(Translated by https://www.hiragana.jp/)
積分曲線 - Wikipedia コンテンツにスキップ

積分せきぶん曲線きょくせん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
微分びぶん方程式ほうていしき dy/dx = x2x − 2対応たいおうする slope field英語えいごばんたいする3つの積分せきぶん曲線きょくせん

数学すうがくにおいて,積分せきぶん曲線きょくせん(せきぶんきょくせん,えい: integral curve)は常微分じょうびぶん方程式ほうていしきあるいは方程式ほうていしきけい特定とくていかいあらわパラメトリック曲線きょくせんである.微分びぶん方程式ほうていしきベクトルじょうあるいは slope field英語えいごばん としてあらわされているとき,対応たいおうする積分せきぶん曲線きょくせんかくてんせっする

積分せきぶん曲線きょくせんは,微分びぶん方程式ほうていしきやベクトルじょう性質せいしつ解釈かいしゃくおうじて,様々さまざまほか名前なまえばれる.物理ぶつりがくでは,電場でんじょう磁場じばたいする積分せきぶん曲線きょくせんfield line英語えいごばんばれ,流体りゅうたい速度そくどじょう英語えいごばんたいする積分せきぶん曲線きょくせんながれせんばれる.力学りきがくけいでは,けい記述きじゅつする微分びぶん方程式ほうていしき積分せきぶん曲線きょくせん軌道きどうばれる.

定義ていぎ[編集へんしゅう]

Fベクトルじょうとする,つまり,デカルト座標ざひょうベクトル関数かんすう (F1, F2, ..., Fn) とする.x(t) をデカルト座標ざひょう (x1(t), x2(t), ..., xn(t))パラメトリック曲線きょくせんとする.このとき x(t)F積分せきぶん曲線きょくせん (integral curve) であるとは,それがつぎ常微分じょうびぶん方程式ほうていしき励系かいであることをいう:

そのようなけいは1つのベクトルの方程式ほうていしきとしてける:

この方程式ほうていしき曲線きょくせん沿った任意にんいてん x(t) において曲線きょくせんせっするベクトルはちょうどベクトル F(x(t)) であり,したがって曲線きょくせん x(t) はベクトルじょう Fかくてんせっするということをっている.

あたえられたベクトルじょうリプシッツ連続れんぞくならば,ピカール・リンデレフの定理ていりにより,ちいさい時間じかんたいして一意的いちいてきなフローが存在そんざいする.

微分びぶん多様たようたいへの一般いっぱん[編集へんしゅう]

定義ていぎ[編集へんしゅう]

MCr きゅうr ≥ 2バナッハ多様たようたい英語えいごばんとする.通常つうじょうどおり,TMMせったばあらわす.自然しぜん射影しゃえいπぱいM: TMM

あたえられる.M うえのベクトルじょうせったば TM切断せつだん,すなわち,多様たようたい Mかくてんにそのてんでの Mせっベクトルをてる写像しゃぞうである.XCr−1 きゅうM うえのベクトルじょうとし,pM とする.時間じかん t0pとおX積分せきぶん曲線きょくせんとは,つぎのような Cr−1 きゅう曲線きょくせん αあるふぁ: JM である:t0ふく実数じっすう直線ちょくせん Rひらき区間くかん J うえ定義ていぎされていて,

たす.

常微分じょうびぶん方程式ほうていしきとの関係かんけい[編集へんしゅう]

時間じかん t0pとおるベクトルじょう X積分せきぶん曲線きょくせん αあるふぁ上記じょうき定義ていぎは,αあるふぁつぎ常微分じょうびぶん方程式ほうていしき初期しょき問題もんだい局所きょくしょてきかいであるということとおなじである:

それは J うち時間じかんたいしてのみ定義ていぎされていて,すべての tt0(もちろん tt0 も)にたいして定義ていぎされている必要ひつようはないという意味いみ局所きょくしょてきである.したがって,積分せきぶん曲線きょくせん存在そんざい一意いちいせい証明しょうめいする問題もんだい常微分じょうびぶん方程式ほうていしき初期しょき問題もんだいかいつけそれが一意いちいであることをしめ問題もんだいおなじである.

時間じかん微分びぶんについての注意ちゅうい[編集へんしゅう]

うえαあるふぁ′(t)時刻じこく t での αあるふぁ微分びぶん時刻じこく t で「αあるふぁしている方向ほうこう」をあらわす.より抽象ちゅうしょうてき視点してんからは,これはフレシェ微分びぶんである:

MRnひらき部分ぶぶん集合しゅうごうという特別とくべつ場合ばあいには,これはよくっている微分びぶん

である,ただし αあるふぁ1, ..., αあるふぁn通常つうじょう座標ざひょう方向ほうこうについての αあるふぁ座標ざひょうである.

おなじことは誘導ゆうどう写像しゃぞう英語えいごばんのことばでさらに抽象ちゅうしょうてきべることができる.Jせったば TJ自明じめいたば J × R であり,すべての tJたいして ιいおた(t) = 1(より正確せいかくには ιいおた((t, 1)) = 1)なるこのたば自然しぜん切断せつだん ιいおた存在そんざいする.曲線きょくせん αあるふぁつぎ図式ずしきかわになるようなたば写像しゃぞう αあるふぁ: TJ → TM誘導ゆうどうする:

このとき時間じかん微分びぶん αあるふぁ合成ごうせい αあるふぁ′ = αあるふぁιいおた であり,αあるふぁ′(t)てん tJ におけるそのである.

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Lang, Serge (1972). Differential manifolds. Reading, Mass.–London–Don Mills, Ont.: Addison-Wesley Publishing Co., Inc.