工業こうぎょう

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機械きかい工業こうぎょうから転送てんそう

工業こうぎょう(こうぎょう、英語えいご: industry)は、はら材料ざいりょう加工かこうして製品せいひんつくる(つくる)こと、および、製品せいひんつくることにかかわるしょ事項じこうのことである。工業こうぎょうかたりには、製品せいひんつくはたらき、製品せいひんつく事業じぎょうなどについてもふくまれる。

工業こうぎょうは、だい産業さんぎょうのうち(鉱業こうぎょうのぞく)建設けんせつぎょうおよび製造せいぞうぎょうだい部分ぶぶん該当がいとうし、加工かこうぐみ立業たちわざといったりもする。

工業こうぎょう分野ぶんや

重化学じゅうかがく工業こうぎょう

工業こうぎょうのうち、自動車じどうしゃ工業こうぎょう鉄鋼てっこうぎょう機械きかい工業こうぎょう造船ぞうせんぎょうなどの比較的ひかくてき重量じゅうりょうのあるものを製造せいぞうする工業こうぎょう重工業じゅうこうぎょうという。また、重工業じゅうこうぎょう化学かがく工業こうぎょうとあわせて、重化学じゅうかがく工業こうぎょうという。

軽工業けいこうぎょう

じゅう化学かがく工業こうぎょうたいしてかるいもの、とく消費しょうひざい製造せいぞうする工業こうぎょう繊維せんい工業こうぎょう食品しょくひん工業こうぎょう印刷いんさつぎょうなど)を軽工業けいこうぎょうという。おもにち用品ようひんつく工業こうぎょうのこと。

立地りっち

工場こうじょうは、立地りっち因子いんし立地りっち条件じょうけん合致がっちする地域ちいき立地りっちする[1]

立地りっち因子いんし

立地りっち因子いんしとは、工場こうじょう立地りっちのうえで必要ひつよう条件じょうけんのことである[1]立地りっち因子いんしのなかで、経済けいざいてき因子いんしとして費用ひよう因子いんし収益しゅうえき因子いんしがあり[2]費用ひよう因子いんしとして輸送ゆそう因子いんし労働ろうどう因子いんしが、収益しゅうえき因子いんしとして需要じゅよう因子いんし価格かかく因子いんしげられる[1]

立地りっち条件じょうけん

立地りっち条件じょうけんとは、工場こうじょう立地りっちする場所ばしょ条件じょうけんのことである[1]工業こうぎょう立地りっち条件じょうけんには、自然しぜんてき条件じょうけん歴史れきしてき条件じょうけん社会しゃかい経済けいざいてき条件じょうけんがある[3]自然しぜんてき条件じょうけんとして、用地ようち用水ようすい気候きこう地形ちけいなどがげられる[3]歴史れきしてき条件じょうけんとして、工業こうぎょう発祥はっしょうとなった資本しほん技術ぎじゅつなどの影響えいきょうげられる[3]社会しゃかいてき条件じょうけんとして、資源しげん市場いちば労働ろうどうりょく交通こうつうなどがげられる[4]

工業こうぎょう労働ろうどうしゃ

仕事しごとながあせみにならないように、仕事しごととき服装ふくそうあおなどを基調きちょうとしたものがおおく、これに由来ゆらいして工場こうじょうなどの現場げんばはたら工業こうぎょう労働ろうどうしゃのことをブルーカラー(blue-collar あおえり)といったりもする。

なお、事務じむ作業さぎょう従事じゅうじする労働ろうどうしゃについては、ワイシャツ着用ちゃくようすることからホワイトカラー(white-collar しろえり)とぶ。

工業こうぎょう地帯ちたい工業こうぎょう地域ちいき

日本にっぽん工業こうぎょう地帯ちたい工業こうぎょう地域ちいき

日本にっぽん工業こうぎょうは「太平洋たいへいようベルト地帯ちたい」とわれる首都しゅとけんから北九州きたきゅうしゅうにかけての太平洋たいへいようがん範囲はんいさかんである。とくに、ながくはよんだい工業こうぎょう地帯ちたい京浜けいひん工業こうぎょう地帯ちたい中京ちゅうきょう工業こうぎょう地帯ちたい阪神はんしん工業こうぎょう地帯ちたい北九州きたきゅうしゅう工業こうぎょう地帯ちたい)が日本にっぽん工業こうぎょう中心ちゅうしんであったが、北九州きたきゅうしゅう工業こうぎょう地帯ちたい比重ひじゅうちいさくなった。四大しだい工業こうぎょう地帯ちたい以外いがいでは、北関東きたかんとう工業こうぎょう地域ちいき鹿島かしま臨海りんかい工業こうぎょう地帯ちたい京葉けいよう工業こうぎょう地域ちいき東海とうかい工業こうぎょう地域ちいき瀬戸内せとうち工業こうぎょう地域ちいきなどで工業こうぎょう発達はったつしており、いずれも太平洋たいへいようベルトに位置いちしている。

太平洋たいへいようベルト以外いがい地域ちいきでは、全体ぜんたいとして工業こうぎょう低調ていちょうである。北海道ほっかいどうではパルプ、製鉄せいてつ化学かがく鉄鋼てっこうなどの工業こうぎょう発達はったつしていたが、国際こくさい競争きょうそう激化げきかするなかで停滞ていたいしている。東北とうほく地方ちほうでは半導体はんどうたいなどの機械きかい工業こうぎょう発達はったつしていたが、機械きかいメーカーのおおくがてい賃金ちんぎんもとめて、中国ちゅうごくなどに生産せいさん拠点きょてんうつしていくなか低迷ていめいつづいている。長野ながのけんでは岡谷おかや中心ちゅうしん製糸せいしぎょうがまず発達はったつし、戦時せんじちゅう東京とうきょうから工場こうじょう疎開そかいしたことをきっかけに、諏訪盆地すわぼんちではみずうみしゅう市町しちょう岡谷おかや諏訪すわ下諏訪しもすわまち)においてカメラ、オルゴール、時計とけいなど、千曲川ちくまがわ沿いの地域ちいきでは通信つうしん電子でんし部品ぶひん自動車じどうしゃ部品ぶひんなどが発達はったつした。日本にっぽんでもっとも工業こうぎょうおくれているのは中国ちゅうごく地方ちほう山陰さんいん四国しこく愛媛えひめけんみなみ地方ちほう高知こうちけんなど)、みなみ九州きゅうしゅう沖縄おきなわなどの地域ちいきである。

脚注きゃくちゅう

参考さんこう文献ぶんけん

  • 石井いしいみのる井出いでさくおっと北村きたむらよしみぎょう写真しゃしん工業こうぎょう地理ちりがく入門にゅうもん大明だいめいどう、2002ねんISBN 4-470-53041-7 
  • 菊地きくち一郎いちろう ちょ工業こうぎょう立地りっち因子いんし」、山本やまもと正三しょうさん奥野おくの隆史たかし石井いしい英也ひでや手塚てづかあきら へん人文じんぶん地理ちりがく辞典じてん朝倉書店あさくらしょてん、1997ねん、135-136ぺーじ 
  • 菊地きくち一郎いちろう ちょ工業こうぎょう立地りっち条件じょうけん」、山本やまもと正三しょうさん奥野おくの隆史たかし石井いしい英也ひでや手塚てづかあきら へん人文じんぶん地理ちりがく辞典じてん朝倉書店あさくらしょてん、1997ねん、136ぺーじ 

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