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知事ちじ (仏教ぶっきょう)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

知事ちじ(ちじ)とは、仏教ぶっきょう僧侶そうりょにおける役職やくしょくの1つ[1]

インド僧院そういんにおける役名やくめいサンスクリットでカルマ・ダーナのかん訳語やくごであり、知事ちじのほかに、維那(いな)・いんごと(ちいんじ))・営事(えいじ)、あるいは寺院じいん僧侶そうりょ大衆たいしゅう(だいしゅ))に奉仕ほうしすることから「えつしゅ(えつしゅ)」などともかんやくされた。中国ちゅうごくでは、上座かみざ(じょうざ)・てらぬし(じしゅ)とともにかく寺院じいん管理かんりする三綱さんこう(さんごう)のひとつとされた。[1]

日本にっぽんでも三綱さんこう律令制りつりょうせいなか制度せいどされ、古代こだい日本にっぽん寺院じいんでは三綱さんこうの1つである維那(ついな)およびその別称べっしょうである「知事ちじ」のがそのままもちいられ、寺院じいん庶務しょむ雑事ざつじあつかった[1]

中世ちゅうせいぜんてらでは住持じゅうじ補佐ほさする機関きかんとして修行しゅぎょう担当たんとうする西にしじょ経営けいえい担当たんとうするひがしじょがあり、西にしじょ頭首とうしゅ(ちょうしゅ)とひがしじょ知事ちじ運営うんえいおこなっていた。知事ちじえつごと主事しゅじ執事しつじなどともばれ、わせて6めいいたことからろく知事ちじ(ろくちじ)ともばれ、事務所じむしょ統括とうかつする「てら(つうす)」、これにぐ「かんてら(かんす)」、会計かいけい担当たんとうする「ふくてら(ふうす)」、庶務しょむ担当たんとうする「維那(いな、いのう)」、食事しょくじ担当たんとうする「典座てんぞ(てんぞ)」、労務ろうむ担当たんとうする「ちょくとし(しつすい)」から構成こうせいされていた[1]

だい宝積ほうしゃくけい(だいほうしゃっきょう)』という経典きょうてんには、知事ちじについて、てらちゅうにあって雑事ざつじ処理しょりし、そうぶつ(そうもつ)を守護しゅごすることを役目やくめとすることとともに、「ぜん(よ)くこれごと諸人もろびとしんしょう(しんそう)をとるべし」とべられている[1]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e 知事ちじ | 生活せいかつなか仏教ぶっきょう用語ようご| むページ”. 大谷大学おおたにだいがく. 2013ねん11月13にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 西尾にしおけんたかし知事ちじ)」(『国史こくしだい辞典じてん 9』(吉川弘文館よしかわこうぶんかん、1988ねんISBN 978-4-642-00509-8
  • 曾根そね正人まさと知事ちじ」(『平安へいあん時代じだい事典じてん』(角川書店かどかわしょてん、1994ねんISBN 978-4-040-31700-7

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

  • 知事ちじ - 地方ちほう行政ぎょうせい区画くかく統轄とうかつする官庁かんちょうちょう僧侶そうりょ役職やくしょくめい由来ゆらいである。