細川ほそかわ刑部おさかべ家か

細川ほそかわ刑部おさかべ家か
本姓ほんせい	清和せいわ源はじめ氏し細川ほそかわ氏し庶流
家いえ祖そ	細川ほそかわ興きょう孝こう
種別しゅべつ	武家ぶけ 士族しぞく 華族かぞく（男爵だんしゃく）
主おもな根拠地こんきょち	肥後ひご国こく熊本くまもと藩はん 東京とうきょう市し世田谷せたがや区く経堂きょうどう町まち
凡例はんれい / Category:日本にっぽんの氏族しぞく

細川ほそかわ刑部おさかべ家か（ほそかわぎょうぶけ）は、清和せいわ源はじめ氏し細川ほそかわ氏しの庶流にあたる武家ぶけ・士族しぞく・華族かぞくだった家いえ。 細川ほそかわ忠興ただおきの五ご男なん細川ほそかわ興きょう孝こうを祖そとし、江戸えど時代じだいには長岡ながおかを称しょうして熊本くまもと藩はんの一門いちもん家臣かしんとなり、維新いしん後のちには細川ほそかわに復姓ふくせいし士族しぞくを経へて華族かぞくの男爵だんしゃく家いえに列れつした。

歴史れきし

熊本くまもと藩はん主あるじ細川ほそかわ忠興ただおきの五ご男なん細川ほそかわ興きょう孝こうは、一家いっかを起おこして熊本くまもと藩はんの一門いちもん家臣かしんとなり、当初とうしょは2万まん5000石せき、後のちに肥後ひご国こく二に丸まる1万まん石せきを領りょうした。寛文ひろふみ4年ねん（1664年ねん）に孫まごの興きょう知ちが長岡ながおかと改姓かいせい。刑部おさかべ家かが熊本くまもと郊外こうがいの子飼こがいに設もうけた下屋敷しもやしき（旧きゅう細川ほそかわ刑部おさかべ邸てい）は県けんの重要じゅうよう文化財ぶんかざいに指定していされ、現在げんざいは熊本くまもと城じょう三さんの丸まるに移築いちく・公開こうかいされている。

明治めいじ3年ねんに当時とうじの当主とうしゅ興きょう昌あきらが細川ほそかわ姓せいに復姓ふくせいした。その子こ興きょう増ぞうは西南せいなん戦争せんそうで旧きゅう熊本くまもと藩士はんしが西郷さいごう軍ぐんに協力きょうりょくしないよう尽力じんりょく。日にち清しん戦争せんそうでも戦功せんこうを挙あげた。

維新いしん後ごには細川ほそかわ刑部おさかべ家かは当初とうしょ士族しぞくに列れつしていたが、明治めいじ17年ねん（1884年ねん）に華族かぞくが五ご爵制になった際さいに定さだめられた『叙爵じょしゃく内規ないき』の前まえの案あんである『爵位しゃくい発行はっこう順序じゅんじょ』所収しょしゅう『華族かぞく令れい』案あんの内規ないき（明治めいじ11年ねん・12年ねんごろ作成さくせい）や『授爵じゅしゃく規則きそく』（明治めいじ12年ねん以降いこう16年ねんごろ作成さくせい）では旧きゅう万まん石せき以上いじょう陪臣ばいしんが男爵だんしゃくに含ふくまれており、同家どうけも男爵だんしゃく候補こうほに挙あげられているが、最終さいしゅう的てきな『叙爵じょしゃく内規ないき』では旧きゅう万まん石せき以上いじょう陪臣ばいしんは授爵じゅしゃく対象たいしょう外がいとなったためこの時点じてんでは同家どうけは士族しぞくのままだった。

明治めいじ15年ねん・16年ねんごろ作成さくせいと思おもわれる『三条さんじょう家か文書ぶんしょ』所収しょしゅう『旧藩きゅうはん壱いち万まん石せき以上いじょう家臣かしん家産かさん・職業しょくぎょう・貧富ひんぷ取調とりしらべ書しょ』は、細川ほそかわ興きょう増ぞうについて旧きゅう禄ろく高だかを1万まん石せき、所有しょゆう財産ざいさんは金きむ禄ろく公債こうさい6250円えん、田畑たばた徳いさお米まい786石せき5升しょう1合ごう、貸付かしつけ金利きんり歳入さいにゅう2250円えん余あまり、合ごう歳入さいにゅう金きん8790円えん余あまり、職業しょくぎょうは権けん少数しょうすう正ただし、貧富ひんぷ景況けいきょうは相応そうおうと記しるされている。

その後ご、宗家そうけの細川ほそかわ護まもる久ひさ侯爵こうしゃくや細川ほそかわ刑部おさかべ家かの旧臣きゅうしん、熊本くまもと県知事けんちじ松平まつだいら正直まさなおなどから同家どうけの旧きゅう熊本くまもと藩はんにおける家格かかくや西南せいなん戦争せんそうの勲功くんこうをもって華族かぞく編へん列れつの授爵じゅしゃくがあるよう請願せいがんが行おこなわれた。西南せいなん戦争せんそうにおける勲功くんこうが認みとめられる形かたちで、明治めいじ30年ねん10月がつ27日にち付づけで興きょう増ぞうは華族かぞくの男爵だんしゃくに叙じょせられた。

3代だい男爵だんしゃく孝典たかのりの代だいに細川ほそかわ刑部おさかべ男爵だんしゃく家かの住居じゅうきょは東京とうきょう市し世田谷せたがや区く経堂きょうどう町まちにあった。

歴代れきだい当主とうしゅ

1. 細川ほそかわ興きょう孝こう（細川ほそかわ忠興ただおきの五ご男なん）
2. 細川ほそかわ興きょう之の
3. 長岡ながおか興きょう知ち
4. 長岡ながおか興きょう章あきら
5. 長岡ながおか興業こうぎょう
6. 長岡ながおか興きょう彭（細川ほそかわ宣せん紀きの八はち男なん）
7. 長岡ながおか興きょう真しん
8. 長岡ながおか興きょう礼れい
9. 長岡ながおか興きょう泰やすし
10. 細川ほそかわ興きょう昌あきら
11. 細川ほそかわ興きょう増ぞう
12. 細川ほそかわ興きょう生せい
13. 細川ほそかわ孝典たかのり
14. 細川ほそかわ孝尚たかなお
15. 細川ほそかわ孝宏たかひろ

参考さんこう文献ぶんけん

• 華族かぞく大鑑たいかん刊行かんこう会かい『華族かぞく大鑑たいかん』日本にっぽん図書としょセンター〈日本人にっぽんじん物ぶつ誌し叢書そうしょ7〉、1990年ねん（平成へいせい2年ねん）。ISBN 978-4820540342。 
• 松田まつだ敬之たかゆき『〈華族かぞく爵位しゃくい〉請願せいがん人名じんめい辞典じてん』吉川弘文館よしかわこうぶんかん、2015年ねん（平成へいせい27年ねん）。ISBN 978-4642014724。 
• 森岡もりおか浩ひろし『日本にっぽん名門めいもん・名家めいか大だい辞典じてん』東京とうきょう堂どう出版しゅっぱん、2012年ねん（平成へいせい24年ねん）。ISBN 978-4490108217。