日本国にっぽんこく憲法けんぽうだい68じょう

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(にほんこく(にっぽんこく)けんぽう だい68じょう)は、日本国にっぽんこく憲法けんぽうだい5しょう内閣ないかく」にある条文じょうぶんで、国務大臣こくむだいじん任命にんめい資格しかく罷免ひめんについて規定きていする。

条文じょうぶん[編集へんしゅう]

日本国にっぽんこく憲法けんぽうe-Gov法令ほうれい検索けんさく

だいろくじゅうはちじょう
内閣ないかく総理そうり大臣だいじんは、国務大臣こくむだいじん任命にんめいする。ただし、その過半数かはんすうは、国会こっかい議員ぎいんなかからえらばれなければならない。
ないかく総理そうり大臣だいじんは、任意にんい国務大臣こくむだいじん罷免ひめんすることができる。

解説かいせつ[編集へんしゅう]

1こう[編集へんしゅう]

内閣ないかく総理そうり大臣だいじん国務大臣こくむだいじん任命にんめいすることと国務大臣こくむだいじん要件ようけんについてさだめた条文じょうぶんである。過半数かはんすうとあるが実際じっさいにはほとんどの閣僚かくりょう国会こっかい議員ぎいんである。

2こう[編集へんしゅう]

内閣ないかく総理そうり大臣だいじん国務大臣こくむだいじん罷免ひめんけんつことの規定きていである。大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽう時代じだいには存在そんざいしなかった規定きていであるが、そのために、一部いちぶ閣僚かくりょう強硬きょうこう閣僚かくりょうちが見解けんかい主張しゅちょう撤回てっかい辞職じしょくもしない場合ばあいは、「かくない統一とういつ」として内閣ないかく自体じたいそう辞職じしょくせざるをず、それを利用りようした倒閣とうかくおこなわれた(東條とうじょう内閣ないかくなど)。また、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんがある閣僚かくりょう更迭こうてつのぞんでも本人ほんにん辞表じひょうさなければ不可能ふかのうで、だい2近衛このえないかくのように外務がいむ大臣だいじん松岡まつおか洋右ようすけ更迭こうてつするために一旦いったんそう辞職じしょくしたことすらあった。

沿革えんかく[編集へんしゅう]

大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽう[編集へんしゅう]

東京とうきょう法律ほうりつ研究けんきゅうかい p.6

だいじゅうじょう
天皇てんのう行政ぎょうせい各部かくぶ官制かんせい及文武官ぶかん俸給ほうきゅうていメ及文武官ぶかん任免にんめんただしシ此ノ憲法けんぽうまた法律ほうりつ特例とくれいヲ掲ケタルモノハ各々おのおの其ノ條項じょうこう

憲法けんぽう改正かいせい要綱ようこう[編集へんしゅう]

憲法けんぽう改正かいせい要綱ようこう国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん日本国にっぽんこく憲法けんぽう誕生たんじょう」。

じゅういち
衆議院しゅうぎいんニ於テ国務こくむかく大臣だいじんたいスル不信任ふしんにん議決ぎけつシタルトキハ解散かいさんアリタル場合ばあいじょがい其ノしょくとめルコトヲとくサルむね規定きていしつらえクルコト(要綱ようこう参照さんしょう

GHQ草案そうあん[編集へんしゅう]

「GHQ草案そうあん国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん日本国にっぽんこく憲法けんぽう誕生たんじょう」。

日本語にほんご[編集へんしゅう]

だいじゅうじょう
国会こっかい出席しゅっせき議員ぎいん多数決たすうけつヲ以テ総理そうり大臣だいじん指定していスヘシ総理そうり大臣だいじん指定してい国会こっかいほか一切いっさい事務じむ優先ゆうせんシテぎょうハルヘシ
国会こっかい諸般しょはん国務大臣こくむだいじん設定せっていスヘシ
だいろくじゅうじょう
総理そうり大臣だいじん国会こっかい輔弼ほひつ協賛きょうさんヲ以テ国務大臣こくむだいじん任命にんめいスヘシ
総理そうり大臣だいじん個々ここ国務大臣こくむだいじん任意にんい罷免ひめんスルコトヲとく

英語えいご[編集へんしゅう]

Article LV.
The Diet by a majority vote of those present shall designate the Prime Minister. The designation of a Prime Minister shall take precedence over all other business of the Diet.
The Diet shall establish the several Ministries of State.
Article LXII.
The Prime Minister shall with the advice and consent of the Diet appoint Ministers of State.
The Prime Minister may remove individual Ministers at will.

憲法けんぽう改正かいせい草案そうあん要綱ようこう[編集へんしゅう]

憲法けんぽう改正かいせい草案そうあん要綱ようこう国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん日本国にっぽんこく憲法けんぽう誕生たんじょう」。

だいろくじゅうさん
内閣ないかく総理そうり大臣だいじん国会こっかい決議けつぎヲ以テ選定せんていスルコト此ノ選定せんていノ凡テノ議事ぎじさきぎょうフベキコト
衆議院しゅうぎいん参議院さんぎいんトガリタル選定せんていためシタル場合ばあいニ於テ法律ほうりつていムルしょりょう議院ぎいん協議きょうぎかいひらけクモ仍意見いけん一致いっちセザルトキハ衆議院しゅうぎいん決議けつぎヲ以テ国会こっかい決議けつぎトスルコト
だいろくじゅうよん
内閣ないかく総理そうり大臣だいじん国会こっかい協賛きょうさんヲ以テ国務大臣こくむだいじん選定せんていスルコト此ノ協賛きょうさんづけテハ前記ぜんきだいろくじゅうさんだいこうじゅんズルコト
内閣ないかく総理そうり大臣だいじん任意にんい国務大臣こくむだいじん罷免ひめん決定けっていスルコトヲとくルコト

憲法けんぽう改正かいせい草案そうあん[編集へんしゅう]

憲法けんぽう改正かいせい草案そうあん国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん日本国にっぽんこく憲法けんぽう誕生たんじょう」。

だいろくじゅうさんじょう
内閣ないかく総理そうり大臣だいじんは、国会こっかい議決ぎけつで、これを指名しめいする。この指名しめいは、のすべての案件あんけんさきだつて、これをくだりふ。
衆議院しゅうぎいん参議院さんぎいんとがなつた指名しめい議決ぎけつをした場合ばあいに、法律ほうりつさだめるところにより、りょう議院ぎいん協議きょうぎかいひらいても意見いけん一致いっちしないとき、また衆議院しゅうぎいん指名しめい議決ぎけつをしたのち国会こっかい休会きゅうかいちゅう期間きかんのぞいてじゅうにち以内いないに、参議院さんぎいんが、指名しめい議決ぎけつをしないときは、衆議院しゅうぎいん議決ぎけつ国会こっかい議決ぎけつとする。
だいろくじゅうよんじょう
内閣ないかく総理そうり大臣だいじんは、国会こっかい同意どういにより、国務大臣こくむだいじん任命にんめいする。この同意どういについては、前条ぜんじょうだいこう規定きてい準用じゅんようする。
内閣ないかく総理そうり大臣だいじんは、任意にんい国務大臣こくむだいじん罷免ひめんすることができる。

帝国ていこく憲法けんぽう改正かいせいあん[編集へんしゅう]

帝国ていこく憲法けんぽう改正かいせいあん国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん日本国にっぽんこく憲法けんぽう誕生たんじょう」。

だいろくじゅうさんじょう
内閣ないかく総理そうり大臣だいじんは、国会こっかい議決ぎけつで、これを指名しめいする。この指名しめいは、のすべての案件あんけんさきだつて、これをくだりふ。
衆議院しゅうぎいん参議院さんぎいんとがなつた指名しめい議決ぎけつをした場合ばあいに、法律ほうりつさだめるところにより、りょう議院ぎいん協議きょうぎかいひらいても意見いけん一致いっちしないとき、また衆議院しゅうぎいん指名しめい議決ぎけつをしたのち国会こっかい休会きゅうかいちゅう期間きかんのぞいてじゅうにち以内いないに、参議院さんぎいんが、指名しめい議決ぎけつをしないときは、衆議院しゅうぎいん議決ぎけつ国会こっかい議決ぎけつとする。
だいろくじゅうよんじょう
内閣ないかく総理そうり大臣だいじんは、国会こっかい承認しょうにんにより、国務大臣こくむだいじん任命にんめいする。この承認しょうにんについては、前条ぜんじょうだいこう規定きてい準用じゅんようする。
内閣ないかく総理そうり大臣だいじんは、任意にんい国務大臣こくむだいじん罷免ひめんすることができる。

関連かんれん判例はんれい[編集へんしゅう]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]