設備せつび投資とうし

各国かっこくの投資とうしがGDPに占しめる割合わりあい

設備せつび投資とうし（せつびとうし）とは、企業きぎょうが事業じぎょうに用もちいる設備せつびに対たいして行おこなう投資とうしのこと。国内こくない総そう生産せいさんを構成こうせいする主要しゅような要素ようその一ひとつであり、景気けいきに与あたえる影響えいきょうが大おおきい。

概要がいよう

投資とうし対象たいしょうとなる設備せつびは、有形ゆうけい固定こてい資産しさん（長期ちょうきにわたって利用りようする資産しさんのうち、半導体はんどうたい製造せいぞう装置そうちなどの生産せいさんを行おこなうための機械きかい、事業じぎょう所しょ・店舗てんぽなどの建物たてもの、搬送はんそう用ようの車輌しゃりょう、工具こうぐ備品びひんなど）と、無形むけい固定こてい資産しさん（長期ちょうきにわたって利用りようする資産しさんのうち、ソフトウェアや電話でんわ加入かにゅう権けん、特許とっきょ・商標しょうひょう権けんなど）とに分わかれる。

設備せつび投資とうしを論ろんずる場合ばあい、有形ゆうけい固定こてい資産しさんを指さすケースが多おおかったが、ITバブルの頃ころから無形むけい固定こてい資産しさん（主しゅとしてITへの投資とうし）にも注目ちゅうもくが集あつまるようになってきた。

マクロ経済けいざいに与あたえる影響えいきょう

供給きょうきゅう面めん

設備せつび投資とうしは、工場こうじょうや船ふねなどの資本しほんストックを増加ぞうかさせ、経済けいざいの生産せいさん力りょくを高たかめる。資本しほん装備そうびが増加ぞうかすることで、労働ろうどう生産せいさん性せいが上昇じょうしょうし、潜在せんざい成長せいちょう率りつを高たかめることが出来できる。

需要じゅよう面めん

設備せつび投資とうしは、投資とうし額がくが乗数じょうすう効果こうかによってより大おおきな消費しょうひとなるため、経済けいざいの需要じゅようを高たかめる。需要じゅようの増大ぞうだいは、設備せつび投資とうしによる生産せいさん増大ぞうだいを正当せいとう化かし、需給じゅきゅうが共ともに伸のびる黄金おうごん状態じょうたいをもたらす。設備せつび投資とうしが乗数じょうすう効果こうかを持もつのは以下いかの理由りゆうがあるからである。

投資とうしする事業じぎょう会社かいしゃにとっては投資とうしキャッシュ・フローが赤字あかじになるだけで、会計かいけい上じょうは減価げんか償却しょうきゃくを行おこない赤字あかじにならない。一方いっぽうで設備せつびや工場こうじょうを販売はんばいした側がわにとっては売うり上あげとなり、従業じゅうぎょう員いんの給与きゅうよや会社かいしゃの利益りえきとなる。このように社会しゃかい全体ぜんたいで見みて会計かいけい上じょうの利益りえきが投資とうしによって増大ぞうだいする。そのために、経済けいざい全体ぜんたいが活気かっき付つき消費しょうひが増大ぞうだいするのである。

一方いっぽうで、設備せつび投資とうしが低調ていちょうになるとキャッシュフローは黒字くろじでも、会計かいけい上じょうの利益りえきが出でない場合ばあいがあり、経済けいざい全体ぜんたいが停滞ていたいする。

使つかわれ方かた

設備せつび投資とうしは、景気けいき動向どうこうを判断はんだんするための指標しひょうとしたり、設備せつび投資とうし計画けいかくと企業きぎょう収益しゅうえきなどから投資とうし意欲いよくをみるために使つかわれたりする。統計とうけいで設備せつび投資とうしを見みる際さいには、統計とうけいによって調査ちょうさ対象たいしょう範囲はんいが違ちがう、土地とち購入こうにゅう費ひの取とり扱あつかいが違ちがうなどの差さがある。

調査ちょうさ統計とうけい

• 民間みんかん企業きぎょう資本しほんストック（内閣ないかく府ふ）
• 機械きかい受注じゅちゅう統計とうけい（内閣ないかく府ふ）
• 設備せつび投資とうし調査ちょうさ（経済けいざい産業さんぎょう省しょう）
• 企業きぎょう短期たんき経済けいざい観測かんそく調査ちょうさ（日本銀行にっぽんぎんこう）
• 中小ちゅうしょう製造せいぞう業ぎょう設備せつび投資とうし動向どうこう調査ちょうさ（日本にっぽん政策せいさく金融きんゆう公庫こうこ）

関連かんれん項目こうもく

• 投資とうし
• 設備せつび
• 生産せいさん能力のうりょく
• ジュグラーの波なみ

外部がいぶリンク

• 経済けいざい社会しゃかい総合そうごう研究所けんきゅうじょ（内閣ないかく府ふ）
• 経済けいざい産業さんぎょう省しょう
• 日本銀行にっぽんぎんこう
• 日本にっぽん政策せいさく金融きんゆう公庫こうこ