近きん軸じく近似きんじ

幾何きか光学こうがくにおいて、近きん軸じく近似きんじとは（レンズなどの）光学こうがく系けいの光線こうせん追跡ついせきをおこなう際さいの近似きんじの一種いっしゅである。

近きん軸じく光線こうせんとは、光学こうがく系けいの光ひかり軸じくに対たいしてなす角かくθしーたが小ちいさく、かつ、その経路けいろがすべて光ひかり軸じくの近ちかくを通とおっているような光線こうせんである。このとき光線こうせんの経路けいろを計算けいさんする際さいに以下いかのような近似きんじが可能かのうになる。（θしーたの単位たんいはラジアンとする。）

$\sin(\theta )\approx \theta$

$\tan(\theta )\approx \theta$

$\cos(\theta )\approx 1$

近きん軸じく近似きんじは一いち次じのオーダーの近似きんじの光線こうせん追跡ついせきや、ガウスの光学こうがくで用もちいられる。光線こうせん行列ぎょうれつ解析かいせきもこの近似きんじを使つかう手法しゅほうの一ひとつである。

二に次じのオーダーの近似きんじも、近きん軸じく近似きんじと呼よばれることがある。上記じょうきの近似きんじ式しきで sin θしーた と tan θしーた に関かんしては既すでに θしーた の二に次じのオーダーまで正確せいかくである。

cos θしーた に関かんしてはテイラー級数きゅうすうの次つぎの項こうまで展開てんかいする必要ひつようがあるため、次つぎのようになる。

$\cos(\theta )\approx 1-{\theta ^{2} \over 2}$

角かくθしーたが10°程度ていど以下いかならば近きん軸じく近似きんじはかなり正確せいかくであるが、それより大おおきい角度かくどだと不正ふせい確かくとなる。

より大おおきな角度かくどでは、光ひかり軸じくを含ふくむ平面へいめんだけを通とおるようなメリディオナル光線こうせんと、そうでないサジタル光線こうせんとを区別くべつして扱あつかう必要ひつようがある。

外部がいぶリンク

• Paraxial Approximation and the Mirror by David Schurig, The Wolfram Demonstrations Project.