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しるべすう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

しるべすう(ひょうすう、えい: characteristic)は、たまきあるいはからだ特徴とくちょうあらわ非負ひふ整数せいすうのひとつ。せいいきしるべすう0 または素数そすうかぎられる。

定義ていぎ[編集へんしゅう]

R単位たんいもとたまき単位たんいてきたまき)、1R をその乗法じょうほう単位たんいもととする。また、せい整数せいすう nたい

(n )

さだめるとき、 n 1R = 0R (0RRれいげん)なる整数せいすう n > 0 が存在そんざいするならば、その最小さいしょうたまき Rしるべすうという。他方たほう、このような n存在そんざいしないとき、たまき Rしるべすうは 0 とさだめる。しるべすうが 0 でないことをあらわすのにせいしるべすうという用語ようごもちいることもある。たまき Rしるべすうをしばしば ch(R), char(R) のようにしるす。

もとせいいきもとたい[編集へんしゅう]

R任意にんい単位たんいてきたまきとする。単位たんいてきたまき R の(単位たんいてきたまきとしての)部分ぶぶんたまきかなら単位たんいもと 1Rふくむ。したがって、1R生成せいせいするたまきすべての部分ぶぶんたまきふくまれ、R最小さいしょう部分ぶぶんたまきとなる。ここで、写像しゃぞう

を 0 およびまけ整数せいすう m = −n (n > 0) にたいしては

さだめることによって定義ていぎする。このとき、φふぁいRたまきじゅん同型どうけいさだめ、ぞう φふぁいR(Z) = { n 1R | nZ } は単位たんいもと 1R生成せいせいする単位たんいてきたまき一致いっちする。一方いっぽうじゅん同型どうけい φふぁいRかく Ker(φふぁいR) = { nZ | n 1R = 0 } は Zイデアルすが、Zユークリッドせいいきゆえ、Ker(φふぁいR) は単項たんこうイデアル mZ(ただし m ≧ 0)で、mRしるべすう char(R) に一致いっちする。以上いじょうより、たまきじゅん同型どうけい定理ていりにより R において 1R生成せいせいする単位たんいてきたまきm = char(R) をほうとする剰余じょうよたまき Z / m Z同型どうけいである。

さらに単位たんいてきたまき Rせいいきであるとき、φふぁいR(Z) はせいいきす。これをせいいき Rもとせいいきぶ。ぞうせいいきであることから、このじゅん同型どうけい φふぁいRかくZイデアルで、したがって {0} または素数そすう p生成せいせいする単項たんこうイデアル (p) = p Zかたちける。ゆえに、いずれのせいいきについてもそのしるべすうは 0 か素数そすうかぎられる。

もとたい(そたい、prime field)は自分じぶん自身じしん以外いがい部分ぶぶんたいたないからだのことである。からだせいいきであるから、うえたことから Fせいしるべすう pからだならば FかならZ / p Z同型どうけいなるもとせいいきふくむ。一方いっぽうZ / p Zからだであるので、せいしるべすうからだもとせいいきはそれ自身じしんもとたいとなる。Fしるべすうが 0 の場合ばあいには、有理ゆうり整数せいすうたまき ZFふくまれるが、Fからだであることから有理数ゆうりすうたい Q(に同型どうけいからだ)が Fふくまれる。よって Qしるべすう 0 のもとたいである。ゆえに、もとたいQ および Z / p Zp素数そすう)によって(同型どうけいちがいをのぞいて)すべてくされているということができる。また、ここからしるべすう 0 のからだかならQふくむので無限むげんたいであり、有限ゆうげんたいかならせいしるべすうつことも確認かくにんできる。

からだ Fたいし、max(char(F), 1) を characteristic exponent という。

れい[編集へんしゅう]

  • Z / m Zしるべすうm である。
  • 複素数ふくそすうからだ Cしるべすうは 0 である。
  • 順序じゅんじょたいしるべすうは 0 である。
  • 有限ゆうげんたい Fすう素数そすう pべき pf ならば、Fしるべすうp である。ぎゃくに、しるべすう p有限ゆうげんたいすうかならpべきになる。
  • 有限ゆうげんたい F うえ多項式たこうしきたまき F[x] やローラン級数きゅうすうからだ F((x)) などはせいしるべすう無限むげんせいいき無限むげんたいれいである。
  • しるべすう素数そすう p であるせいいき Rもと x,yたいし、こう定理ていりにより (x + y)p = xp + ypつため、写像しゃぞう Frob: RR, Frob(x) = xpたまきじゅん同型どうけいとなる。Frob はフロベニウス写像しゃぞうばれ、からだろん重要じゅうよう役割やくわりたす。

性質せいしつ[編集へんしゅう]

あるたまき R とその任意にんい部分ぶぶんたまき Sたいして、SしるべすうRしるべすうひとしい。 一方いっぽう剰余じょうよたまきしるべすうもとたまきしるべすうひとしいとはかぎらない。たとえば、p-すすむ整数せいすうたまき ZpZ部分ぶぶんたまきとしてふくみ、しるべすう 0 であるが、その唯一ゆいいつ極大きょくだいイデアル p Zp による剰余じょうよたまきZ / p Z同型どうけいしるべすうp である。たまき R とそのイデアル I (とくに、DVRとその極大きょくだいイデアル)にたいし、 RR/Iしるべすうひとしい状況じょうきょうとうしるべすうことなる状況じょうきょうこんしるべすうとよぶことがある。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]