荒川あらかわ修作しゅうさく

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荒川あらかわ（あらかわ） 修作しゅうさく（しゅうさく）
『美術びじゅつ手帖てちょう』1963年ねん10月がつ号ごう増刊ぞうかん号ごう
誕生たんじょう日び (1936-07-06) 1936年ねん7月がつ6日にち
出生しゅっしょう地ち 日本の旗 日本にっぽん・愛知あいち県けん名古屋なごや市し
死没しぼつ年ねん (2010-05-19) 2010年ねん5月19日にち（73歳さい没ぼつ）
死没しぼつ地ち アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく・ニューヨーク市し
国籍こくせき 日本の旗 日本にっぽん
民族みんぞく 日本人にっぽんじん
芸術げいじゅつ分野ぶんや 図形ずけい絵画かいが
出身しゅっしん校こう 愛知あいち県立けんりつ旭丘あさひがおか高等こうとう学校がっこう美術びじゅつ科か 卒業そつぎょう（武蔵野むさしの美術びじゅつ学校がっこう 中退ちゅうたい）
代表だいひょう作さく
活動かつどう期間きかん 1958年ねん - 2010年ねん
影響えいきょうを受うけた
芸術げいじゅつ家か		 マドリン・ギンズ
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荒川あらかわ 修作しゅうさく（あらかわ しゅうさく、1936年ねん〈昭和しょうわ11年ねん〉7月がつ6日にち - 2010年ねん〈平成へいせい22年ねん〉5月19日にち）は、日本にっぽんの美術家びじゅつかである。愛知あいち県けん名古屋なごや市し出身しゅっしん。

略歴りゃくれき[編集へんしゅう]

養老ようろう天命てんめい反はん転地てんち

1936年ねん、名古屋なごや市しに生うまれる[1][2]。生家せいかはうどん屋や。愛知あいち県立けんりつ旭丘あさひがおか高等こうとう学校がっこう美術びじゅつ科か卒業そつぎょうで元もとロサンゼルス在住ざいじゅうの現代げんだい石せき彫ほ家いえ、国島くにしま征せい二にと同窓どうそうだった。武蔵野むさしの美術びじゅつ学校がっこう中退ちゅうたい[2]。1957年ねん、読売よみうりアンデパンダン展てんに初はつ出品しゅっぴんし、1960年ねん、ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズの結成けっせいに参加さんか[2]。1961年ねん、渡米とべいし、滝口たきぐち修造しゅうぞうの仲介ちゅうかいでマルセル・デュシャンに会あい以後いごニューヨークを拠点きょてんに活動かつどうを続つづけた[2]。渡米とべい後ご、マドリン・ギンズと知しり合あい1962年ねん頃ころから共同きょうどう制作せいさくを始はじめる[1]。1970年ねん、ヴェネツィア・ビエンナーレで代表だいひょう作さくとなる『意味いみのメカニズム』を発表はっぴょう。1972年ねん、同どう作さくのドイツでの巡回じゅんかい展示てんじを見みた物理ぶつり学者がくしゃヴェルナー・ハイゼンベルクから賞賛しょうさんされ、ギンズとともにマックス・プランク研究所けんきゅうじょに招待しょうたいをうける。また同年どうねん、ミュンヘンオリンピックのポスターをデザインした。

1982年ねん、紺綬こんじゅ褒章ほうしょう受章じゅしょう、1986年ねん、フランス文芸ぶんげいシュヴァリエ勲章くんしょう受章じゅしょう、2003年ねん、紫綬褒章しじゅほうしょう受章じゅしょう[3]など内外ないがいでその活躍かつやくが認みとめられている。1997年ねん、グッゲンハイム美術館びじゅつかんで日本人にっぽんじんとしては初はつの個展こてんを開催かいさいしている[2]。

初期しょきには棺桶かんおけに入はいったオブジェのような奇き怪かいな作品さくひんを作つくっていたが渡米とべいしてからは画面がめんに図形ずけい、文字もじ、矢印やじるしなどを描えがき込こんだ「図形ずけい絵画かいが」と呼よばれる一連いちれんの作品さくひんを制作せいさくする。「意味いみのメカニズム」においては書込かきこまれた言葉ことばと図像ずぞうや貼付ちょうふけられた既製きせい品ひんの物体ぶったいなどによって鑑賞かんしょう者しゃに身体しんたいと認識にんしきにおける試行しこうや行動こうどうを促うながすに至いたるまでその「図形ずけい絵画かいが」を発展はってんさせ、従来じゅうらいの「美術びじゅつ作品さくひん」の位置いちを逸脱いつだつし見みる側がわが作つくられる場所ばしょの制作せいさくへ向むかう。ギンズとの共同きょうどう制作せいさくは書籍しょせきの著作ちょさくでも並行へいこうされ、「死しなないために」（リブロポート）他た、多数たすうが複数ふくすうの言語げんごで出版しゅっぱんされている。

1990年代ねんだい以降いこうは、人間にんげんの自律じりつ的てきな行動こうどうの環境かんきょうに直接的ちょくせつてきに影響えいきょうを与あたえる建物たてものや庭園ていえんのようなものを建築けんちくする活動かつどうが目立めだった。1994年ねん、奈義なぎ町まち現代げんだい美術館びじゅつかん（岡山おかやま県けん）に 磯崎いそざき新しんとのコラボレーションによる「遍在へんざいの場ば･奈義なぎの龍安寺りゅうあんじ・建築けんちくする身体しんたい」を製作せいさく。1995年ねん、岐阜ぎふ県けん養老ようろう町まちにテーマパーク「養老ようろう天命てんめい反はん転地てんち」を建設けんせつ。公園こうえんの特殊とくしゅな構造こうぞうから入園にゅうえん者しゃに怪我人けがにんが相次あいついだが荒川あらかわは「案外あんがい少すくないな」と平然へいぜんとしていた。2005年ねん、養老ようろうのような空間くうかんで日常にちじょう生活せいかつを営いとなめるようにと東京とうきょう都と三鷹みたか市しに「三鷹みたか天命てんめい反転はんてん住宅じゅうたく～In Memory of Helen Keller～」を建造けんぞう・販売はんばい。2008年ねん、ニューヨーク、イースト･ハンプトンに「バイオスクリーブ・ハウス」を完成かんせい。様々さまざまな建築けんちくさらには都市とし規模きぼの変革へんかくプロジェクトを提示ていじした。通常つうじょうの美術家びじゅつか・芸術げいじゅつ家かの概念がいねんでは捉とらえ切きることができなくなった自身じしんの活動かつどう領域りょういきを「コーデノロジスト」と称しょうした。

世界せかいの著名ちょめいな哲学てつがく者しゃや分子生物学ぶんしせいぶつがく者しゃに注目ちゅうもくされ2005年ねんにはパリ第だい10大学だいがくで、2008年ねんにはペンシルベニア大学だいがくで荒川あらかわ修作しゅうさく+マドリン・ギンズをめぐる国際こくさいカンファレンスが開催かいさい。国内こくないの諸々もろもろの講演こうえん会かい等とうにおいては宮崎駿みやざきはやお、養老ようろう孟司たけし、茂木もき健一郎けんいちろう、利根川とねがわ進すすむ他た、多おおくの分野ぶんやの人々ひとびととの場ばにおいて芸術げいじゅつ・科学かがく・哲学てつがくなどにわたる自身じしんの深遠しんえんな知見ちけんに基もとづき際立きわだって独特どくとくな印象いんしょうを残のこすい回いまわしで語かたりかけた。近年きんねんではテレビ・雑誌ざっし・webなどのメディアへの登場とうじょうも少すくなくなく、出身しゅっしん小学校しょうがっこうで授業じゅぎょうを行おこなうNHKの教育きょういく番組ばんぐみ『課外かがい授業じゅぎょう ようこそ先輩せんぱい』に出演しゅつえんした際さいは、本人ほんにんの記憶きおく違ちがいから出身しゅっしん校こうの名古屋なごや市立しりつ御劔みつるぎ小学校しょうがっこうではなく同どう市立しりつ瑞穂みずほ小学校しょうがっこうで収録しゅうろくが行おこなわれたが、局きょくを批判ひはんする声こえにも「非難ひなんする方ほうがおかしい。私わたしは自分じぶんの名前なまえもよく忘わすれる。」と意いに介かいさなかった[4]。

2010年ねん5月がつ19日にち、ニューヨーク市内しないの病院びょういんにて死去しきょ。73歳さい没ぼつ。旭日きょくじつ小しょう綬章じゅしょう。また、2014年ねん1月がつ8日にち、妻つまのマドリン・ギンズが死去しきょ。

日本にっぽん時間じかんの2021年ねん7月がつ6日にち、Google Doodleで彼かれの作品さくひん「三鷹みたか天命てんめい反転はんてん住宅じゅうたく」のイラストが紹介しょうかいされた[5]。

代表だいひょう作品さくひん（建築けんちく作品さくひん）[編集へんしゅう]

著作ちょさく[編集へんしゅう]

  • 『荒川あらかわ修作しゅうさくの世界せかい・意味いみのメカニズム』マドリン・ギンス共著きょうちょ、国立こくりつ国際こくさい美術館びじゅつかん、1979年ねん
  • 『意味いみのメカニズム』ドイツ語ご版ばん、マドリン・ギンス共著きょうちょ、1971年ねん
  • 『死しなないために』フランス語ふらんすご版ばん、マドリン・ギンス共著きょうちょ、1987年ねん
  • 『建築けんちく-宿命しゅくめい反転はんてんの場ば-アウシュヴィッツ - 広島ひろしま以降いこうの建築けんちく的てき実験じっけん』水声すいせい社しゃ、1995年ねん、ISBN 4-89176-307-8
  • 『生命せいめいの建築けんちく―荒川あらかわ修作しゅうさく・藤井ふじい博巳ひろみ対談たいだん集しゅう』水声すいせい社しゃ、1999年ねん、ISBN 4-89176-380-9
  • 『建築けんちくする身体しんたい-人間にんげんを超こえていくために』春秋しゅんじゅう社しゃ、2004年ねん、ISBN 4-393-95503-X
  • 『死しぬのは法律ほうりつ違反いはんです-死しに抗こうする建築けんちく』春秋しゅんじゅう社しゃ、2007年ねん、ISBN 978-4-393-33273-3
  • 『幽霊ゆうれいの真理しんり―絶対ぜったい自由じゆうに向むかうために』小林こばやし康夫やすおとの対話たいわ集しゅう、水声すいせい社しゃ、2015年ねん、ISBN 978-4-8010-0088-9

関連かんれん書籍しょせき[編集へんしゅう]

  • 荒川あらかわ修作しゅうさくの“死しに抗あらがう建築けんちく” 水声すいせい通信つうしん no.1（水声すいせい社しゃ 2005年ねん）
  • “荒川あらかわ修作しゅうさくの軌跡きせきと奇跡きせき” 塚原つかはら史ふみ 著ちょ（NTT出版しゅっぱん 2009年ねん）
  • “二に〇世紀せいきアヴァンギャルドと文明ぶんめいの転換てんかん――コロンブス、プリミティヴ・アート、そしてアラカワへ” 大平おおひら 具ぐ彦 著ちょ（人文書院じんぶんしょいん 2009年ねん）

ドキュメンタリー映画えいが[編集へんしゅう]

  • 山岡やまおか信貴しぎ 「死しなない子供こども、荒川あらかわ修作しゅうさく」（アルゴ・ピクチャーズ、2010年ねん）

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ a b NHK人物じんぶつ録ろく
  2. ^ a b c d e "荒川あらかわ修作しゅうさく". ブリタニカ国際こくさい大だい百科ひゃっか事典じてん 小しょう項目こうもく事典じてん, デジタル大辞泉だいじせん, 百科ひゃっか事典じてんマイペディア, 日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ), デジタル版ばん 日本人にっぽんじん名めい大だい辞典じてん+Plus. コトバンクより2021年ねん7月がつ10日とおか閲覧えつらん。
  3. ^ “美術びじゅつ界かい年ねん史し 2003年ねん（11月 秋あきの褒章ほうしょう受章じゅしょう者しゃ）”. 東京とうきょう文化財ぶんかざい研究所けんきゅうじょ. 2012年ねん10月がつ19日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2023年ねん3月がつ8日にち閲覧えつらん。
  4. ^ 「墓碑銘ぼひめい」『週刊しゅうかん新潮しんちょう』2010年ねん6月がつ3日にち号ごう、新潮社しんちょうしゃ。 
  5. ^ “荒川あらかわ修作しゅうさく生誕せいたん 85 周年しゅうねん”. Google Doodle. Google (2021年ねん7月がつ6日にち). 2021年ねん7月がつ10日とおか閲覧えつらん。

関連かんれん人物じんぶつ[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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