鈴木すずき爆発ばくはつ

鈴木すずき爆発ばくはつ

ジャンル	爆ばく弾だんを解体かいたいするゲーム
対応たいおう機種きしゅ	プレイステーション
開発元かいはつもと	SOL
運営うんえい元もと	エニックス（現げん・スクウェア・エニックス）
人数にんずう	1人ひとり
メディア	CD-ROM
稼働かどう時期じき	2000年ねん7月がつ6日にち
使用しようブロック数すう	1
対象たいしょう年齢ねんれい	CERO：B（12才さい以上いじょう対象たいしょう）

『鈴木すずき爆発ばくはつ』（すずきばくはつ）は2000年ねん7月がつ6日にちにエニックス（現げん・スクウェア・エニックス）より発売はつばいされたプレイステーション専用せんようゲームソフト。

ゲーム内容ないよう

本ほん作さくは、ごく普通ふつうの女性じょせい・鈴木すずき（演えんじ：緒沢おざわ凛りん）が、身みの回まわりのもの全すべてが爆ばく弾だんの世界せかいで爆ばく弾だん解体かいたいを行おこなうというパズルアクションゲームであり、キャッチコピーには「彼女かのじょが出会であうあらゆるものはすべてが爆ばく弾だん」とあるほか、公式こうしきには「爆ばく弾だんを解体かいたいするゲーム」とのジャンル表記ひょうきがある。

登場とうじょうする爆ばく弾だんはどれも奇抜きばつなものばかりで、爆ばく弾だん登場とうじょうまでのエピソードを解説かいせつする実写じっしゃパートと、ポリゴンで作成さくせいされた爆ばく弾だんを解体かいたいする解体かいたいパートの2ブロックで構成こうせいされている。

実写じっしゃパートは写真しゃしんのキャプチャーが主体しゅたいとなり、実写じっしゃやCG動画どうがも用もちいられるため、実写じっしゃゲームの側面そくめんもある。話はなしの筋すじというものはほとんどなく、シュールな内容ないようを展開てんかいしつつ突飛とっぴなキャストや画像がぞうで独特どくとくのテンポを持もたせようと試こころみている。鈴木すずきは時ときに鼻歌はなうたを歌うたいながら爆ばく弾だんを解体かいたいするなど不ふ真面目まじめな印象いんしょうを与あたえることがある。

解体かいたいパートはドライバー、ニッパー、スパナ、六角ろっかくレンチ、セロハンテープなどの道具どうぐを駆使くしして、制限せいげん時間じかん内ないに爆ばく弾だんを解体かいたいしていく。途中とちゅうには緊急きんきゅうアラームやブービートラップなどが仕掛しかけられている。先まずは爆ばく弾だんの外周がいしゅうを様々さまざまな角度かくどから調しらべることで緑色みどりいろのマークが表示ひょうじされる所ところがある。その場所ばしょは「ムシメガネ」で調しらべられる。調しらべることで、そこに使つかうべき道具どうぐや犯人はんにんからのメッセージを手掛てがかりとして得えられる。ルーペで爆ばく弾だんの細部さいぶを観察かんさつし、ネジを見みつけたらドライバーで回まわす。コードを見みつけたらニッパーで切断せつだんする、という流ながれで解体かいたい作業さぎょうは進すすんでいく。ひとつひとつの部品ぶひんを外はずして信管しんかんにたどり着つく事ことが目的もくてきとなる。

また、爆ばく弾だん犯はんから鈴木すずきへのメッセージが爆ばく弾だんのいたるところに残のこされており、このメッセージが謎なぞ解ときの大おおきなヒントとなっているが、このメッセージは難易なんい度どによって違ちがう。

解体かいたいを進すすめる度たびに余分よぶんなパーツは排除はいじょされて四散しさんし、最後さいごには必かならず信管しんかんが残のこる。繋つながっている赤あかと青あおの導線どうせんのどちらかを切断せつだんすることで解体かいたいは完了かんりょうとなる（2本ほんとも紫色むらさきいろの導線どうせんや、暗闇くらやみで色いろが見みえない場合ばあいもある）。

時間切じかんぎれ、信管しんかんの切断せつだんを誤あやまる、ギミックが作動さどうして回路かいろに触ふれるなどして解体かいたいに失敗しっぱいすると爆発ばくはつしてしまい、ゲームオーバーとなる。爆発ばくはつは爆ばく弾だんごとに個別こべつのムービーが再生さいせいされ、爆発ばくはつによっては都市としや天体てんたいが吹ふき飛とぶほどの被害ひがいがもたらされる。

難易なんい度どを最初さいしょに選択せんたくするが、エンディング後ごの2周しゅう目め以降いこう、同おなじ爆ばく弾だんを解体かいたいする際さいには難易なんい度どが1段階だんかい上昇じょうしょうする（ただし、EASYで始はじめた場合ばあい、3回かい目めの解体かいたいでもHARDにはならない）。

登場とうじょうする爆ばく弾だん

登場とうじょうする爆ばく弾だんは以下いかの19個こ。

• みかん
• ピストル
• 携帯けいたい電話でんわ
• 月つき
• 踏ふみ切きり
• ピンボール
• アイスコーヒー

• カセットテープ
• カワイリカ
• 電球でんきゅう
• 無敵むてき巨人きょじんガンダー
• お見舞みまい弁当べんとう
• 海うみ

• エンジン
• ジュークボックス
• こたつ
• 影かげ
• ドアノブ
• 伊藤いとう

爆ばく弾だん解体かいたいは全ぜん10面めん構成こうせいで、10面めんを除のぞき4面めん以降いこうは選択せんたく式しきでルートが分岐ぶんきする。そのため全すべての爆ばく弾だんを解体かいたいする場合ばあいは、途中とちゅうの面めんから別べつのルートを選択せんたくする必要ひつようがある。

奇想天外きそうてんがいな構造こうぞうを持もつものが多おおく、「アイスコーヒー」では水分すいぶん子この中なかに信管しんかんが仕掛しかけられている描写びょうしゃがあったり、「こたつ」では何故なぜかこたつの中なかに宇宙うちゅう空間くうかんが広ひろがっている描写びょうしゃがあったりする。「月つき」や「影かげ」のように、そもそもどうやって仕掛しかけたのか不明ふめいなものもあり、これらが作品さくひんのシュールさに拍車はくしゃをかけている。

なお、ガンダーに関かんしては、じゃんけんで勝負しょうぶするという運うんゲーの一いち面めんもある。

また、爆発ばくはつ時じの威力いりょくは電子でんし基板きばんを破壊はかいする程度ていどのものから、一瞬いっしゅんで地球ちきゅうを木こっ端微塵ぱみじんに粉砕ふんさいするものまであり、爆ばく弾だんによってかなり差さがある。

キャスト

リリー・フランキーや春一番はるいちばん、YOU THE ROCK☆に水木みずき一郎いちろうなど、幅広はばひろいジャンルからさまざまな人物じんぶつが出演しゅつえんしている。リリー・フランキーは爆ばく弾だんピンボールの回かい、草くさ野球やきゅうの監督かんとく役やくで数すうコマ登場とうじょうするのみなど、意外いがいな場所ばしょに意外いがいな人物じんぶつが登場とうじょうする。

爆ばく弾だんカワイリカの回かいで歌うた番組ばんぐみに出演しゅつえんしているアイドル「カワイリカ」の役やくを演えんじているのは、当時とうじ雑誌ざっしモデルで、後のちにテレビ東京てれびとうきょう系けいで放映ほうえいされた「ROCK FUJIYAMA」で女性じょせいMCを務つとめることになるSHELLYである。

開発かいはつ

本ほん作さくは、四よん井い浩一こういちが過去かこに手掛てがけたアドベンチャーゲーム『ノスタルジア1907』の爆ばく弾だん解体かいたいパートをもとに企画きかくされた。また、実写じっしゃパートの写真しゃしんを担当たんとうしているのは、おしゃれヌード写真しゃしんのパイオニア「ちんかめ」の内藤ないとう啓介けいすけである。

備考びこう

• 爆ばく弾だんガンダーでは劇げき中ちゅうに登場とうじょうする架空かくうのロボアニメのテーマ曲きょくに乗のせてアニメ風ふうのオープニングを見みることができる。このテーマ曲きょく「ガンダーのテーマ」は水木みずき一郎いちろうが歌うたっており、作曲さっきょくはDJのFantastic Plastic Machine。曲調きょくちょうは1970年代ねんだいの合体がったいロボアニメを髣髴ほうふつとさせるものである。
• ゲーム中ちゅう、鈴木すずきは爆ばく弾だんを解体かいたいしながら特徴とくちょう的てきな独ひとり言ごとを呟つぶやく。特とくに印象いんしょう的てきな「まわる～まわる～」という鼻歌はなうたには、「だってフォーリンラブ」というタイトルが付つけられている。
• エンジンを解体かいたいすると、春一番はるいちばんによるアントニオ猪木いのきのモノマネ「道みち」を聞きくことができる。また、全すべての爆ばく弾だんにおいて、爆発ばくはつ約やく40秒びょう前まえになっても解体かいたいできない場合ばあいには、オープニングテーマが流ながれてプレイヤーの焦あせりを煽あおるが、この場合ばあいには「道みち」の朗読ろうどくが被かぶさり、「1、2、3、ダーッ!」で爆発ばくはつする、というオチがついている（爆発ばくはつ後ごにファンによる「猪木いのきー」の掛かけ声ごえも収録しゅうろくされている）。
• お笑わらい芸人げいにんの加藤かとう浩次こうじはこのゲームを遊あそんだことがきっかけで鈴木すずき役やくの緒沢おざわのファンとなり、2001年ねんの結婚けっこんに至いたったという。

出演しゅつえん者しゃ

• 緒沢おざわ凛りん
• 今宿いまじゅく麻美あさみ
• 畦あぜ地ち令子れいこ
• 白川しらかわみなみ
• YOU
• YOU THE ROCK☆
• 春一番はるいちばん
• KEE
• 大柴おおしば裕介ゆうすけ
• SHELLY
• リリー・フランキー

開発かいはつ

本ほん作さくは『ストライダー飛ひ竜りゅう』で知しられる四よん井い浩一こういちと、当時とうじエニックスに所属しょぞくしていた安藤あんどう武博たけひろが手掛てがけた。 安藤あんどうは2017年ねんに開ひらかれたA 5th of BitSummitでの講演こうえんにて、本ほん作さくの開発かいはつに当あたっては真剣しんけんに100万まん本ほん売うるつもりだったと振ふり返かえる一方いっぽう、今いまとなっては通つう好このみのバカゲーになっていると話はなしている。

このような作風さくふうになった理由りゆうとして、当時とうじソニーはゲーム業界ぎょうかいに参入さんにゅうしたばかりであり、将来しょうらいの成長せいちょうを見越みこしてソニーがプレイヤーのすそ野のを広ひろげようとしていた結果けっか、大手おおてメーカーであってもヒットを狙ねらわずに自由じゆうに開発かいはつできるインディーズゲームのような環境かんきょうとなったのではないかと推測すいそくしている。 PlayStationから『俺おれの料理りょうり』といった個性こせい的てきなソフトが出でたことに加くわえ、当時とうじのエニックスもユニークな作品さくひんを推奨すいしょうしていたことから、個性こせいを重視じゅうししたゲームを作つくろうと決意けついしたと安藤あんどうは話はなしている。 普段ふだんゲームで遊あそばない層そうにもアピールするため、モデルを起用きようした実写じっしゃ取とり込こみが用もちいられた。

また、四よん井いも新あたらしいジャンルの開拓かいたくを目指めざしており、データセーブにゲーム性せいを持もたせるなどの試こころみが行おこなわれた。

制作せいさくスタッフ

• 開発かいはつ：SOL
• 企画きかく：四よん井い浩一こういち
• 写真しゃしん：内藤ないとう啓介けいすけ
• ストーリーボード：小野おの英作えいさく
• 音楽おんがく：FANTASTIC PLASTIC MACHINE（田中たなか知之ともゆき）
• 劇げき中歌なかうた：水木みずき一郎いちろう（無敵むてき巨人きょじんガンダーのテーマ）
• プロデューサー：安藤あんどう武博たけひろ
• 発売はつばい：エニックス（現げん・スクウェア・エニックス）

反響はんきょう

安藤あんどうの見込みこみに反はんし、100万まん本ほんは売うれなかったものの、本ほん作さくは制作せいさく費ひが回収かいしゅうできる程度ていどの売うれ行ゆきを見みせた。

また、安藤あんどうは2015年ねんの記事きじの中なかで、本ほん作さくの経験けいけんを通つうじて実写じっしゃゲームで付加ふか価値かちを付つけられることを知しり、これがのちに『実在じつざい性せいミリオンアーサー』の成功せいこうの一因いちいんになったと述のべている。

その一方いっぽうで、安藤あんどうは、本ほん作さくの操作性そうさせいわるがタッチパネルに向むいているとして、ファンやスクウェア・エニックスからはリメイクの要望ようぼうが寄よせられていることを認みとめたうえで、「でも1回かい作つくったものは、自分じぶんではもう作つくりたくないんですよ（笑）　ゲーム作づくりって楽たのしいけどしんどいから、それをやるんだったら新あたらしいものを作つくったほうがおもしろいかな、って思おもっちゃう。[後略こうりゃく]」と、2017年ねんのA 5th Of BitSummitの中なかで明あきらかにしている。