魏たかし建たて功いさお

魏たかし 建たて功いさお

人物じんぶつ情報じょうほう
生誕せいたん	(1901-11-07) 1901年ねん11月7日にち 清きよし江蘇ちぁんすー省しょう海うみ安やす
死没しぼつ	1980年ねん2月がつ18日にち(1980-02-18)（78歳さい没ぼつ） 中国ちゅうごく
出身しゅっしん校こう	北京ぺきん大学だいがく
学問がくもん
研究けんきゅう分野ぶんや	言語げんご学がく
研究けんきゅう機関きかん	京きょう城しろ帝国ていこく大学だいがく・北京ぺきん大学だいがく

魏たかし建たて功いさお
各種かくしゅ表記ひょうき
繁体字はんたいじ：	魏たかし建たて功いさお
簡体字かんたいじ：	魏たかし建たて功いさお
拼音：	Wèi Jiàngōng
和名わみょう表記ひょうき：	ぎ けんこう
発音はつおん転記てんき：	ウェイ・ジエンゴン

魏たかし建たて功いさお（ぎ けんこう、1901年ねん11月7日にち – 1980年ねん2月がつ18日にち）は、中国ちゅうごくの言語げんご学者がくしゃ。音韻おんいん学がくの研究けんきゅうや新しん華はな字典じてんの編纂へんさんで知しられる。

生涯しょうがい

江蘇ちぁんすー省しょう海うみ安やす県けん（現在げんざいは南通みなみとおり市しの一部いちぶ）で生うまれた。1921年ねんに北京ぺきん大学だいがくに入学にゅうがく、銭せん玄同げんどうらに学まなんだ。1925年ねんに卒業そつぎょう。

卒業そつぎょう後ごは1927年ねんから1年ねんあまり京きょう城しろ帝国ていこく大学だいがくの中国語ちゅうごくご講師こうしをつとめた。後のちに、その際さいの日本にっぽん統治とうち下かの朝鮮ちょうせんについて「僑韓瑣談」としてまとめている(『魏たかし建たて功いさお文集ぶんしゅう』に収録しゅうろく)。中国ちゅうごくに帰国きこく後ご、1928年ねんには教育きょういく部ぶの国語こくご統一とういつ籌備委員いいん会かいに加くわわった。1929年ねんに母校ぼこうである北京ぺきん大学だいがくの助じょ教きょうの職しょくにつく(のちに副ふく教授きょうじゅ・教授きょうじゅ昇進しょうしん)。日にち中ちゅう戦争せんそうがはじまると奥地おくちに移うつり、西南せいなん連合れんごう大学だいがく・西南せいなん女子じょし師範しはん学院がくいんで教おしえた。

戦後せんごは台湾たいわんに渡わたり、国語こくご（標準ひょうじゅん中国語ちゅうごくご）を普及ふきゅうするための台湾たいわん省しょう国語こくご推行委員いいん会かいの主任しゅにんの職しょくについた。国語こくご普及ふきゅうの方針ほうしんは、まず日本語にほんごの影響えいきょうを除のぞいて台湾たいわん語ごを復活ふっかつさせ、台湾たいわん語ごを媒介ばいかいにして国語こくごを普及ふきゅうするというものであった。また国立こくりつ台湾たいわん大学だいがくの国語こくご専修せんしゅう科か主任しゅにんに就任しゅうにんした。1948年ねんに北京ぺきん大学だいがくに移うつった。

中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくが成立せいりつすると、北京ぺきん大学だいがく中ちゅう文系ぶんけいの主任しゅにん教授きょうじゅであった魏たかし建たて功いさおは葉は紹鈞の指示しじにより1950年ねんに新設しんせつの新しん華はな辞書じしょ社しゃの社長しゃちょうとなり（同年どうねん末まつに新しん華はな辞書じしょ社しゃは人民じんみん教育きょういく出版しゅっぱん社しゃに吸収きゅうしゅうされてその辞書じしょ編纂へんさん室しつとなる）、字典じてん編纂へんさんの仕事しごとにあたった。1953年ねんに『新しん華はな字典じてん』の初版しょはんが出版しゅっぱんされた。

文化ぶんか大だい革命かくめい当初とうしょは批判ひはんされたが、1970年代ねんだいにはいると解放かいほうされ、北京ぺきん大学だいがく・清華せいか大学だいがくによる批林批孔運動うんどうのグループ(中国語ちゅうごくご版ばん)の顧問こもんをつとめた。文革ぶんかくが終結しゅうけつすると四よん人組にんぐみの手先てさきの疑うたがいで収監しゅうかんされたが、1978年ねんに釈放しゃくほうされた。

研究けんきゅう内容ないよう・業績ぎょうせき

• 上古じょうこ音おんに関かんして、魏ぎ建たて功いさおは自みずから新あたらしい推定すいてい音韻おんいん体系たいけいを立たてることはなかったが、1920年代ねんだいにベルンハルド・カールグレンらが上古じょうこ音おんに -d、-g などの有ゆう声ごえ閉鎖へいさ音韻おんいん尾おがあったという説せつを唱となえると、「古こ陰陽いんよう入いれ三さん声こえ考こう」（『国学こくがく季刊きかん』2-2、1929）や「陰陽いんよう入いれ三さん声こえ考こう」（『国学こくがく季刊きかん』2-4、1930）を発表はっぴょうしてその説せつに反対はんたいした。魏ぎ建たて功いさおはカールグレン説せつに対抗たいこうして、これらの韻いんは有ゆう声ごえ閉鎖へいさ音韻おんいん尾おではなく -j -w のような音おとで終おわっていたと考かんがえた。古音こおんに関かんする主著しゅちょは『古音こおん系けい研究けんきゅう』(1935)である。
• 魏たかし建たて功いさおはまた韻書いんしょの発展はってん史しを研究けんきゅうした。『十じゅう韻いん匯編』（劉りゅう復ふく・羅ら常つね培つちかえと共著きょうちょ、1936年ねん）は敦煌とんこうなどの切きり韻いん系けい韻書いんしょを集あつめた書物しょもつである。
• 魏たかし建たて功いさおは学生がくせい時代じだいから民謡みんようや方言ほうげんに関かんする研究けんきゅうがあり、劉りゅう復ふく・白しろ滌洲とともに調査ちょうさした結果けっかを「黟県方かた音おん調査ちょうさ録ろく」(『国学こくがく季刊きかん』4-4、1935)にまとめている。
• 辞典じてん編纂へんさんに関かんしては、『新しん華はな字典じてん』にかかわる以前いぜんの1946年ねんに小中学生しょうちゅうがくせい用ようの小しょう字典じてんを編纂へんさんしており（未み完成かんせい）、『新しん華はな字典じてん』はこの小しょう字典じてんを元もとにしている所ところがある。『新しん華はな字典じてん』以外いがいに『漢語かんご成語せいご小しょう詞し典てん』(1959)の編集へんしゅうにもかかわっている。
• 『魏たかし建たて功いさお文集ぶんしゅう』（江蘇ちぁんすー人民じんみん出版しゅっぱん社しゃ2001）全ぜん5巻かんが出版しゅっぱんされている。

参考さんこう文献ぶんけん

• 趙ちょう金きん銘めい. “魏たかし建たて功いさお”. 中国ちゅうごく現代げんだい語ご言げん学がく家か. 1. 河北かほく人民じんみん出版しゅっぱん社しゃ. pp. 200-210