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説明せつめい

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

説明せつめい(せつめい、えい:explanation,account)とは、事柄ことがら内容ないよう意味いみを、よくわかるようにかすこと[1]。ある事柄ことがらについて、よくわかるようにべること[2]

説明せつめい定義ていぎ

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説明せつめいもとめる[2]」「事情じじょう説明せつめいする[1]」「科学かがくでは説明せつめいのつかない現象げんしょう[2]」などともちいる。

広辞苑こうじえんによると、《説明せつめい》は(たんなる)「記述きじゅつ」とはことなっている[1]。「記述きじゅつ」のほうは、事実じじつ描写びょうしゃ確認かくにんにとどまっているのにたいして、《説明せつめい》のほうは、事物じぶつ出来事できごとが「何故なぜかくあるのか」(何故なぜこのようになっているのか)の根拠こんきょしめしている[1][3]

大辞泉だいじせん説明せつめいと「解説かいせつ」は、「わかりやすくべる」という意味いみでは、同様どうようもちいられている、という[2]。「説明せつめい」は「相手あいて説明せつめいもとめる」「事件じけんのあらましを説明せつめいする」「医者いしゃ病状びょうじょう説明せつめいする」「電気でんき器具きぐ説明せつめいをよくんで使用しようしたほうがいい」などのように、ひろもちいられている[2]。それにたいして「解説かいせつ」のほうは、(「事件じけん背景はいけい解説かいせつする」は「説明せつめい」とほぼ同様どうよう意味いみだが)、「作品さくひん解説かいせつ」「ニュース解説かいせつ」など、ある事柄ことがらについて分析ぶんせきし、それがしょうじた理由りゆう背景はいけいあたえる影響えいきょうなどにまで言及げんきゅうすることがおおい、というてんでややことなっている、とのことである[2]

英語えいごのexplanationの動詞どうし、explainはラテン語らてんごのexplãnãreに由来ゆらいするが、explãnãreは「完全かんぜんに」という意味いみのexと「たいらな」という意味いみのplãnusの合成ごうせいで、「まったくたいらにする、あきらかにする」という意味いみをもつ[4]。つまり、かりにくさという障害しょうがい言葉ことばによってのぞき、問題もんだい見通みとおしをくするのが「説明せつめい」である[4]

歴史れきし

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アリストテレスは『分析ぶんせきろん後書あとがき』において、ある事柄ことがらが「なぜ」っているのかを、三段論法さんだんろんぽうかたちあたえることが、知識ちしきつことである、とした。これをもって、説明せつめいとは三段論法さんだんろんぽうによる論証ろんしょうであるというかんがえが表明ひょうめいされているのだ、ともされる[5]

19世紀せいきには、科学かがくにおける説明せつめい位置いちづけについての考察こうさつを、いくにんもの哲学てつがくしゃらがおこなった。たとえば、J.S.ミルは、自然しぜんなか存在そんざいするすべての規則きそくせい演繹えんえきてきみちびせるような、すくないかず一般いっぱん命題めいだい因果いんが法則ほうそく)を発見はっけんすることだ、とかんがえ、一見いっけんべつ事象じしょうおもわれる複数ふくすう事象じしょうをひとつの法則ほうそくした統合とうごうすることが説明せつめい役割やくわりだ、とかんがえた。たとえば、地上ちじょうにおける物体ぶったい落下らっか惑星わくせい運動うんどうをひとつの法則ほうそく万有引力ばんゆういんりょく)のした統合とうごうすることが説明せつめいなのだ、とした。

1965ねんにはヘンペルが『科学かがくてき説明せつめいしょ問題もんだい』で、説明せつめい基本きほんてきかたちをやはり演繹えんえきてき推論すいろんとし、演繹えんえきてき法則ほうそくてきモデル(D-Nモデル)とばれる基本形きほんけいしめし、ある4条件じょうけんたす推論すいろん説明せつめいだ、とした[6]。ヘンペルの理論りろん様々さまざま問題もんだいてんがあったものの、「たたきだい」となり、そのおおくの哲学てつがくしゃ科学かがく哲学てつがくしゃ説明せつめいについての理論りろん構築こうちくすることにつづいている。

ただし、このかんがかたについては、様々さまざま難点なんてん指摘してきがある。たとえば、物理ぶつり化学かがくにおけるおおくの説明せつめい、その分野ぶんやのほとんどの説明せつめいは、これをたしていない[7]。ヘンペルはまた、個別こべつてき出来事できごと統計とうけいてき法則ほうそく使つかって説明せつめいする帰納的きのうてき統計とうけいてきモデル(I-Sモデル)もかんがえた。これについても様々さまざま批判ひはんがある。

科学かがくにおける説明せつめい

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広辞苑こうじえんには、科学かがくてき研究けんきゅうにおいて《説明せつめい explanation》 とは、個別こべつ事象じしょう一般いっぱん法則ほうそく初期しょき条件じょうけんからみちびすこと、とかれている[1]

科学かがくは《説明せつめいてき科学かがく》と《記述きじゅつてき科学かがく》に大別たいべつされることがある。大辞泉だいじせんによると、《説明せつめいてき科学かがく》とは事物じぶつ説明せつめいおも目的もくてきとする科学かがく総称そうしょうであり、具体ぐたいてきには物理ぶつりがく化学かがくなどである[2]。それにたいして《記述きじゅつてき科学かがく》とは、事実じじつ記述きじゅつしゅたる目的もくてきとする科学かがくのことであり、たとえば動物どうぶつがく植物しょくぶつがく鉱物こうぶつがくなどである[8]

説明せつめい評価ひょうか

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心理しんりがくでは、説明せつめい話者わしゃがききて概念がいねんわく提供ていきょうし、理解りかいしたという感覚かんかくあたえる活動かつどうととらえる[4]説明せつめいによって理解りかいえなかった場合ばあい、その説明せつめい失敗しっぱいしたことになる。このように、説明せつめい理解りかいという概念がいねんふくんでかんがえられ、理解りかいによって評価ひょうかされる。説明せつめい評価ひょうかには、説明せつめいけたひと理解りかいできたかどうかなどを主観しゅかんてき評価ひょうかと、説明せつめい実際じっさい作業さぎょうさせて結果けっか判定はんていする客観きゃっかんてき評価ひょうかがある。説明せつめいかんする評価ひょうか研究けんきゅう共通きょうつうする部分ぶぶんはあるものの、理解りかいという概念がいねんはばひろさや、研究けんきゅう焦点しょうてんとする知覚ちかく水準すいじゅんちがいから研究けんきゅうしゃによって観点かんてんことなることがおお[4]理解りかいしたつもりだったが実際じっさいにやってみるとできない、という現象げんしょうめずらしくないように、主観しゅかんてき評価ひょうか客観きゃっかんてき評価ひょうか結果けっかちが場合ばあい多々たたある[4]

ビジネス文書ぶんしょやマニュアルデザインの分野ぶんやでは主観しゅかんてき評価ひょうか重点じゅうてんかれ、品位ひんい安心あんしんといった情緒じょうちょうったえる表現ひょうげん要素ようそ説明せつめい評価ひょうかふくまれる[4]

説明せつめいしょ

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工業こうぎょう製品せいひんには、あつかかた操作そうさ方法ほうほう使用しようたっての注意ちゅういてんなどをしるした文書ぶんしょえられていることがおおい。取扱とりあつかい説明せつめいしょりゃくして「せつ(とりせつ)」ともう。

出典しゅってん脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c d e 広辞苑こうじえんだいろくはん説明せつめい
  2. ^ a b c d e f g デジタル大辞泉だいじせん説明せつめい
  3. ^ ちゅう - たとえば、《記述きじゅつ》のほうは、「夕日ゆうひあかい」という文章ぶんしょうである。あかい、ということをっているにぎない。理由りゆうについてはべていない。一方いっぽう、《説明せつめい》のほうは、たとえば(あくまで、いちれいであるが) 「夕日ゆうひ橙色だいだいいろ赤色あかいろだが、それは、夕日ゆうひのほうはちゅうくらべて太陽光たいようこうひととどくまでに大気たいきそう通過つうかする距離きょりながく、波長はちょうみじか青色あおいろこう障害しょうがいぶつ衝突しょうとつする回数かいすうおおくなったぶん吸収きゅうしゅうされるりつし、ひと到達とうたつしにくく、それにたいしてだいだいあかなどの長波ちょうは長光ながみつせん長距離ちょうきょりてもとどき、その結果けっか青色あおいろ成分せいぶんが(ばかりが)のぞかれたひかりとなり、それがひとには橙色だいだいいろ赤色あかいろえるからである。」といったもので、あか(やだいだい)になっている理由りゆうべている。
  4. ^ a b c d e f 比留間ひるま太白たいはく『よい説明せつめいとはなにか:認知にんち主義しゅぎ説明せつめい研究けんきゅうから社会しゃかいてき構成こうせい主義しゅぎて』 関西大学かんさいだいがく出版しゅっぱん 2002ねんISBN 4873543487 pp.3-7.
  5. ^ 岩波いわなみ哲学てつがく思想しそう事典じてん』【説明せつめい
  6. ^ 関連かんれんしょ:ヘンペルちょ長坂ながさか源一郎げんいちろうやく科学かがくてき説明せつめいしょ問題もんだい岩波書店いわなみしょてん1973ねん
  7. ^ アレックス・ローゼンバーグ ちょあずま克明かつあき/森元もりもと良太りょうた/渡部わたなべ鉄兵てっぺい やく科学かがく哲学てつがく―なぜ科学かがく哲学てつがく問題もんだいになるのか』春秋しゅんじゅうしゃ、2011ねん、89ぺーじISBN 978-4-393-32322-9 
  8. ^ デジタル大辞泉だいじせん記述きじゅつてき科学かがく[1]

参考さんこう資料しりょう

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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