細川ほそかわ持じ常つね

凡例はんれい 細川ほそかわ 持じ常つね
時代じだい	室町むろまち時代ときよ中期ちゅうき
生誕せいたん	応おう永ひさし16年ねん（1409年ねん）
死没しぼつ	宝たから徳いさお元年がんねん12月16日にち（1450年ねん1月がつ28日にち）
戒名かいみょう	桂かつら林りん院いん道どう安あん晋すすむ翁おう
墓所はかしょ	徳島とくしま県けん小松島こまつしま市しの桂林寺けいりんじ
官位かんい	従したがえ五ご位い下か兵部ひょうぶ少しょう輔、讃岐さぬき守もり
幕府ばくふ	室町むろまち幕府ばくふ 相伴しょうばん衆しゅ 阿波あわ国こく・三河みかわ国こく守護しゅご
主君しゅくん	足利あしかが義教よしのり
氏族しぞく	細川ほそかわ阿波あわ守護しゅご家か
父母ちちはは	父ちち：細川ほそかわ満みつる久ひさ
兄弟きょうだい	持もち常つね、教きょう祐ゆう、成就じょうじゅ院いん増ぞう観かん
子こ	猶子ゆうし：成之しげゆき

細川ほそかわ 持じ常つね（ほそかわ もちつね）は、室町むろまち時代ときよ中期ちゅうきの守護しゅご大名だいみょう。室町むろまち幕府ばくふ相伴しょうばん衆しゅ、阿波あわ国こく・三河みかわ国こく守護しゅご。細川ほそかわ阿波あわ守護しゅご家か4代だい当主とうしゅ。官位かんいは、兵部ひょうぶ少しょう輔、讃岐さぬき守もり、従したがえ五ご位い下か。

生涯しょうがい

応おう永ひさし16年ねん（1409年ねん）、細川ほそかわ満みつる久ひさの子ことして誕生たんじょう。家いえの慣例かんれいにより、室町むろまち幕府ばくふ4代だい将軍しょうぐん・足利あしかが義持よしもちから偏へん諱いみなを賜たまわって、持もち常つねと名乗なのる。

応おう永ひさし34年ねん（1427年ねん）、足利あしかが義持よしもちと赤松あかまつ満祐みつすけが対立たいりつした際さい、京都きょうとにいた父ちちに代かわって讃岐さぬき国こくから播磨はりま国こくに出兵しゅっぺいしているが、満祐みつすけの赦免しゃめんによって撤兵てっぺいする。このことから、当時とうじ阿波あわに滞在たいざいしていたとみられている。

永えい享とおる2年ねん（1430年ねん）9月がつ、父ちちの死後しご、家督かとくを継つぎ、阿波あわ国こく守護しゅごに任命にんめいされる。6代だい将軍しょうぐんとなった義持よしもちの弟おとうと・足利あしかが義教よしのりに相伴しょうばん衆しゅとして仕つかえ（弟おとうとの教きょう祐ゆうが義教よしのりから1字じを賜たまわっている）た。永えい享とおる5年ねん（1432年ねん）から永えい享とおる7年ねん（1433年ねん）にかけて義教よしのりと延暦寺えんりゃくじの間あいだで発生はっせいしたいわゆる「山門やまかど騒乱そうらん」では幕府ばくふ方かたとして参さん陣じんしているが、その際さいに阿波あわ本国ほんごくから上洛じょうらくした持もち常つねの船ふね1隻せきが海難かいなんで沈没ちんぼつし、配下はいかの将兵しょうへい400名めい余あまりが水死すいしする事故じこが起おきている。

永えい享とおる12年ねん（1440年ねん）5月がつ、武田たけだ信栄のぶえいと共ともに一色いっしき義よし貫ぬき（若狭わかさ国こく・丹後たんご国こく・三河みかわ国守くにもり護まもる）を暗殺あんさつした手柄てがらとして三河みかわ国守くにもり護まもるとなる。翌よく嘉吉よしきち元年がんねん（1441年ねん）に義教よしのりが赤松あかまつ満祐みつすけの屋敷やしきに出向でむいた際さいに持じ常つねもこれに同行どうこうしたが、義教よしのりが満祐みつすけに殺害さつがいされる騒動そうどうに遭あい辛からくも赤松あかまつ屋敷やしきから逃亡とうぼうした。持もち常つねは大手おおて軍ぐんを率ひきいて摂津せっつ国こくから播磨はりまを攻せめて但馬たじま国こくから合流ごうりゅうした山名やまな持もち豊ゆたか軍ぐんと合流ごうりゅう、満祐みつすけを討うち取とった（嘉吉よしきちの乱らん）。

文ぶん安やす5年ねん（1448年ねん）、満祐みつすけの甥おいで潜伏せんぷくしていた赤松あかまつ則そく尚なおが満祐みつすけの弟おとうと・則のり繁しげるを討うち取とった功績こうせきで、播磨はりまを返還へんかんするよう政所まんどころ執事しつじ伊勢いせ貞さだ国こくと共ともに8代だい将軍しょうぐん・足利あしかが義政よしまさに取とり次ついだが、持もち豊ゆたかの反対はんたいに遭あい、持もち豊ゆたかの婿むこで細川ほそかわ氏し本家ほんけ当主とうしゅ・細川ほそかわ勝元かつもとの仲介ちゅうかいで則のり尚ひさしは赦免しゃめん、持もち豊ゆたかはそのまま播磨はりま領有りょうゆうとなった。勝元かつもとと持もち豊ゆたかの関係かんけいは良好りょうこうだったが、阿波あわ細川ほそかわ家かと持もち豊ゆたかは以後いご険悪けんあくな関係かんけいになっていった。

宝たから徳いさお元年がんねん（1449年ねん）12月16日にちに病死びょうし。享年きょうねん41。法号ほうごうは桂かつら林りん院いん道どう安あん晋すすむ翁おう。

弟おとうと・教きょう祐ゆうの子こである成之しげゆきが猶子ゆうしとして家督かとくを継ついだ。なお、文明ぶんめい13年ねん12月16日にち（1482年ねん1月がつ5日にち）に細川ほそかわ政之まさゆき（成之しげゆきの子こ）によって持もち常つねの33回忌かいきが行おこなわれ、横川よこかわ景けい三さん・天てん隠かくれ龍りゅう澤さわが香こう語ごを作成さくせいしている。

眼め病びょうを長ながく患わずらっていたという説せつがある。

参考さんこう文献ぶんけん

• 高坂こうさか好よしみ『赤松あかまつ円心えんしん・満祐みつすけ』吉川弘文館よしかわこうぶんかん（人物じんぶつ叢書そうしょ）1970年ねん。
• 新編しんぺん岡崎おかざき市し史し編集へんしゅう委員いいん会かい 編へん『新編しんぺん岡崎おかざき市し史し』 第だい20巻かん《総集編そうしゅうへん》、新編しんぺん岡崎おかざき市し史し編へんさん委員いいん会かい、1993年ねん3月がつ15日にち。NDLJP:9572171。 (要よう登録とうろく)
• 佐藤さとう和彦かずひこ、錦にしき昭江あきえ、松井まつい吉昭よしあき、櫻井さくらい彦、鈴木すずき彰あきら、樋口ひぐち州しゅう男おとこ共編きょうへん『日本にっぽん中世ちゅうせい内乱ないらん史し人名じんめい事典じてん』新人物往来社しんじんぶつおうらいしゃ、2007年ねん。
• 石田いしだ晴男はるお『戦争せんそうの日本にっぽん史し9 応仁おうにん・文明ぶんめいの乱らん』吉川弘文館よしかわこうぶんかん、2008年ねん。
• 若松わかまつ和三郎わさぶろう『阿波あわ細川ほそかわ氏しの研究けんきゅう』戎えびす光ひかり祥さち出版しゅっぱん、2013年ねん。