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粘着ねんちゃく榴弾りゅうだん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
74しき戦車せんしゃ使用しようされる105mm粘着ねんちゃく榴弾りゅうだん

粘着ねんちゃく榴弾りゅうだん(ねんちゃくりゅうだん)は、戦車せんしゃ主砲しゅほうなどに使用しようされるホプキンソン効果こうか利用りようした砲弾ほうだん一種いっしゅ英語えいごではHESH(High Explosive Squash Head)またはHEP(High Explosive Plastic)とばれる。弾頭だんとう部分ぶぶん装甲そうこうにへばりくようにつぶれて起爆きばくするまでの様子ようす和名わみょう由来ゆらいであり、目標もくひょう粘着ねんちゃくせいがあるわけではない。

構造こうぞう

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外観がいかん榴弾りゅうだんとほぼ同一どういつだが、先端せんたんはややまるみをびている。これは、傾斜けいしゃした装甲そうこうだい世代せだい戦車せんしゃ攻撃こうげきするさい弾丸だんがん入射にゅうしゃかくちいさくなるとかれてしまうことがあるため(斜面しゃめん効果こうか)、ながれ線形せんけいによる射程しゃてい長距離ちょうきょりよりも起爆きばく確実かくじつせい優先ゆうせんさせたことによる。 たまからは、榴弾りゅうだんよりもうすやわらかい金属きんぞく成型せいけいされている。炸薬さくやくにはC4などのプラスチック爆薬ばくやく充填じゅうてんする。たまそこには延期えんき信管しんかんけられる。

粘着ねんちゃく榴弾りゅうだん弾頭だんとう着弾ちゃくだん目標もくひょう表面ひょうめん貫通かんつうするのではなく、つぶれて密着みっちゃくしたのち起爆きばくされる。起爆きばくによってしょうじた衝撃波しょうげきは装甲そうこうざいつたわり、ホプキンソン効果こうかによって裏側うらがわ剥離はくり飛散ひさんするスポール破壊はかいこし、った装甲そうこう内側うちがわ破片はへんによって内部ないぶ人員じんいん機材きざい損傷そんしょうあたえる。

榴弾りゅうだんちか構造こうぞうであることから、破片はへん効果こうか期待きたいして使用しようされることもあるが、たまから榴弾りゅうだんくらべてうすいため飛散ひさんする破片はへんすくなく、信管しんかん調整ちょうせいもできないことから、榴弾りゅうだんより破片はへん効果こうかおとる。

対応たいおう火器かき

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目標もくひょう直撃ちょくげきさせなければ本来ほんらい効果こうかられないことから、おも戦車せんしゃほう反動はんどうほうといった直射ちょくしゃ火器かきもちいられる。

スポール破壊はかい理論りろんじょうふくあい装甲そうこう採用さいようしただいさん世代せだい以降いこう戦車せんしゃには効果こうかのぞめず、単純たんじゅん防弾ぼうだん鋼板こうはんであっても、内部ないぶにポリマーせいの「内張うちば装甲そうこう」をけて破片はへん飛散ひさんおさえることで防御ぼうぎょさくとすることができる。

装弾そうだんとうづけつばさ安定あんていてっかぶとだんAPFSDS)が登場とうじょうしたのちも、多目的たもくてき対戦たいせんしゃ榴弾りゅうだん(HEAT-MP)より安価あんか価格かかくは1/5程度ていど全天候ぜんてんこうせいち、初速しょそくおそいため砲身ほうしん寿命じゅみょうへの影響えいきょうすくなく、榴弾りゅうだん同様どうよう円形えんけい危害きがい範囲はんいゆうするといった利点りてんから、イギリスチャレンジャー2戦車せんしゃなどで使用しよう継続けいぞくされている。実戦じっせんでは、湾岸わんがん戦争せんそうチャレンジャー1戦車せんしゃイラクT-55戦車せんしゃたいし、距離きょり5,000mから砲撃ほうげきして命中めいちゅう撃破げきはした記録きろくがある。

関連かんれん項目こうもく

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