にっぽんの母親ははおやによって非常ひじょうに真剣しんけんに受うけ止とめられており、母親ははおやの自由じゆう時間じかんの一般いっぱん的てきな説明せつめいは「3食しょくと昼寝ひるね」である[16]。日本にっぽん中ちゅうには、予備校よびこう、そして非常ひじょうに学術がくじゅつ的てきなカリキュラムがあるがそれらは地方ちほうでは比較的ひかくてきまれで、都市としの豊ゆたかな地域ちいきに集中しゅうちゅうしている[17] [18]。教育きょういくママは中流ちゅうりゅう階級かいきゅうの家庭かていと認識にんしきされ、中流ちゅうりゅう階級かいきゅうの女性じょせいは、次世代じせだいの中流ちゅうりゅう階級かいきゅうの子供こどもたちを訓練くんれんすることになる。1909年ねんの三越みつこしこども展てんでの演説えんぜつの中なかで、初等しょとう教育きょういくの校長こうちょうであった新渡戸にとべ稲造いなぞうは「国くには幼児ようじではなく、母親ははおやの教育きょういくから始はじめるべし」と主張しゅちょうした。第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん後ごの日本にっぽんでは、母親ははおやは中流ちゅうりゅう階級かいきゅうの価値かち観かんが刻印こくいんされた新あたらしい子供こども中心ちゅうしん世界せかいの創始そうし者しゃとなる。母親ははおやは子供こどもの教育きょういくの成功せいこうと結むすびつき、女性じょせいは「いい妻つま、賢かしこい母親ははおや」（良妻賢母りょうさいけんぼ）であることが期待きたいされており、将来しょうらいの大人おとなになるために子供こどもを育そだてる上うえで最もっとも重要じゅうような人物じんぶつとなる。母親ははおやは、子供こどもたちを育そだて、教おしえることに努力どりょくを注そそぐ必要ひつようがありまた自己じこの修練しゅうれんと子供こどもたちの養育よういくを通とおして、女性じょせいはいわゆる中なか間あいだ層そうの場所ばしょを主張しゅちょうする家族かぞくの能力のうりょくにも不可欠ふかけつな存在そんざいとなる。20世紀せいき初頭しょとうの教育きょういく信認しんにんが社会しゃかい的てき進歩しんぽの認識にんしきされる前提ぜんてい条件じょうけんとなるにつれて、教育きょういくママは積極せっきょく的てきに家族かぞくの社会しゃかい的てき地位ちいを向上こうじょうさせるために教育きょういくシステム、特とくに男子だんし女子じょし中等ちゅうとう教育きょういくへの入学にゅうがくを検討けんとうしていった。中学ちゅうがくや女子じょしの名門めいもん高校こうこうへの入学にゅうがく試験しけんに合格ごうかくするための競争きょうそうが激はげしくなり、「受験じゅけん地獄じごく」や「試験しけん地獄じごく」として知しられる社会しゃかい現象げんしょうが起おきる。立身出世りっしんしゅっせなど教育きょういくママなくしてはありえなく、教育きょういくを受うけている母親ははおやにとって、子供こどもを優秀ゆうしゅうな学生がくせいにすることは、子供こどもが6歳さいのときに小学校しょうがっこうに入学にゅうがくすることから始はじまり、子供こどもの教育きょういくのあらゆる面めんにまで及およぶ懸念けねん事項じこうである[19]。労働ろうどう者しゃ階級かいきゅうの母親ははおやは、中流ちゅうりゅう階級かいきゅうの母親ははおやほど子供こどもの教育きょういくに積極せっきょく的てきではない。清水しみずと徳田とくた（1991）による民族みんぞく史し的てき研究けんきゅうは、大阪おおさかの労働ろうどう者しゃ階級かいきゅうによる永続えいぞく的てきな学問がくもん的てき問題もんだいに直面ちょくめんしたある中学校ちゅうがっこうを描写びょうしゃている。この調査ちょうさでは、生徒せいとの学業がくぎょう成績せいせきを向上こうじょうさせるため教師きょうしによる取とり組くみ、テストの実施じっし、毎月まいつきの教師きょうしによるディスカッションの促進そくしん、研究けんきゅう環境かんきょうを向上こうじょうさせるための壁かべの塗装とそう、 課外かがい活動かつどうに費ついやす時間じかんの制限せいげんについて説明せつめいしている。高校生こうこうせいの入学にゅうがく率りつはわずかに改善かいぜんしたが、学業がくぎょう成績せいせきは全国ぜんこく平均へいきんを下回したまわった。この研究けんきゅうは生徒せいとの学問がくもん的てき問題もんだいが彼かれらの家庭かてい環境かんきょうと深ふかく関連かんれんしていることを明あきらかにした。ほとんどの生徒せいとは、両親りょうしんが教育きょういくを受うけておらず子供こどもの教育きょういくに関かかわっていなかった[20]。

現代げんだい[編集へんしゅう]

多おおくの日本にっぽんの母親ははおやは、自分じぶんの子供こどもが入試にゅうしから別べつの入試にゅうしへと引ひき継つぐために多おおくの時間じかんを費ついやしているが、東京とうきょうで開催かいさいされる国立こくりつ大学だいがく入試にゅうしでは、ほとんどの母親ははおやが子供こどもたちと一緒いっしょに試験しけん会場かいじょうに行いき、到着とうちゃく後ご近ちかくのホテルに滞在たいざいして、統計とうけいでみると土壇場どたんばに彼かれらが試験しけんに遅刻ちこくしないかの確認かくにんまでを行おこなう[21]。

かなり若わかい年齢ねんれいで子供こどもたちの教育きょういくを始はじめている母親ははおやも幾いく人にんかおり、日本にっぽんの30歳さいの母親ははおやは「これが私わたしの最初さいしょの娘むすめです。ほかに私わたしは彼女かのじょと遊あそぶ、成長せいちょうを助たすける方法ほうほうを知しりませんでした」と話はなす。彼女かのじょは生後せいご6ヶ月かげつの娘むすめを東京とうきょうの保育園ほいくえんに入いれる。他たの幼稚園ようちえんの校長こうちょうは、1歳さい以上いじょうの子供こども向むけの学校がっこうは、「みかんの皮かわをむく、または雪ゆきを集あつめて着色ちゃくしょくする」ことによって子供こどもの好奇心こうきしんを育はぐくみ、育そだてるのに役立やくだつと主張しゅちょうしている[22]。

母親ははおやは、子供こどもたちがエリート大学だいがくに入学にゅうがくすることを望のぞんでいる他ほかの母親ははおやと、本質ほんしつ的てきに激はげしい競争きょうそうをしており、場合ばあいによっては自分じぶんの子供こどもがあまり勉強べんきょうしていないようにみせるために、母親ははおやが居間いまでテレビを見みている間あいだ、自分じぶんの子供こどもの勉強べんきょうを両親りょうしんの寝室しんしつを使用しようさせたり、家いえのそばを通とおる他ほかの母親ははおやに子供こどもがテレビを見みて勉強べんきょうしてるとしゃべったと仮定かていして、子供こどもの寝室しんしつを消灯しょうとうさせ、翌朝よくあさ、母親ははおやはテレビで起おこったことを子供こどもに報告ほうこくする、子供こどもは学校がっこうに行いき、自分じぶん自身じしんのために昨日きのうのテレビについてクラスメートと話はなす。しかし、試験しけんになると「怠なまけ者もの」がエリート学校がっこうに入学にゅうがくすることになり、その間あいだ他た友人ゆうじんは撃墜げきついする[23]。

教育きょういくママは、多おおくの場合ばあい、子供こどもを公園こうえんデビューという近所きんじょに対たいしての大だい規模きぼな初はつお披露目ひろめの期きを与あたえる。ここで母親ははおやは「近隣きんりん公園こうえんの周まわりで近所きんじょさま承認しょうにんのために自分じぶんの子このパレード」[24]を行おこなう。

母親ははおやは学習がくしゅう塾じゅくに子こどもを通かよわせる。塾じゅくに子供こどもは22時じまたは23時じまで滞在たいざい可能かのうであるが、日本にっぽんには大学だいがく試験しけんのための35,000以上いじょうの塾じゅくがある[いつ?][25]。塾じゅくに加くわえて、子供こどもたちは書道しょどう、キーボード、そろばん、または剣道けんどうの習ならい事ごとなどに通かよう[26]。マリー・トシュテンによって明あきらかにされたが、塾じゅくや教育きょういくママに関かんするモラル・パニックは、1970年代ねんだいに同時どうじ発生はっせいし「準備じゅんびとして「第だい二にの学校がっこう」とした消費しょうひ者しゃ向むけサービスとしての塾じゅくは、母親ははおやの子供こどもに対たいする不安ふあんを訴うったえ、子供こどもを塾じゅくに送おくり込こみ、商品しょうひん化かされた試験しけんの動向どうこうについて行いったものとしての「普通ふつうの」母親ははおやのイメージを形作かたちづくった。」とした[27]。

1950年代ねんだい、フルタイムの母親ははおやは少数しょうすうの子供こどもたちに献身けんしん的てきに取とり組くむが、親おやのストレスは、新あたらしい幼年ようねん期きの問題もんだいの共通きょうつう点てんをもたらした。これらには、 気管支きかんし喘息ぜんそく 、吃音きつおん、食欲しょくよく不振ふしん、 骨折こっせつの傾向けいこう、および学校がっこう恐怖症きょうふしょうなどで、子供こどもたちは、自分じぶんたちが人生じんせいにおける母親ははおやの目的もくてきであることを知しっており、母親ははおやは家いえにいる間あいだ、子供こどもの学校がっこう教師きょうしの役割やくわりを果はたしていた[28]。

時々ときどき、教育きょういくママとその下したで育そだった子供こどもは「手抜てぬき奥おくさん」になる。「手抜てぬき奥おくさん」という「主婦しゅふ」のステレオタイプは、典型てんけい的てきには仕事しごとをしていて、子供こどもの周囲しゅういにはいない女性じょせいを表あらわしており、本質ほんしつ的てきにはステレオタイプの不在ふざいの日本人にっぽんじんの父親ちちおや、「余暇よかの親おや」または「日曜にちようの友人ゆうじん」の女性じょせい版ばんにあたる。こうした母親ははおやは多おおくの場合ばあい家事かじをしないとされていて、家いえにはいないか、調理ちょうりをするには余あまりにも忙いそがしい場合ばあいには一般いっぱん的てきに再さい加熱かねつするのが簡単かんたんで、大おおきくて冷凍れいとう保存ほぞんしやすい食事しょくじを用意よういする。子供こどもの学校がっこうのPTAやその他たの地域ちいき社会しゃかいの機能きのうへの参加さんかを通つうじた地域ちいき社会しゃかいへ、家族かぞくを代表だいひょうして参加さんかしようとはしない[29]。現代げんだいのアメリカの子供こどもたちと比較ひかくして、日本にっぽんの若者わかものは薬物やくぶつ使用しよう、うつ病びょう、暴力ぼうりょく、および10代の妊娠にんしんは少すくない[30] 。

文部もんぶ科学かがく省しょうは、教育きょういく制度せいどと親おやの圧力あつりょくが子供こどもたちに負担ふたんをかけていると認みとめている。1970年代ねんだい初頭しょとうに当時とうじの文部省もんぶしょうが制定せいていした教育きょういく改革かいかくは、日本にっぽんの平等びょうどう主義しゅぎの学校がっこう制度せいどに挑戦ちょうせんしてきた。試験しけん競争きょうそうによる学生がくせいの学業がくぎょう的てき圧力あつりょくを軽減けいげんするために、文部省もんぶしょうは授業じゅぎょう時間じかんを短縮たんしゅくし、小学校しょうがっこうや中学校ちゅうがっこうの休校きゅうこうやクラブなどの学業がくぎょう以外いがいの活動かつどうを増加ぞうかさせていた[31]。2002年ねんには、中央ちゅうおう政府せいふは、全ぜん生徒せいとの学習がくしゅう興味きょうみと動機どうきを促進そくしんするために、再ふたたび授業じゅぎょう時間じかんを短縮たんしゅくし、内容ないようを減へらし、新あたらしいカリキュラムをすべての公立こうりつ小学校しょうがっこうに導入どうにゅう [32]。文部省もんぶしょうは、子供こどもたちが「自然しぜんと触ふれ合あうこと、畏敬いけいの念ねんを抱いだくこと、人生じんせいを尊重そんちょうすること、困難こんなんから学まなぶことの難むずかしい仕事しごとの重要じゅうよう性せいを経験けいけんすること」などの機会きかいがないと述のべた白書はくしょを発表はっぴょうした[33]。

戦後せんご日本にっぽんで1950年代ねんだいは「教育きょういくプログラムを加速かそくすること」が国家こっかの使命しめいとなっていた。この時代じだいの子供こどもたちは、彼かれらが一流いちりゅう大学だいがくに進学しんがくすることを望のぞんだ場合ばあい、幼稚園ようちえんの若わかい段階だんかいで同どう年齢ねんれいの同僚どうりょうと区別くべつしなければならなかった[34]。1970年代ねんだい半なかばまでには、子供こどもたちに達成たっせいを求もとめる圧力あつりょくが専せん門もんの学校がっこうの必要ひつよう性せいを生うみ出だしていった。7割わりの生徒せいとが、長期ちょうきに渡わたり塾じゅくで学習がくしゅうを続つづけた[35]。1980年代ねんだいには、学校がっこうの圧力あつりょくに関連かんれんした一連いちれんの自殺じさつが起おこり始はじめた。小学生しょうがくせいと中学生ちゅうがくせいは入学にゅうがく試験しけんに失敗しっぱいした後のちに命いのちを落おとした[36]。1990年代ねんだい、 失うしなわれた10年ねん （過去かこ10年間ねんかんの世界せかい的てきな経済けいざい支配しはいの後のち）は、学生がくせいのやる気きを喪失そうしつさせ、数学すうがくと科学かがくにおいて日本にっぽんでかつて強つよく宣伝せんでんされた学術がくじゅつ的てき評価ひょうかは、アメリカのレベルのそれらの後塵こうじんを拝はいす。ストレスが教室きょうしつの混乱こんらんを招まねき始はじめた[37]。2001年ねんに、全米ぜんべい教育きょういく研究所けんきゅうじょは、教員きょういんと校長こうちょうの33％が「恣意しい的てきな活動かつどうに従事じゅうじしている」反抗はんこう的てきな子供こどものために「継続けいぞく的てきに」授業じゅぎょうの崩壊ほうかいを目撃もくげきしたと述のべたことを明あきらかにした[38] 。2002年ねん、日本にっぽんの文部もんぶ科学かがく省しょうは  - 改革かいかくの必要ひつよう性せいに圧力あつりょくをかけられて  - コアカリキュラムの30％を削除さくじょした(ゆとり教育きょういく)　。これにより、生徒せいとが選えらんだ道筋みちすじに従したがって、生徒せいとがグループで学まなぶ時間じかんが広ひろがりだした[38]。「いらいらして面倒めんどう」を意味いみする「ムカつく」という用語ようごは、教師きょうし、両親りょうしん、そして人生じんせいにうんざりしているという感情かんじょうの説明せつめいとして、生徒せいとの間あいだで広ひろく使つかわれていく[39]。

世界せかい[編集へんしゅう]

アメリカ[編集へんしゅう]

日本にっぽんの主おもに否定ひてい的てきな「教育きょういくママ」のイメージとは対照たいしょう的てきに、アメリカの教育きょういくパフォーマンスを向上こうじょうさせるために「超ちょう人的じんてきな日本にっぽん」のイメージを発表はっぴょうしたアメリカの指導しどう者しゃたちは、日本にっぽんの教育きょういく志向しこうの母親ははおやを支持しじした。 ロナルド・レーガンと教育きょういく長官ちょうかんは共ともに、アメリカの家庭かていと学校がっこうを改善かいぜんするための鏡かがみとして日本にっぽんの母親ははおやに注意ちゅういを向むけた。教育きょういく方面ほうめんでのレーガン政権せいけんの最初さいしょの長官ちょうかんであるテレル・ベル（「危険きけんにさらされている国くに」の著書ちょしょで知しられる）はスーパーママとして日本人にっぽんじん母親ははおやを例示れいじしアメリカを元気げんきづけることができるとして、ガイオドムの母親ははおや、リーダーシップと成功せいこう -という１ひとつの本ほんに熱狂ねっきょう的てきな序文じょぶんを書かくが積極せっきょく的てきかつインテリジェントというのが基本きほん的てきなポイントであった。レーガン第だい2期きの教育きょういく局長きょくちょう、ウィリアム・J・ベネットは、教師きょうしと連絡れんらくを取とり合あい、必要ひつように応おうじて追加ついかの指導しどう的てき援助えんじょを手配てはいし、子供こどものやる気きを引ひき出だす日本にっぽんの「学校がっこうやその向むこうでうまくやるために」 「現場げんばでの親おや」を称賛しょうさんした[40]。

アメリカの入試にゅうしにおいては学業がくぎょう成績せいせきに加くわえリーダーシップや協調きょうちょう性せいも評価ひょうか対象たいしょうであるため、近年きんねんの教育きょういく熱心ねっしんなアッパーミドル層そうの母親ははおやは、子供こどもにチームスポーツであるサッカーを習ならわせることが流行りゅうこうしたことで、このような母親ははおやがサッカーマムと呼よばれるようになった。

中国ちゅうごく[編集へんしゅう]

学歴がくれき社会しゃかいである中国ちゅうごくでは子供こどもをトップ校こうへ進学しんがくさせるため、子供こどもに常つねにトップの成績せいせきを求もとめ過度かどに干渉かんしょうする親おやがおり、これをエイミー・チュアの書籍しょせきからタイガー・マザーと呼よぶようになった。

さらに中国ちゅうごく以外いがいのアジア地域ちいきにおける類似るいじした子育こそだてスタイルをタイガーペアレンティング（英語えいご版ばん）と呼よぶようになった。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

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