はさみ (動物どうぶつ)

カニの1種しゅ。写真しゃしん上部じょうぶの第だい1胸むね脚あしに1対ついの鋏やっとこをもつ。

節足動物せっそくどうぶつの鋏やっとこ（ハサミ、鉗、螯、英語えいご: chela、複数ふくすう形がた: chelae）とは、はさみやペンチと似にた付属ふぞく肢し（関節かんせつ肢し）の構造こうぞうである。カニ・ロブスター・サソリ・カブトガニなどに見みられ、主おもに物ものを掴つかむのに用もちいられる。

概要がいよう

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  ザリガニの第だい1胸むね脚あしの鋏やっとこ
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  サソリの触さわ肢しの鋏やっとこ

節足動物せっそくどうぶつの鋏やっとこの機構きこう

節足動物せっそくどうぶつの付属ふぞく肢し（関節かんせつ肢し）は、機能きのうに応おうじて様々さまざまな形態けいたいに多様たよう化かしており、鋏やっとこ（chela）がその一ひとつである。先端せんたんが2つに割われ、動うごかせるようになっており、その形かたちははさみに似にている。これは、先端せんたんの肢し節ぶしとその一いち個こ前まえの肢し節ぶしから伸のびる突起とっきで形成けいせいされるもので、両者りょうしゃの間あいだで挟はさむように動うごかせる。この様ような付属ふぞく肢しの状態じょうたいは鋏やっとこ状じょう（ハサミ状じょう、chelate, cheliform）と呼よばれる。なお、節足動物せっそくどうぶつの鋏やっとこは一般いっぱんに物ものを掴つかむのに用もちいられるため、物ものを切断せつだんするはさみというよりは、ペンチやピンセットのような働はたらきが主体しゅたいである。

多おおくの場合ばあい、先端せんたんの肢し節ぶしは爪つめ状じょうになっており、その基部きぶに繋つないだ一いち個こ前まえの肢し節ぶしは大おおきく膨ふくらんで、多量たりょうの筋肉きんにくを収おさめる。一いち個こ前まえの肢し節ぶしは、先端せんたんの肢し節ぶしの動作どうさ方向ほうこうに向むかった端はしから突起とっきが出でて、先端せんたんの肢し節ぶしと向むかい合あうようになっている。この突起とっきと先端せんたんの肢し節ぶしは指ゆび（finger, ramus, 複数ふくすう形がた: rami）と言いい、鋏やっとこの「刃は」に当あたる。先端せんたんの肢し節ぶしの1対ついの腱けん（内うち骨格こっかく）が一いち個こ前まえの肢し節ぶしに入はいり込こみ、ここに外そと骨格こっかくの内壁ないへきに張はり付ついた筋肉きんにくが付着ふちゃくし、これを引ひっ張ぱることで鋏やっとこの開閉かいへいが行おこなわれる。そのため、鋏やっとこは原則げんそくとして先端せんたんの肢し節ぶしのみ動うごき、一いち個こ前まえの肢し節ぶしの突起とっきは動うごかない。そこで、先端せんたんの肢し節ぶしを可動かどう指ゆび（movable finger, free ramus）、一いち個こ前まえの肢し節ぶしの突起とっきを不動ふどう指ゆび（fixed finger, fixed ramus, immovable finger）と呼よばれる。また、不動ふどう指ゆびをもつ1個いっこ前まえの肢し節ぶし全体ぜんたいを手て（manus）、筋肉きんにくを収おさめたその中央ちゅうおう部ぶを掌てのひら部ぶ（hand）と呼よばれることもある。

第だい2胸むね脚あしの鋏やっとこが両りょう指ゆびとも可動かどうな Psalidopus spiniventris

上述じょうじゅつの体制たいせいから逸いっして、一いち個こ前まえの肢し節ぶし由来ゆらいの突起とっきが例外れいがい的てきに分節ぶんせつし、すなわち両りょう指ゆびとも可動かどうな鋏やっとこは、知しられる中なかでイガグリエビ属ぞく（Psalidopus）のエビ類るいのみがもつ。

さまざまな鋏やっとこ

甲殻こうかく類るい

多おおくの十じゅう脚きゃく類るいは鉗脚をもつ

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  ロブスター
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  オトヒメエビ
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  ヤシガニ
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  シオマネキ

鋏やっとこは多おおくの節足動物せっそくどうぶつの付属ふぞく肢しに見みられ、中なかでも十じゅう脚きゃく類るい（エビ・カニ・ヤドカリなど）の甲殻こうかく類るいによるものか最もっとも一般いっぱん的てきに知しられている。多おおく十じゅう脚きゃく類るいは少すくなくとも鋏やっとこを第だい1胸むね脚あし（第だい4胸むね肢し）に有ゆうし、他たの胸むね脚あし（第だい5-8胸むね肢し）にも鋏やっとこをもつ場合ばあいもある。十じゅう脚きゃく類るいのこの様ような胸むね脚あしは、鉗脚（かんきゃく）もしくは鋏やっとこ脚あし（きょうきゃく）（cheliped）と呼よばれる。

エビ類るいでは複数ふくすう対たいの鉗脚をもつものは多おおい。根ね鰓えら亜あ目めと多おおくのザリガニ下目しため（ザリガニ・ロブスターなど）は前まえの3対つい、コエビ下目しため（ヌマエビ・テナガエビなど）は前まえの2対つい、ザリガニ下目しための中なかでセンジュエビ科かは前まえの4対ついもしくは5対ついで全すべての脚あしが鋏やっとこをもつ。そのうち1対ついが強大きょうだいに特とく化かしたものもあり、ザリガニ下目しためなどの第だい1胸むね脚あし、テナガエビなどの第だい2胸むね脚あし、オトヒメエビなどの第だい3胸むね脚あしが挙あげられる。エビ類るいのほか、カニ類るいのハサミアシホモラとヤドカリ類るいのヤシガニは、それぞれの第だい5胸むね脚あしと第だい4胸むね脚あしにも鋏やっとこをもつ。イセエビ下目しため（イセエビ・セミエビなど）はほぼ鋏やっとこをもたないが、雌めすの第だい5脚きゃくに小ちいさな鋏やっとこをもつ場合ばあいがある。

機能きのう

十じゅう脚きゃく類るいの鉗脚は餌えさとなる生物せいぶつをつまみあげ、捕捉ほそくし、あるいは殻からを粉砕ふんさいしたうえで、食たべられる部分ぶぶんを裁断さいだん、引ひきちぎるのに用もちいられる。また、敵てきを攻撃こうげきする際さいや、防御ぼうぎょのため、さらにはシオマネキ類るいやチゴガニ類るいのようなスナガニ科かでよく見みられるように、異性いせいをめぐる闘争とうそうやそれに関係かんけいしたダンスなどのデモンストレーションにも用もちいられることがある。

十じゅう脚きゃく類るいの鉗脚は時ときとして左右さゆうが不ふ対称たいしょうになり、極端きょくたんな例れいはシオマネキである。この類るいのカニは性的せいてき二形ふたなりで、雄ゆうの片側かたがわの鉗脚が極端きょくたんに強大きょうだい化かして雌めすを巡めぐる争あらそいやデモンストレーションに用もちい、餌えさを採とる際さいには反対はんたい側がわの小ちいさな鉗脚だけを使つかう。ヤドカリの大おおきい方ほうの鉗脚は雄お同士どうしの闘争とうそうのほか、貝殻かいがらに潜ひそむ際さいにを入いり口くちの蓋ぶたとして用もちいられる。テッポウエビ類るいの発達はったつした鉗脚は捕食ほしょくや闘争とうそうなどに用もちいられ、特殊とくしゅな構造こうぞうにより爆裂ばくれつ音おんと高温こうおんなキャビテーションの泡あわを発はっすることができる。

十じゅう脚きゃく類るい以外いがいの甲殻こうかく類るい

タナイス

タルマワシ

ヒジキムシの第だい2触角しょっかく

十じゅう脚きゃく類るい以外いがいの甲殻こうかく類るいでは鋏やっとこをもつ例れいが少すくない。タナイスの第だい1胸むね脚あし（第だい2胸むね肢し）は強大きょうだいな鋏やっとこ状じょうで、端はし脚あし類るいの中なかでは1対たい以上いじょうの胸むね脚あしが鋏やっとこ状じょうに特とく化かした一部いちぶのヨコエビとタルマワシがある。カイアシ類るいの中なかではヒジキムシのように第だい2触角しょっかくが目立めだたない鋏やっとこ状じょうに特とく化かした例れいがある。ムカデエビ類るいの中なかではオヨギモスラ科かの種類しゅるいが鋏やっとこ状じょうの第だい1小しょう顎あごをもつ。

鋏やっとこ角かく類るい

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  カブトガニの鋏やっとこ角かく（1）と脚あし（2-6）
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  ダイオウウミサソリ科かのウミサソリ
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  ヒヨケムシ

サソリ（1枚まい目め）とカニムシ（2枚まい目め）の正面しょうめん。鋏やっとこを口元くちもとの鋏やっとこ角かくと左右さゆうの触さわ肢しにもつ。

鋏やっとこ角かく類るいに鋏やっとこをもつ例れいが多おおい。鋏やっとこ角かく（きょうかく、chelicera, 複数ふくすう形がた: chelicerae）は鋏やっとこ角かく類るいに特有とくゆうの付属ふぞく肢しで、名なに現あらわれるように多おおくの場合ばあいは鋏やっとこ状じょうである。そのほとんどが小ちいさく目立めだたないが、ヒヨケムシと一部いちぶのウミサソリのように、鋏やっとこ角かくが強大きょうだい化かして目立めだつなものもある。ウミグモの場合ばあい、鋏やっとこ角かくに当あたる付属ふぞく肢しは鋏やっとこ肢し（chelifore）と呼よばれる。

鋏やっとこ角かく以外いがいの付属ふぞく肢しが鋏やっとこをもつ鋏やっとこ角かく類るいもある。例たとえばカブトガニでは、ほぼ全すべての脚あしの先端せんたんが鋏やっとことなっている。サソリとカニムシでは、触さわ肢しが強大きょうだいな鋏やっとこに発達はったつしている。

鋏やっとこ角かくは鋏やっとこ角かく類るいの口器こうきであり、多おおくの場合ばあいは餌えさを掴つかんで分解ぶんかいし、それを直後ちょくごの口くちへ運はこぶ機能きのうを担になう。ヒヨケムシやダイオウウミサソリ類るいのような強大きょうだいな鋏やっとこ角かくは、獲物えものを捕獲ほかくするのに役立やくだつ。サソリとカニムシは触さわ肢しの鋏やっとこで獲物えものを捕獲ほかくし、それを口元くちもとの鋏やっとこ角かくに運はこんで捕食ほしょくを行おこなう。特とくにカニムシの触さわ肢しの鋏やっとこは毒腺どくせんを有ゆうし、確保かくほした獲物えものに毒どくを注入ちゅうにゅうすることもできる。カブトガニの鋏やっとこをもつ脚あしは歩行ほこうと餌えさを掴つかむ機能きのうを兼かね備そなえ、鋏やっとこ角かくで餌えさを口くちへ運はこぶ。

他たの節足動物せっそくどうぶつ

ネッタイタマヤスデの雄ゆうの後端こうたん生殖せいしょく肢し

カマバチの前ぜん脚あし

鋏やっとこを持もつHymenocarina類るいであるトクンミア（Tokummia）の復元ふくげん図ず

甲殻こうかく類るいと鋏やっとこ角かく類るい以外いがいの節足動物せっそくどうぶつの場合ばあい、付属ふぞく肢しそのものが鋏やっとこになる例れいが非常ひじょうに少すくない。多た足あし類るい（ムカデ、ヤスデなど）の中なかでは、ネッタイタマヤスデ目めの雄ゆうの最終さいしゅうの脚あしが頑丈がんじょうな鋏やっとこに特とく化かしている。これは後端こうたん生殖せいしょく肢し（posterior telopod）と言いい、繁殖はんしょく行動こうどうで雌めすを掴つかむのに用もちいられている。鋏やっとこ状じょうの付属ふぞく肢しをもつ六ろく脚きゃく類るい（昆虫こんちゅうなど）は、カマバチと Carcinocorini 族ぞくのヒゲブトサシガメのみによって知しられている。いずれも前ぜん脚あし由来ゆらいで、カマバチは先端せんたん片側かたがわの爪つめと第だい5跗小節ぶしの突起とっき、Carcinocorini 族ぞくは脛ずね節ぶしと腿もも節ぶしの突起とっきでそれぞれ鋏やっとこの可動かどう指ゆびと不動ふどう指ゆびになる。どの現生げんなま亜あ門もん（鋏やっとこ角かく類るい・多た足あし類るい・甲殻こうかく類るい・六ろく脚きゃく類るい）にも当あてはまらない絶滅ぜつめつ群ぐんでは、れっきとした鋏やっとこをもつ例れいが更さらに少すくなく、Hymenocarina 類るいのトクンミアのみ知しられる程度ていどである。

鋏やっとこに似にた構造こうぞう

前述ぜんじゅつの特徴とくちょうに当あたらないものの、鋏やっとこに似にた構造こうぞうをもつ節足動物せっそくどうぶつもあり、次つぎに列挙れっきょされる。

亜あ鋏やっとこ状じょうの構造こうぞう

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  シャコ
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  カマキリ
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  シラミ

ワレカラの亜あ鋏やっとこ状じょうの咬脚（B-C）

一部いちぶの節足動物せっそくどうぶつの付属ふぞく肢しは、末端まったんの肢し節ぶしが爪つめ状じょうに特とく化かしたものの、一いち個こ前まえの肢し節ぶしがそれと向むかい合あう突起とっきはなく、もしくは突起とっきが鋏やっとこになれないほど短みじかいものがある。この場合ばあい、先端せんたんの肢し節ぶしは一いち個こ前まえの肢し節ぶしの突起とっきではなく、一いち個こ前まえの肢し節ぶしの片側かたがわの縁えんで先端せんたんの肢し節ぶしの内側うちがわとかみ合あい、全体ぜんたいが鎌かまに似にた構造こうぞうとなる。外見がいけん的てきには歩ふ脚あし状じょうと鋏やっとこ状じょうの中なか間あいだ形態けいたいに当あたるようで、この構造こうぞうは亜あ鋏やっとこ状じょう（亜あハサミ状じょう、subchelate）と呼よばれる。甲殻こうかく類るいの中なかでは、端はし脚あし類るい（ワレカラやヨコエビなど）の咬脚・シャコ類るい（口くち脚あし類るい）の捕と脚あしなどにそのようなものが見みられる。

昆虫こんちゅうなどの六ろく脚きゃく類るいは非常ひじょうに種たね数すうが多おおく、その付属ふぞく肢しの構造こうぞうにも多様たようなものが見みられるが、不思議ふしぎに単独たんどくで鋏やっとことなった付属ふぞく肢しをもつものはほとんど無なく、前述ぜんじゅつの僅わずかな例れいしか見当みあたらない。鎌かま状じょう/亜あ鋏やっとこ状じょうの前ぜん脚あしをもつものが散見さんけんされる程度ていどで、カマキリ、カマキリモドキ、カマバエ（カマキリバエ）、水生すいせいカメムシ類るい、Carcinocorini族ぞく以外いがいのヒゲブトサシガメなどの例れいがあり、いずれも獲物えものを捕とらえ保持ほじするための器官きかんとして発達はったつしている。哺乳類ほにゅうるいに寄生きせいするシラミは、全すべての脚あしの先端せんたんが宿主しゅくしゅの毛もうを掴つかめる亜あ鋏やっとこ状じょうとなっている。一部いちぶのコバチは、頑丈がんじょうで鎌かまのような後のち脚あしをもつ。また、前述ぜんじゅつのカマバチの中なかでも、一部いちぶの群ぐんでは第だい5跗小節ぶしの突起とっきが発達はったつせず、亜あ鋏やっとこ状じょうに近ちかい構造こうぞうとなる。

前述ぜんじゅつの鋏やっとこ角かく類るいの中なかでも、鋏やっとこ角かくは鋏やっとこ型がたでないものもある。例たとえば四よん肺はい類るい（クモ、ウデムシ、サソリモドキ、ヤイトムシなど）の鋏やっとこ角かくは亜あ鋏やっとこ状じょうで、折おりたたみナイフのような牙きばとなっている。

多数たすうの肢し節ぶしと突起とっきからなる構造こうぞう

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  様々さまざまなメガケイラ類るい
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  アンプレクトベルアとライララパクス

サソリモドキの触さわ肢し

末端まったん肢し節ぶしの直前ちょくぜん2節せつ以上いじょうの肢し節ぶしがかみ合あう突起とっきを生はえて、付属ふぞく肢し全体ぜんたいが合あわせて3本ほん以上いじょうの突起とっきをもつ例れいがある。この様ような「多重たじゅうの鋏やっとこ」（multichelate）は、ヨホイア、パラペイトイア、レアンコイリアなどのメガケイラ類るいという化石かせき節足動物せっそくどうぶつの大だい付属ふぞく肢しが代表だいひょう的てきである。現生げんなま群ぐんでは、鋏やっとこ角かく類るいのサソリモドキの触さわ肢しにこのような構造こうぞうが見みられる。

基盤きばん的てきな節足動物せっそくどうぶつと考かんがえられる古こ生物せいぶつラディオドンタ類るいは、先頭せんとうに1対ついの前部ぜんぶ付属ふぞく肢しがある。これは摂食せっしょく用ようの付属ふぞく肢しと考かんがえられ、往々おうおうにして10節せつ前後ぜんこうほど多おおくの肢し節ぶしに分わかれている。その中なかでアンプレクトベルアとライララパクスは、基部きぶ付近ふきんの肢し節ぶし腹はら側がわから大おおきな内うち突起とっきを伸のばし、直後ちょくご全すべての肢し節ぶしの湾曲わんきょく方向ほうこうとかみ合あわせ、全体ぜんたいが鋏やっとこの様ようになっている。

付属ふぞく肢し単体たんたいに由来ゆらいでない構造こうぞう

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  ヨーロッパクギヌキハサミムシ
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  ノコギリクワガタ
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  ヒメカブト

ハサミコムシ

単独たんどくの付属ふぞく肢しからなるものではないが、鋏やっとこのように働はたらく構造こうぞうもある。クワガタムシなどの大だい顎あごや、ハサミムシとハサミコムシのそれぞれの尾お角かくのように、左右さゆう1対ついの付属ふぞく肢しがそれぞれ鋏やっとこの片割かたわれとなり、合あわせて鋏やっとこのように機能きのうするものがある。また、付属ふぞく肢し由来ゆらいですらない構造こうぞうが鋏やっとこのような構造こうぞうをした例れいもあり、例たとえば一部いちぶのカブトムシ類るいの頭部とうぶと前ぜん胸むね背せ板ばんは、鋏やっとこのように上下じょうげでかみ合あわせた頭あたま角かくと胸むね角かくをもつ。

関連かんれん項目こうもく

• 鋏やっとこ
• 関節かんせつ肢し
  • 鋏やっとこ角かく