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裁縫さいほう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
裁縫さいほう(ソーイング)の「ち」の作業さぎょう
着物きもの女性じょせい。(歌川うたがわ国芳くによし 貞操ていそうせんだいかん さとし19世紀せいき初頭しょとう

裁縫さいほう(さいほう)は、ぬのなどをつこと(裁断さいだん)およびうこと(縫製ほうせい)であり、とくにそのようにして衣服いふくるいつくることをす。いもの針仕事はりしごとともいい、英語えいごでもソーイングえい: sewing)という。

概要がいよう[編集へんしゅう]

衣類いるい仕立したてるために、ったりったりすること。辞書じしょ説明せつめいでは、布地ぬのじって衣服いふくなどにいあげること[1] なお衣服いふく制作せいさくする行為こうい仕立したてて(したて)ともいう。

ふくづくりの作業さぎょう全般ぜんぱんすための用語ようごであり、実際じっさいには材料ざいりょう選択せんたくからはじまり、裁断さいだんい、さらにそう保存ほぞん技能ぎのうまでをふく[2]

明治めいじ以降いこう日本にっぽんでは洋裁ようさい洋服ようふくつくること)と和裁わさい和服わふくつくること)に分類ぶんるいする。現代げんだい一般いっぱんてきなのは洋裁ようさいのほうである。

洋裁ようさい和裁わさいのいずれも、家庭かてい裁縫さいほうえい: home sewing)と家庭かていがい裁縫さいほうおもにプロによる裁縫さいほう)とがあり[2]、どちらも裁縫さいほうである。

なお、広義こうぎには、ふくだけでなく、ふくよりも簡単かんたんなものをつくるために布地ぬのじうことをすこともある。たとえば、小学しょうがく中学ちゅうがく教科きょうか家庭かてい技術ぎじゅつ家庭かていのカリキュラムで「裁縫さいほう」として生徒せいとおこなわせるのは、たとえばぞうきんづくりや簡単かんたん布製ぬのせいのカバンづくりなどである。ただし、ぬの作業さぎょうや、作業さぎょうがしっかりふくまれる。

[注釈ちゅうしゃく 1]

歴史れきし[編集へんしゅう]

おおくの文化ぶんかで、石器せっき時代じだいには縫物ぬいものをしていた形跡けいせきられた。ほねやシカのかく木材もくざいからはりつくられ、動物どうぶつけん消化しょうかカットグット植物しょくぶつのツタなどがひもとして縫物ぬいものおこなわれていた[4]

機械きかい以前いぜん衣服いふく貴重きちょうひんであり、針仕事はりしごと衣服いふく長持ながもちさせる重要じゅうよう仕事しごとであった。ながあいだ女性じょせい仕事しごとであり、日本にっぽんでもヨーロッパでも針箱はりばこ裁縫さいほう道具どうぐ嫁入よめい道具どうぐであった[5][6]

江戸えど時代じだいでは裁縫さいほうをするひとはりみょう(しんみょう)とばれた。針子はりこ、お針子はりことも。

現代げんだいのアパレル工場こうじょうでは、ライン方式ほうしき分業ぶんぎょうせい作業さぎょう内容ないようごとにこまかくけて分担ぶんたんし、大量たいりょう生産せいさんしている。作業さぎょう担当たんとうするひとのことは「ソーイングスタッフ」や縫製ほうせい技術ぎじゅつしゃという。

アパレル工場こうじょうでは自動じどう進行しんこうしており、自動じどうけんはん[ちゅう 1]システム、自動じどう裁断さいだんシステム、自動じどうそでけミシン、自動じどうボタンけミシン、自動じどう縫製ほうせいシステムなどが使つかわれるようになって、裁縫さいほう労働ろうどう集約しゅうやくてきではくなってきている[7]

[注釈ちゅうしゃく 2]

洋裁ようさい[編集へんしゅう]


和裁わさい[編集へんしゅう]


手縫てぬいと縫製ほうせい[編集へんしゅう]

はりうことを手縫てぬといい、ミシンうことを縫製ほうせいという。

手縫てぬ[編集へんしゅう]

裁縫さいほう針仕事はりしごと)には、いとぬのはりなどをもちいる。こういった裁縫さいほう道具どうぐなどをおさめるはこのことを裁縫さいほうばこという。簡単かんたんな「ソーイングキット」(最低限さいていげん道具どうぐをセットにした裁縫さいほうセット)も販売はんばいされている。

基本きほんてき縫製ほうせい手法しゅほう基礎きそいという。

  • かた
    • ほんい(ぐしい) - ぬのわせるときなどにもちいる一般いっぱんてき方法ほうほう[9]
    • ほんかえ
    • はんかえい - いちはりすすんだ半分はんぶんながさをかえりながらすす方法ほうほう[9]
    • かがり
    • まつり
  • いと処理しょり
    • たまむすび - 親指おやゆび人差ひとさゆびいとはしって、人差ひとさゆびつくりながら指先ゆびさきからはずしていとだまつく方法ほうほう[9]
    • たまどめ - わりのばり直角ちょっかくてていとけていとだまつくってとめる方法ほうほう[9]

縫製ほうせい[編集へんしゅう]

ミシンうことは、家庭かていからアパレル工場こうじょうまで、ひろおこなわれている。

教育きょういく学習がくしゅう[編集へんしゅう]

日本にっぽんでは家庭かてい技術ぎじゅつ家庭かていのカリキュラムで裁縫さいほう入門にゅうもん段階だんかいたるぬのかたかた基本きほんおしえられているものの、(家庭かてい技術ぎじゅつ家庭かていのカリキュラムのかなりかぎられた時間じかんなかで、まだふくつくったことがない小・中学生しょうちゅうがくせい一律いちりつおしえるのは困難こんなんなので)ふくづくりまではおしえられておらず、おも衣服いふく管理かんり方法ほうほう洗濯せんたく方法ほうほう洗濯せんたく表示ひょうじ見方みかた)などをおしえている。

専門せんもん学校がっこうではふくづくりをおしえるコースが設置せっちされているところもある。被服ひふくなどではふくづくりをおしえている。大学だいがくなどでは、被服ひふくがくあるいは被服ひふく構成こうせいがく一部いちぶとして教授きょうじゅされる場合ばあいがある。

そのカルチャーセンター公民館こうみんかんでもおしえられている。

NHKの番組ばんぐみすてきにハンドメイド』の「ソーイング」のかい裁縫さいほうおしえられている。

裁縫さいほう技能ぎのう資格しかく[編集へんしゅう]

裁縫さいほう関連かんれんする技能ぎのう資格しかくしたげる。



脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ デジタル大辞泉だいじせん
  2. ^ a b 改訂かいてい新版しんぱん 世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん』 「裁縫さいほう
  3. ^ a b c d 笹本ささもと(山崎やまざき)明子あきこ明治めいじ国家こっかにおける女性じょせい役割やくわりと「手芸しゅげい」『千葉大学ちばだいがく社会しゃかい文化ぶんか科学かがく研究けんきゅう研究けんきゅうプロジェクト報告ほうこくしょだい8ごう千葉大学ちばだいがく大学院だいがくいん社会しゃかい文化ぶんか科学かがく研究けんきゅう、1998ねん、1-15ぺーじISSN 2434-8473NAID 1200059082602021=04-01閲覧えつらん 
  4. ^ Hand Embroidery Stitches and Stitch Families” (英語えいご). Sarah's Hand Embroidery Tutorials. 2022ねん7がつ10日とおか閲覧えつらん
  5. ^ 針箱はりばこ[ハリバコ]”. www.city.iwakura.aichi.jp. 2022ねん7がつ10日とおか閲覧えつらん
  6. ^ Whiting, Gertrude (1971ねん). “Old-time tools and toys of needlework”. New York, Dover Publications. 2022ねん7がつ10日とおか閲覧えつらん
  7. ^ ミシン縫製ほうせいこう H558 06~09 ハローワークインターネットサービス
  8. ^ ロボットすす縫製ほうせい工場こうじょう 勝者しょうしゃ米国べいこく敗者はいしゃは? - WSJ
  9. ^ a b c d 基礎きそ 愛知あいち和服わふく裁縫さいほうぎょう協同きょうどう組合くみあい、2020ねん12月26にち閲覧えつらん
  1. ^ 手芸しゅげいのことは、手芸しゅげいくほうがよい 笹本ささもと論文ろんぶん(1998)では、手芸しゅげい裁縫さいほうことなる、といてある。 裁縫さいほうをもっとひろ解釈かいしゃくしていて、「いとぬのもちいた手仕事てしごと」だという[3]。 この広義こうぎ意味いみ使つかうとすると、「手芸しゅげい」という用語ようごとどれだけ意味いみかさなるか、どのように「裁縫さいほう」と「手芸しゅげい」という用語ようご使つかければよいかが問題もんだいなるが、飯塚いいづか信雄のぶおは「裁縫さいほう」と「手芸しゅげい」のちがいについて、裁縫さいほう針仕事はりしごと)は純粋じゅんすい機能きのうせいもとめるのにたいし、手芸しゅげい機能きのうせいとともに装飾そうしょくせいもとめるてんことなるとしているが、一方いっぽう手芸しゅげい場合ばあいかならずしも針仕事はりしごとかぎられないというちがいもある[3]。なお、日本語にほんごの「手芸しゅげい」と「裁縫さいほう」の関係かんけいについては、1895ねん明治めいじ28ねん高等こうとう女学校じょがっこう規程きてい裁縫さいほう実生活じっせいかつ観点かんてんから必須ひっす科目かもく手芸しゅげいが「勤勉きんべんこうムノ習慣しゅうかんやしなえフ」観点かんてんから随意ずいい科目かもく編入へんにゅうされ、目的もくてきことなる科目かもくとして成立せいりつした経緯けいいがある[3]裁縫さいほうは、簡単かんたんなものではれてしまったボタンなおしたり、またはほつれてしまった部分ぶぶんなおすことであるが、手芸しゅげいとして高度こうどするとぬのから衣服いふくつくげたり、ぬいぐるみなどの玩具おもちゃいたるまで布製ぬのせい物品ぶっぴんつくることも対象たいしょうとなる。 なおマジックペン使用しようぬのしばることも裁縫さいほう一部いちぶとしてられている[3]
  2. ^ だい規模きぼ縫製ほうせい工場こうじょうではロボットにより裁縫さいほう人間にんげんかかわらないこともある[8]
  1. ^ けんはん(けんたん)とは、衣服いふく材料ざいりょうとなる布地ぬのじよごれやきずがあるかいかあらかじめ検査けんさすること。衣服いふく材料ざいりょう布地ぬのじ古風こふうないいかたでは反物たんもの(たんもの)とんだので、はんものけん査するからこうばれるようになった。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

  • もの - 行為こうい全般ぜんぱんんだもの全般ぜんぱんしており、そこにはんでセーターやカーディガンなどをつくることもふくめる。
  • 刺繍ししゅう - ぬのいと意匠いしょうらす装飾そうしょく技法ぎほう
  • リメイク
  • 手袋てぶくろ - 各種かくしゅ縫製ほうせい手法しゅほう記述きじゅつされている。
  • ドレスメイカー英語えいごばん
  • オナガサイホウチョウ - クモのいとふくろじょうわて土台どだいつくりそのなかけることからこのいた。
  • もったいない - さい使用しよう
    かつてぬの製品せいひん貴重きちょうだった時代じだいには、着古きふるした衣服いふくからさら衣類いるいつくり、それでもふるくなったらおしめ雑巾ぞうきん手拭てぬぐいなどにつくえ、徹底的てっていてきさい利用りようして資源しげん無駄むだなく利用りようしていた。日本にっぽんでも21世紀せいきはいり、循環じゅんかんがた社会しゃかいなどでこういった家庭かていない可能かのう資源しげん循環じゅんかん見直みなおされている。