1968年ねんカム・ドゥックC-130撃墜げきつい事件じけん

アメリカ空軍くうぐん 60-0297

同型どうけい機きのC-130B
事故じこの概要がいよう
日付ひづけ	1968年ねん5月12日にち
概要がいよう	ベトナム人民じんみん軍ぐんによる撃墜げきつい
現場げんば	ベトナム共和きょうわ国こく カム・ドゥック カム・ドゥック飛行場ひこうじょう
乗客じょうきゃく数すう	149
乗員じょういん数すう	6
負傷ふしょう者しゃ数すう	0
死者ししゃ数すう	155（全員ぜんいん）
生存せいぞん者しゃ数すう	0
機種きしゅ	ロッキード C-130B
運用うんよう者しゃ	アメリカ空軍くうぐん
機体きたい記号きごう	60-0297
出発しゅっぱつ地ち	カム・ドゥック飛行場ひこうじょう
目的もくてき地ち	不明ふめい

1968年ねんカム・ドゥックC-130撃墜げきつい事件じけん（1968ねんカム・ドゥックC-130げきついじけん）は、1968年ねん5月12日にちに発生はっせいした軍用ぐんよう機き撃墜げきつい事件じけんである。ベトナム戦争せんそうによる難民なんみんを乗のせて離陸りりくしたアメリカ空軍くうぐんのロッキード C-130Bが離陸りりく直後ちょくごに撃墜げきついされ、乗員じょういん乗客じょうきゃく155人にん全員ぜんいんが死亡しぼうした。この事故じこは1971年ねんに全日空ぜんにっくう機き雫石しずくいし衝突しょうとつ事故じこ（死者ししゃ162人にん）が発生はっせいするまで死者ししゃ数すうが世界せかい最多さいたの航空こうくう事故じこであった。また、1975年ねんタンソンニャットC-5墜落ついらく事故じこと並ならんでベトナム史上しじょう最悪さいあくの航空こうくう事故じこでもある。

事故じこ機き

事故じこ機きのロッキード C-130B（60-0297）は製造せいぞう番号ばんごう3600として製造せいぞうされ、1961年ねんに初はつ飛行ひこうした。エンジンはアリソン T56-A-7を搭載とうさいしていた。

事件じけんの経緯けいい

1968年ねん5月がつ11日にち、カム・ドゥック（現在げんざいのクアンナム省しょうフオックソン県けん）での戦闘せんとうにおいて、アメリカ軍ぐんはカム・ドゥック飛行場ひこうじょうで北きたベトナム軍ぐんとベトナムのゲリラに阻はばまれた。翌よく12日にちの朝あさ、ゲリラはアメリカ軍ぐんのCH-47を撃墜げきついし、その残骸ざんがいが飛行場ひこうじょうの滑走かっそう路ろを塞せいだ。10時じまでに残骸ざんがいは撤去てっきょされたが、その時ときまでにゲリラは飛行場ひこうじょう周辺しゅうへんの重要じゅうような高台たかだいを確保かくほして離着陸りちゃくりくする航空機こうくうきを迎撃げいげきできるようにしていた。それでも午後ごご11時じ10分ふんまでに計けい145人にんが避難ひなんに成功せいこうしたが、カム・ドゥック飛行場ひこうじょうへさらに進入しんにゅう中ちゅうしようとしていた3機きのC-130は着陸ちゃくりくを断念だんねんした。

午後ごご、C-130の着陸ちゃくりくが再開さいかいされ、15時じ25分ふんに一いち機きが着陸ちゃくりくに成功せいこうした。敵てきの攻撃こうげきがあったにもかかわらず、同機どうきは南側みなみがわに着陸ちゃくりくした。アメリカ側がわの発表はっぴょうによれば、避難ひなん民みんの中なかにアメリカ軍ぐんや南みなみベトナム軍ぐんの兵士へいしはいなかったという。その後ご、同機どうきに150人にんの難民なんみんと5人にんの乗員じょういん（他たの資料しりょうによれば149人にんの難民なんみんと6人にんの乗員じょういん）が搭乗とうじょうして満席まんせきになり、パイロットは北きたに向むかって離陸りりくする決断けつだんを下くだした。しかしこの時とき、パイロットは北きたベトナム軍ぐんの主力しゅりょく部隊ぶたいがその地域ちいきに集中しゅうちゅうしていることを知しらなかった。16時じ頃ごろに同機どうきはカム・ドゥック飛行場ひこうじょうを離陸りりくして高度こうどを上あげ始はじめたが、直ただちに撃墜げきついされて滑走かっそう路ろの端はしから1マイルの地点ちてんに墜落ついらくし、乗員じょういん乗客じょうきゃく155人にん全員ぜんいんが死亡しぼうした。

2機き目めのC-130は同機どうきの撃墜げきついを見みて南西なんせい方向ほうこうに離陸りりくすることに決きめた。こちらも攻撃こうげきを受うけはしたが、致命ちめい的てきな損傷そんしょうはなく近ちかくのチュライに着陸ちゃくりくすることに成功せいこうした。