Chex Quest

Chex Quest

ジャンル	ファーストパーソン・シューティング
対応たいおう機種きしゅ	DOS Microsoft Windows
開発元かいはつもと	Digital Café, Technical Director Mike Koenigs / Creative Director: Dean Hyers
発売はつばい元もと	Digital Café
プロデューサー	Virtual Communications
音楽おんがく	アンドリュー・ベンソン
美術びじゅつ	Charles Jacobi
人数にんずう	シングルプレイヤー マルチプレイヤー
発売はつばい日び	NA 10月31日にち1996
エンジン	id Tech 1

『Chex Quest』（チェックス・クエスト）は、1996年ねんにDigital Cafeが制作せいさくしたファーストパーソン・シューティングゲームである。

本ほん作さくは『Doom』（正確せいかくにはUltimate Doom版はん）のトータルコンバージョンMODにあたるが、6～9歳さい以上いじょうの子供こども向むけのChexシリアルのおまけとして制作せいさくされたため、非ひ暴力ぼうりょく的てきな内容ないようとなっている。 本ほん作さくは、1996年ねんのGolden EFFIE AwardのAdvertising Effectiveness部門ぶもんと1998年ねんのGolden Reggie AwardのPromotional Achievement部門ぶもんの両方りょうほうで受賞じゅしょうした。今日きょうではシリアルの箱はこにおまけとして同どう梱こりされた最初さいしょのコンピュータゲームであることが知しられている。本ほん作さくのカルト的てき人気にんきは、この広告こうこく媒体ばいたいの昔むかしからの非常ひじょうに熱心ねっしんなファンで構成こうせいされているとマスコミで指摘してきされている 。

2019年ねん、ゼネラル・ミルズはChex Questとそれまで非公式ひこうしきだった2008年ねんの続編ぞくへんを再さいリリースし、YouTubeにミニドキュメンタリーを公開こうかいした。

ゲームプレイ

画像がぞう外部がいぶリンク
フレモイドのゾーチング

本ほん作さくはDoomエンジンをベースとしており、大おおまかなシステムは『DOOM』と実質じっしつ的てきに同おなじである。一人称いちにんしょう視点してんで展開てんかいされる本ほん作さくにおいて、プレイヤーキャラクターは道行みちゆく敵てきを倒たおしながら疑似ぎじ3Dで構成こうせいされたステージを進すすんでいく。途中とちゅうで、プレイヤーキャラクターの体力たいりょくの向上こうじょうや反撃はんげきや敵てきからの逃亡とうぼうをより効果こうか的てきに行おこなえるようになるシリアルをテーマにしたさまざまなパワーアップ、武器ぶき、弾薬だんやくが見みつかる。最後さいごのステージのラスボスが倒たおされるとゲームに勝利しょうりする。

しかし、敵てきのプロフィール（特とくに低ていレベルの敵てきで長距離ちょうきょり攻撃こうげきを行おこなってこないことと高こうレベルの敵てきでは移動いどうができない）とそれぞれの世界せかいのステージ数すう（Chex Questでは5ステージに制限せいげんされている）などのDoomとの顕著けんちょな違ちがいがいくつか見みられる。

プロット

遠とおく離はなれた惑星わくせい「Bazoik」を舞台ぶたいに、ゲームはチェックス型がたの鎧よろいを身みに纏まつわった兵士へいしのCHEX戦士せんしが、惑星わくせいを荒あらし多おおくの無力むりょくな入植にゅうしょく者しゃを捕とらえたヌルヌルとした緑色みどりいろの無む脊椎動物せきついどうぶつの侵略しんりゃく者しゃ「フレモイド」を退治たいじし、人々ひとびとを助たすけていく。彼かれの主おもな武器ぶきは「ゾーチャーズ」と呼よばれるデバイスで、敵てきを彼かれらの元もとの次元じげんにテレポートさせる。ゲームはBazoikの研究けんきゅうセンターの着陸ちゃくりくパッドから始はじまる。他たには、実験じっけん室しつ、樹木じゅもく園えん、そして最後さいごにフレモイドが彼かれらのコロニーを設立せつりつしたBazoikの洞窟どうくつステージがある。彼かれらの主おもな武器ぶきは粘液ねんえきであり、発射はっしゃ物ぶつとして利用りようする。

開発かいはつ

約やく50万まんドルの予算よさんをかけて小ちいさな開発かいはつ者しゃチームで制作せいさくされたChex Questは、Chexシリアルブランドを再ふたたび活性かっせい化かするためにラルストン・フーズが雇やとった受賞じゅしょう歴れきのあるグループ、WatersMolitor promotion agencyの発案はつあんで誕生たんじょうした。Dean HyersとMike Koenigsが考案こうあんしたオリジナルのゲームコンセプトは非ひ暴力ぼうりょくのCD-ROMコンピュータゲームであり、同どう作さくはRice Chex、Wheat Chex、Corn Chexのシリアル570万まん箱はことともにリリースされ、家庭かてい用ようPCの所有しょゆう者しゃをターゲットにすることで現代げんだいの感性かんせいにアピールしながら、子供こどもたちにとってワクワクして楽たのしめるシリアルとしてChexをキャスティングした。本ほん作さくは、通常つうじょうの小売こうり価格かかくが$30から$35の間あいだになる高こう品質ひんしつなプログラムである。しかし、シリアルの箱はこの価格かかくを増加ぞうかさせることなく、無料むりょうで消費しょうひ者しゃに提供ていきょうされる

Chex Questの開発かいはつは、基本きほん的てきなゲームエンジンが既すでに作成さくせいされており、制作せいさくプロセスの大だい部分ぶぶんが『The Ultimate Doom』の音楽おんがくとアートワークに加くわえられた美的びてき変更へんこうからなるという点てんで、従来じゅうらいのコンピュータゲーム開発かいはつとは異ことなっていた。予算よさん上じょうの理由りゆうから、Id Softwareに連絡れんらくを取とり最近さいきん発売はつばいされたIdの『Quake』に照てらして時代遅じだいおくれと見みなされていたDoomエンジンの安価あんかなライセンスを取得しゅとくした。リードアーティストのCharles Jacobiとプログラマーのスコット・ホルマンにとって、Chex Questは初はじめてのプロのゲーム開発かいはつであったが、二人ふたりはどちらも過去かこにDoomのステージを改造かいぞうしたことがあった。2009年ねんのPC Gamer誌しへのインタビューで、JacobiはChex Questの持続じぞく的てきな成功せいこうの最大さいだいの理由りゆうは、同どう作さくが未いまだに本質ほんしつ的てきには基本きほん的てきにゲームダイナミクスが変更へんこうされていないDoomの変装へんそう版ばんであるためだと述のべた。確たしかに、ゲームはそのアイデンティティと起源きげんについてユーモアのセンスを持もっていることで知しられている。

この改造かいぞうのユーモラスな側面そくめんは、以前いぜんの非ひ必要ひつようなDoomの装飾そうしょくを非ひ必要ひつようなChex Questの同等どうとう物ぶつに多おおかれ少すくなかれ正確せいかくに「翻訳ほんやく」した結果けっか、Doomに関連かんれんした皮肉ひにくな内輪うちわネタの形かたちをとっていることである。このようにして、『Doom』の血ちまみれになった体からだと痙攣けいれんする胴体どうたいは、『Chex Quest』ではべとべとしたものに覆おおわれたシリアルの欠片かけらとなり、シリアルの犠牲ぎせい者しゃはべとべとしたものから抜ぬけ出だすために体からだを引ひきつらせている。同様どうように、プロットによると「体力たいりょく」メーターはChex戦士せんしの移動いどう能力のうりょくを表あらわし、0%がスライムに覆おおわれていて移動いどうできない状態じょうたいを表あらわしている。ステータスバーに表示ひょうじされるChex戦士せんしの絵えは、『Doom』の顔かおのように出血しゅっけつするのではなく、徐々じょじょにスライムに覆おおわれていく。時間じかんが限かぎられていたため、ステージデザインにはDoomのファンコミュニティで人気にんきの既存きそんツール（ステージ作成さくせいツール「Doombuilder」など）を活用かつようし、フレモイドの独特どくとくの発声はっせいなどの効果こうか音おんは、クリエイティブディレクターのディーン・ハイアーズとオーディオデザイナーのアンドリュー・ベンソンがサウンドブースで遊あそびながら制作せいさくした

開発かいはつ中ちゅう、承認しょうにんを得えるためにラルストンが審美しんび的てきな決定けっていを下くだす必要ひつようがあり、これにより多おおくの修正しゅうせいが行おこなわれた。例たとえば、ゾルチャーは本来ほんらいは古典こてん的てきな光線こうせん銃じゅうのように見みえるように意図いとされていたが、それがあまりに暴力ぼうりょく的てきな銃じゅうのように見みえるというラルストンの懸念けねんにより、リモコンやスタートレックのトリコーダーのような外観がいかんに変更へんこうされた。より強力きょうりょくな武器ぶきはすべて、トリコーダーモデルでデザインされた。ただし、ゾーチランチャーとフェージング・ゾーチャーは、デザイン段階だんかいの終盤しゅうばんに向むけて再度さいど変更へんこうされ、より特徴とくちょう的てきな外観がいかんになっている。 ゾーチの武器ぶきは、もともとバナナのスライス、牛乳ぎゅうにゅう、イチゴなどの栄養えいよう食品しょくひんでフレモイドを「無力むりょく化か」する予定よていであったが、これがフードファイトを促進そくしんするかもしれないとのラルストンの懸念けねんにより、ゾーチャーがピンク色ぴんくいろの光ひかりを放出ほうしゅつしてフレモイドを「送おくり返かえす」ことで消滅しょうめつさせるように変更へんこうされた。Chex Warriorの初期しょきのデザインにおいても頭あたまと体からだがすべて1つの巨大きょだいなChexのピースであったが、M＆M'sのアニメキャラクターとの美学びがく的てきに似にているという理由りゆうで変更へんこうされ、元々もともとは黄色きいろだったフレモイドは、Doomのカラーパレットの制限せいげんにより、緑色みどりいろに変更へんこうされた。

その他たの開発かいはつチームメンバーは以下いかの通とおりである：プロデューサーのキンバリー・ハイアス、テクニカルコーディネーターのデイブ・ブルス、プロジェクトマネージャーのメアリー・ブレギ。

プロモーション

プロモーションをサポートするために、クーポンや広告こうこくが新聞しんぶんや雑誌ざっしに掲載けいさいされ、総そう発行はっこう部数ぶすうは4200万まん部ぶに達たっした。ゲームを同どう梱こりするすべての（シリアルの）箱はこの前面ぜんめんへのプロモーションアートの掲載けいさい、30秒びょうのテレビ広告こうこくが放送ほうそう、ゲームのヒントやChexのレシピを紹介しょうかいしたり、キャラクターの経歴けいれきなどの更さらなるプロットの詳細しょうさいを紹介しょうかいするWebサイト（chexquest.com）の開設かいせつが行おこなわれた。開発かいはつコストを削減さくげんするために、WatersMolitorはAmerica Onlineとのプロモーション提携ていけいを結むすび、America OnlineがCDを製造せいぞうする代かわりに、全すべてのChex QuestにAOLソフトウェアと「50 Free Hours」サブスクリプションオファーがセットになって売うられた。WatersMolitorは、ゲームで問題もんだいが発生はっせいしたゲーマーのための電話でんわによるヘルプラインを設置せっちし、ゲームのコーディング、プロット、アニメーション、オリジナル音楽おんがくを提供ていきょうするために設立せつりつ間あいだもないニューメディア企業きぎょう「Digital Café」を雇やとった。

Doomとの関係かんけい

Doomの起動きどうに使用しようされるいくつかのパラメーターは、Chex Questの起動きどうにも使用しようされる。Chex Questは前身ぜんしんからの大おおきく変更へんこうされたにもかかわらず、まだいくつかの名残なごりが残のこっている（たとえば、他たのUltimate Doomエピソードのステージやゲーム内ないのテキスト）。

Doomにはチートコード配列はいれつがあり、すべてのチートは「id」で始はじまるが、Chex Questのコードは一部いちぶの例外れいがいを除のぞいてゲームの制作せいさくスタッフの人々ひとびとの名前なまえに基もとづいている。DoomのDOS版ばんからのPCスピーカーの音響おんきょう効果こうかが改造かいぞうされ、Chex Questで使用しようされている。Doomは成人せいじん向むけのMとレイティングされているが、Chex Questはすべての視聴しちょう者しゃにとって子供こどもに優やさしいゲームとして制作せいさくされた。テクスチャから敵てき、そして武器ぶきに至いたるまで、Doomのグラフィックスとオーディオのほぼすべてが置おき換かえられている。

E2M5クリア後ごに表示ひょうじされる幕間まくあい画面がめん

残のこりのステージ

Chex Questには、ゲーム用ように変換へんかんされた『Ultimate Doom』の最初さいしょの5つのステージしかない。一部いちぶの残のこりのステージは、起動きどう時じにレベルワープパラメーターを介かいしてのみプレイできる（Chex Quest改造かいぞうとして）。これらの残のこりのステージには、エピソード1のマップ6〜9と、エピソード2、3、および4の全ぜんマップが含ふくまれる。これらのステージでは、音楽おんがくはUltimate Doomのオリジナル曲きょくに戻もどる。レベルワープパラメータを使用しようしてマップE3M1またはE4M1にアクセスした後のち、選択せんたくしたエピソード内ないの残のこりのステージ（マップ5まで）には、エピソードのステージを順番じゅんばんにクリアすることでアクセスできる（DoomやChex Questの標準ひょうじゅんステージの進行しんこうと同様どうよう）。残念ざんねんながら、バグにより他たのステージはそれより前まえのステージのクリア時じに起動きどうできなくなる。同様どうように、E4M9は以前いぜんのようにE4M2から到達とうたつできない。E2M5をクリアすると（どちらかの出口でぐちを介かいして）、オリジナルDoomの2番目ばんめのエピソードである「The Shores Of Hell」の最後さいごに元々もともと表示ひょうじされていたエンドグラフィックが表示ひょうじされ、E3M5をクリアすると、3番目ばんめのエピソード「Inferno」のエンドシーケンスが表示ひょうじされる。同様どうように、E4M5を完了かんりょうすると、『The Ultimate Doom』の4番目ばんめかつ最後さいごのエピソード「Thy Flesh Consumed」のエンドグラフィックが表示ひょうじされる。後者こうしゃの2つのエンドシーケンスはどちらも、デイジーという名前なまえの首くびを刎ねられたウサギをフィーチャーしている。

元々もともと（つまりDoomで）E1M8、E2M8、E3M8およびE4M8のクリア時じに表示ひょうじされていたエピソードの幕間まくあいテキストは、Chex Questでは変更へんこうされた形式けいしきで表示ひょうじされるようになっている。これにより、Chex QuestのE1M5をクリアすると「MISSION ACCOMPLISHED. ARE YOU PREPARED FOR THE NEXT MISSION? PRESS THE ESCAPE KEY TO CONTINUE...（ミッション完了かんりょう。次つぎのミッションの準備じゅんびはできてるか？続つづけるにはエスケープキーを押おそう）」という新あらたなメッセージが表示ひょうじされる。残のこりのステージE2M5を完了かんりょうすると、「YOU'VE DONE IT !!（君きみはよくやった！）」というメッセージが表示ひょうじされるが、これは『Ultimate Doom』では表示ひょうじされない。同様どうように、E3M5のクリア時じに「WONDERFUL JOB！（素晴すばらしい！）」、E4M5のクリア時じには「FANTASTIC（ファンタスティック）」 というエピソードの幕間まくあいテキストが表示ひょうじされるが、そのどちらもオリジナルのゲームでは表示ひょうじされない。Charles Jacobiは、5つを超こえるステージを作成さくせいする計画けいかくはなかったとし 、別べつのプログラマーのスコット・ホルマンがテキストの文字もじ列れつに目めを通とおし、不適切ふてきせつと思おもわれるものはどこに行いったかわからないように変更へんこうしたことを知しっていたと述のべた。

Doomのより難むずかしい敵てきのスキンはChex Questのステージでは使用しようされなかったため、変換へんかんされていないが、スキンは完全かんぜんに削除さくじょされている。これにより「残のこされたステージ」をプレイしている人ひとにとっては、これらの難なん敵てきは完全かんぜんに見みえない形かたちでまだ存在そんざいしているため、追加ついかの経験けいけん値ちが得えられることになる。これは、部分ぶぶん的てきな不可視ふかし化か、バーサーカーパック、ライトアンプゴーグル、すべてのスカルキーカードなどのアイテムにも当あてはまる。さらに、オリジナルのDoomに登録とうろくされている音楽おんがく、およびオーバーワールドのグラフィックス（ギーガー風ふうの死しと地獄じごくのシーンが描写びょうしゃされている）と変更へんこうされていないマップ（E1M6からE4M9）はそのまま残のこされ、WADファイル編集へんしゅうの知識ちしきがあれば誰だれでも登録とうろく済ずみのDoom（具体ぐたい的てきにはThe Ultimate Doom）の独自どくじのコピーを作成さくせいできるようになっている。

評価ひょうか・反響はんきょう

リリース時じにはゲームはゲーマーから大だい好評こうひょうだった。さまざまな年齢ねんれい層そうの消費しょうひ者しゃから熱烈ねつれつな反応はんのうがあり、続編ぞくへんの開発かいはつを求もとめる声こえが多おおかった。Chexシリアルの法人ほうじん向むけ売上うりあげ高だかは前年ぜんねん同期どうき比ひ295%、シェア48%増ぞうと大幅おおはばな伸のびを示しめした。これらの増加ぞうかはChex Questのリリースが直接ちょくせつの原因げんいんであり、ゼネラル・ミルズはプロモーションを「大だい成功せいこう」と評価ひょうかした。プロモーションは6週間しゅうかんしか続つづかなかったものの、ゲームはプロモーション期間きかんを超こえてもプレイされ続つづけ、プロモーションマーケティンググループは、ブランドイメージを「古風こふうでつまらないものから、刺激しげき的てきで楽たのしく現代げんだい的てきなものへ」再さい活性かっせい化かさせたと考かんがえている。

それにもかかわらず、本ほん作さくのゲームメディアからの注目ちゅうもくは低ひくく、否定ひてい的てきなものになる傾向けいこうがあった。本ほん作さくの前身ぜんしん（Doom）や当時とうじの他ほかの類似るいじゲームとの比較ひかくでは、「Doomクローン」と軽蔑けいべつ的てきに呼よばれたChex Questにとっては不利ふりなことが多おおく、ゲームはほとんどまたはまったく革新かくしんがない模倣もほう品ひんと見みなされた。著名ちょめいな穀物こくもつ学者がくしゃスコット・ブルースは、そのような軽薄けいはくな目的もくてきのためにChexシリアルの新あたらしいマスコットを発明はつめいするというゼネラル・ミルズの決定けっていを批判ひはんし、製品せいひんを販売はんばいするのに十分じゅうぶんな説得せっとく力りょくがないとしてChex戦士せんしをはねつけた。

現代げんだいでは、Chex Questは非常ひじょうに革新かくしん的てきであり 、既存きそん作品さくひんにライセンス改造かいぞうを施ほどこして商品しょうひんを挿入そうにゅうするという先駆せんく的てきな取とり組くみを行おこなったと考かんがえられている。少すくなくとも500万まん本ほんがリリースされたが、1990年代ねんだい半なかばにはコレクターの間あいだでオリジナルのCDの価値かちが高たかいと指摘してきされていたため、流通りゅうつう市場いちばでは珍めずらしい存在そんざいになっている。ゲームはかなりのカルト的てき人気にんきを引ひき寄よせ、そのファン層そうはリリースから時代じだいが経過けいかしたにもかかわらずゲームを愛あいし続つづけていることに批評ひひょう家かの間あいだで注目ちゅうもくされている。しかしながら、他たの批評ひひょう家かは本ほん作さくをDoomのクローンとしても酷ひどいとみなしている。

続編ぞくへん

Chex Quest 2: Flemoids Take Chextropolis

DigitalCaféの1997年ねんの続編ぞくへん『Chex Quest 2：Flemoids Take Chextropolis』は、ゲーマーがChex Questホームページから無料むりょうでダウンロードできるようになっている。オリジナルのゲームよりもさらに厳きびしいスケジュールで開発かいはつされたChex Quest 2は、完成かんせいを急いそいだ結果けっか、ステージデザインと進行しんこうが著いちじるしく損そこなわれた。そこでゲームのWADファイルのステージや更新こうしんを個別こべつに掲載けいさいして会社かいしゃのwebサイトにアクセスを集あつめる計画けいかくを立たて、三さん作さく目めを示唆しさするエンドシーケンスが閲覧えつらん可能かのうにした。シリーズ三さん作さく目めが開発かいはつされる前まえにプロモーションは終了しゅうりょうし、オリジナルのChex QuestとChex Quest 2の両方りょうほうは、数すう年ねん後ごにインターネットファンページにダウンロードできるように投稿とうこうされるまで、実質じっしつ的てきに入手にゅうしゅできなくなった。シリーズ三さん作さく目めとしてファンの手てで完成かんせいされたファンゲームも数多かずおおく存在そんざいした。ただし、オリジナルの2つのゲームの正規せいき性せいを主張しゅちょうして2番目ばんめの続編ぞくへんが作成さくせいされるまでにほぼ10年ねんが経過けいかしていた。

この続編ぞくへんのプロットでは、Chex戦士せんしが故郷こきょうの惑星わくせいに戻もどってChexシティに着陸ちゃくりくすると、フレモイドの脅威きょういが故郷こきょうに到達とうたつしていたことを発見はっけんした。そこで、プレイヤーは地上ちじょうの宇宙うちゅう港こう、映画えいが館かん（無限むげんループする3本ほんの動画どうがが映うつされている）、博物館はくぶつかん、エポニムの都市とし（Chextropolis）で戦おののいつつ通とおり過すぎて下水道げすいどうにたどり着つき、「The Maximus」という名前なまえのラスボスと対峙たいじする。

Chex Quest 3

2008年ねん、Chex Quest 3は、元もとデジタルカフェのメンバーであるCharles Jacobi（アートディレクター兼けんリードアーティスト）とスコット・ホルマン（プログラマー）によってファンへのサービスとして開発かいはつされ、リリースされた。元もとDigitalCaféサウンドデザインリーダーのアンドリュー・ベンソンも、ゲームにいくつかの曲きょくを提供ていきょうしている。当初とうしょは単一たんいつのスタンドアロンのステージとして意図いとされていたが、Jacobiは2008年ねん6月がつにChex Questのファンページ（Chexquest.org）で完全かんぜんな続編ぞくへんの開発かいはつを発表はっぴょうし、同年どうねんの9月がつに本編ほんぺんがリリースされた。Chex Quest 3はZDoomソース移植いしょくを採用さいようしており、前ぜん2作さくに比くらべてサイズがかなり大おおきくなっている。Jacobiがリリースした『Chex Quest 3』には、ZDoomベース版ばんのChex QuestとChex Quest 2も含ふくまれており、大幅おおはばな機能きのう強化きょうかと指摘してきされていた問題もんだい点てんが修正しゅうせいされている。特とくにChex Quest 2はリマスターされ、一部いちぶのステージは大幅おおはばに改訂かいていされたか、完全かんぜんにオーバーホールされた。Charles Jacobiは、特とくに「The Ultimate Chex Quest」のようなファンが作つくったプロジェクトを通つうじたファンの称賛しょうさんと賛辞さんじがこのプロジェクトを完了かんりょうするためのインスピレーションになったと述のべている。

この続編ぞくへんのプロットは、最初さいしょの2つのChex Questゲームの出来事できごとの10年ねん後ごが舞台ぶたいであり、フレモイドによる惑星わくせいラルストンの侵略しんりゃくが描えがかれている。ストーリーの幅はばがはるかに大おおきなスケールになり、前作ぜんさくよりも一見いっけん残酷ざんこくなシナリオになっている。後者こうしゃはJacobiが最初さいしょの2作さくよりも「大おおきく感かんじてほしかった」だけであり、意図いと的てきではないと否定ひていした。

続編ぞくへんの可能かのう性せい・リメイク

Kickstarterで資金しきん提供ていきょうによる正規せいきのChex Quest 4の可能かのう性せいに関かんするインタビューの質問しつもんに対たいして、Jacobiはフランチャイズはゼネラル・ミルズが所有しょゆうしているため、資金しきん提供ていきょうされたプロジェクトは著作ちょさく権けんおよび商標しょうひょう法ほうに違反いはんする可能かのう性せいが高たかいと指摘してきしたが、愛好あいこう家かによって作成さくせいされたブランドを中傷ちゅうしょうしないModを自由じゆうに配布はいふすることは、おそらく言論げんろんの自由じゆうとして保護ほごされるだろうと述のべている。

2016年ねん、Jacobiはゼネラル・ミルズの許可きょかを得えて、オリジナルゲームの高こう解像度かいぞうどリメイク『Chex Quest HD』をUnreal Engine 4を使用しようして開発かいはつ中ちゅうであることを明あきらかにした。リメイクの予告編よこくへんが2019年ねん2月がつに公開こうかいされた。オリジナルのゲームと同様どうように、5つのステージを収録しゅうろくしており、無料むりょうで公開こうかいされる。このリメイクは2020年ねん5月がつ18日にちに公開こうかいされ、Steamから入手にゅうしゅできる。

ファン層そう

大だい企業きぎょうによるオリジナルクリエイターの購入こうにゅう後ごのゲームの法的ほうてき権利けんりに関かんして、Chex Questと『ゴールデンアイ 007』間あいだの類似るいじ点てんがファンによって引ひき出だされた。これらの企業きぎょうイベントにより、後ごの公式こうしきの続編ぞくへんの可能かのう性せいはかなり不ふ確実かくじつになっている。 ただし、『ゴールデンアイ 007』と同様どうように、Chex Questには熱心ねっしんなカルト的てきファン層そうがいて、リリースから20年ねん経たった今いまでもファンアートや新あたらしいWADファイル、さらには完全かんぜんな続編ぞくへんが制作せいさくされ続つづけている。この事実じじつは、PCゲームがコミュニティのイノベーションを促進そくしんしサポートする能力のうりょくを強調きょうちょうするために用もちいられてきている。

本ほん作さくは1996年ねんにシリアルのおまけとして登場とうじょうして以来いらい、熱心ねっしんなファン層そうを獲得かくとくしている。Chexシリアルのファン層そうは『Doom』シリーズのファン層そうと重複じゅうふくしており、活発かっぱつなChex Questファンコミュニティは、ファンが作つくった非ひ正史せいしの続編ぞくへんを数多かずおおく生うみ出だし、Chex TrekシリーズやZorchmatch modを含ふくむ数すう多おおくの非公式ひこうしきプロジェクトが行おこなわれている。その他たにも、ファンが作成さくせいした『Chex Quest 3』と『Chex Quest 4』、そして『Return of the Chex Warrior』『Chex Quest Project Z』および『the Chex Quest platformer』のような.wadやGame Makerの続編ぞくへんなどがファンコミュニティ内ないで間違まちがいなく人気にんきを博はくしている。オリジナルのDoomエンジンも含ふくめ、ほぼすべての主要しゅようなDoomソース移植いしょく用ように設計せっけいされたファン制作せいさくのChex QuestのWADがある。

外部がいぶリンク

• チャックトロポリス -チャールズ・ヤコビの「Chex Quest」ウェブページ
• Chex Quest HD Steam販売はんばいページ