求もとめ安やす録ろく

『求もとめ安やす録ろく』（きゅうあんろく）は、無む教きょう会派かいはの創始そうし者しゃ内村うちむら鑑三かんぞうの代表だいひょう的てきな著作ちょさくである。『基督きりすと信徒しんとの慰』の後編こうへんのように書かかれた著作ちょさくである。多おおくの文化ぶんか人じんに影響えいきょうを与あたえた。

経緯けいい

『基督きりすと信徒しんとの慰』が書かかれた直後ちょくごに執筆しっぴつされた。1891年ねんから1893年ねんの大阪おおさか時代じだいにほぼ完成かんせいし、1893年ねん8月がつの熊本くまもと時代じだいの終おわり頃ころに出版しゅっぱんされた。

内容ないよう

内村うちむらの作品さくひんの中なかではもっとも理論りろん的てきな著書ちょしょの一ひとつである。上部じょうぶと下部かぶの2部ぶ構成こうせいであり、「上うえの部ぶ」は「罪つみを犯おかし歎じ、歎じて怖こわれ、怖こわれて失望しつぼうし、失望しつぼうして同おなじ罪ざいを犯おかす。」という人間にんげんの矛盾むじゅんした姿すがたと、その矛盾むじゅんから起おこる苦くるしみより逃のがれために人間にんげんが発明はつめいした技術ぎじゅつ（脱だつ罪つみ術じゅつ）が述のべられている。リバイバル、学問がくもん、資源しげんの研究けんきゅう、慈善じぜん活動かつどう、神学しんがく研究けんきゅうなどである。「下したの部ぶ」で神かみによって供そなえられた救すくいが書かかれている。それは、神かみの独ひとり子ごをそのままに信しんじることであると述のべられている。

参考さんこう文献ぶんけん

• 関根せきね正雄まさお『内村うちむら鑑三かんぞう』清水しみず書院しょいん、1967年ねん
• 鈴木すずき範久のりひさ『内村うちむら鑑三かんぞう』岩波書店いわなみしょてん、1983年ねん