(Translated by https://www.hiragana.jp/)
新田荘 - Wikipedia コンテンツにスキップ

新田にったそう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
新田にったしょうから転送てんそう

新田にったそう(にったのしょう)は、上野うえのこく新田にったぐん中心ちゅうしんとした地域ちいき現在げんざい群馬ぐんまけん太田おおたおよび桐生きりゅう伊勢崎いせざきみどり一部いちぶ埼玉さいたまけん深谷ふかや一部いちぶ)にあった荘園しょうえん

概要がいよう[編集へんしゅう]

きた鹿田かつたさんひがし金山かなやま丘陵きゅうりょう西にし早川はやかわみなみ利根川とねがわかこまれた地域ちいきにあった[注釈ちゅうしゃく 1]

てんひとし元年がんねん1108ねん)に発生はっせいした浅間山あさまやま噴火ふんかによって荒廃こうはいした新田にったぐん一部いちぶみなもと義重よししげ新田にった義重よししげ)が地主じぬししょくさい開発かいはつし、もと2ねん(1157ねん)に開発かいはつした19さと金剛心こんごうしんいん寄進きしんした功績こうせきによってあらためて下司げすしょくにんぜられた。通説つうせつではこのとし新田にったそう成立せいりつねんとする[注釈ちゅうしゃく 2]なお、領家りょうけ藤原ふじわらただしみやびであった。

その新田にったそう新田にったぐんのほぼ全域ぜんいき拡大かくだいし、義重よししげ没後ぼつごはその子供こどもたちによって分割ぶんかつされた。その鎌倉かまくら時代ときよてんひとし元年がんねん1224ねん)の段階だんかいでは、新田にった宗家そうけと庶流の世良田せらだ岩松いわまつの3あいだ分割ぶんかつ支配しはいされている。新田にった宗家そうけ新田にった政義まさよし時代じだい幕府ばくふによって新田にったそう大半たいはん没収ぼっしゅうされて岩松いわまつ世良田せらだ一族いちぞく分割ぶんかつされ、宗家そうけ新規しんき開墾かいこんしていた所領しょりょうのみがのこされた。のち宗家そうけ惣領そうりょう地位ちい回復かいふくしたものの、新田にったそうなかでもしょう領主りょうしゅ転落てんらくしてしまった[2][3]新田にった義貞よしさだ時代じだい南朝なんちょうぐん中核ちゅうかくになり、新田にった一族いちぞくもこれにしたがうが南朝なんちょう敗退はいたいとともに没落ぼつらく北朝ほくちょうった岩松いわまつ事実じじつじょう宗家そうけ地位ちいめて新田にったそう支配しはいした。だが、戦国せんごく時代じだいはいると岩松いわまつ家臣かしん由良ゆらによってってわられると荘園しょうえん実態じったいうしない、やがて豊臣とよとみ政権せいけん小田原おだわらやく由良ゆらまれて所領しょりょううしない、新田にったそう解体かいたいまれた。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ ただし、後世こうせいにおいて利根川とねがわりゅう変化へんかによってきゅうそういきなかながれるようになり、現在げんざいでは新田にったそうきゅうそういき一部いちぶ埼玉さいたまけんまれている。
  2. ^ 新田にったそう本家ほんけ鳥羽天皇とばてんのう建立こんりゅうした金剛心こんごうしんいんであるが、同院どういん創建そうけんたもてもと2ねんの3ねんまえにあたる久寿きゅうじゅ元年がんねん1154ねん)であるため、寄進きしん自体じたいはこのときおこなわれた可能かのうせいもある。また、義重よししげちちであるみなもと義国よしくに久寿きゅうじゅ元年がんねん当時とうじにはまだ健在けんざいであり、開発かいはつ寄進きしん主体しゅたい義国よしくにであり、義重よししげはその没後ぼつご新田にったぐん地主じぬししょくとともに権利けんり継承けいしょうした可能かのうせい浮上ふじょうする[1]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 山本やまもと隆志たかし東国とうごくにおける武士ぶし勢力せいりょく成立せいりつ発展はってん思文閣出版しぶんかくしゅっぱん、2012ねん、48-50ぺーじ 
  2. ^ 勝守かつもりすみ「新田にった所領しょりょうについて」『群馬大学ぐんまだいがく紀要きよう 人文じんぶん科学かがくへん』2ごう、1953ねん。/所収しょしゅう:黒田くろだ 2015
  3. ^ 伊藤いとう貞子さだこ東国とうごくける荘園しょうえんせい」『法政ほうせい史論しろん』11ごう、1958ねん。/所収しょしゅう:黒田くろだ 2015

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 峰岸みねぎし純夫すみお新田にったそう」『国史こくしだい辞典じてん 11』 吉川弘文館よしかわこうぶんかん、1990ねんISBN 978-4-642-00511-1
  • 峰岸みねぎし純夫すみお新田にったそう」『日本にっぽんだい事典じてん 5』 平凡社へいぼんしゃ、1993ねんISBN 978-4-582-13105-5
  • 峰岸みねぎし純夫すみお新田にったそう」『日本にっぽん歴史れきしだい事典じてん 2』 小学館しょうがくかん、2000ねんISBN 978-4-09-523002-3
  • 黒田くろだ基樹もとき へん上野うえの岩松いわまつ』戒光さち出版しゅっぱん〈シリーズ・中世ちゅうせい関東かんとう武士ぶし研究けんきゅう だいいちかん〉、2015ねんISBN 978-4-86403-164-6 
採録さいろく論文ろんぶんには新田にったそう関係かんけい論文ろんぶん多数たすうふくまれている)