鈴木すずき宗男むねお事件じけん

最高裁判所さいこうさいばんしょ判例はんれい
事件じけん名めい	あっせん収賄しゅうわい，受託じゅたく収賄しゅうわい，議院ぎいん証言しょうげん法ほう違反いはん，政治せいじ資金しきん規正きせい法ほう違反いはん被告ひこく事件じけん
事件じけん番号ばんごう	平成へいせい20(あ)738
2010年ねん（平成へいせい22年ねん）9月がつ7日にち
判例はんれい集しゅう	刑けい集しゅう第だい64巻かん6号ごう865頁ぺーじ
裁判さいばん要旨ようし
北海道開発庁ほっかいどうかいはつちょう長官ちょうかんが，下部かぶ組織そしきである北海道開発ほっかいどうかいはつ局きょくの港湾こうわん部長ぶちょうに対たいし，競争きょうそう入札にゅうさつが予定よていされる港湾こうわん工事こうじの受注じゅちゅうに関かんし特定とくてい業者ぎょうしゃの便宜べんぎを図はかるように働はたらき掛かける行為こういは，同どう長官ちょうかんに港湾こうわん工事こうじの実施じっしに関かんする指揮しき監督かんとく権限けんげんがなく，また，その行為こういが談合だんごうにかかわる違法いほうなものであるとしても，港湾こうわん工事こうじに係かかる予算よさんの実施じっし計画けいかく作製さくせいという同どう長官ちょうかんの職務しょくむに密接みっせつな関係かんけいがあり，賄賂わいろ罪ざいにおける職務しょくむ関連かんれん性せいが認みとめられる。
第だい一いち小しょう法廷ほうてい
裁判さいばん長ちょう	金かね築ちく誠まこと志こころざし
陪席ばいせき裁判官さいばんかん	宮川みやがわ光治こうじ、櫻井さくらい龍子りゅうこ、横田よこた尤ゆう孝こう、白木しらき勇いさむ
意見いけん
多数たすう意見いけん	全員ぜんいん一致いっち
意見いけん	あり
反対はんたい意見いけん	なし
参照さんしょう法条ほうじょう
刑法けいほう（平成へいせい15年ねん法律ほうりつ第だい138号ごうによる改正かいせい前まえのもの）197条じょう1項こう，国家こっか行政ぎょうせい組織そしき法ほう（平成へいせい11年ねん法律ほうりつ第だい90号ごうによる改正かいせい前まえのもの）10条じょう，北海道ほっかいどう開発かいはつ法ほう（平成へいせい11年ねん法律ほうりつ第だい102号ごうによる改正かいせい前まえのもの）5条じょう1項こう，北海道ほっかいどう開発かいはつ法ほう（平成へいせい11年ねん法律ほうりつ第だい102号ごうによる改正かいせい前まえのもの）9条じょう，北海道ほっかいどう開発かいはつ法ほう（平成へいせい11年ねん法律ほうりつ第だい102号ごうによる改正かいせい前まえのもの）10条じょう1項こう1号ごう，北海道ほっかいどう開発かいはつ法ほう（平成へいせい11年ねん法律ほうりつ第だい102号ごうによる改正かいせい前まえのもの）10条じょう2項こう，北海道ほっかいどう開発かいはつ法ほう（平成へいせい11年ねん法律ほうりつ第だい102号ごうによる改正かいせい前まえのもの）12条じょう1項こう，財政ざいせい法ほう（平成へいせい11年ねん法律ほうりつ第だい160号ごうによる改正かいせい前まえのもの）34条じょうの2第だい1項こう

鈴木すずき宗男むねお議員ぎいん（1997年ねん）

鈴木すずき宗男むねお事件じけん（すずきむねおじけん）とは、鈴木すずき宗男むねお衆議院しゅうぎいん議員ぎいん（当時とうじ）を巡めぐる汚職おしょく事件じけん。鈴木すずき自身じしんは、国策こくさく捜査そうさであり、冤罪えんざいであると主張しゅちょうしている。

事件じけん概要がいよう

2002年ねん1月がつ、田中たなか真紀子まきこ外務がいむ大臣だいじんへの野上のかみ義二よしじ外務がいむ事務次官じむじかんからの報告ほうこくとして、アフガン会議かいぎにおいてNGO代表だいひょうが参加さんか拒否きょひされた問題もんだいに自由民主党じゆうみんしゅとうの鈴木すずき宗男むねお衆議院しゅうぎいん議院ぎいん運営うんえい委員いいん長ちょうが関与かんよした疑惑ぎわくが浮上ふじょうした。鈴木すずきはこの疑惑ぎわくを全ぜん否定ひていをし、鈴木すずきと田中たなかの争あらそいに発展はってん。田中たなか外相がいしょう、野上のかみ次官じかんは小泉こいずみ純一郎じゅんいちろう内閣ないかく総理そうり大臣だいじんの裁定さいていで更迭こうてつされ、鈴木すずきは衆議院しゅうぎいん議院ぎいん運営うんえい委員いいん長ちょうを辞任じにんして自民党じみんとうを離党りとうした。

しかし、その後ごも様々さまざまな疑惑ぎわくが浮上ふじょうしたことで、鈴木すずきは国会こっかいで2月がつに参考さんこう人じん招致しょうちされ、3月に証人しょうにん喚問かんもんをされた。6月19日にちに斡旋あっせん収賄しゅうわい罪ざいの逮捕たいほ状じょうが出だされて衆議院しゅうぎいんで逮捕たいほ許諾きょだく請求せいきゅうが可決かけつされて逮捕たいほされ、6月21日にちには衆議院しゅうぎいんで鈴木すずき宗男むねおへの議員ぎいん辞職じしょく勧告かんこく決議けつぎが議事ぎじ録ろく上じょうでは全会ぜんかい一致いっちで可決かけつされた（鈴木すずきは議員ぎいん辞職じしょくを拒否きょひ）。その後ご、鈴木すずきは受託じゅたく収賄しゅうわい罪ざいや政治せいじ資金しきん規正きせい法ほう違反いはんも容疑ようぎとなり、9月には証人しょうにん喚問かんもんにおいて3件けんの偽証ぎしょうをしたとして告発こくはつされ、議院ぎいん証言しょうげん法ほうでも訴追そついされた。

この事件じけんは北方領土ほっぽうりょうど問題もんだいに絡からむ事件じけんが注目ちゅうもくされたが、その際さいにバルト3国こくを除のぞく独立どくりつ国家こっか共同きょうどう体たい（CIS）加盟かめい12ヶ国かこくを支援しえんすることを目的もくてきとした国際こくさい機関きかんの「支援しえん委員いいん会かい」が舞台ぶたいとなった。「支援しえん委員いいん会かい」は1993年ねん1月がつに作つくられた国際こくさい機関きかんであったが、「支援しえん委員いいん会かい」に資金しきんを供与きょうよするのが日本にっぽん政府せいふ一いち国こくのみで日本にっぽん以外いがいの国くにの代表だいひょうは空席くうせき状態じょうたいであったため、日本にっぽん政府せいふ一いち国こくが決定けっていした事業じぎょうを支援しえん委員いいん会かいが執行しっこうするという変則へんそく的てきな国際こくさい機関きかんであった。「支援しえん委員いいん会かい」は2003年ねんに廃止はいしとなった。

一連いちれんの事件じけんで7件けん12人にんが起訴きそされ、全員ぜんいんの有罪ゆうざいが確定かくていしたほか、刑事けいじ責任せきにんが問とわれなかったロシア・スクールの幹部かんぶ東郷とうごう和彦かずひこ大使たいし及および森もり敏光としみつ大使たいしも退官たいかんした。

被告ひこく

鈴木すずき宗男むねお事件じけん

業界ぎょうかい	人物じんぶつ	肩書かたがき	ムネオハウス事件じけん	国後島くなしりとう発電はつでん施設しせつ事件じけん	やまりん事件じけん	島田建設しまだけんせつ事件じけん	イスラエル学会がっかい事件じけん	政治せいじ資金しきん規正きせい法ほう違反いはん事件じけん	モザンビーク事件じけん	判決はんけつ
政界せいかい	鈴木すずき宗男むねお	衆議院しゅうぎいん議員ぎいん			○	○		○	○	懲役ちょうえき2年ねん 追徴金ついちょうきん1100万まん円えん
	多田ただ淳あつし	衆議院しゅうぎいん議員ぎいん政策せいさく秘書ひしょ			○	○		○		懲役ちょうえき2年ねん執行しっこう猶予ゆうよ4年ねん
	宮野みやの明あきら	衆議院しゅうぎいん議員ぎいん第だい一いち秘書ひしょ	○					○		懲役ちょうえき1年ねん4ヶ月かげつ執行しっこう猶予ゆうよ3年ねん
外務省がいむしょう	佐藤さとう優ゆう	国際こくさい情報じょうほう局きょく主任しゅにん分析ぶんせき官かん		○			○			懲役ちょうえき2年ねん6ヶ月かげつ執行しっこう猶予ゆうよ4年ねん
	前島まえじま陽よう	欧おう亜あ局きょくロシア支援しえん室しつ課長かちょう補佐ほさ		○			○			懲役ちょうえき1年ねん6ヶ月かげつ執行しっこう猶予ゆうよ3年ねん
民間みんかん	三井物産みついぶっさん営業えいぎょう部長ぶちょう			○						懲役ちょうえき1年ねん執行しっこう猶予ゆうよ3年ねん
	三井物産みついぶっさん社員しゃいん			○						懲役ちょうえき1年ねん執行しっこう猶予ゆうよ3年ねん
	渡辺わたなべ建設けんせつ工業こうぎょう社長しゃちょう		○							懲役ちょうえき1年ねん執行しっこう猶予ゆうよ3年ねん
	犬飼いぬかい工務こうむ店てん社長しゃちょう		○							懲役ちょうえき1年ねん執行しっこう猶予ゆうよ3年ねん
	エンジニアリング会社かいしゃ社員しゃいん		○							懲役ちょうえき1年ねん執行しっこう猶予ゆうよ3年ねん
	エンジニアリング会社かいしゃ社員しゃいん		○							懲役ちょうえき1年ねん執行しっこう猶予ゆうよ3年ねん
	コンサルタント会社かいしゃ社員しゃいん		○							懲役ちょうえき1年ねん執行しっこう猶予ゆうよ3年ねん

一連いちれんの事件じけん

ムネオハウス事件じけん

国後島くなしりとうの日本人にっぽんじんとロシア人じんの友好ゆうこうの家いえ（通称つうしょうムネオハウス）の工事こうじに関かかわる入札にゅうさつを意図いと的てきに地元じもと建設けんせつ業者ぎょうしゃ5人にんと鈴木すずき宗男むねおの秘書ひしょが共謀きょうぼうして随意ずいい契約けいやくにさせた事件じけん。

1999年ねん、発注はっちゅう者しゃが入札にゅうさつを公告こうこくする少すこし前まえに釧路くしろ市内しないの鈴木すずき事務所じむしょに鈴木すずき宗男むねおの秘書ひしょと業者ぎょうしゃが集あつまり入札にゅうさつ情報じょうほうが漏洩ろうえい、7月がつ7日にちの入札にゅうさつ情報じょうほうを利用りようし他ほかの業者ぎょうしゃが入札にゅうさつに参加さんかするのを断念だんねんさせた上うえで、渡辺わたなべ建設けんせつ工業こうぎょうら共同きょうどう企業きぎょう体たいを組くみ単独たんどくで応札おうさつ。予定よてい価格かかくを上回うわまわる金額きんがくを三さん回かい提示ていじして入札にゅうさつを不調ふちょうに終おわらせ、施工しこう条件じょうけんを緩和かんわした随意ずいい契約けいやくで受注じゅちゅうした。

日本にっぽん共産党きょうさんとう衆議院しゅうぎいん議員ぎいんである佐々木ささき憲昭のりあきが、2002年ねん2月がつ13日にちの衆議院しゅうぎいん予算よさん委員いいん会かいで追及ついきゅうし、その際さいに「ムネオハウス」と発言はつげんして国会こっかい内ないの議員ぎいんが爆笑ばくしょうしたりして話題わだいとなり、この問題もんだいが広ひろく知しれ渡わたるようになった。 これらのことで、鈴木すずき宗男むねおの秘書ひしょ1人ひとりと地元じもと建設けんせつ業者ぎょうしゃ5人にんが偽計ぎけい業務ぎょうむ妨害ぼうがい罪ざいとして立件りっけんされた。鈴木すずき宗男むねおは検察けんさつの本格ほんかく的てき捜査そうさが始はじまる前まえの証人しょうにん喚問かんもんで「秘書ひしょから、『（地元じもと建設けんせつ業者ぎょうしゃらとの連絡れんらくで）日程にっていをセットして事務所じむしょで会あった』と聞きいた」旨むねの証言しょうげんをしたが、後ごの裁判さいばんでは前述ぜんじゅつの証言しょうげんについて一切いっさい言及げんきゅうしないまま秘書ひしょは「釧路くしろ市しの事務所じむしょで入札にゅうさつ価格かかくを漏洩ろうえいしたとされる日ひは療養りょうよう中ちゅうだった」とアリバイを主張しゅちょうし、鈴木すずき宗男むねおも書籍しょせき等とうで同様どうようの主張しゅちょうをした。裁判さいばんでは検察けんさつ側がわの「事務所じむしょに集あつまった支援しえん企業きぎょう関係かんけい者しゃらの供述きょうじゅつから犯行はんこう当時とうじは釧路くしろ市しの事務所じむしょにいた」主張しゅちょうが裁判さいばんで認定にんていされ、5人にん全員ぜんいんの有罪ゆうざいが確定かくていした。

なお、鈴木すずき宗男むねお自身じしんはこの事件じけんでは立件りっけんされなかったが、野党やとうからは「国後島くなしりとう緊急きんきゅう避難ひなん所しょ兼けん宿泊しゅくはく施設しせつ建設けんせつ工事こうじ受注じゅちゅうについて、公設こうせつ、私設しせつを問とわず、秘書ひしょがかかわっていた可能かのう性せいはない」とする鈴木すずき宗男むねおの証言しょうげんについて、「国会こっかい議員ぎいんとその秘書ひしょは政治せいじ的てき・道義どうぎ的てきには一身いっしん一いち体たいであるが、法的ほうてきには別べつ人格じんかく」とした。

また、野党やとうからは鈴木すずき宗男むねおが内閣ないかく官房かんぼう副ふく長官ちょうかん在任ざいにん中ちゅうの1999年ねん5月がつ27日にちに外務省がいむしょう欧おう亜あ局きょく関係かんけい者しゃと面談めんだんして、工事こうじの入札にゅうさつ参加さんか資格しかくを「根室ねむろ管内かんない」に本社ほんしゃがあるBランクの企業きぎょうに限定げんていするよう強つよく要求ようきゅうし、該当がいとうする企業きぎょうを渡辺わたなべ建設けんせつ工業こうぎょう一いち社しゃのみにしたことが問題もんだい視しされた。国会こっかいで証人しょうにん喚問かんもんされた際さいに「国後島くなしりとう緊急きんきゅう避難ひなん所しょ兼けん宿泊しゅくはく施設しせつ建設けんせつ工事こうじ受注じゅちゅうについて自分じぶんの秘書ひしょは関かかわっていない」「友好ゆうこうの家いえの工事こうじ受注じゅちゅう入札にゅうさつ要件ようけんに該当がいとうする会社かいしゃが渡辺わたなべ建設けんせつ工業こうぎょうだという認識にんしきはない」とする証言しょうげんについて、共産党きょうさんとうなどの野党やとうによって偽証ぎしょうとして議院ぎいん証言しょうげん法ほうで起訴きそすべきとする議題ぎだいが予算よさん委員いいん会かいに上のぼったことがある。鈴木すずきは「支援しえん事業じぎょうは根室ねむろの業者ぎょうしゃを優先ゆうせんすべきだ」と言いったのは事実じじつであるが、それは外務省がいむしょうが北方ほっぽう四よん島とう住民じゅうみん支援しえん事業じぎょうの趣旨しゅしから北方ほっぽう四よん島とうの元もと島民とうみんが多おおく、北方領土ほっぽうりょうど返還へんかん運動うんどうの原点げんてんである根室ねむろ管内かんないを優先ゆうせんするという根室ねむろ市しとの取と決けつを無視むしし、「約束やくそくしたことは守まもらなければならん、二枚舌にまいじたはいかん」と注文ちゅうもんをつけただけであると主張しゅちょうしている(鈴木すずき宗男むねお 2009)。

日本にっぽん共産党きょうさんとう参議院さんぎいん議員ぎいん（当時とうじ）の筆ふで坂さか秀世ひでよは2回かい目めの国会こっかい追及ついきゅうをする際さいに「共産党きょうさんとうに国会こっかいで質問しつもんしてもらいたい事柄ことがらに関かんする外務省がいむしょうの秘密ひみつ書類しょるいが、質問しつもん当日とうじつの朝あさ、議員ぎいん会館かいかんに届とどけられた」と証言しょうげんしている。事実じじつ、佐々木ささき代議士だいぎしは、「国後島くなしりとう緊急きんきゅう避難ひなん所しょ兼けん宿泊しゅくはく施設しせつ（メモ）」という外務省がいむしょうの秘密ひみつ内部ないぶ文書ぶんしょを質問しつもんに使用しようした。さらにこの点てんについては、鈴木すずき本人ほんにんや共ともに逮捕たいほされた佐藤さとう優ゆう（元もと・外務省がいむしょう国際こくさい情報じょうほう局きょく分析ぶんせき第だい一いち課か主任しゅにん分析ぶんせき官かん　現在げんざいは作家さっかとして活動かつどう）も、共著きょうちょの中なかで筆ふで坂ざかをゲストという形かたちで招まねいて対談たいだんし、米国べいこくとの同盟どうめい関係かんけいを強つよめていた小泉こいずみ政権せいけんの下もとで、ロシアとの独自どくじのパイプを持もって外交がいこうにイニシアティブを発揮はっきしていた鈴木すずきを失脚しっきゃくさせたい外務省がいむしょうが、鈴木すずきの利権りけん問題もんだいをとらえて、日本にっぽん共産党きょうさんとうの質問しつもんに乗のった疑惑ぎわくがあることに言及げんきゅうし、これを非難ひなんしている。

国後島くなしりとうディーゼル発電はつでん施設しせつ事件じけん

この事件じけんは、北方領土ほっぽうりょうど支援しえんにからむ偽計ぎけい業務ぎょうむ妨害ぼうがいである。これは2000年ねん3月がつに行おこなわれた国後島くなしりとうにおけるディーゼル発電はつでん機き供用きょうよう事業じぎょうの入札にゅうさつで、鈴木すずきの意向いこうによって、三井物産みついぶっさんが落札らくさつするように違法いほうな便宜べんぎを図はかったり支援しえん委員いいん会かいの業務ぎょうむを妨害ぼうがいした容疑ようぎの事件じけんである。また、1999年ねん8月がつまでにコンサルタント会社かいしゃと東京電力とうきょうでんりょくがそれぞれ「新規しんき設置せっちは不要ふようで、既存きそんディーゼル発電はつでん施設しせつを改修かいしゅうすべき」との報告ほうこくを外務省がいむしょうに提出ていしゅつしたが、鈴木すずき宗男むねおが1999年ねん10月がつにゼーマ「南みなみクリル」地区ちく長ちょうとの会談かいだんを終おえた後のちに外務省がいむしょうに要求ようきゅうして新設しんせつを決定けっていするなど、不透明ふとうめいな経緯けいいが指摘してきされた。また、三井物産みついぶっさんから自民党じみんとうの政治せいじ資金しきん団体だんたい「国民こくみん政治せいじ協会きょうかい」に対たいして献金けんきんが行おこなわれており、鈴木すずき宗男むねおへの賄賂わいろが疑うたがわれた。

この事件じけんで外務がいむ官僚かんりょう2人ふたりと三井物産みついぶっさん社員しゃいん2人にんが立件りっけんされ有罪ゆうざいが確定かくていした。

この疑うたがいに対たいし佐藤さとう優ゆうは、前記ぜんきの著作ちょさくで経緯けいいを詳細しょうさいに説明せつめいしており、特とくに、北方領土ほっぽうりょうどの事情じじょうに通つうじた三井物産みついぶっさんの選定せんていは妥当だとうであり、鈴木すずきの「三井みついに受注じゅちゅうされればいい」との発言はつげんを三井みつい側がわに伝つたえただけだ、と主張しゅちょうしている。

やまりん事件じけん

1998年ねん、製材せいざい会社かいしゃやまりんは国有こくゆう林りん無断むだん伐採ばっさい事件じけんを起おこした。林野庁りんやちょうは6月がつ25日にち、国有こくゆう林りんの公売こうばいなどの入札にゅうさつ参加さんか資格しかくを7カ月かげつ間あいだ停止ていしする処分しょぶんをした。行政ぎょうせい処分しょぶん後ご、やまりんの関連かんれん会社かいしゃ2社しゃが樹木じゅもくの公売こうばい7件けんを落札らくさつしていたことが明あきらかになる。関連かんれん会社かいしゃは処分しょぶんの対象たいしょうではないが、林野庁りんやちょうは「道義どうぎ的てきに問題もんだいがある」として、契約けいやくを辞退じたいするよう説得せっとくする。2社しゃともこれを受うけ入いれて辞退じたいした。

やまりんの社長しゃちょうや関連かんれん会社かいしゃの役員やくいんらは8月がつ4日にち、内閣ないかく官房かんぼう副ふく長官ちょうかんだった鈴木すずき宗男むねおを訪たずね、行政ぎょうせい処分しょぶんで受うけた不利益ふりえきを補おぎなうよう取とり計はからってほしいと依頼いらい。鈴木すずきは見返みかえりとして500万まん円えんを受うけ取とり、旧知きゅうちの林野庁りんやちょう幹部かんぶに数すう回かいにわたり関連かんれん会社かいしゃの落札らくさつ開始かいしの働はたらきかけ及および随意ずいい契約けいやくによる利益りえき確保かくほを働はたらきかけていたとされる。この事件じけんで鈴木すずき宗男むねおと政策せいさく秘書ひしょが起訴きそされた。

鈴木すずきは、初はつ当選とうせん時じにおいの政治せいじ資金しきんとして400万まん円えんを正規せいきの形かたちで受うけ取とったのみである上うえ、やまりんの不祥事ふしょうじの際さいに全すべて返還へんかんしており、残のこる100万まん円えんも検察けんさつ側がわのでっち上あげであると主張しゅちょうしている。林野庁りんやちょうへの働はたらきかけは林野庁りんやちょうOBの松岡まつおか利勝としかつによる物ものであり、また、鈴木すずき宗男むねおに関かんする林野庁りんやちょう関係かんけい者しゃとやまりん関係かんけい者しゃの証言しょうげんには不自然ふしぜんさがあると主張しゅちょうした。

判決はんけつは「林野庁りんやちょう関係かんけい者しゃとやまりん関係かんけい者しゃの証言しょうげんには不自然ふしぜんさはない。口利くちききについて松岡まつおか利勝としかつが全まったく関与かんよしていないのは事実じじつではないが、鈴木すずき宗男むねおが主体しゅたい的てきに動うごいたのは間違まちがいない。松岡まつおか利勝としかつより政治せいじ家かとしてのキャリアで政治せいじ的てき優位ゆういがあり地盤じばんは北海道ほっかいどうである鈴木すずき宗男むねおが関与かんよしたことが不自然ふしぜんとはいえない。」として鈴木すずき宗男むねおの主張しゅちょうを退しりぞけた。

また、鈴木すずき宗男むねおは法廷ほうていで証人しょうにんとして自分じぶんに不利ふりな証言しょうげんをした林野庁りんやちょう次長じちょう（当時とうじ）について「夏季かき休暇きゅうか中ちゅうに被告ひこくとアポイントを取とった証言しょうげんは虚偽きょぎである」と主張しゅちょうしたが、検察けんさつ側がわは夏季かき休暇きゅうか取得しゅとく奨励しょうれいの為ために役職やくしょく者しゃが率先そっせんして夏季かき休暇きゅうか取得しゅとくしたもので実際じっさいには仕事しごとがあれば出勤しゅっきんしていたことや証人しょうにんが当該とうがい日びに出勤しゅっきんしていたとする証拠しょうこを提示ていじし、裁判所さいばんしょは林野庁りんやちょう次長じちょうの証言しょうげんを採用さいようし鈴木すずき宗男むねおの反論はんろんは退しりぞけた。鈴木すずき宗男むねおは元もと林野庁りんやちょう次長じちょうに対たいして偽証罪ぎしょうざい告発こくはつしたが検察けんさつは不ふ起訴きそとし、検察けんさつ審査しんさ会かいに不服ふふく申もうし立たてたが不ふ起訴きそ相当そうとうを議決ぎけつした。2010年ねん10月がつに鈴木すずきは一いち二に審しんで虚偽きょぎの証言しょうげんをされて有罪ゆうざいになったとして元もと林野庁りんやちょう次長じちょうに対たいして3300万まん円えんの損害そんがい賠償ばいしょうを求もとめる訴訟そしょうを東京とうきょう地裁ちさいに起おこしたが、2014年ねんに敗訴はいそが確定かくていした。

島田建設しまだけんせつ事件じけん

1997年ねんから1998年ねん、北海道開発ほっかいどうかいはつ局きょく発注はっちゅう工事こうじであった網走あばしり港こうの防波堤ぼうはてい工事こうじや紋別もんべつ港こうの浚渫しゅんせつ工事こうじなど、島田建設しまだけんせつが当時とうじ北海道開発庁ほっかいどうかいはつちょう長官ちょうかんであった鈴木すずきに受注じゅちゅうの便宜べんぎを頼たのんだ見返みかえりにあわせて600万まん円えんを渡わたした受託じゅたく収賄しゅうわい事件じけんで、鈴木すずき宗男むねおと政策せいさく秘書ひしょが立件りっけんされた。

また、鈴木すずきは2002年ねんの証人しょうにん喚問かんもんにおいて島田建設しまだけんせつからの資金しきん提供ていきょうが政治せいじ資金しきん規正きせい法ほうに違反いはんしていない旨むねと秘書ひしょ給与きゅうよ肩代かたがわりに関知かんちしていない旨むねの証言しょうげんをしたが、800万まん円えんの闇やみ献金けんきんと秘書ひしょ給与きゅうよ肩代かたがわりがあったのに否定ひていした証言しょうげんは偽証ぎしょうとして議院ぎいん証言しょうげん法ほう違反いはんで告発こくはつ、起訴きそされた。

鈴木すずきは工事こうじの受注じゅちゅうは指名しめい競争きょうそう入札にゅうさつで決きまり、島田建設しまだけんせつが落札らくさつしたのであり、一切いっさい便宜べんぎは図はかっていないと主張しゅちょうしている(鈴木すずき宗男むねお 2009)。裁判さいばんでは職務しょくむ権限けんげんについては北海道開発庁ほっかいどうかいはつちょう長官ちょうかんには開発かいはつ局きょくへの指揮しき監督かんとく権限けんげんは認みとめられないが、開発かいはつ局きょく職員しょくいんの服務ふくむに対たいする統みつる督とく権限けんげんを背景はいけいに予算よさんの実施じっし計画けいかく作成さくせい事務じむを統括とうかつする職務しょくむ権限けんげんが認定にんていされた。

また、証人しょうにん喚問かんもん当日とうじつの朝あさに元もと私設しせつ秘書ひしょに電話でんわをかけて秘書ひしょ時代じだいの給与きゅうよを島田建設しまだけんせつが1986年ねんから1990年ねんまで5年間ねんかん支払しはらっていたことを確認かくにん・認識にんしきしていたにも関かかわらず、秘書ひしょ給与きゅうよ肩代かたがわりを否定ひていした鈴木すずきの証言しょうげんについて、鈴木すずきは「（証人しょうにん喚問かんもん当日とうじつの朝あさの毎日新聞まいにちしんぶんの見出みだしにあった）18年間ねんかんも肩代かたがわりしていた」との趣旨しゅしの尋問じんもんと理解りかいしていたことによる証言しょうげんのため偽証ぎしょうではないと主張しゅちょうしたが、原口はらぐち一博かずひろ衆議院しゅうぎいん議員ぎいんからの尋問じんもんに18年間ねんかんとの文言もんごんはなく秘書ひしょ給与きゅうよ肩代かたがわりの有無うむをただしたことは明白めいはくであるとして偽証ぎしょうを認定にんていした。

鈴木すずきは裁判さいばんで虚偽きょぎの証言しょうげんをされて有罪ゆうざいになったとして元もと北海道ほっかいどう開発かいはつ局きょく港湾こうわん部長ぶちょうに対たいして損害そんがい賠償ばいしょうを求もとめる訴訟そしょうを東京とうきょう地裁ちさいに起おこしたが、2014年ねんに敗訴はいそが確定かくていした。

イスラエル学会がっかい事件じけん

イスラエル関連かんれんの学会がっかいをめぐる外務省がいむしょうの事件じけん。ロシア外交がいこうを展開てんかいしていた鈴木すずき宗男むねおはイスラエルの学会がっかいはロシアと非常ひじょうに繋つながりの深ふかかったことを日本にっぽんの対たいロシア外交がいこうで重要じゅうよう視しし、そのためイスラエル関連かんれんの学会がっかいを巡めぐって、外務省がいむしょうの決裁けっさいを経へて、外務省がいむしょう関連かんれんの国際こくさい機関きかんの「支援しえん委員いいん会かい」から支出ししゅつが行おこなわれていた。

• 2000年ねん1月がつにガブリエル・ゴロデツキー（テルアビブ大学だいがく教授きょうじゅ）夫妻ふさいをイスラエルから日本にっぽんに招待しょうたいした時とき
• 2000年ねん4月がつにテルアビブ大学だいがく主催しゅさい国際こくさい学会がっかい「東ひがしと西にしの間あいだのロシア」に7名めいの民間みんかんの学者がくしゃと外務省がいむしょうから6人にんのメンバーを派遣はけんした時とき

これらの支出ししゅつは支援しえん委員いいん会かい設置せっち協定きょうていに違反いはんした目的もくてき外がいの支出ししゅつに当あたると認識にんしきしながら、この2回かいの費用ひようの支出ししゅつを外務省がいむしょう条約じょうやく局きょくが決裁けっさいして「支援しえん委員いいん会かい」から計けい3300万まん円えんを引ひき出だして支払しはらった疑惑ぎわくが浮上ふじょうし、国際こくさい情報じょうほう局きょく分析ぶんせき第だい一いち課か主任しゅにん分析ぶんせき官かんだった佐藤さとう優ゆうと元もとロシア支援しえん室しつ課長かちょう補佐ほさが背任はいにん罪ざいで起訴きそされた。

• 2000年ねん1月がつの招聘しょうへいについての幹部かんぶ決済けっさい者しゃは小寺こでら次郎じろう欧おう亜あ局きょくロシア課長かちょう、倉井くらい高志たかし欧おう亜あ局きょくロシア課かロシア支援しえん室長しつちょう、宇山うやま秀樹ひでき欧おう亜あ局きょくロシア課かロシア支援しえん室しつ首席しゅせき事務じむ官かん、谷内たにうち正太郎しょうたろう条約じょうやく局きょく長ちょう、小松こまつ一郎いちろう条約じょうやく局きょく審議しんぎ官かん、杉山すぎやま晋すすむ輔条約じょうやく局きょく条約じょうやく課長かちょうであった。

• 2000年ねん4月がつの派遣はけんについての幹部かんぶ決済けっさい者しゃは川島かわしま裕ひろし外務がいむ事務次官じむじかん、加藤かとう良三りょうぞう外務がいむ審議しんぎ官かん、卜部うらべ敏さとし直ただし大臣だいじん官房かんぼう会計かいけい課長かちょう、東郷とうごう和彦かずひこ欧おう亜あ局長きょくちょう、小寺こでら次郎じろう欧おう亜あ局きょくロシア課長かちょう、倉井くらい高志たかし欧おう亜あ局きょくロシア課かロシア支援しえん室長しつちょう、星山ほしやま隆たかし欧おう亜あ局きょくロシア課かロシア交流こうりゅう室長しつちょう、宇山うやま秀樹ひでき欧おう亜あ局きょくロシア課かロシア支援しえん室しつ首席しゅせき事務じむ官かん、香川かがわ剛つよし廣ひろ中近東ちゅうきんとうアフリカ局きょく中近東ちゅうきんとう第だい一いち課長かちょうであった。

佐藤さとうは外務省がいむしょう幹部かんぶであった東郷とうごう和彦かずひこや野上のかみ義二よしじの言葉ことばから「支援しえん委員いいん会かいから支払しはらいをすることは通常つうじょう手続てつづきである外務がいむ事務次官じむじかん決裁けっさいを受うけており正当せいとうなものだった」との主張しゅちょうをし、高裁こうさいでは東郷とうごうが法廷ほうていに出廷しゅっていして支援しえん委員いいん会かいの支出ししゅつが正当せいとうであると証言しょうげんしたが、佐藤さとうら2人にんの外務省がいむしょう官僚かんりょうの有罪ゆうざいが確定かくていした。判決はんけつ理由りゆうでは「情報じょうほう収集しゅうしゅうに多少たしょうなりとも役立やくだてば支出ししゅつできるというような野放図のほうずな支出ししゅつは許ゆるされない。決裁けっさいを経へていても違法いほうでないとはいえない」「鈴木すずき宗男むねおに配慮はいりょする傾向けいこうがあったことに乗じょうじて、不正ふせいに予算よさんを支出ししゅつさせた」と認定にんていされた。一方いっぽうで「決裁けっさいに関与かんよした外務省がいむしょう幹部かんぶ職員しょくいんの一部いちぶも、支出ししゅつについて協定きょうてい解釈かいしゃく上じょうの問題もんだいがあったのに容認ようにんした。鈴木すずき元もと議員ぎいんの影響えいきょうが及およんでいたこともうかがわれ、被告ひこくの責任せきにんのみに帰きすことはできない」と被告ひこくに有利ゆうりな情状じょうじょうも認定にんていした。

政治せいじ資金しきん規正きせい法ほう違反いはん事件じけん

鈴木すずき宗男むねおの資金しきん管理かんり団体だんたい「21世紀せいき政策せいさく研究けんきゅう会かい」における政治せいじ資金しきん収支しゅうし報告ほうこく書しょが虚偽きょぎであり、政治せいじ資金しきん規正きせい法ほう違反いはんしていた事件じけん。

鈴木すずき宗男むねおの政治せいじ資金しきんについて以下いかのことが発覚はっかくした。

• 東京とうきょう都と南青山みなみあおやまの鈴木すずき宗男むねお宅たくの費用ひよう約やく1億おく5000万まん円えんの内うち、約やく4分ぶんの1である3600万まん円えんが鈴木すずき宗男むねおの資金しきん管理かんり団体だんたい「21世紀せいき政策せいさく研究けんきゅう会かい」の政治せいじ資金しきんから自宅じたく購入こうにゅう費ひに流用りゅうようしていた事件じけん
• 資金しきん管理かんり団体だんたい「21世紀せいき政策せいさく研究けんきゅう会かい」の1998年ねん分ぶんを政治せいじ収支しゅうし報告ほうこく書しょが鈴木すずき宗男むねおが幹事かんじ長ちょうを務つとめる派閥はばつ横断おうだんの政治せいじ団体だんたい「構造こうぞう改革かいかく研究けんきゅう会かい」から1億おく円えんの寄付きふ収入しゅうにゅうを除外じょがいして1億おく円えんを裏金うらがねにした事件じけん

この事件じけんによって、鈴木すずき宗男むねおと秘書ひしょ2人にんが起訴きそされた。弁護べんご側がわは起訴きそ猶予ゆうよ処分しょぶんとなった女性じょせい秘書ひしょのミスと主張しゅちょうし、自宅じたく購入こうにゅう費ひ流用りゅうようについては鈴木すずきが立替たてかえていたお金かねを返かえして貰もらっただけだとして、無罪むざいを主張しゅちょうした。裁判さいばんでは秘書ひしょ1人にんが一部いちぶ無罪むざいになったのを除のぞき、3人にんとも有罪ゆうざいが確定かくていした。

モザンビーク共和きょうわ国こく洪水こうずい災害さいがい国際こくさい緊急きんきゅう援助えんじょ隊たい派遣はけん介入かいにゅう事件じけん

2000年ねん3月がつにモザンビーク共和きょうわ国こくで発生はっせいした洪水こうずい災害さいがいに関かんする国際こくさい緊急きんきゅう援助えんじょ隊たいの派遣はけんについて、外務省がいむしょう職員しょくいんが職務しょくむ権限けんげんはないが、アフリカ外交がいこうに大おおきな影響えいきょう力りょくを持もち外務省がいむしょうにとっても予算よさん獲得かくとく等とうで大おおきな存在そんざいだった鈴木すずき宗男むねおに了承りょうしょうを得えようと派遣はけん前日ぜんじつに報告ほうこくした際さい、鈴木すずきは「自分じぶんがアフリカ外交がいこうに熱意ねついを持もっているのに、前日ぜんじつの報告ほうこくとは何事なにごとだ! 俺おれは聞きいてない!」と怒鳴どなられて了承りょうしょうが得えられず、国際こくさい緊急きんきゅう援助えんじょ隊たいの派遣はけんに影響えいきょうを与あたえた。鈴木すずき議員ぎいんのこの言葉ことばによって実質じっしつ1週間しゅうかんの遅おくれを来きたし、その間あいだにモザンビークの被災ひさい者しゃが7人にん亡なくなった。

この問題もんだいにおいて、鈴木すずきが証人しょうにん喚問かんもんにおいて「モザンビーク共和きょうわ国こくへの国際こくさい緊急きんきゅう援助えんじょ隊たいの派遣はけんや洪水こうずい災害さいがいについて、私わたしが反対はんたいするだとか、私わたしがどうのこうの言いうということは考かんがえられない」と証言しょうげんしたことが偽証ぎしょうとして、議院ぎいん証言しょうげん法ほう違反いはんで起訴きそされた。鈴木すずき宗男むねお自身じしんが起訴きそされた事件じけんの中なかでは唯一ゆいいつの外務省がいむしょう絡がらみの案件あんけんであった。

検察けんさつは派遣はけん予定よていだった医師いし、JICA職員しょくいん、外務省がいむしょうアフリカ第だい2課長かちょう、外務省がいむしょう国際こくさい緊急きんきゅう援助えんじょ室長しつちょう（いずれも当時とうじの肩書かたがき）の証言しょうげんから、鈴木すずきが国際こくさい緊急きんきゅう援助えんじょ隊たい派遣はけんに中止ちゅうし要請ようせいをした事実じじつを提示ていじした。また、鈴木すずきを擁護ようごしている元もと外交がいこう官かんの佐藤さとう優ゆうは「永田町ながたちょう言語げんごでの『俺おれは聞きいていない』は日常にちじょう言語げんごでの『俺おれに事前じぜんに相談そうだんしていないので、絶対ぜったいに認みとめない』という意味いみである」としている。鈴木すずきは裁判さいばんで国際こくさい緊急きんきゅう援助えんじょ隊たいの派遣はけんは外務がいむ大臣だいじんに法的ほうてき権限けんげんがあるが自分じぶんは職務しょくむ権限けんげんがないため関与かんよしておらず、また、一般いっぱん的てきな政治せいじ信条しんじょうとしてモザンビークを支援しえんしていると証言しょうげんしただけと、無罪むざいを主張しゅちょうした。裁判所さいばんしょは「私わたしが反対はんたいするだとかどうのこうの言いうということは考かんがえられない」と証言しょうげんしたのは、派遣はけんに反対はんたいしたことを否定ひていした趣旨しゅしであることは明あきらかであり、偽証ぎしょうであるとして有罪ゆうざいとした。

その他たの事件じけん

刑事けいじ訴訟そしょうとはならなかったが、鈴木すずき宗男むねおに絡からんで以下いかの問題もんだいが注目ちゅうもくされた。

NGO参加さんか拒否きょひ問題もんだい

政府せいふ主催しゅさいのアフガニスタン復興ふっこう支援しえん会議かいぎへの出席しゅっせきをピースウィンズ・ジャパンなど2団体だんたいが拒否きょひされた事件じけん。

この問題もんだいに対たいしてピースウィンズ・ジャパンの統括とうかつ責任せきにん者しゃである大西おおにし健けん丞すすむは外務省がいむしょう幹部かんぶから「鈴木すずき宗男むねおの意向いこうでNGOの会議かいぎへの出席しゅっせきが拒否きょひされた」ことが電話でんわで話はなされたこと、電話でんわ番号ばんごうを知しらせていない鈴木すずき宗男むねおからいきなり電話でんわがあり、「（自民党じみんとうにネガティブな外務省がいむしょう絡がらみの報道ほうどうに関かんして）お前まえはマスコミにちゃんとレクチャーしたのか」と怒鳴どなられたことを明あかした。

この問題もんだいがきっかけで、鈴木すずき宗男むねおと外務省がいむしょうの関係かんけいが注目ちゅうもくされるきっかけとなった。

警察庁けいさつちょうによるロシアスパイの視察しさつ作業さぎょうへの介入かいにゅう

2000年ねん2月がつ末まつ頃ごろ、警視庁けいしちょう公安こうあん部ぶ外事がいじ第だい一いち課かが視察しさつ対象たいしょうにしていたSVR（ロシア対外たいがい情報じょうほう庁ちょう）東京とうきょう駐在ちゅうざい部長ぶちょうだった在ざい日本にっぽんロシア大使館たいしかん参事官さんじかんのボリス・スミルノフについて、視察しさつをやめるように警察庁けいさつちょう警備けいび局長きょくちょうに働はたらきかけていた事件じけん。

警視庁けいしちょう公安こうあん部ぶ外事がいじ第だい一いち課かの第だい四よん係がかりはスミルノフに対たいして連日れんじつ、強行きょうこう追尾ついびを含ふくめた視察しさつ作業さぎょうを行おこなっていた。スミルノフは当時とうじ親交しんこうのあった佐藤さとう優ゆうに相談そうだん。佐藤さとう優ゆうを介かいして鈴木すずき宗男むねおから警察庁けいさつちょう警備けいび局きょく長ちょうに圧力あつりょくが掛かかり、視察しさつ作業さぎょうは中止ちゅうしさせられたといわれる。証人しょうにん喚問かんもんでこのことを聞きかれた際さいに上田うえだ清司せいじに質問しつもんされた時ときには「覚おぼえておりません」と証言しょうげんし、その後ごに原口はらぐち一博かずひろに同おなじ質問しつもんされた時ときには「そういったことはなかったというふうに考かんがえております」と証言しょうげんした。

モンゴルODA問題もんだい

モンゴル国こくへの施設しせつ供与きょうよは、1998年ねんから2001年ねんにかけ4次じにわたって実施じっしされた。

問題もんだいとなっているのは第だい4次じ事業じぎょうであり、当時とうじ自民党じみんとう総務そうむ局長きょくちょうでありモンゴル国こくに影響えいきょう力りょくが強つよかった鈴木すずき宗男むねおの強つよい意向いこうで、第だい4次じ供与きょうよが実現じつげんした。

ディーゼル発電はつでん施設しせつ工事こうじは三井物産みついぶっさんが受注じゅちゅうしたが、この過程かていで国後くなしり島とうのディーゼル発電はつでん所しょで偽計ぎけい業務ぎょうむ妨害ぼうがいで逮捕たいほされた三井物産みついぶっさん幹部かんぶが2000年ねんから2001年ねんにかけてモンゴル国こく政府せいふ高官こうかんへの贈賄ぞうわい工作こうさく疑惑ぎわくが浮上ふじょうした。

検察けんさつは外国がいこく公務員こうむいんへの贈賄ぞうわい罪ざいを規定きていした不正ふせい競争きょうそう防止ぼうし法ほう違反いはん容疑ようぎで三井物産みついぶっさん幹部かんぶを捜査そうさしていたが、モンゴル国こく政府せいふ高官こうかんへの利益りえき供与きょうよの金額きんがくが少額しょうがくであることや、資金しきん提供ていきょうの趣旨しゅしから「営業えいぎょう上じょうの不正ふせいの利益りえきを得えるため」の要件ようけんの立証りっしょうが困難こんなんとして立件りっけん見送みおくりを判断はんだんした。

タンザニアのスズキホール問題もんだい

鈴木すずき宗男むねおが力ちからを入いれているタンザニアのキマンドル中学校ちゅうがっこう講堂こうどう（スズキホール）に絡からみ、2000年ねん12月1日にちに鈴木すずき宗男むねおが外務省がいむしょう職員しょくいんに政治せいじ資金しきんから800万まん円えんの現金げんきんを手渡てわたし、外務省がいむしょう職員しょくいんが東京三菱銀行とうきょうみつびしぎんこうを通つうじてタンザニアに送金そうきんした問題もんだい。

このことについて外務省がいむしょう職員しょくいんが個人こじん的てきな国外こくがい送金そうきんに、直接ちょくせつ携たずさわったのは不適切ふてきせつという問題もんだいが浮上ふじょう。また、外国がいこく為替かわせ法ほうではマネーロンダリングを防止ぼうしする等ひとしの目的もくてきで金融きんゆう機関きかんに本人ほんにん確認かくにん義務ぎむを課かしているが、外務省がいむしょう職員しょくいんが鈴木すずき宗男むねお名義めいぎではなく自分じぶん名義めいぎで送金そうきんしたため、外国がいこく為替かわせ法ほう違反いはんの疑うたがいが浮上ふじょうした。

コンゴ臨時りんじ代理だいり大使たいし人事じんじ介入かいにゅう問題もんだい

2000年ねん6月がつに任命にんめいされた駐ちゅう日にちコンゴ臨時りんじ代理だいり大使たいしに対たいして外務省がいむしょうによって外交がいこう官等かんとう身分みぶん証明しょうめい票ひょう発給はっきゅうが拒否きょひされた事件じけん。

コンゴ（旧きゅうザイール）の政変せいへんに伴ともない、2000年ねん5月がつに今いままで臨時りんじ代理だいり大使たいしを務つとめたヌガンバニ・ミゼレに本国ほんごくへの召還しょうかん命令めいれいが出でて、6月がつに代かわりにヌグウェイ・ヌダンボが駐ちゅう日にちコンゴ臨時りんじ代理だいり大使たいしに任命にんめいされた。しかし、ヌガンバニは帰国きこくせずに大使たいし公邸こうていに留とまる一方いっぽうで、大使館たいしかんの鍵かぎを新しん臨時りんじ代理だいり大使たいしであるヌグウェイへの引ひき渡わたしを拒こばむ。

ヌグウェイ・ヌダンボは日本にっぽんの外務省がいむしょうに外交がいこう官等かんとう身分みぶん証明しょうめい票ひょうを申請しんせい。外交がいこう関係かんけいに関かんするウィーン条約じょうやくでは、臨時りんじ代理だいり大使たいしの任命にんめいについては受うけ入いれ国こくの同意どういの必要ひつようはなく、派遣はけん国こくから外交がいこう官等かんとう身分みぶん証明しょうめい票ひょうの通告つうこくがあった場合ばあいはただちに発給はっきゅうしなくてはならないが、鈴木すずき宗男むねおの秘書ひしょであるジョン・ムウェテ・ムルアカがヌグウェイの臨時りんじ代理だいり大使たいしと認みとめない意向いこうを示しめして外務省がいむしょうに介入かいにゅう。日本にっぽんの外務省がいむしょうからヌグウェイの外交がいこう官等かんとう身分みぶん証明しょうめい票ひょう発給はっきゅうはされなかった。

また2000年ねん8月がつ、鈴木すずき宗男むねおが外務省がいむしょうの中近東ちゅうきんとうアフリカ局きょく参事官さんじかんと同席どうせきした際さい、「（ヌグウェイを）臨時りんじ代理だいり大使たいしとして適当てきとうとは思おもわない。（本国ほんごくへの召還しょうかん命令めいれいが出でた）ヌガンバニ氏しでいいのではないか」と他国たこくの大使館たいしかん人事じんじに介入かいにゅうする発言はつげんをした。鈴木すずきの秘書ひしょのムルアカも外務省がいむしょうアフリカ第だい一いち課かを2度ど訪たずね、ヌグウェイの臨時りんじ代理だいり大使たいし待遇たいぐうに異ことを唱となえ、ヌグウェイと会あった外務省がいむしょう職員しょくいんを罵倒ばとうした。

その後ごも外務省がいむしょうがヌグウェイへの外交がいこう官等かんとう身分みぶん証明しょうめい票ひょう発給はっきゅう方針ほうしんを固かため、アフリカ第だい一いち課長かちょうが鈴木すずき宗男むねおに同どう方針ほうしんを伝つたえると、鈴木すずきは拒否きょひ反応はんのうを示しめした。

外務省がいむしょうは中近東ちゅうきんとうアフリカ局きょく審議しんぎ官かんをコンゴに派遣はけんし、コンゴ政府せいふに対たいして臨時りんじ代理だいり大使たいし人事じんじ人事じんじを白紙はくしに戻もどすよう交渉こうしょうしたが、コンゴ政府せいふは重かさねてヌグウェイを臨時りんじ代理だいり大使たいしとして認みとめるよう要請ようせいされた。

帰国きこくした審議しんぎ官かんからコンゴ政府せいふの報告ほうこくを受うけた鈴木すずき宗男むねおは、ヌグウェイの言動げんどうを強つよく非難ひなんした。

結局けっきょく、ヌグウェイは外交がいこう官等かんとう身分みぶん証明しょうめい票ひょうは発給はっきゅうされないまま、コンゴ政府せいふから駐ちゅう日にちコンゴ臨時りんじ代理だいり大使たいしの任にんを解とかれた。

ケニアのソンドゥ・ミリウ水力すいりょく発電はつでん所しょ問題もんだい

日本にっぽんのODAによってケニアのソンドゥ・ミリウ水力すいりょく発電はつでん事業じぎょうの建設けんせつに絡からむ問題もんだい。

ソンドゥ・ミリウ水力すいりょく発電はつでん所しょ建設けんせつ工事こうじを受注じゅちゅうした鴻池組こうのいけぐみが1997年ねんから2000年ねんにアフリカ外交がいこうに影響えいきょう力りょくが強つよい鈴木すずき宗男むねおに政治せいじ献金けんきんしていることから、利権りけん疑惑ぎわくが浮上ふじょうした。

また、鈴木すずき宗男むねおが証人しょうにん喚問かんもんで「1999年ねん8月がつに初はじめて（ソンドゥ・ミリウ水力すいりょく発電はつでん所しょを）知しった」と証言しょうげんした。ソンドゥ・ミリウ水力すいりょく発電はつでん所しょは1985年ねんから開始かいしされ1987年ねんに日本にっぽん・ケニア間あいだの最さい優先ゆうせん事項じこうとして借款しゃっかん契約けいやくされ、鈴木すずき宗男むねおが1991年ねんと1992年ねんにケニア訪問ほうもんの際さいにダニエル・アラップ・モイ大統領だいとうりょうと会談かいだん内容ないようについて質問しつもんをされると、鈴木すずき宗男むねおは「残念ざんねんながら覚おぼえていない」「大統領だいとうりょうと会談かいだんしたか覚おぼえていない」と曖昧あいまいな証言しょうげんをした。

2000年ねん5月がつ8日にちの衆議院しゅうぎいん外務がいむ委員いいん会かいで参考さんこう人じん招致しょうちされた駐ちゅうケニア大使たいし経験けいけんがある青木あおき盛もり久ひさが「ソンドゥ・ミリウ水力すいりょく発電はつでん事業じぎょうについて、鈴木すずき議員ぎいんに1998年ねん7月がつと10月がつに鈴木すずき宗男むねお議員ぎいんに申もうし上あげていた」と発言はつげん。そのため、鈴木すずき宗男むねおの「1999年ねん8月がつに初はじめて（ソンドゥ・ミリウ水力すいりょく発電はつでん所しょを）知しった」とする証言しょうげんが虚偽きょぎの疑うたがいが浮上ふじょうした。

政治せいじ家かの反応はんのう

民主党みんしゅとうの鳩山はとやま由紀夫ゆきおは「（公共こうきょう事業じぎょうで私腹しふくを肥こやす鈴木すずきのような）政治せいじ家かが日本にっぽんにいること自体じたいが実じつに恥はずかしい」「鈴木すずき宗男むねおさんには、正まさに国益こくえきを損そこなった、品位ひんいを欠かいた政治せいじ家かの存在そんざい」、小沢おざわ一郎いちろう自由党じゆうとう代表だいひょうは「国民こくみんの税金ぜいきんを使つかう行使こうしに乗じょうじて色々いろいろな不正ふせいな不公平ふこうへいな問題もんだいを生しょうじさせた鈴木すずき議員ぎいんの政治せいじ家かとしての責任せきにんである」、福島ふくしま瑞穂みずほ社会しゃかい民主党みんしゅとう幹事かんじ長ちょうは「北方ほっぽう四よん島とう支援しえん事業じぎょうを食くい物ものにしてきた鈴木すずき議員ぎいんは政官せいかん業ぎょうの癒着ゆちゃくそのものである」「疑惑ぎわくにこたえることなく、国民こくみんを欺あざむき続つづけてきた鈴木すずき議員ぎいんの責任せきにんは重大じゅうだいである」とのコメントを出だしていた。2004年ねん11月に鈴木すずきに対たいして実刑じっけい判決はんけつが出でると、又また市し征せい治ち社会しゃかい民主党みんしゅとう幹事かんじ長ちょうは「鈴木すずき被告ひこくにかけられた容疑ようぎは疑惑ぎわくの一端いったんに過すぎず、鈴木すずき被告ひこくには判決はんけつを重おもく受うけ止とめ事件じけんの全貌ぜんぼうを明あきらかにすべき責任せきにんがある」とコメントをした。

2010年ねん9月がつに最高裁さいこうさいで鈴木すずきの実刑じっけい判決はんけつが確定かくてい。実刑じっけい確定かくていにより公職こうしょく選挙せんきょ法ほう第だい99条じょう・国会こっかい法ほう第だい109条じょうの規定きていにより国会こっかい議員ぎいんを失職しっしょくし、自動的じどうてきに衆議院しゅうぎいん外務がいむ委員いいん長ちょうの地位ちいを失うしなった。山口やまぐち那な津つ男おとこ公明党こうめいとう代表だいひょうは「鈴木すずき氏しの委員いいん長ちょう就任しゅうにんに賛成さんせいしたとすれば、国民こくみんを愚弄ぐろうする行おこないだ」、自民党じみんとうの佐藤さとう正久まさひさ参議院さんぎいん議員ぎいんは「安全あんぜん保障ほしょうの中核ちゅうかくをつかさどる外務がいむ委員いいん長ちょうが犯罪はんざい者しゃとなり収監しゅうかんされる可能かのう性せいが高たかまった、これは非常ひじょうに重おもたい問題もんだい」と鈴木すずきが刑事けいじ被告人ひこくにんでありながら委員いいん長ちょう選任せんにんを支持しじした民主党みんしゅとうを批判ひはんした。

批判ひはん

鈴木すずき宗男むねおの支持しじ者しゃの一部いちぶからは国策こくさく捜査そうさとの批判ひはんがあり、この事件じけんで、有罪ゆうざいが確定かくていした佐藤さとう優ゆうの著書ちょしょ、『国家こっかの罠わな 外務省がいむしょうのラスプーチンと呼よばれて』(新潮社しんちょうしゃ、2005年ねん、ISBN 4104752010)には、取とり調しらべにあたった特捜とくそう検事けんじの西村にしむら尚しょう芳かおるの言葉ことばとして、「これは国策こくさく捜査そうさ。あなたが捕つかまった理由りゆうは簡単かんたん。あなたと鈴木すずき宗男むねおをつなげる事件じけんを作つくるため」との記述きじゅつがある。国策こくさく捜査そうさ論ろん者しゃは、外務省がいむしょうの虚偽きょぎを含ふくむリークがあったと指摘してきしている。

再審さいしん請求せいきゅう

2012年ねん11月29日にち、鈴木すずきは4事件じけん中ちゅうやまりん事件じけんと島田建設しまだけんせつ事件じけんの2つについて、再審さいしん請求せいきゅうした。新しん証拠しょうことして東京とうきょう地検ちけん特捜とくそう部ぶが公判こうはん前まえにやまりんの元もと幹部かんぶに渡わたした証人しょうにん尋問じんもんのやりとりの「台本だいほん」などを提出ていしゅつし、「台本だいほんに基もとづく証言しょうげんに証拠しょうこ能力のうりょくはなく、有罪ゆうざいの認定にんていを維持いじできないことは明あきらかだ」と主張しゅちょうしている。2019年ねん3月がつ20日はつか、東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょ（家令かれい和典かずのり裁判さいばん長ちょう）は再審さいしんを認みとめない決定けっていをした。家令かれい裁判さいばん長ちょうは、贈賄ぞうわい側がわ証人しょうにんが「尋問じんもん前まえに検察官けんさつかんと綿密めんみつな準備じゅんびをしたことは認みとめられる」とする一方いっぽう、「検察官けんさつかんが自みずから作つくり上あげたストーリーに基もとづいて虚偽きょぎの供述きょうじゅつを強要きょうようし、関係かんけい者しゃが虚偽きょぎの供述きょうじゅつ調書ちょうしょにのっとって虚偽きょぎの証言しょうげんをした疑うたがいはない」と判断はんだんした。

関連かんれん書籍しょせき

• 鈴木すずき宗男むねお『汚名おめい 国家こっかに人生じんせいを奪うばわれた男おとこの告白こくはく』講談社こうだんしゃ、2009年ねん。ISBN 9784062151061。 
• 加藤かとう昭あきら「鈴木すずき宗男むねお研究けんきゅう」（新潮社しんちょうしゃ）
• 日本にっぽん共産党きょうさんとう国会こっかい議員ぎいん団だん鈴木すずき宗男むねお疑惑ぎわく追及ついきゅうチーム「ムネオ疑惑ぎわく追及ついきゅう300日にち」（新しん日本にっぽん出版しゅっぱん社しゃ）
• 弘中ひろなか惇あつし一郎いちろう『生涯しょうがい弁護人べんごにん 事件じけんファイル１　村木むらき厚子あつこ　小澤おざわ一郎いちろう　鈴木すずき宗男むねお　三浦みうら和義かずよし・・・・・・』講談社こうだんしゃ、2021年ねん。ISBN 4065189039