鈴木すずき親ちかし長ちょう

鈴木すずき 親ちかし長ちょう（すずき ちかなが、1830年ねん - 1903年ねん8月がつ）は、日本にっぽんにおける初期しょきのプロテスタント信者しんじゃ。晩成ばんせい社しゃの鈴木すずき銃じゅう太郎たろうの父ちち。

生涯しょうがい

信濃しなの国こく上田うえだ藩はん勘定かんじょう奉行ぶぎょうの松村まつむら親ちかし賢けんの三男さんなんに生うまれ、嘉よしみ永ひさし4年ねん（1851年ねん）、同どう藩士はんしの娘むすめ・鈴木すずき直ただしと結婚けっこんして鈴木すずき家かの婿むこになった。藩校はんこう明倫めいりん堂どうや武たけ学校がっこうの指南しなん役やくになったが、明治維新めいじいしん後ごの秩禄処分しょぶんで失職しっしょくした。明治めいじ5年ねん（1872年ねん）に一家いっかで上京じょうきょうし、官吏かんりとして学校がっこう係がかりに就任しゅうにんしたときに、購入こうにゅうした書籍しょせきの中なかから旧約きゅうやく・新約しんやく聖書せいしょを見みつけて読よみ出だした。

旧きゅう藩主はんしゅ松平まつだいら忠ただし礼れいの弟おとうと松平まつだいら忠ただし厚あつしが築地つきじの長老ちょうろう派は教会きょうかいに通かよっていることを知しり、息子むすこの銃じゅう太郎たろうと一緒いっしょに教会きょうかいに通かようようになり、ディビッド・タムソンの講義こうぎを聴講ちょうこうした。その後ご、松平まつだいら忠ただし厚あつが洗礼せんれいを受うけたため、鈴木すずき親子ちかこも明治めいじ7年ねん（1874年ねん）にタムソンから受洗じゅせんした。

1878年ねん11月麹こうじ町まちの講義こうぎ所しょが火災かさいで焼失しょうしつしたため、横浜よこはま石川いしかわ町まちに移うつり住すんだ。オリバー・マクリーン・グリーン宣教師せんきょうしの日本語にほんご教師きょうしになり、共立きょうりつ女学校じょがっこうの国くに漢かんの講師こうしに就任しゅうにんした。また、日本にっぽん最初さいしょのプロテスタント教会きょうかいである日本にっぽん基督きりすと公会こうかいの執事しつじになった。郷里きょうりの上田うえだでも布教ふきょう活動かつどうを行おこない、旧きゅう藩士はんし・稲垣いながき信しんとともに、明治めいじ9年ねん（1876年ねん）設立せつりつの上田うえだ基督きりすと公会こうかいの基礎きそを据すえた。明治めいじ13年ねん（1880年ねん）埼玉さいたま県けん和戸わど教会きょうかいに牧師ぼくしとして赴任ふにん。

息子むすこの銃じゅう太郎たろう、娘むすめのカネ、カネの夫おっと渡辺わたなべ勝まさる、依田よだ勉つとむ三さんが晩成ばんせい社しゃを設立せつりつして北海道ほっかいどう開拓かいたくに渡わたる際さいに同行どうこうし、7年間ねんかん十勝とかちで開拓かいたくに従事じゅうじした後のち、妻つまの直ひたと一緒いっしょに横浜よこはまに帰かえり、『十勝とかち国こく移住いじゅう案内あんない』を表あらわして北海道ほっかいどう移住いじゅうを奨励しょうれいした。

1896年ねん頃ごろから仏教ぶっきょう書しょを読よみ始はじめて仏教ぶっきょうに傾倒けいとうし始はじめるようになった。1897年ねんに雲照うんしょう律師りっしから受戒じゅかいを受うけて、十善じゅうぜん会かいに入会にゅうかいし仏門ぶつもんに入はいった。1903年ねんに死去しきょする。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『クリスチャン情報じょうほうブック2006』
• 「郷土きょうど歴史れきし人物じんぶつ事典じてん 長野ながの」第だい一いち法規ほうき 1978年ねん

関連かんれん項目こうもく

• 依田よだ勉つとむ三さん
• 日本にっぽん基督きりすと公会こうかい