水野みずの仙子せんこ

水野みずの 仙子せんこ （みずの せんこ）
ペンネーム	服部はっとり水仙すいせん、服部はっとり貞子さだこ、水野みずの仙せんなど
誕生たんじょう	1888年ねん12月3日にち 福島ふくしま県けん須賀川すかがわ市し
死没しぼつ	1919年ねん5月31日にち 群馬ぐんま県けん草津くさつ温泉おんせん
墓地ぼち	雑司ヶ谷ぞうしがや霊園れいえん
職業しょくぎょう	作家さっか
国籍こくせき	日本にっぽん
最終さいしゅう学歴がくれき	須賀川すかがわ裁縫さいほう専修せんしゅう学校がっこう
活動かつどう期間きかん	1905年ねん - 1919年ねん
ジャンル	小説しょうせつ
代表だいひょう作さく	『娘むすめ』、『徒労とろう』、『嘘うそをつく日ひ』
デビュー作さく	『水仙すいせんの花はな』
配偶はいぐう者しゃ	川浪かわなみ道三どうさん
親族しんぞく	服部はっとり躬治もとはる（長兄ちょうけい、歌人かじん）、服部はっとり節子せつこ（長姉ちょうし）、服部はっとりケサ（次つぎ姉あね、救すくいライ運動うんどうの医師いし）
影響えいきょうを受うけたもの 田山たやま花袋かたい
公式こうしきサイト	[1]

水野みずの 仙子せんこ（みずの せんこ、1888年ねん（明治めいじ21年ねん）12月3日にち - 1919年ねん（大正たいしょう8年ねん）5月31日にち）は、日本にっぽんの小説しょうせつ家か。本名ほんみょう、服部はっとりテイ。筆名ひつめい、服部はっとり水仙すいせん、服部はっとり貞子さだこ、服部はっとり水仙すいせん子こ、水野みずの仙せんなど。

生涯しょうがい

服部はっとり直太郎なおたろうとセイとの二男じなん三さん女じょの末子まっしとして、福島ふくしま県けん岩瀬いわせ郡ぐん須賀川すかがわ町まち（現げん・須賀川すかがわ市し）に生うまれた。燃料ねんりょうなどを商あきなう旧家きゅうかだった。

1903年ねん（明治めいじ36年ねん）（15歳さい）、須賀川すかがわ尋常じんじょう高等こうとう小学校しょうがっこう（現げん・須賀川すかがわ市立しりつ第だい一いち小学校しょうがっこう）を最優秀さいゆうしゅうの成績せいせきで卒業そつぎょうし、須賀川すかがわ裁縫さいほう専修せんしゅう学校がっこうに入はいった頃ころから、『少女しょうじょ界かい』誌しに投稿とうこうした。長兄ちょうけいの歌人かじん躬治もとはる（もとはる）が選者せんじゃでいた。卒業そつぎょう後ご裁縫さいほう女おんな塾じゅくへ通かよい、1905年ねんから、河井酔茗かわいすいめいの『女子じょし文壇ぶんだん』誌しに投稿とうこうし入選にゅうせんした。投稿とうこう仲間なかまの愛称あいしょうは『お貞さださん』だった。1908年ねんからは『女子じょし文壇ぶんだん』に、全ぜん投書とうしょの掲載けいさいを約束やくそくされた。

1909年ねん（明治めいじ42年ねん）（21歳さい）、『文章ぶんしょう世界せかい』誌しに発表はっぴょうした『徒労とろう』が編集へんしゅう主任しゅにんの田山たやま花袋かたいに激賞げきしょうされて上京じょうきょうし、田山たやま家かに寄寓きぐうして内弟子うちでしとなった。そして、翌年よくねんの『お波なみ』（中央公論ちゅうおうこうろん2月がつ号ごう）、『娘むすめ』（同どう11月がつ号ごう）あたりで、投稿とうこう少女しょうじょから一いち人にん立だちの作家さっかとなった。この年としの11月、同おなじ花はな袋ぶくろ門下もんかで『蒲団ふとん』のヒロインのモデルとして知しられる岡田おかだ美知代みちよが、永代ながよ静雄しずおと別居べっきょした際さいに、代々木よよぎ初台はつだいで同居どうきょする。

1911年ねん、6年ねん越ごしの文学ぶんがく仲間なかま、川波かわなみ道三どうさんと結婚けっこんした。花はな袋ぶくろとは疎隔そかくした。この年とし創刊そうかんされた『青鞜せいとう』の社員しゃいんとなって作さくを載のせたが、青鞜せいとう社しゃの『新あたらしい女おんなたち』とは馴染なじまなかった。

1915年ねん（大正たいしょう4年ねん）9月がつ、前田まえだ晁あきらに勧すすめられて読売新聞よみうりしんぶん記者きしゃとなり、身上しんじょう相談そうだんを受うけ持もったが、半年はんとし後ご肋膜炎ろくまくえんを病やんで退社たいしゃ。肝臓かんぞう病やめ、腹膜炎ふくまくえんを併発へいはつし、療養りょうようしたが、1918年ねん（30歳さい）再発さいはつした。病床びょうしょうで有島ありしま武郎たけおの作品さくひんの批評ひひょうを書かいて、武郎たけおとの文通ぶんつうが始はじまった。

その9月から、次じ姉あねケサが勤つとめる草津くさつ温泉おんせんの聖せいバルナバ医院いいんへ入院にゅういんし、翌よく1919年ねん（大正たいしょう8年ねん）5月がつ、亡なくなり、雑司ヶ谷ぞうしがや墓地ぼちに葬ほうむられた。

1920年ねん9月がつ、夫おっと道どう三さん編集へんしゅうの『水野みずの仙子せんこ集しゅう』が、叢くさむら文ぶん閣かくから刊行かんこうされた。題字だいじ尾上おがみ柴舟さいしゅう、序文じょぶん田山たやま花袋かたい、跋文ばつぶん有島ありしま武郎たけお、装丁そうてい岸田きしだ劉生りゅうせいである。仙子せんこの作品さくひんの約やく三さん分ぶんの一いち、22篇へんを納おさめている。

手近てぢかな作品さくひん

• 「『水野みずの仙子せんこ集しゅう』復刻ふっこく版ばん、不ふ二に出版しゅっぱん、叢書そうしょ 青鞜せいとうの女おんなたち 10（2005）」に収録しゅうろくされている作品さくひん。（標題ひょうだいの次つぎは、初出しょしゅつ誌しないし紙し。その次つぎの（1910.05）などは、初出しょしゅつの西暦せいれき年月としつき。行末ゆくすえの （青あお）印しるしの作品さくひんは、2010年ねん7月がつ現在げんざい、青空あおぞら文庫ぶんこに収おさめられている。）
  • 『四よん十じゅう餘よ日にち』、趣味しゅみ（1910.05）（青あお）
  • 『女醫じょいの話はなし』、青鞜せいとう（1912.09）
  • 『陶すえの土ど』、新潮しんちょう（1913.01）
  • 『神楽坂かぐらざかの半襟はんえり』、婦人ふじん評論ひょうろん（1913.02）（青あお）
  • 『女おんな』、文章ぶんしょう世界せかい（1913.02）（青あお）
  • 『夜よるの浪なみ』、女子じょし文壇ぶんだん（1913.07）（青あお）
  • 『犬いぬの威厳いげん』、中央ちゅうおう文學ぶんがく（1914.02）（青あお）
  • 『熱ねつ』、文章ぶんしょう世界せかい（1914.12）
  • 『悔』、淑女しゅくじょ画が報ほう（1915.09）（青あお）
  • 『一粒ひとつぶの芥子からし種しゅ』、文章ぶんしょう世界せかい（1915.09）
  • 『淋さびしい二人ふたり』、新潮しんちょう（1915.10）
  • 『二に等とう室しつの思おもえ出で』、希望きぼう（1916.04）
  • 『一樹いちじゅの蔭かげ』、新日本しんにほん（1917.04）
  • 『十じゅう六ろくになったお京きょう』、読売新聞よみうりしんぶん（1917.06）
  • 『道みち - ある妻つまの手紙てがみ』、讀賣新聞よみうりしんぶん（1917.12）（青あお）
  • 『輝かがやける朝あさ』、中外ちゅうがい（1918.02）（青あお）
  • 『お三さん輪りん』、中ちゅう外新そとしん論ろん（1918.04）
  • 『沈しずみゆく日ひ』、中ちゅう外新そとしん論ろん（1918.12）
  • 『響ひびき』、女おんな學がく世界せかい（1919.01）（青あお）
  • 『嘘うそをつく日ひ』、文章ぶんしょう世界せかい（1919.02）（青あお）
  • 『白しろい雌めす鶏にわとりの行方ゆくえ』、家禽かきん界かい（1919.04）（青あお）
  • 『酔えひたる商人しょうにん』、文章ぶんしょう世界せかい（1919.07）（青あお）
• 上うえの（青あお）印しるしのほか、青空あおぞら文庫ぶんこに収録しゅうろくされている作品さくひん
  • 『散歩さんぽ』、（1914.09）、中央ちゅうおう文学ぶんがく
  • 『脱殻ぬけがら』、（1913.12）、新潮しんちょう
  • 『冬ふゆを迎むかえへようとして』、新潮しんちょう、（1913.12）
• その他た、水野みずの仙子せんこホームページに多数たすうの作品さくひんが収録しゅうろくされている。
• 上記じょうきのほか、単たん書しょに収録しゅうろくされている作品さくひん
  • 『神楽坂かぐらざかの半襟はんえり』、「渡邊わたなべ澄子すみこ編へん：短編たんぺん女性じょせい文学ぶんがく近代きんだい続つづけ』、おうふう（2002）」の中なか
  • 『四よん十じゅう余よ日にち』、「筑摩書房ちくましょぼう 明治めいじ文学ぶんがく全集ぜんしゅう82（1965）」の中なか
  • 『お三さん輪りん』、「編年体へんねんたい大正たいしょう文学ぶんがく全集ぜんしゅう7、ゆまに書房しょぼう（2001）ISBN 9784897148960」の中なか
  • 菅野かんの俊之としゆき編へん：『水野みずの仙子せんこ4篇へん、散歩さんぽ・脱殻ぬけがら・徒勞とろう・お波なみ』、エディトリアルデザイン研究所けんきゅうじょ（2000）ISBN 9784901134170（『お波なみ』の初出しょしゅつは、中央公論ちゅうおうこうろん（1910.02））

出典しゅってん

• 渡邊わたなべ澄子すみこ編へん：『短編たんぺん女性じょせい文学ぶんがく近代きんだい続つづけ』、おうふう（2002）ISBN 9784273031169
• 今井いまい邦子くにこ：『水野みずの仙子せんこさんの思おもひ出で』（「塩田しおだ良平りょうへい編へん：明治めいじ文学ぶんがく全集ぜんしゅう 第だい82 明治めいじ女流じょりゅう文学ぶんがく集しゅう 第だい2、筑摩書房ちくましょぼう（1965）」の巻末かんまつ / [2]（青空あおぞら文庫ぶんこ）
• らいてう研究けんきゅう会かい編へん：『「青鞜せいとう」人物じんぶつ事典じてん 110人にんの群像ぐんぞう』、大修館書店たいしゅうかんしょてん（2001）ISBN 9784469012668

外部がいぶリンク

• 水野みずの仙子せんこホームページ
• 水野みずの仙子せんこ年譜ねんぷ（不ふ二に出版しゅっぱん『水野みずの仙子せんこ集しゅう』復刻ふっこく版ばん（2005）中ちゅうの、「川浪かわなみ道三どうさん：水野みずの仙子せんこ年譜ねんぷ」から、作つくられている。）
• 水野みずの仙子せんこを題材だいざいとしたオリジナルマンガ
• 水野みずの 仙子せんこ：作家さっか別べつ作品さくひんリスト - 青空あおぞら文庫ぶんこ