衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつ

衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつ（しゅうぎいんのさいぎけつ）とは、日本国にっぽんこく憲法けんぽう第だい59条じょう第だい2項こうに規定きていされるいわゆる「衆議院しゅうぎいんの再さい可決かけつ」を目的もくてきとして行おこなわれる衆議院しゅうぎいん本ほん会議かいぎでの採決さいけつであり、対象たいしょうは法律ほうりつ案あんに限かぎられる。憲法けんぽうのこの規定きていは、衆議院しゅうぎいんの優越ゆうえつ規定きていの一ひとつとされる。

概要がいよう

日本国にっぽんこく憲法けんぽうには、法律ほうりつ案あんは両りょう議院ぎいん（衆議院しゅうぎいんと参議院さんぎいん）で可決かけつしたときに法律ほうりつとなる（日本国にっぽんこく憲法けんぽう59条じょう第だい1項こう）が、衆議院しゅうぎいんで可決かけつして参議院さんぎいんでこれと異ことなった議決ぎけつをした場合ばあいには、衆議院しゅうぎいんで出席しゅっせき議員ぎいんの3分ぶんの2以上いじょうの多数たすうで再ふたたび可決かけつしたときは法律ほうりつとなる（同どう条じょう第だい2項こう）と規定きていされている（運用うんよう上じょうは、「両りょう議院ぎいんで可決かけつしたとき」は一いち議院ぎいんで修正しゅうせい議決ぎけつし他た議院ぎいんがそれに同意どういしたときを含ふくみ、「異ことなった議決ぎけつ」は否決ひけつだけでなく衆議院しゅうぎいんが同意どういしない修正しゅうせい議決ぎけつを含ふくむ）。この、いわゆる「衆議院しゅうぎいんの再さい可決かけつ」を目指めざして行おこなわれる採決さいけつ行為こういが、「衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつ」である。「再さい可決かけつ」は、可決かけつ・成立せいりつした場合ばあいのみを指さし（賛成さんせいが3分ぶんの2未満みまんで不成立ふせいりつの場合ばあいを含ふくまない）、「再さい議決ぎけつ」は可決かけつ・否決ひけつを含ふくめ、その採決さいけつ行為こういを指さす。

衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつは、参議院さんぎいんが否決ひけつ・修正しゅうせい議決ぎけつのように衆議院しゅうぎいんとは明確めいかくに相違そういする意思いしを示しめした場合ばあいだけでなく、参議院さんぎいんが法律ほうりつ案あんを60日にち以内いないに議決ぎけつせず、これを否決ひけつしたものと衆議院しゅうぎいんがみなした（同どう条じょう第だい4項こう。いわゆる「みなし否決ひけつ」）場合ばあいにも、行おこなわれ得える。

実務じつむ運用うんよう上じょう、衆議院しゅうぎいんで再さい議決ぎけつを行おこなうことができるのは、参議院さんぎいんの本ほん会議かいぎで法案ほうあんが否決ひけつ（みなし否決ひけつを含ふくむ）または修正しゅうせいされた場合ばあいに限かぎられ、法案ほうあんが委員いいん会かいでの審議しんぎ・採決さいけつで否決ひけつされた（本ほん会議かいぎに上程じょうていされない）場合ばあいは再さい議決ぎけつの対象たいしょうとならない。

衆議院しゅうぎいんでの議事ぎじの手順てじゅん

参議院さんぎいんで衆議院しゅうぎいん送付そうふ案あんが修正しゅうせい議決ぎけつされ衆議院しゅうぎいんが当該とうがい参議院さんぎいん回付かいふ案あんに同意どういしない場合ばあい

参議院さんぎいん回付かいふ案あんに同意どういするか否ひかを採決さいけつ（不ふ同意どうい） → 衆議院しゅうぎいん議決ぎけつ案あんを再さい議決ぎけつすべしとの動議どうぎ提出ていしゅつ → 同どう動議どうぎを採決さいけつ（可決かけつ） → 先さきに衆議院しゅうぎいんで議決ぎけつしたとおり再ふたたび可決かけつするか否ひかを採決さいけつ

参議院さんぎいんで衆議院しゅうぎいん送付そうふ案あんが否決ひけつとなり衆議院しゅうぎいんに返付へんぷされた場合ばあい

（両院りょういん協議きょうぎ会かいを請求せいきゅうすべしとの動議どうぎ提出ていしゅつ → 同どう動議どうぎを採決さいけつ（否決ひけつ） → ）衆議院しゅうぎいん議決ぎけつ案あんを再さい議決ぎけつすべしとの動議どうぎ提出ていしゅつ → 同どう動議どうぎを採決さいけつ（可決かけつ） → 先さきに衆議院しゅうぎいんで議決ぎけつしたとおり再ふたたび可決かけつするか否ひかを採決さいけつ

参議院さんぎいんで衆議院しゅうぎいん回付かいふ案あんが不ふ同意どういとなり衆議院しゅうぎいんに通知つうちされた場合ばあい（通知つうちと同時どうじに参議院さんぎいんから両院りょういん協議きょうぎ会かい請求せいきゅうがあり衆議院しゅうぎいんがこれに応おうじない場合ばあい）

参議院さんぎいんからの両院りょういん協議きょうぎ会かい請求せいきゅうに応諾おうだくするか否ひかを採決さいけつ（否決ひけつ） → 参議院さんぎいんから議案ぎあん返付へんぷ → 衆議院しゅうぎいん議決ぎけつ案あんを再さい議決ぎけつすべしとの動議どうぎ提出ていしゅつ → 同どう動議どうぎを採決さいけつ（可決かけつ） → 先さきに衆議院しゅうぎいんで議決ぎけつしたとおり再ふたたび可決かけつするか否ひかを採決さいけつ

参議院さんぎいんで衆議院しゅうぎいん回付かいふ案あんが不ふ同意どういとなり衆議院しゅうぎいんに返付へんぷされた場合ばあい（参議院さんぎいんからの両院りょういん協議きょうぎ会かい請求せいきゅうがない場合ばあい）

（衆議院しゅうぎいんから両院りょういん協議きょうぎ会かいを請求せいきゅうすべしとの動議どうぎ提出ていしゅつ → 同どう動議どうぎを採決さいけつ（否決ひけつ） → ）衆議院しゅうぎいん議決ぎけつ案あんを再さい議決ぎけつすべしとの動議どうぎ提出ていしゅつ → 同どう動議どうぎを採決さいけつ（可決かけつ） → 先さきに衆議院しゅうぎいんで議決ぎけつしたとおり再ふたたび可決かけつするか否ひかを採決さいけつ

参議院さんぎいんで60日にち以上いじょう議決ぎけつ（衆議院しゅうぎいん回付かいふ案あんに対たいするものを含ふくむ。）がなく、衆議院しゅうぎいんにおいて「みなし否決ひけつ」とし参議院さんぎいんから議案ぎあんの返付へんぷを受うける場合ばあい

参議院さんぎいんで60日にち以上いじょう議決ぎけつがなく同院どういんが否決ひけつしたものとみなす動議どうぎを提出ていしゅつ → 同どう動議どうぎを採決さいけつ（可決かけつ） → 参議院さんぎいんから議案ぎあん返付へんぷ → 衆議院しゅうぎいん議決ぎけつ案あんを再さい議決ぎけつすべしとの動議どうぎ提出ていしゅつ → 同どう動議どうぎを採決さいけつ（可決かけつ） → 先さきに衆議院しゅうぎいんで議決ぎけつしたとおり再ふたたび可決かけつするか否ひかを採決さいけつ

歴史れきし

1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）の日本国にっぽんこく憲法けんぽう施行しこうから、およそ10年ねんほどの間あいだ、参議院さんぎいんでは緑風りょくふう会かいなどの無党派むとうは議員ぎいんも多おおく、与党よとうは過半数かはんすうの議席ぎせきを獲得かくとくしていなかったため、衆議院しゅうぎいんを通過つうかした法案ほうあんに対たいして、参議院さんぎいんが修正しゅうせいないし否決ひけつすることもあった。この状況じょうきょうに対たいして与党よとうは、26例れい（28法案ほうあん）において、衆議院しゅうぎいんで一部いちぶ野党やとうの支持しじを得えることにより、3分ぶんの2以上いじょうの多数たすうをもって再さい議決ぎけつし、再ふたたび可決かけつし、法案ほうあんを成立せいりつさせることとなった。

その後ご、野党やとうは日本にっぽん社会党しゃかいとう（社会党しゃかいとう）、与党よとうは自由民主党じゆうみんしゅとう（自民党じみんとう）に多おおくの議員ぎいんが集約しゅうやくされる、いわゆる55年ねん体制たいせいが形成けいせいされるとともに、参議院さんぎいんにおいても政党せいとう化かが進すすみ、与党よとうが衆参しゅうさん両院りょういんで過半数かはんすうを占しめるようになった。法案ほうあんは、自民党じみんとうと社会党しゃかいとうの話はなし合あいによって、一定いってい程度ていどまで審議しんぎが尽つくされると採決さいけつが行おこなわれ、衆参しゅうさん両院りょういんで可決かけつされることが多おおくなった。衆議院しゅうぎいんと参議院さんぎいんの間あいだで採決さいけつの結果けっかに違ちがいが生しょうじることもなくなり、1957年ねん（昭和しょうわ32年ねん）の環境かんきょう衛生えいせい営業えいぎょう運営うんえい適正てきせい化か法案ほうあんの採決さいけつ以降いこう、衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつが行おこなわれることもなくなった。

1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）の第だい15回かい参議院さんぎいん議員ぎいん通常つうじょう選挙せんきょには、参議院さんぎいんで与党よとう自民党じみんとうが過半数割かはんすうわれになるねじれ国会こっかいの状況じょうきょうが生しょうじたが、与党よとう・自民党じみんとうは民社党みんしゃとうや公明党こうめいとうなどの中なか間あいだ政党せいとうと協調きょうちょうすることで法案ほうあんの議決ぎけつを乗のり切きっていった。

1994年ねん（平成へいせい6年ねん）には、非ひ自民じみん政権せいけんである細川ほそかわ内閣ないかくが成立せいりつし、自民党じみんとうは与党よとうから野党やとうとなった。新あらたに連立れんりつ8党とうが与党よとうとなったものの、多党たとう連立れんりつはとかくまとまりを欠かき、法案ほうあん採決さいけつにおいても独自どくじの投票とうひょう行動こうどうをとる議員ぎいんを抱かかえていた。政府せいふ提出ていしゅつによる最大さいだいの懸案けんあんであった政治せいじ改革かいかく関連かんれん法案ほうあんの採決さいけつにおいても、衆議院しゅうぎいんでは滞とどこおりなく可決かけつするも、参議院さんぎいんでは最大さいだい与党よとうである社会党しゃかいとう所属しょぞくの一部いちぶ議員ぎいんによる造反ぞうはんで否決ひけつされてしまった。この際さい、政府せいふ・与党よとうの一部いちぶでは、最大さいだい野党やとうとなった自民党じみんとうを賛成さんせいに引ひき込こんだ上じょうで、衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつによる法案ほうあん成立せいりつが検討けんとうされた。しかし、最終さいしゅう的てきには、両院りょういん協議きょうぎ会かいにおいて自民党じみんとうの要求ようきゅうを受うけ入いれる形かたちで法案ほうあんを修正しゅうせいし、両院りょういん協議きょうぎ会かいの成案せいあんが両りょう院本いんぽん会議かいぎで自民党じみんとうの賛成さんせいを得えて成立せいりつしたため、衆議院しゅうぎいんにより再さい議決ぎけつされることはなかった。

その後ご、自民党じみんとうは社会党しゃかいとうとの連立れんりつなどを経へて、再ふたたび与党よとうとなったが、1998年ねん（平成へいせい10年ねん）の第だい18回かい参議院さんぎいん議員ぎいん通常つうじょう選挙せんきょには、参議院さんぎいんで与党よとう自民党じみんとうが過半数割かはんすうわれになるねじれ国会こっかいの状況じょうきょうが生しょうじた。このときには、自民党じみんとうと自由党じゆうとうと連立れんりつ政権せいけんを組くむことで、多数たすう与党よとうを回復かいふくした。自じ自公じこう連立れんりつ政権せいけん時代じだいは衆議院しゅうぎいんでは3分ぶんの2以上いじょうの議席ぎせきだったが、参議院さんぎいんで過半数かはんすう回復かいふくをしていたため、衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつが用もちいられることはなかった。

2005年ねん（平成へいせい17年ねん）、小泉こいずみ内閣ないかくの下したの郵政ゆうせい国会こっかいで、政府せいふ提出ていしゅつ法案ほうあんである郵政ゆうせい民営みんえい化か法案ほうあんが衆議院しゅうぎいんで可決かけつするも、参議院さんぎいんで自民党じみんとうの一部いちぶ造反ぞうはんによって否決ひけつされた。この時とき、衆議院しゅうぎいん議決ぎけつ案あんのままで3分ぶんの2以上いじょうの賛成さんせいを得えられるような政局せいきょくではなかった。そのため、衆議院しゅうぎいん再さい議決ぎけつ権けんが用もちいられることはなく、小泉こいずみ純一郎じゅんいちろう首相しゅしょうは衆議院しゅうぎいん解散かいさん（いわゆる郵政ゆうせい解散かいさん）に踏ふみ切きった。

その後ごの第だい44回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょでは、与党よとうが3分ぶんの2以上いじょうの議席ぎせきを獲得かくとく。衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつが現実味げんじつみを帯おびる政局せいきょくになったが、参議院さんぎいんの与党よとう造反ぞうはん議員ぎいんのほとんどが衆院しゅういん選せんの選挙せんきょ結果けっかを受うけて、郵政ゆうせい民営みんえい化か法案ほうあんに賛成さんせいすることを示しめした。その後ごに開ひらかれた国会こっかいにおいて、微ほろ修正しゅうせいの上うえ再度さいど提出ていしゅつされた郵政ゆうせい民営みんえい化か関連かんれん法案ほうあんは、両院りょういん本ほん会議かいぎで可決かけつされたため、衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつは行おこなわれなかった。連立れんりつ与党よとうは、参議院さんぎいんでは一部いちぶの例外れいがいを除のぞいて造反ぞうはん議員ぎいんに対たいして離党りとうを前提ぜんていにした処分しょぶんはせず、造反ぞうはん議員ぎいんの殆ほとんどが与党よとうに留とどまったため、与党よとうは参議院さんぎいん過半数かはんすうを維持いじすることになり、衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつが用もちいられることはなかった。

2007年ねん（平成へいせい19年ねん）の第だい21回かい参議院さんぎいん議員ぎいん通常つうじょう選挙せんきょの結果けっか、参議院さんぎいんでは連立れんりつ与党よとうが過半数割かはんすうわれした。この時ときには、1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）や1998年ねん（平成へいせい10年ねん）のような一定いってい規模きぼを擁ようする中なか間あいだ政党せいとうもなかったため、与党よとうの過半数かはんすう維持いじは難むずかしくなった。一方いっぽうで、前回ぜんかい2005年ねん（平成へいせい17年ねん）に衆院しゅういん選せんで、与党よとうが3分ぶんの2以上いじょうの議席ぎせきを獲得かくとくしていたことから、衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつ権けんが大おおきく注目ちゅうもくされるようになった。なおこの選挙せんきょ戦せんの際さい、公明党こうめいとう候補者こうほしゃが街頭がいとう演説えんぜつで「今回こんかいの参院さんいん選せんで与党よとうが過半数割かはんすうわれしても、衆議院しゅうぎいんで再さい可決かけつができるんです」と発言はつげんし一部いちぶ有権者ゆうけんしゃたちから「初はじめから『再さい可決かけつありき』と、参議院さんぎいんをないがしろにするのは許ゆるされることではない」と各所かくしょで強つよい反発はんぱつを受うけた。このような状況じょうきょうの下もとで、2008年ねん（平成へいせい20年ねん）1月がつ、政府せいふ提出ていしゅつ法案ほうあんの補給ほきゅう支援しえん特別とくべつ措置そち法案ほうあんの議決ぎけつにおいて、衆参しゅうさんの議決ぎけつが異ことなったため、51年ねんぶりに衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつが行おこなわれた。その後ご、2009年ねん（平成へいせい21年ねん）の第だい45回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょにおいて与党よとうが3分ぶんの2の議席ぎせきを失うしなうまで、たびたび再さい議決ぎけつが行おこなわれた。

2010年ねん（平成へいせい22年ねん）の第だい22回かい参議院さんぎいん議員ぎいん通常つうじょう選挙せんきょの結果けっか、参議院さんぎいんでは連立れんりつ与党よとうが過半数割かはんすうわれした。過去かこ3回かいの例れいと異ことなり、首相しゅしょうはそのまま続投ぞくとうしたが、中間なかま政党せいとうの連立れんりつ協議きょうぎが不振ふしんに終おわり、与党よとうの過半数かはんすう維持いじは難むずかしくなった。2011年度ねんどの子こども手当てあて延長えんちょう法案ほうあんでは共産党きょうさんとうや社民党しゃみんとうの部分ぶぶん連合れんごうが成立せいりつし、参議院さんぎいんで否決ひけつされても衆議院しゅうぎいん再さい議決ぎけつに必要ひつような3分ぶんの2以上いじょうの議席ぎせきが見込みこめるようになった。なお、参議院さんぎいんで子こども手当てあて延長えんちょう法案ほうあんは可否かひ同数どうすうで議長ぎちょう決裁けっさいで可決かけつとなったため、子こども手当てあて延長えんちょう法案ほうあんの衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつは行おこなわれなかった。

衆議院しゅうぎいんで再さい議決ぎけつした例れい

• 参議院さんぎいんで否決ひけつされた法律ほうりつ案あん、または修正しゅうせい議決ぎけつされた法律ほうりつ案あんの衆議院しゅうぎいん議決ぎけつ案あんが、衆議院しゅうぎいんで再さい議決ぎけつされた例れいは、過去かこに38例れい（43法案ほうあん）あり、再さい可決かけつした例れいは37例れい（42法案ほうあん）ある（1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん）の政府せいふ職員しょくいんの新しん給与きゅうよ実施じっしに関かんする法律ほうりつの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい90号ごう）のみ、再さい議決ぎけつにおいて3分ふん2以上いじょうの賛成さんせいがなく再さい可決かけつされなかった）。
• 案件あんけん番号ばんごうは衆議院しゅうぎいん方式ほうしき（ただし、国会こっかい回かい次じは省略しょうりゃく）で記載きさい。
• 下記かきの「議決ぎけつ」において、「可決かけつ」は原案げんあんのまま法案ほうあんが可決かけつされたことを指さし、「修正しゅうせい」は原案げんあん（または衆議院しゅうぎいん修正しゅうせい案あん）が修正しゅうせい議決ぎけつされたことを指さす。
• 「総員そういん」、「賛成さんせい何なに%」の表示ひょうじについては、欠席けっせき・棄権きけんの議員ぎいん数すうは考慮こうりょせず出席しゅっせき・投票とうひょうした議員ぎいんの中なかでの割合わりあいを記載きさい（再さい議決ぎけつの成否せいひ判断はんだんが「出席しゅっせき議員ぎいんの3分ぶんの2」（記名きめい投票とうひょうの場合ばあいは票数ひょうすうの3分ぶんの2）であり、欠席けっせき議員ぎいん及および出席しゅっせきのまま投票とうひょうを棄権きけんした議員ぎいんを算定さんていの対象たいしょうとしていないため）。したがって、この欄らんに記載きさいされた割合わりあいは、必かならずしも当時とうじの衆議院しゅうぎいんの全ぜん議員ぎいんの賛否さんぴ情勢じょうせいをそのまま示しめすものではない。
• 制度せいど上じょうは(1)衆議院しゅうぎいん先議せんぎの例れい（衆院しゅういん通過つうか→参院さんいん修正しゅうせい又または否決ひけつ→衆院しゅういん再さい議決ぎけつ）のほか、(2)参議院さんぎいん先議せんぎの例れい（参院さんいん通過つうか→衆院しゅういん修正しゅうせい→参院さんいん不ふ同意どうい又または60日にち経過けいか→衆院しゅういん再さい議決ぎけつ）もあり得えるが、(2)の実例じつれいはない。
• 再さい議決ぎけつの前まえに両院りょういん協議きょうぎ会かいが請求せいきゅうされた事例じれい・開ひらかれた事例じれいはない。ただし、本ほん会議かいぎにおいて両院りょういん協議きょうぎ会かいを求もとめる動議どうぎが出だされたが否決ひけつとなり請求せいきゅうに至いたらなかった例れいは1例れいある（2008年ねん5月がつ13日にち衆議院しゅうぎいん本ほん会議かいぎにおいて、道路どうろ整備せいび費ひの財源ざいげん等とうの特例とくれいに関かんする法律ほうりつの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（衆議院しゅうぎいん送付そうふ、参議院さんぎいん否決ひけつ・返付へんぷ）に関かんする両院りょういん協議きょうぎ会かいを衆議院しゅうぎいんから求もとめるべしとの動議どうぎが野党やとう議員ぎいんから提出ていしゅつされたが、起立きりつ少数しょうすうで否決ひけつ）。

衆議院しゅうぎいんで3分ぶんの2以上いじょうの多数たすうで法律ほうりつ案あんを再さい議決ぎけつした例れい

件名けんめい	提出ていしゅつ年月日ねんがっぴ	衆議院しゅうぎいんの議決ぎけつ	参議院さんぎいんの議決ぎけつ	衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつ	結果けっか
		議決ぎけつ日び 議決ぎけつ	議決ぎけつ日び 議決ぎけつ	再さい議決ぎけつ日び 採決さいけつ
刑法けいほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい8号ごう）	1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん） 7月がつ9日にち	10月6日にち 修正しゅうせい	10月11日にち 修正しゅうせい	10月14日にち 2名めいを除のぞき起立きりつ総員そういん	再さい可決かけつ・成立せいりつ
民法みんぽうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい17号ごう）	1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん） 7月がつ23日にち	10月30日にち 修正しゅうせい	11月21日にち 修正しゅうせい	12月9日にち 起立きりつ総員そういん	再さい可決かけつ・成立せいりつ
中小企業庁ちゅうしょうきぎょうちょう設置せっち法ほう案あん（閣かく法ほう第だい17号ごう）	1948年ねん（昭和しょうわ23年ねん） 3月15日にち	4月がつ6日にち 修正しゅうせい	6月4日にち 修正しゅうせい	6月29日にち 1名めいを除のぞき起立きりつ総員そういん	再さい可決かけつ・成立せいりつ
検察庁けんさつちょう法ほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい25号ごう）	1948年ねん（昭和しょうわ23年ねん） 3月27日にち	4月がつ1日にち 修正しゅうせい	4月がつ6日にち 修正しゅうせい	4月がつ15日にち 起立きりつ総員そういん	再さい可決かけつ・成立せいりつ
政治せいじ資金しきん規正きせい法ほう案あん（衆しゅう法ほう第だい4号ごう）	1948年ねん（昭和しょうわ23年ねん） 4月がつ30日にち	4月がつ30日にち 可決かけつ	6月19日にち 修正しゅうせい	6月30日にち 起立きりつ総員そういん	再さい可決かけつ・成立せいりつ
消防しょうぼう法ほう案あん（衆しゅう法ほう第だい5号ごう）	1948年ねん（昭和しょうわ23年ねん） 5月27日にち	5月27日にち 可決かけつ	7月がつ4日にち 修正しゅうせい	7月がつ5日にち 起立きりつ総員そういん	再さい可決かけつ・成立せいりつ
地方ちほう自治じち庁ちょう設置せっち法ほう案あん（閣かく法ほう第だい49号ごう）	1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん） 4月がつ18日にち	5月17日にち 修正しゅうせい	5月23日にち 修正しゅうせい	5月30日にち 起立きりつ採決さいけつで賛成さんせい多数たすう	再さい可決かけつ・成立せいりつ
統計とうけい法ほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい64号ごう）	1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん） 4月がつ20日はつか	5月14日にち 修正しゅうせい	5月22日にち 修正しゅうせい	5月24日にち 起立きりつ総員そういん	再さい可決かけつ・成立せいりつ
経済けいざい安定あんてい本部ほんぶ設置せっち法ほう案あん（閣かく法ほう第だい84号ごう）	1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん） 4月がつ22日にち	5月17日にち 修正しゅうせい	5月23日にち 修正しゅうせい	5月30日にち 起立きりつ採決さいけつで賛成さんせい多数たすう	再さい可決かけつ・成立せいりつ
運輸省うんゆしょう設置せっち法ほう案あん（閣かく法ほう第だい88号ごう）	1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん） 4月がつ22日にち	5月19日にち 修正しゅうせい	5月23日にち 修正しゅうせい	5月30日にち 起立きりつ採決さいけつで賛成さんせい多数たすう	再さい可決かけつ・成立せいりつ
弁護士べんごし法ほう案あん（衆しゅう法ほう第だい6号ごう）	1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん） 5月がつ10日とおか	5月がつ10日とおか 可決かけつ	5月26日にち 修正しゅうせい	5月30日にち 起立きりつ採決さいけつで賛成さんせい多数たすう	再さい可決かけつ・成立せいりつ
政府せいふ職員しょくいんの新しん給与きゅうよ実施じっしに関かんする法律ほうりつの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい90号ごう）	1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん） 3月8日にち	3月30日にち 可決かけつ	3月31日にち 修正しゅうせい	記名きめい採決さいけつで賛成さんせい66.0% 可か194・否ひ100	否決ひけつ・廃案はいあん
経済けいざい調査ちょうさ庁ちょう法ほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい167号ごう）	1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん） 4月がつ10日とおか	4月がつ29日にち 修正しゅうせい	5月2日にち 修正しゅうせい	5月2日にち 起立きりつ採決さいけつで賛成さんせい多数たすう	再さい可決かけつ・成立せいりつ
熱海あたみ国際こくさい観光かんこう温泉おんせん文化ぶんか都市とし建設けんせつ法ほう案あん（衆しゅう法ほう第だい8号ごう）	1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん） 3月25日にち	4月がつ18日にち 可決かけつ （一括いっかつ採決さいけつ）	5月1日にち 修正しゅうせい	5月1日にち 起立きりつ採決さいけつで賛成さんせい多数たすう （一括いっかつ採決さいけつ）	再さい可決かけつ・その後ご住民じゅうみん投票とうひょうを経へて成立せいりつ
伊東いとう国際こくさい観光かんこう温泉おんせん文化ぶんか都市とし建設けんせつ法ほう案あん（衆しゅう法ほう第だい9号ごう）			5月1日にち 修正しゅうせい
国家こっか行政ぎょうせい組織そしき法ほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい48号ごう）	1951年ねん（昭和しょうわ26年ねん） 2月がつ27日にち	3月17日にち 可決かけつ	3月27日にち 修正しゅうせい	3月28日にち 起立きりつ採決さいけつで賛成さんせい多数たすう	再さい可決かけつ・成立せいりつ
熱ねつ管理かんり法ほう案あん（衆しゅう法ほう第だい9号ごう）	1951年ねん（昭和しょうわ26年ねん） 3月5日にち	3月17日にち 可決かけつ	3月31日にち 修正しゅうせい	3月31日にち 起立きりつ採決さいけつで賛成さんせい多数たすう	再さい可決かけつ・成立せいりつ
モーターボート競走きょうそう法ほう案あん（衆しゅう法ほう第だい12号ごう）	1951年ねん（昭和しょうわ26年ねん） 3月13日にち	3月29日にち 可決かけつ	6月2日にち 否決ひけつ	6月5日にち 起立きりつ採決さいけつで賛成さんせい多数たすう	再さい可決かけつ・成立せいりつ
司法しほう書士しょし法ほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（衆しゅう法ほう第だい67号ごう）	1951年ねん（昭和しょうわ26年ねん） 5月28日にち	5月28日にち 可決かけつ	6月4日にち 修正しゅうせい	6月5日にち 起立きりつ総員そういん	再さい可決かけつ・成立せいりつ
国家こっか公務員こうむいん法ほう等ひとしの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（衆しゅう法ほう第だい1号ごう）	1951年ねん（昭和しょうわ26年ねん） 12月13日にち	12月13日にち 可決かけつ	12月15日にち 修正しゅうせい	12月15日にち 起立きりつ採決さいけつで賛成さんせい多数たすう	再さい可決かけつ・成立せいりつ
公益こうえき事業じぎょう令れいの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（衆しゅう法ほう第だい7号ごう）	1952年ねん（昭和しょうわ27年ねん） 3月19日にち	3月がつ20日はつか 可決かけつ	5月14日にち 修正しゅうせい	6月17日にち 起立きりつ総員そういん	再さい可決かけつ・成立せいりつ
日本開発銀行にほんかいはつぎんこう法ほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい138号ごう）	1952年ねん（昭和しょうわ27年ねん） 3月29日にち	5月22日にち 可決かけつ	6月16日にち 修正しゅうせい	6月24日にち 起立きりつ採決さいけつで賛成さんせい多数たすう	再さい可決かけつ・成立せいりつ
国立こくりつ病院びょういん特別とくべつ会計かいけい所属しょぞくの資産しさんの譲渡じょうと等とうに関かんする特別とくべつ措置そち法ほう案あん（閣かく法ほう第だい163号ごう）	1952年ねん（昭和しょうわ27年ねん） 4月がつ10日とおか	5月31日にち 可決かけつ	（7月がつ30日にち） みなし否決ひけつ	7月がつ30日にち 記名きめい採決さいけつで賛成さんせい67.4% 可か196・否ひ95	再さい可決かけつ・成立せいりつ
刑事けいじ訴訟そしょう法ほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい146号ごう）	1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん） 7月がつ3日にち	7月がつ27日にち 修正しゅうせい	7月がつ30日にち 修正しゅうせい	7月がつ30日にち 起立きりつ採決さいけつで賛成さんせい多数たすう	再さい可決かけつ・成立せいりつ
農業のうぎょう委員いいん会かい法ほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（衆しゅう法ほう第だい29号ごう）	1954年ねん（昭和しょうわ29年ねん） 5月6日にち	5月22日にち 修正しゅうせい	6月8日にち 修正しゅうせい （一括いっかつ採決さいけつ）	6月9日にち 記名きめい採決さいけつで賛成さんせい総員そういん 可か250・否ひ0 （一括いっかつ採決さいけつ）	再さい可決かけつ・成立せいりつ
農業のうぎょう協同きょうどう組合くみあい法ほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（衆しゅう法ほう第だい30号ごう）		5月22日にち 修正しゅうせい
少年院しょうねんいん法ほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい45号ごう）	1955年ねん（昭和しょうわ30年ねん） 5月16日にち	6月21日にち 修正しゅうせい	7月がつ22日にち 修正しゅうせい	7月がつ25日にち 起立きりつ総員そういん	再さい可決かけつ・成立せいりつ
道路どうろ運送うんそう法ほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい102号ごう）	1956年ねん（昭和しょうわ31年ねん） 3月7日にち	3月27日にち 可決かけつ	4月がつ20日はつか 修正しゅうせい	6月3日にち 起立きりつ総員そういん	再さい可決かけつ・成立せいりつ
環境かんきょう衛生えいせい関係かんけい営業えいぎょうの運営うんえいの適正てきせい化かに関かんする法律ほうりつ案あん（衆しゅう法ほう第だい28号ごう）	1957年ねん（昭和しょうわ32年ねん） 4月がつ22日にち	4月がつ27日にち 可決かけつ	5月19日にち 修正しゅうせい	5月19日にち 起立きりつ総員そういん	再さい可決かけつ・成立せいりつ
テロ対策たいさく海上かいじょう阻止そし活動かつどうに対たいする補給ほきゅう支援しえん活動かつどうの実施じっしに関かんする特別とくべつ措置そち法ほう案あん（閣かく法ほう第だい6号ごう）	2007年ねん（平成へいせい19年ねん） 10月17日にち	11月13日にち 可決かけつ	2008年ねん （平成へいせい20年ねん） 1月がつ11日にち 否決ひけつ	1月がつ11日にち 記名きめい採決さいけつで賛成さんせい71.9% 可か340･否ひ133	再さい可決かけつ・成立せいりつ
平成へいせい二に十じゅう年度ねんどにおける公債こうさいの発行はっこうの特例とくれいに関かんする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい2号ごう）	2008年ねん（平成へいせい20年ねん） 1月がつ18日にち	2月がつ29日にち 可決かけつ （一括いっかつ採決さいけつ）	（4月がつ30日にち） みなし否決ひけつ （一括いっかつ採決さいけつ）	4月がつ30日にち 記名きめい採決さいけつで賛成さんせい96.6% 可か337・否ひ12 （一括いっかつ採決さいけつ）	再さい可決かけつ・成立せいりつ
所得しょとく税法ぜいほう等ひとしの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい3号ごう）	2008年ねん（平成へいせい20年ねん） 1月がつ23日にち
道路どうろ整備せいび費ひの財源ざいげん等とうの特例とくれいに関かんする法律ほうりつの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい4号ごう）		3月13日にち 可決かけつ	5月12日にち 否決ひけつ	5月13日にち 記名きめい採決さいけつで賛成さんせい71.6% 可か336・否ひ133	再さい可決かけつ・成立せいりつ
地方ちほう税法ぜいほう等ひとしの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい5号ごう）	2008年ねん（平成へいせい20年ねん） 1月がつ25日にち	2月がつ29日にち 可決かけつ （一括いっかつ採決さいけつ）	（4月がつ30日にち） みなし否決ひけつ （一括いっかつ採決さいけつ）	4月がつ30日にち 記名きめい採決さいけつで賛成さんせい96.6% 可か336・否ひ12 （一括いっかつ採決さいけつ）	再さい可決かけつ・成立せいりつ
地方ちほう法人ほうじん特別とくべつ税ぜい等とうに関かんする暫定ざんてい措置そち法ほう案あん（閣かく法ほう第だい6号ごう）
地方ちほう交付こうふ税法ぜいほう等ひとしの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい7号ごう）
テロ対策たいさく海上かいじょう阻止そし活動かつどうに対たいする補給ほきゅう支援しえん活動かつどうの実施じっしに関かんする特別とくべつ措置そち法ほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい4号ごう）	2008年ねん（平成へいせい20年ねん） 9月29日にち	10月21日にち 可決かけつ	12月12日にち 否決ひけつ	12月12日にち 記名きめい採決さいけつで賛成さんせい71.5% 可か334･否ひ133	再さい可決かけつ・成立せいりつ
金融きんゆう機能きのうの強化きょうかのための特別とくべつ措置そちに関かんする法律ほうりつ及および金融きんゆう機関きかん等とうの組織そしき再さい編成へんせいの促進そくしんに関かんする特別とくべつ措置そち法ほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい7号ごう）	2008年ねん（平成へいせい20年ねん） 10月24日にち	11月6日にち 修正しゅうせい	12月12日にち 修正しゅうせい	12月12日にち 記名きめい採決さいけつで賛成さんせい71.9% 可か336･否ひ131	再さい可決かけつ・成立せいりつ
平成へいせい二に十じゅう年度ねんどにおける財政ざいせい運営うんえいのための財政ざいせい投融資とうゆうし特別とくべつ会計かいけいからの繰入くりいれの特例とくれいに関かんする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい1号ごう）	2009年ねん（平成へいせい21年ねん） 1月がつ5日にち	1月がつ13日にち 可決かけつ	3月4日にち 否決ひけつ	3月4日にち 記名きめい投票とうひょうで賛成さんせい71.0% 可か333・否ひ136	再さい可決かけつ・成立せいりつ
財政ざいせい運営うんえいに必要ひつような財源ざいげんの確保かくほを図はかるための公債こうさいの発行はっこう及および財政ざいせい投融資とうゆうし特別とくべつ会計かいけいからの繰入くりいれの特例とくれいに関かんする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい4号ごう）	2009年ねん（平成へいせい21年ねん） 1月がつ19日にち	2月がつ27日にち 可決かけつ	3月27日にち 否決ひけつ	3月27日にち 記名きめい投票とうひょうで賛成さんせい71.5% 可か334・否ひ133	再さい可決かけつ・成立せいりつ
所得しょとく税法ぜいほう等とうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい6号ごう）	2009年ねん（平成へいせい21年ねん） 1月がつ23日にち
地方ちほう税法ぜいほう等とうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい10号ごう）	2009年ねん（平成へいせい21年ねん） 1月がつ27日にち	2月がつ27日にち 可決かけつ （一括いっかつ採決さいけつ）	3月27日にち 否決ひけつ （一括いっかつ採決さいけつ）	3月27日にち 記名きめい投票とうひょうで賛成さんせい71.7% 可か335・否ひ134	再さい可決かけつ・成立せいりつ
地方ちほう交付こうふ税法ぜいほう等とうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（閣かく法ほう第だい11号ごう）
国民こくみん年金ねんきん法ほう等とうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ等とうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん	2009年ねん（平成へいせい21年ねん） 1月がつ30日にち	4月がつ17日にち 修正しゅうせい	6月19日にち 否決ひけつ	6月19日にち 記名きめい投票とうひょうで賛成さんせい71.7% 可か333・否ひ131	再さい可決かけつ・成立せいりつ
海賊かいぞく行為こういの処罰しょばつ及および海賊かいぞく行為こういへの対処たいしょに関かんする法律ほうりつ案あん	2009年ねん（平成へいせい21年ねん） 3月13日にち	4月がつ23日にち 可決かけつ	6月19日にち 否決ひけつ	6月19日にち 記名きめい投票とうひょうで賛成さんせい71.7% 可か335・否ひ132	再さい可決かけつ・成立せいりつ
租税そぜい特別とくべつ措置そち法ほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん	2009年ねん（平成へいせい21年ねん） 4月がつ27日にち	5月13日にち 可決かけつ	6月19日にち 否決ひけつ	6月19日にち 記名きめい投票とうひょうで賛成さんせい71.7% 可か334・否ひ132	再さい可決かけつ・成立せいりつ
衆議院しゅうぎいん小しょう選挙せんきょ区く選出せんしゅつ議員ぎいんの選挙せんきょ区間くかんにおける人口じんこう較差かくさを緊急きんきゅうに是正ぜせいするための公職こうしょく選挙せんきょ法ほう及および衆議院しゅうぎいん議員ぎいん選挙せんきょ区く画定かくてい審議しんぎ会かい設置せっち法ほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん	2013年ねん(平成へいせい25年ねん) 4月がつ12日にち	4月がつ23日にち 可決かけつ	（6月がつ24日にち） みなし否決ひけつ	6月24日にち 記名きめい投票とうひょうで賛成さんせい80.8% 可か384・否ひ91	再さい可決かけつ・成立せいりつ

衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつに関かかわる論点ろんてん

参議院さんぎいんの制度せいどや権能けんのうに関かかわる法案ほうあんの衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつ

憲法けんぽうでは、参議院さんぎいんの制度せいどや権能けんのうに関かかわる法案ほうあんについて衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつを制限せいげんする明白めいはくな規定きていはない。しかし、参議院さんぎいんの制度せいどや権能けんのうに関かかわる法案ほうあんについて、参議院さんぎいんが示しめした意思いしに反はんして、衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつを行おこなうことは、参議院さんぎいんの自律じりつ権けん（議院ぎいん独立どくりつの原則げんそく、議院ぎいん規則きそくと法律ほうりつの関係かんけいなど）を侵害しんがいするおそれがあるため、慎重しんちょうに取とり扱あつかうべきとする意見いけんもある。

参議院さんぎいんの制度せいどや権能けんのうに関かかわる法律ほうりつの改廃かいはいとしては、以下いかのようなものが挙あげられる。

• 公職こうしょく選挙せんきょ法ほう改正かいせいによる参議院さんぎいん選挙せんきょ制度せいどの変更へんこう
• 国会こっかい法ほう改正かいせいによる国会こっかい制度せいど（事実じじつ上じょうは参議院さんぎいんを対象たいしょうとして）の変更へんこう
• 両院りょういん同意どうい人事じんじ規定きていの参議院さんぎいん議決ぎけつの弱じゃく力ちから化か・無力むりょく化か
• 自衛隊じえいたいの防衛ぼうえい出動しゅつどうやNHK予算よさんなど両院りょういん同意どうい案件あんけん規定きていの参議院さんぎいん議決ぎけつの弱じゃく力ちから化か・無力むりょく化か
• 議院ぎいん証言しょうげん法ほう改正かいせいによる国会こっかい（事実じじつ上じょうは参議院さんぎいんを対象たいしょうとして）の証人しょうにん喚問かんもんの制限せいげん・廃止はいし

参議院さんぎいん議員ぎいん通常つうじょう選挙せんきょの直後ちょくごにおける衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつ

参議院さんぎいん議員ぎいん通常つうじょう選挙せんきょが行おこなわれた後のち、衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょが行おこなわれるまでの間あいだに、衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつが行おこなわれた例れいは、過去かこに11例れい（14法案ほうあん）ある。このような時期じきに衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつが行おこなわれる場合ばあい、「直近ちょっきんの民意みんいは参議院さんぎいん通常つうじょう選挙せんきょにおいて示しめされており、参議院さんぎいんの議決ぎけつに正当せいとう性せいがある」として、衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつを批判ひはんすることがある。

例たとえば、2007年ねん（平成へいせい19年ねん）7月がつに行おこなわれた第だい21回かい参議院さんぎいん議員ぎいん通常つうじょう選挙せんきょの結果けっか、衆議院しゅうぎいんでは与党よとうの自民党じみんとう・公明党こうめいとうが多数たすう派はを占しめ、参議院さんぎいんでは与党よとうが少数しょうすう派はとなった。この後のち、衆議院しゅうぎいん総そう選挙せんきょが行おこなわれていない翌よく2008年ねん（平成へいせい20年ねん）1月がつ、テロ特措とくそ法案ほうあんの審議しんぎにおいて、参議院さんぎいんは同どう法案ほうあんを否決ひけつし、衆議院しゅうぎいんが再さい議決ぎけつの上うえ、同どう法案ほうあんは成立せいりつした。このため野党やとうは、参議院さんぎいんの議決ぎけつ（法案ほうあんを否決ひけつ）が国会こっかいの最終さいしゅう的てきな結論けつろんとして妥当だとうであるとして、この再さい議決ぎけつを批判ひはんした。

両院りょういん協議きょうぎ会かい開催かいさい請求せいきゅう権けんと再さい議決ぎけつ権けん

法律ほうりつ案あんについて衆議院しゅうぎいんと参議院さんぎいんの議決ぎけつが異ことなった場合ばあい、国会こっかい法ほうの定さだめるところにより、衆議院しゅうぎいんは両院りょういん協議きょうぎ会かいの開催かいさいを求もとめることができる。この両院りょういん協議きょうぎ会かいの開催かいさいは予算よさん等とうの場合ばあいと異ことなり、必かならずしも開催かいさいしなければならないものではない。なお、衆議院しゅうぎいんが両院りょういん協議きょうぎ会かいの開会かいかいを求もとめた時点じてんで、衆議院しゅうぎいんは再さい議決ぎけつ権けんを放棄ほうきしたとみなされるという学説がくせつもある。この見解けんかいは、規則きそくや先例せんれいに根拠こんきょを持もつものではなく、衆議院しゅうぎいんが両院りょういん協議きょうぎ会かいの開会かいかいを求もとめた場合ばあいの衆議院しゅうぎいん再さい議決ぎけつ権けんの見解けんかいについて議員ぎいんに問とわれた参議院さんぎいん法制ほうせい局きょくは肯定こうていも否定ひていもしていない。

なお、両院りょういん協議きょうぎ会かいを開催かいさい請求せいきゅうした後のちも衆議院しゅうぎいんの再さい議決ぎけつができるという説せつをとるとしても、衆議院しゅうぎいんが両院りょういん協議きょうぎ会かいを請求せいきゅうしておきながら、その結論けつろんを待またずに再さい議決ぎけつする態度たいどに出でることはよほどの理由りゆうがない限かぎり制度せいどの運用うんようとして望のぞましいことではないとする意見いけんもある。

衆議院しゅうぎいん可決かけつ後ごの参議院さんぎいん審議しんぎ中ちゅうに閉会へいかい中ちゅう審査しんさとなった場合ばあい

憲法けんぽう第だい59条じょう各項かくこうにおける「法律ほうりつ案あんの成否せいひ」に関かんする規定きていは、一連いちれんの行為こういが原則げんそくとして国会こっかいの同どう一いち会期かいき内ないで行おこなわれることが前提ぜんていとなっている（たとえば、同どう条じょう第だい4項こうには「国会こっかい休会きゅうかい中ちゅうの期間きかんを除のぞいて」とはあるが「国会こっかい閉会へいかい中ちゅう」に関かんする文言もんごんはなく、これは、みなし否決ひけつの60日にちルールがそもそも会期かいきを跨またいで算定さんていするものではないことを示しめしている）。国会こっかい法ほうには継続けいぞく審議しんぎ（閉会へいかい中ちゅう審査しんさ）の規定きていがあり、複数ふくすうの会期かいきを跨またいでも議案ぎあんを議決ぎけつすることが可能かのうとはなっているが、同どう法ほう第だい83条じょうの5に特とく則そくがあり、先議せんぎ院いんが可決かけつした会期かいき中ちゅうに後こう議院ぎいんが議決ぎけつに至いたらず閉会へいかい中ちゅう審査しんさを経へてのちの会期かいきで議決ぎけつした場合ばあいは、次つぎのような取扱とりあつかいがなされ、いずれも「3分ぶんの2以上いじょうの賛成さんせいによる衆院しゅういん再さい議決ぎけつ」をすることはできない（みなし否決ひけつは元もとより不可能ふかのう）。

• 先議せんぎ院いん可決かけつ案あんを別べつ会期かいきの後のち議院ぎいんで可決かけつ又または修正しゅうせい議決ぎけつした場合ばあい - 後こう議院ぎいんが事実じじつ上じょうの新しん・先議せんぎ院いんとなり、新しん・後ご議院ぎいんとなった（本来ほんらいの）先議せんぎ院いんに議案ぎあんを「送付そうふ」する。先議せんぎ院いんで同どう一いち会期かいき中ちゅうに可決かけつすれば成立せいりつとなる。つまり、外形がいけい的てきには先議せんぎ院いんは2回かい議決ぎけつを行おこなうことになる（再度さいどの議決ぎけつではあるが法的ほうてき根拠こんきょが異ことなるため「再さい議決ぎけつ」とは呼よばない）。
• 先議せんぎ院いん可決かけつ案あんを別べつ会期かいきの後のち議院ぎいんで否決ひけつした場合ばあい - 先議せんぎ院いんで可決かけつしたという事実じじつ経過けいかが消滅しょうめつするわけではないが、会期かいきを跨またいだことで後のち議院ぎいんが事実じじつ上じょうの新しん・先議せんぎ院いんとなったため、先議せんぎ院いんに対たいして「否決ひけつ」の通知つうちをするのみとなる。この場合ばあい、元々もともとの先議せんぎ院いんが衆議院しゅうぎいんであったとしても第だい83条じょうの2各項かくこうは適用てきようされないため、否決ひけつした参議院さんぎいんから衆議院しゅうぎいんへの議案ぎあんの「返付へんぷ」はなされずそこで廃案はいあんとなり、「3分ぶんの2以上いじょうの賛成さんせいによる衆院しゅういん再さい議決ぎけつ」をすることはできない。

つまり、ある議案ぎあん（法律ほうりつ案あんに限かぎらない）が後こう議院ぎいんで継続けいぞく審査しんさとなった場合ばあいは、記録きろく上じょう先議せんぎ院いん・後こう議院ぎいんそれぞれの審議しんぎ経過けいか・順序じゅんじょが消きえるわけではないが、あたかも後こう議院ぎいんが新しん・先議せんぎ院いんとなり、先議せんぎ院いんが新しん・後ご議院ぎいんとなったかのような手順てじゅんが求もとめられることになる。この場合ばあい、後こう議院ぎいんから先議せんぎ院いんへ（再度さいど）議案ぎあんを移うつす行為こういには「回付かいふ」や「返付へんぷ」ではなく本来ほんらいは最初さいしょの移転いてんのときのみに使つかう用語ようごである「送付そうふ」を用もちいる。

衆議院しゅうぎいんで可決かけつした議案ぎあん（甲かぶと案あん）と形式けいしき的てきには別個べっこの議案ぎあんである対案たいあん（乙おつ案あん）を参議院さんぎいんで可決かけつした場合ばあいに衆議院しゅうぎいんで可決かけつした議案ぎあん（甲かぶと案あん）の否決ひけつとみなせるか

衆議院しゅうぎいんが甲かぶと案あんを可決かけつしたが、参議院さんぎいんでは甲かぶと案あんの採否さいひについては議決ぎけつせず、甲かぶと案あんの修正しゅうせい案あんとしてではなく、別個べっこの議案ぎあんとして甲かぶと案あんの対案たいあんである乙おつ案あんを可決かけつして衆議院しゅうぎいんに乙おつ案あんを送付そうふした場合ばあいに、衆議院しゅうぎいんは乙おつ案あんの送付そうふをもって、参議院さんぎいんにおいて甲かぶと案あんの否決ひけつとみなして甲かぶと案あんについて再さい議決ぎけつを行おこなうことができるかどうか問題もんだいとなっている。

たとえば、第だい169回かい国会こっかいにおいて、2008年ねん2月がつ29日にち、衆議院しゅうぎいんは2008年ねん3月がつ31日にちで期限切きげんぎれとなるガソリン税ぜいの暫定ざんてい税率ぜいりつ延長えんちょうやその他たの特例とくれい措置そちの延長えんちょうなどを内容ないようとする内閣ないかく提出ていしゅつの「所得しょとく税法ぜいほう等とうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん」（閣かく法ほう第だい3号ごう）を可決かけつし、参議院さんぎいんに送付そうふした。しかし、民主党みんしゅとうは、特例とくれい措置そちの失効しっこうによる混乱こんらんを防ふせぐため同日どうじつガソリン税ぜいの暫定ざんてい税率ぜいりつ延長えんちょうについては規定きていせずその他たの特例とくれい措置そちなどの延長えんちょうなどを内容ないようとした「租税そぜい特別とくべつ措置そち法ほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん」（参さん法ほう第だい3号ごう）を参議院さんぎいんに提出ていしゅつしている。そして、参議院さんぎいん側がわで閣かく法ほうについて同年どうねん3月がつ31日にちまで議決ぎけつしない場合ばあい、ガソリン税ぜいの暫定ざんてい税率ぜいりつのみならずその他たの特例とくれい措置そちも失効しっこうし、大おおきな混乱こんらんが生しょうじることが予想よそうされている。仮かりに、「租税そぜい特別とくべつ措置そち法ほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん」を参議院さんぎいんで可決かけつされ衆議院しゅうぎいんに送付そうふされた場合ばあいにおいて、衆議院しゅうぎいんにおいて参さん法ほうの可決かけつをもって閣かく法ほうの否決ひけつとみなして衆議院しゅうぎいんで再さい議決ぎけつをすることができるかどうかが問題もんだいとなっている。

この問題もんだいに関かんし、3月25日にち、政府せいふは答弁とうべんを差さし控ひかえる旨むねの答弁とうべん書しょを鳩山はとやま由紀夫ゆきお民主党みんしゅとう幹事かんじ長ちょうの質問しつもん主意しゅい書しょに対たいしてしている。

肯定こうていする論拠ろんきょとしては、甲かぶと法ほうを修正しゅうせいして参議院さんぎいんで議決ぎけつした場合ばあいは、衆議院しゅうぎいんで再さい議決ぎけつとみなすことができるのに、乙おつ法ほうという形式けいしき的てきには別個べっこな議案ぎあんを送付そうふした場合ばあいは否決ひけつとみなせないのは、実質じっしつ的てきに同おなじような参議院さんぎいんの議決ぎけつがあるのに法案ほうあんの形式けいしきでそのような取扱とりあつかいの差異さいが生しょうじるのはおかしいので、衆議院しゅうぎいんで乙おつ案あんの可決かけつをもって甲かぶと案あんの否決ひけつとみなすことが可能かのうであるということがある。

否定ひていする論拠ろんきょとしては、乙おつ法ほうが甲かぶと法ほうの対案たいあんであるかは形式けいしき的てきには判断はんだんすることはできない、参議院さんぎいんの審議しんぎ権けんを奪うばうものである、仮かりに乙おつ法ほうが可決かけつされたとしても参議院さんぎいんでさらに甲かぶと法ほうの審議しんぎを継続けいぞくして議決ぎけつができるはずである、国会こっかい法ほう第だい83条じょうの2第だい1項こうは参議院さんぎいんで衆議院しゅうぎいんが送付そうふした法案ほうあんを否決ひけつした場合ばあい返付へんぷすることを規定きていしているが、国会こっかい法ほう上じょうそのようなことを想定そうていした規定きていはなく、さらに乙おつ案あんの送付そうふをもって甲かぶと案あんの返付へんぷとみなすことはできないなどの問題もんだいがある。

関連かんれん項目こうもく

• 衆議院しゅうぎいんの優越ゆうえつ
• ねじれ国会こっかい
• みなし否決ひけつ
• 自然しぜん成立せいりつ
• 両院りょういん協議きょうぎ会かい
• 日本国にっぽんこく憲法けんぽう第だい59条じょう