細川ほそかわ宣せん紀き

凡例はんれい 細川ほそかわ宣せん紀き
細川ほそかわ宣せん紀き像ぞう（永えい青あお文庫ぶんこ蔵くら）
時代じだい	江戸えど時代じだい中期ちゅうき
生誕せいたん	延のべ宝たから4年ねん11月20日にち（1676年ねん12月24日にち）
死没しぼつ	享とおる保ほ17年ねん6月26日にち（1732年ねん8月がつ16日にち）
改名かいめい	竹之助たけのすけ（幼名ようみょう）、利り武たけ（初はつ名な）、宣せん紀き
墓所はかしょ	京都きょうと府ふ京都きょうと市しの大徳寺だいとくじ高こう桐きり院いん
官位かんい	従したがえ四よん位い下か・侍従じじゅう、越えつ中ちゅう守もり
幕府ばくふ	江戸えど幕府ばくふ
主君しゅくん	徳川とくがわ家宣いえのぶ、家継いえつぐ、吉よし宗はじめ
藩はん	肥後ひご熊本くまもと藩はん主あるじ
氏族しぞく	高瀬たかせ細川ほそかわ家か、肥後ひご細川ほそかわ家か
父母ちちはは	細川ほそかわ利重とししげ、葉山はやま氏し 細川ほそかわ綱つな利り
兄弟きょうだい	利昌としまさ、宣せん紀き、清涼せいりょう院いん、細川ほそかわ綱つな利り養女ようじょ
妻つま	與あずか幾いく、際さい、民みん、利加りか、佐さ衛まもる
子こ	宗そう孝たかし、花はな姫ひめ、喜和きわ姫ひめ、重賢しげかた、千代ちよ姫ひめ、 豊ゆたか姫ひめ、衛まもる世よ姫ひめ、幾いく姫ひめ、津つ與あずか姫ひめ、長岡ながおか紀おさむ休きゅう、長岡ながおか興きょう彭ら

細川ほそかわ 宣せん紀き（ほそかわ のぶのり）は、江戸えど時代じだい中期ちゅうきの大名だいみょう。肥後ひご国こく熊本くまもと藩はん4代だい藩主はんしゅ。熊本くまもと藩はん細川ほそかわ家か5代だい。官位かんいは従したがえ四よん位い下か・侍従じじゅう、越えつ中ちゅう守もり。

治世ちせい

熊本くまもと新田にった藩はん主おも・細川ほそかわ利重とししげの次男じなんとして誕生たんじょう。幼名ようみょうは竹之助たけのすけ、のち初はつ名めいの利り武たけし（としたけ）を名乗なのる。元禄げんろく10年ねん（1697年ねん）、宗家そうけ熊本くまもと藩はんから5000石せきを分与ぶんよされるが、熊本くまもと藩はん第だい3代だい藩主はんしゅであった伯父おじ（利重とししげの実兄じっけい）の細川ほそかわ綱つな利りの嫡子ちゃくしだった吉利よしとしが早世そうせいしたため、綱つな利りの甥おいである利り武ぶがその養嗣子ようししに迎むかえられた。正徳まさのり2年ねん（1712年ねん）に綱つな利りから家督かとくを譲ゆずられて熊本くまもと藩はん藩主はんしゅとなり、まもなく6代だい将軍しょうぐん・徳川とくがわ家宣いえのぶより偏へん諱いみなを授さずかって宣せん紀きと改名かいめいする（隠居いんきょした綱つな利りは2年ねん後ごに死去しきょする）。

治世ちせいの大半たいはんで、熊本くまもと藩はんには旱魃かんばつや飢饉ききん、虫害ちゅうがい、イナゴの大だい発生はっせい、洪水こうずい、疫病えきびょう、台風たいふうと天災てんさいが立たて続つづきに起おこり、綱つな利り時代じだいの浪費ろうひ財政ざいせいも影響えいきょうして、その治世ちせいは多難たなんを極きわめた。

特とくに享とおる保ほ7年ねん（1722年ねん）からは連年れんねんのように天災てんさいが起おこり、イナゴが大だい発生はっせいした享とおる保ほ17年ねん（1732年ねん）には、凶作きょうさくで餓死がし者しゃが6000人にん近ちかくも出でたと言いわれている。しかも同年どうねん、熊本くまもと藩はんは幕命ばくめいによって利根川とねがわ普請ふしんで15万まん両りょうの支出ししゅつ負担ふたんを担にない、藩はん財政ざいせいは破綻はたん寸前すんぜんとなった。

このように天災てんさいが起おこり、熊本くまもと藩はんが混乱こんらんする中なかでの享とおる保ほ17年ねん（1732年ねん）、57歳さいで死去しきょした。跡あとを四よん男なん・宗そう孝たかしが継ついだ。墓所はかしょは京都きょうと府ふ京都きょうと市しの大徳寺だいとくじ高こう桐きり院いん。

系譜けいふ

• 父ちち：細川ほそかわ利重とししげ（1647年ねん - 1687年ねん） - 熊本くまもと新田にった藩はん初代しょだい藩主はんしゅ。
• 母はは：葉山はやま氏し
• 異母いぼ兄けい： 細川ほそかわ利昌としまさ - 熊本くまもと新田にった藩はん第だい2代だい藩主はんしゅ。
• 養父ようふ：細川ほそかわ綱つな利り（1643年ねん - 1714年ねん） - 熊本くまもと藩はん第だい3代だい藩主はんしゅ。利重とししげの実兄じっけい（宣せん紀きの伯父おじ）にあたる。
• 養やしなえ兄けい・従兄じゅうけい：細川ほそかわ吉利よしとし - 綱つな利りの嫡男ちゃくなん。藩主はんしゅを継つぐことなく早世そうせい。
• 細川ほそかわ宣せん紀き（利り武ぶ）
• 側室そくしつ： 與あずか幾いく - 小田野おだの氏し
  • 長男ちょうなん： 竹之助たけのすけ - 3歳さいで夭折ようせつ。
  • 次女じじょ： 亀かめ姫ひめ - 6歳さいで夭折ようせつ。
  • 三さん女じょ： 名めい世よ姫ひめ - 5歳さいで夭折ようせつ。
  • 三男さんなん： 万次郎まんじろう - 1歳さいで夭折ようせつ。
• 側室そくしつ： 際さい、映うつ心しん院いん - 鳥井とりい氏し
  • 長女ちょうじょ： 蔵ぞう姫ひめ - 6歳さいで夭折ようせつ。
  • 次男じなん： 八三郎はちさぶろう - 6歳さいで夭折ようせつ。
  • 五ご女じょ： 富とみ姫ひめ（1716年ねん - 1718年ねん）
  • 四男よつお： 細川ほそかわ宗孝むねたか（1716年ねん - 1747年ねん） - 初はつ名な：長岡ながおか紀おさむ逵/紀きの達いたる、熊本くまもと藩はん第だい5代だい藩主はんしゅ。
  • 八女やめ： 喜和きわ姫ひめ（1720年ねん - 1754年ねん、禰々姫ひめ、香こう厳げん院いん、宗義しゅうぎ如正室せいしつ）
  • 九きゅう女じょ： 千代ちよ姫ひめ（1722年ねん - ?、三さん千せん姫ひめ、照あきら姫ひめ、安藤あんどう信しん尹いん正室せいしつ）
  • 八男はちお： 龍りゅう五郎ごろう - 家老がろう・木村きむら豊ゆたか持じの養子ようしとなるが、3歳さいで夭折ようせつ（代かわりに利昌としまさの子こ・豊幸とよゆきが豊ゆたか持もちの養子ようしに迎むかえられた）。
• 側室そくしつ： ?（不明ふめい）
  • 四よん女じょ： 村むら姫ひめ（1714年ねん - 1716年ねん） - 夭折ようせつ。
• 側室そくしつ： 民みん - 安野やすの氏し
  • 六ろく女じょ： 勝かち姫ひめ - 3歳さいで夭折ようせつ。
  • 七なな女じょ： 花はな姫ひめ（1720年ねん - 1778年ねん、八代やしろ姫ひめ、清せい操みさお院いん、讃岐さぬき高松たかまつ藩主はんしゅ松平まつだいら頼よりゆき恭きょう正室せいしつ）
  • 十じゅう一いち女じょ： 衛まもる世よ姫ひめ（悦えつ姫ひめ、寿ことぶき鏡きょう院いん、家老がろう（米田よねだ氏し）・長岡ながおか是ただし福ぶく（是ぜ容ようの曽そ祖父そふ）室しつ）
  • 十じゅう三さん女じょ： 津つ與あずか姫ひめ（小笠原おがさわら長ちょう軌室しつ、長ちょう軌は家老がろう小笠原おがさわら家かの第だい6代だい当主とうしゅで小笠原おがさわら秀しげる清きよし（少しょう斎とき）の子孫しそんにあたる）
  • 七なな男なん： 長岡ながおか興きょう彭（おきちか、幼名ようみょう：長ちょう七郎しちろう、初はつ名な：長岡ながおか紀おさむ近きん（のりちか）） - 家老がろう（細川ほそかわ（長岡ながおか）刑部おさかべ家か）・長岡ながおか興行こうぎょうの養子ようし。
• 側室そくしつ： 利加りか - 岩瀬いわせ氏し
  • 五男いつお： 細川ほそかわ重賢しげかた（1721年ねん - 1785年ねん） - 初はつ名な：長岡ながおか紀雄としお、熊本くまもと藩はん第だい6代だい藩主はんしゅ。
  • 十じゅう女じょ： 豊ゆたか姫ひめ（1723年ねん - 1746年ねん、常つね姫ひめ、岑姫、織田おだ信しん旧きゅう（信しん舊きゅう）正室せいしつ）
  • 十じゅう二に女じょ： 幾いく姫ひめ（1725年ねん - 1794年ねん、以久姫ひめ、成なり姫ひめ、軌姫、清しん源げん院いん、宇土うと細川ほそかわ興きょう里さと正室せいしつ）
• 側室そくしつ： 佐さ衛まもる - 友成ともなり氏し
  • 六男むつお： 長岡ながおか紀おさむ休きゅう（のりよし、幼名ようみょう：伊三郎いさぶろう、初はつ名な：長岡ながおか紀きの豊ゆたか（のりとよ））

上記じょうきの通とおり、宣せん紀きには多おおくの子女しじょがいたが、その大半たいはん（主おもに初はじめの方ほうに生うまれた子こ）は早世そうせいしている。