袁胤

袁胤
後こう漢かん 丹陽たんよう太守たいしゅ
出生しゅっしょう	不ふ詳しょう 豫よ州しゅう汝なんじ南みなみ郡ぐん汝なんじ陽ひ県けん
死去しきょ	不ふ詳しょう
拼音	Yuán Yìn
字じ	仲なか績
主君しゅくん	袁術

袁 胤たね（えん いん、生なま没年ぼつねん不ふ詳しょう）は、中国ちゅうごく後こう漢かん時代じだい末期まっきの政治せいじ家か・武将ぶしょう。字じは仲なか績。豫よ州しゅう汝なんじ南みなみ郡ぐん汝なんじ陽ひ県けん（現在げんざいの河南かなん省しょう周しゅう口こう市し商しょう水すい県けん）の人ひと。従兄じゅうけいは袁術。

生涯しょうがい

袁術の下したにいた孫まご策さくは興きょう平ひらた元年がんねん（194年ねん）からの討伐とうばつで、劉りゅう繇らを破やぶって江東こうとうを平定へいていした。その後ご、袁胤は袁術の命いのちにより、周しゅう尚しょう（周しゅう瑜の従したがえ父ちち）の後任こうにんとして丹陽たんよう太守たいしゅに着任ちゃくにんした。しかし、袁術による丹陽たんよう支配しはいを快こころよく思おもわない徐じょ琨に攻撃こうげきされ、袁胤は丹陽たんようから追放ついほうされた。怒おこった袁術は、宗むね部ぶ一揆いっき（宗教しゅうきょう共同きょうどう体たいの一種いっしゅ）の首領しゅりょうの祖そ郎ろうに山越やまこしを扇動せんどうさせ、孫まご策さくを攻撃こうげきさせた。しかし、これも失敗しっぱいに終おわった。

建たて安やすし4年ねん（199年ねん）に袁術が死去しきょ。袁胤は袁術の女婿じょせいである黄き猗らとともに、袁術の柩ひつぎとその子この袁燿や袁燿の生母せいぼ・姉妹しまいらを守まもることになった。袁胤らは、かつて袁術配下はいかだった劉りゅう勲いさおの元もとへ逃のがれ、劉りゅう勲いさおの本拠ほんきょの皖城に身みを寄よせた。

しかし、劉りゅう勲いさおが軍ぐんを出だしている隙すきに皖城は孫まご策さくに攻せめ落おとされ、袁胤ら袁術の遺族いぞくたちは保護ほごされた。そして、袁胤らは呉くれ郡ぐん（当時とうじの孫まご策さくの本拠地ほんきょち）に護送ごそうされている。後のちに袁燿が孫まご氏しに仕つかえ、その姉妹しまいの一人ひとりの袁氏も孫まご権けんの側室そくしつとなったが、袁胤の消息しょうそくは不明ふめいである。

三国志さんごくし演義えんぎ

小説しょうせつ『三国志さんごくし演義えんぎ』では、袁術の甥おいとなっている。没落ぼつらくした袁術に最期さいごまで付つき従したがうが、袁術は兵糧ひょうろうが尽つきて野垂のたれ死じにするように落命らくめいする。袁術の死後しごはその遺族いぞくを守まもるが、曹操そうそう軍ぐんの徐じょ璆によって皆殺みなごろしにされてしまう。その際さいに玉たま璽も奪うばわれ、曹操そうそうに献上けんじょうされたことになっている。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『三国志さんごくし』呉ご書しょ1孫まご策伝さくでん 呉くれ書しょ5孫まご権けん徐じょ夫人ふじん伝でん 呉くれ書しょ6孫まご輔伝 呉くれ書しょ9周しゅう瑜伝
• 『三さん国こく演義えんぎ』