派生はせい作品さくひん

派生はせい作品さくひん（はせいさくひん）は、作品さくひん制作せいさくの分野ぶんやにおけるスピンオフによって既存きそんの作品さくひん（本編ほんぺん）から派生はせいした作品さくひん全般ぜんぱんを指さす。スピンオフ作品さくひん（スピンオフさくひん）とも。

日本にっぽんでは、テレビドラマや映画えいが、漫画まんがなどの派生はせい作品さくひんによく使つかわれる。

概要がいよう

元々もともとはラジオドラマやテレビドラマなどから別べつ番組ばんぐみが派生はせいすることを指さす英語えいごである。外伝がいでん作品さくひん、または続編ぞくへん、番外ばんがい編へんなどとも訳やくされることがあるが、単純たんじゅんに外伝がいでんとスピンオフを同義どうぎに捉とらえるのは誤あやまりである。

本編ほんぺんと同おなじ媒体ばいたいで制作せいさくされることが多おおいが、異ことなる媒体ばいたいで制作せいさくされる場合ばあいもある（テレビドラマから映画えいがへのスピンオフなど）。この場合ばあい、物語ものがたりの焦点しょうてんが本編ほんぺんとは異ことなる点てんで、一般いっぱん的てきな翻案ほんあん（映画えいが化かやドラマ化か、漫画まんが化か、小説しょうせつ化かなど）とは区別くべつされる。

日本にっぽんでの広ひろがり

日本にっぽんにおいては外国がいこく（特とくにアメリカ）映画えいがなどを扱あつかう業界ぎょうかいでは比較的ひかくてき以前いぜんから使つかわれていた言葉ことばだが、一般いっぱんには馴染なじみの薄うすい言葉ことばであった。

テレビ業界ぎょうかいでは新作しんさく放映ほうえい時じに視聴しちょう者しゃをつなぎとめるため、前作ぜんさくの出演しゅつえん者しゃから1人ひとり次じの作品さくひんに残のこすという慣習かんしゅうが存在そんざいしたことがあり、これを出演しゅつえん者しゃのスピンオフと呼よんでいたことが桜井さくらい浩子ひろこや毒どく蝮まむし三太夫さんだゆうの対談たいだんなどで語かたられている。具体ぐたい的てきには、『ウルトラQ』から『ウルトラマン』への桜井さくらい、『ウルトラマン』から『ウルトラセブン』への毒どく蝮まむしがそれに該当がいとうする。

マスメディアによって「スピンオフ」という言葉ことばが頻繁ひんぱんに使つかわれ、一般いっぱんに知しられるようになったのは2000年代ねんだいの半なかば以降いこうである。

当時とうじ、企業きぎょうの統廃合とうはいごうや分離ぶんりが頻繁ひんぱんに行おこなわれ、まず、ビジネス用語ようごとしてのスピンオフが知しられるようになっていた。

スター・システムとの違ちがい

「スター・システム (小説しょうせつ・アニメ・漫画まんが)#日本にっぽんのスター・システム」も参照さんしょう

あるキャラクターが別べつの作品さくひんで主人公しゅじんこうになるのはスター・システムにもみられるが、スピンオフ作品さくひんはもとの作品さくひんと舞台ぶたい背景はいけいが共通きょうつうするのに対たいして、スター・システムはキャラクターを俳優はいゆうに見立みたてて全まったく別べつの舞台ぶたい背景はいけいの作品さくひんに登場とうじょうさせているという違ちがいがある。

スピンアウト（作品さくひん制作せいさく）

ビジネス用語ようごとしてのスピンアウトが広義こうぎにスピンオフと同義どうぎであることから、作品さくひん制作せいさくにおいてもスピンオフの同義語どうぎごとしてスピンアウトが挙あげられることがあるが、これは英語えいごの用法ようほうとして誤あやまりである。

本編ほんぺんに準じゅんじる設定せってい、本編ほんぺんの著作ちょさく者しゃや著作ちょさく権けん者しゃが制作せいさくしたものや公式こうしきとされるもの（親会社おやがいしゃとの関係かんけいが深ふかいもの）である「スピンオフ」に対たいして、本編ほんぺんにこだわらない設定せってい、第三者だいさんしゃが制作せいさくしたものや非公式ひこうしきなもの（親会社おやがいしゃとの関係かんけいが薄うすいか全まったくないもの）である「スピンアウト」という使つかい分わけである。Web上うえなどで散見さんけんされるこれは、英語えいごの用法ようほうとしては本来ほんらい誤あやまりであるが、ビジネス用語ようごの転用てんようとしては誤あやまりとはいいがたい。

なお、英語えいごで使用しようされる用法ようほうとして、他者たしゃが制作せいさくし成功せいこうした無関係むかんけいの作品さくひんからの模倣もほうに過すぎないパクリや剽窃ひょうせつに近ちかい内容ないようの映画えいが作品さくひんを「リップオフ」と呼よぶことがある。最低さいてい映画えいがを選出せんしゅつするゴールデンラズベリー賞しょうにも「リメイク・リップオフ部門ぶもん」が存在そんざいする。

関連かんれん項目こうもく

• 本編ほんぺん