銭せん宰おさむ

銭せん 宰おさむ（せん さい、1302年ねん - 1397年ねん）は、元もと末すえ明あきら初はつの儒学じゅがく者しゃ。字じは子こ予よ、またの字じは伯はく均ひとし。紹興しょうこう府ふ会かい稽県の出身しゅっしん。本ほん貫ぬきは杭州こうしゅう府ふ臨安県けん。

生涯しょうがい

呉ご越えつの武たけ粛王銭ぜに鏐の十じゅう四よん世せいの孫まごとされる。至いたり正ただし11年ねん（1351年ねん）、元朝がんちょうの進士しんしに及第きゅうだいした。親おやが老齢ろうれいであったため、仕官しかんしなかった。洪ひろし武たけ2年ねん（1369年ねん）、明あかりの洪ひろし武たけ帝みかどに召めし出だされて国子くにこ助じょ教きょうとなった。「金かね陵りょう形勝けいしょう論ろん」・「歴代れきだい帝王ていおう楽章がくしょう」を作つくり、いずれも洪ひろし武たけ帝みかどに称賛しょうさんされた。洪ひろし武ぶ10年ねん（1377年ねん）、帰休ききゅうを願ねがい出でた。博士はかせに進すすめられ、帰郷ききょうを許ゆるされた。

洪ひろし武ぶ27年ねん（1394年ねん）、洪ひろし武たけ帝みかどが蔡沈の『書しょ集しゅう伝でん』を見みると、象ぞう数すう讖緯の運行うんこうが朱しゅ熹の『詩集ししゅう伝でん』と矛盾むじゅんしており、その他たの注釈ちゅうしゃくや鄒季友ともの論ろんじるところも定さだまっていなかった。洪ひろし武たけ帝みかどは天下てんかの老儒ろうじゅ碩学せきがくを召めし出だしてこれを訂正ていせいさせようとした。兵部ひょうぶ尚書しょうしょの唐から鐸が銭せん宰おさむや張ちょう美和みわ・靳権らを推挙すいきょした。洪ひろし武たけ帝みかどの命いのちを伝つたえられて銭せん宰おさむは上京じょうきょうし、劉りゅう三さん吾われの下したで修訂しゅうていにあたった。書しょが完成かんせいすると、『書しょ伝でん会かい選せん』と名なづけられ、天下てんかに頒布はんぷされた。銭せん宰おさむは手厚てあつい賜物たまものを受うけて、帰郷ききょうした。洪ひろし武ぶ30年ねん（1397年ねん）、死去しきょした。享年きょうねんは96。著書ちょしょに『臨安集しゅう』6巻かんがあった。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『明あかり史し』巻まき137 列伝れつでん第だい25