歩ふ協きょう

歩ふ 協きょう（ほ きょう、生なま没年ぼつねん不ふ詳しょう）は、中国ちゅうごく三さん国こく時代じだいの呉ごの武将ぶしょう。徐じょ州しゅう臨淮郡ぐん淮陰県けんの人ひと。父ちちは歩ふ騭。弟おとうとは歩ふ闡。子こは歩ふ璣・歩ふ璿。

生涯しょうがい

父ちちの歩ふ騭の死後しご、父ちちの臨湘侯こうの爵位しゃくいと軍隊ぐんたいを継ついで何なん度どか戦功せんこうを立たて、最終さいしゅう的てきには撫なで軍ぐん将軍しょうぐんに昇進しょうしんした。

永安えいあん7年ねん（264年ねん）、蜀しょく漢かんが魏たかしに滅ほろぼされた際さい（蜀しょく漢かんの滅亡めつぼう）、陸りく抗こう・留とめ平ひらた・盛もり曼らを率ひきいて永安えいあんを攻せめたが、羅ら憲けんの前まえに大敗たいはいした。なおも半年はんとし間あいだ永安えいあんを包囲ほういし続つづけたが、魏ぎの胡えびす烈れつが来援らいえんしたため、永安えいあんを陥落かんらくさせられずに撤退てったいした。その後ごしばらくして亡なくなったという。

子孫しそん

2人ふたりの子こは、歩ふ闡が謀反むほんを起おこした際さいに人質ひとじちとして洛陽らくように送おくられた。長男ちょうなんの歩ふ璣は、歩ふ協きょうの死後しご、臨湘侯こうの爵位しゃくいを継ついでいたが、西にし晋すすむにより監かん江こう陵りょう諸しょ軍事ぐんじ・左ひだり将軍しょうぐん・散ち騎き常つね侍さむらい・廬いおり陵りょう太守たいしゅに任にんじられ、また江こう陵りょう侯こうに改あらため封ふうされて西陵せいりょうに戻もどり、陸りく抗こうらに敗やぶれて歩ふ闡と共ともに処刑しょけいされた（西陵せいりょうの戦たたかい）。次男じなんの歩ふ璿は、給きゅう事ごと中ちゅう・宣せん威い将軍しょうぐん・都と郷きょう侯こうに封ふうじられて洛陽らくように人質ひとじちとして留とめ置おかれたため一族いちぞくの中なかで唯一ゆいいつ生いき延のび、祖先そせんの祭まつりを継ついだという。

参考さんこう文献ぶんけん

• 陳ちん寿ひさし、裴松之の注ちゅう『正史せいし 三国志さんごくし』、井波いなみ律子りつこ・今こん鷹たか真しん・小南こみなみ一郎いちろう 訳わけ・解説かいせつ（ちくま学芸がくげい文庫ぶんこ全ぜん8巻かん、1992 - 93年ねん）、※呉くれ書しょは6・7・8巻かん、小南こみなみ一郎いちろう訳やく。