飯めし寿司ずし

飯めし寿司ずし（ハタハタ、鮭さけ、ニシン、人参にんじん、胡瓜きゅうり）

飯めし寿司ずし、飯めし鮨ずし（いずし）は、乳酸にゅうさん発酵はっこうさせて作つくるなれずしの一種いっしゅ。

概要がいよう

主おもに北海道ほっかいどうから北陸ほくりくにかけて伝つたわる「なれずし」の名称めいしょうであり、魚さかなと野菜やさいを米べい麹こうじに漬つけて、乳酸にゅうさん発酵はっこうさせたすしである。野菜やさいを入いれる事ことが特徴とくちょうであり、かぶら寿司ずしも存在そんざいする。

語源ごげんとしては、「飯めし鮓すし（いいずし）」「魚さかな鮓すし（いおずし）」の転訛てんかの2つの説せつがある。

北陸ほくりく以北いほくの日本海にほんかい側がわと北海道ほっかいどうの寒さむい地域ちいきに集中しゅうちゅうした分布ぶんぷ圏けんがみられるが、西日本にしにほんにも点在てんざいして伝つたわる。寒冷かんれいな地域ちいきで作つくられることが多おおいのは、発酵はっこうの際さいに気温きおんが最低さいてい一いちか月げつ以上いじょうは氷点下ひょうてんかを下回したまわらないと、腐敗ふはいが発生はっせいしやすくなるからである。

使用しようされる魚さかなは、ハタハタ、鮭さけ、ニシン、サンマ、ホッケ、キンキ、カレイなどが多おおい。野菜やさいには、キャベツ、大根だいこん、ニンジン、ショウガ、きゅうり、タマネギ、サンショウなどが使つかわれる。アケビやヤマブドウなど果実かじつを用もちいた物ものもある。

他たのなれずしに比くらべると、低温ていおんで漬つける期間きかんは短みじかいために香かおりは穏おだやかで、米べいの甘味あまみと乳酸にゅうさんの酸さんみのバランスが良よいとされる。

注意ちゅうい点てん

空気くうきに触ふれないように発酵はっこうさせるため、手作てづくりする際さいには嫌気いやけ性せい菌きんであるボツリヌス中毒ちゅうどくに注意ちゅういが必要ひつようである（秋田あきた県けんでは、1953年ねんから61年ねんにかけて13件けんの中毒ちゅうどくが発生はっせいし、患者かんじゃ60人にんのうち24人にんが死亡しぼうした例れいがある。なお、魚さかなを漬つけ込こむ際さいに乳酸にゅうさん発酵はっこうがある程度ていど進すすんでいるとボツリヌス菌きんの繁殖はんしょくは免まぬかれる）。

参考さんこう文献ぶんけん

• 篠田しのだ統みつる『すしの本ほん』柴田しばた書店しょてん、1970年ねん6月がつ25日にち、59-69頁ぺーじ。ISBN 4-388-35189-X。 

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